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点群からの3Dモデル自動生成による建設業での検査工程の効率化

 点群からの3Dモデル自動生成による建設業での検査工程の効率化

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June 08, 2025
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  1. copyright©2023 DataLabs, Inc. all rights reserved. 
 1 中野 嵩士


    DataLabs, Inc. 2025 
 点群からの 3Dモデル自動生成による 建設業での検査工程の効率化
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 2 内容 •

    Datalabsについて • 土木・建築分野における3Dデータの活用 • 3Dスキャンの手法 • 3Dモデルを用いた配筋検査 ◦ 精度検証と省力化効果 • 3Dモデルを用いた3Dインフラ補修 ◦ 精度検証と省力化効果 • まとめ
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 3 DataLabsについて •

    Mission ◦ 3次元データで建設業を変革する 草野測器社が福島ロボットテストフィールドで取得 点群データ メッシュデータ
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 4 研究開発体制 CTO:佐藤

    大輔 博士(理論物理) 略歴: • 京都大学で博士号を取得 • 海外で5年間ポスドクとして理論物 理の研究に従事 • AIベンチャーArithmerにてCTOとし て研究開発・受託開発(分野は画像 認識・3Dデータ処理・機械学習・ロ ボティクス)に従事 役割:製品開発を統括 CRO:中野 嵩士 博士(理論物理) 略歴: • 京都大学で博士号を取得 • エンジニアリングコンサルティング会 社にて流体・粉体解析に従事 • AIベンチャーArithmerにて3Dデータ・ 流体解析へのAI応用に関する研究開 発に従事 • 医療AIベンチャーAMIにて開発や開 発体制の構築に従事 役割:研究開発を統括 顧問:大竹 豊 先生 博士(コンピュータ理工学) • 東京大学 教授 • 3Dモデリング技術の権威 • 役割:研究開発に対する助言 リサーチエンジニア 4名(業務委託2名を含む) - 全員が博士号を所持(応用数学・理論物理・計量経済学) 弊社の技術は、以下のような高度人材からなる研究開発体制によって支えられている。
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 5 研究開発体制 リサーチエンジニア

    - 全員が数理系分野の博士号を所持 Xavier Fontaine 博士(計量経済学) 略歴: • フランスのParis school of Economicsで博士号 を取得 • フランスの大手銀行 BNP Paribasおよび日本のAI スタートアップZEALSで AI・データ分析関連の研 究開発業務に従事 Alexis Le Chapelain 博士(計量経済学) 略歴: • フランスのSciences Poで 博士号を取得 • LinkedIn、ルノー、フラン スの大手放送局TF1でAI 関連の研究開発業務に従 事 上坂 正晃 博士(応用数学) 略歴: • 東京大学で博士号を取得 • 東大数理・北大電子研に て特任准教授・助教として 応用数学の研究に従事 • AIベンチャーArithmerにて 画像および動画解析・流体 シミュレーションに関する 研究開発に従事 八登 浩紀 博士(流体力学) 略歴: • 京都大学で博士号を取得 • 流体ソフトウェアベンダーク レイドルにて流体シミュレー ションソフトの開発に従事 • BrainPad・AIベンチャー Arithmerにて画像および動 画解析・流体シミュレーショ ンに関する研究開発に従事
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 7 概要 土木・建築分野

    における3Dデータを活用した効率化の取り組みを紹介します. 主に点群データから生成した 3Dモデルを用いた検査の効率化 について紹介します。 検査対象の例 点群データとそれをもとに作成した 3Dモデル
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 9 土木・建築分野における3Dデータの活用 3D

    データを活用した効率化全般 • 「3次元計測技術を用いた出来形管理の監督・検査要領 (土工(1,000m3 未満)・床堀工・小規模土工・法面整形工編 )(案)」令和7年3月 • 「3次元計測技術を用いた出来形管理の監督・検査要領 (構造物工(橋脚・橋台)編)(案)」令和7年3月 鉄筋出来形計測に関して • 土木現場:「デジタルデータを活用した鉄筋出来形計測の実施要領 (案)」令和5年7月 • 建築現場:「官庁営繕事業の建設現場におけるデジタルデータを活用した配筋検査試行要領」令和 5年3月 土木・建築分野において,現場を含めた業務効率化のための 3Dデータ活用が推進されている. 例えば、出来形管理における 3Dデータ活用については,国土交通省から各種要領が公開されている。 引用元:「デジタルデータを活用した 鉄筋出来形計測の実施要領 (案)」令和5年7月
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 10 土木・建築分野における3Dデータの活用 i-Construction

    2.0 • 国土交通省が公表している i-Construction 2.0では, 建設現場のオートメーション化の実現を目指して ,以 下に取り組むことが明記されている . ◦ 「施工のオートメーション化」 ◦ 「データ連携のオートメーション化」 ◦ 「施工管理のオートメーション化」 • 特に「施 工管理のオートメーション化 」においてはデ ジタルデータを活用した配筋検査の省力化 が主な 取組みとして紹介されている . 引用元:i-Construction 2.0 ~建設現場のオートメーション化~ , https://www.mlit.go.jp/tec/constplan/content/001738240.pdf
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 11 土木・建築分野における3Dデータの活用 写真枚数が多い

    メジャーによる手動測定 検査に人手や時間がかかる 写真枚数の削減 3Dデータを用いた自動測定 検査に必要な人手・時間の削減 3Dデータの活用
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 12 点群 メッシュ

    3Dモデル BIM 土木・建築分野における3Dデータの表現方法 • 点同士のつながりの情報を 持つ • 物体表面の形状を表現 • 点の集合 • BIMソフトウェアで 扱 える 共通フォーマット • パラメトリックモデル ◦ 立体の種類 ◦ 少数のパラメータ
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 13 点群 測定機器から出力される

    生の3Dデータは点群形式が多い 実際の点群データ。 ノイズが含まれていることが見て取れる。 実際のアプリケーションで点群データをそのまま使うことは難しいことが多い。 (x i , y i , z i ) (r, g, b) 計測誤差がノイズとして含まれている 3次元空間内の点の集合 構造化されていない 広域・高品質のものは ファイルサイズが大きく、使いにくい • 典型的なサイズ:数GB ~ 数十GB • 特にサーバとの通信が必須な ウェブサービスとは相性が悪い
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 14 3Dモデル(パラメトリックモデル) パラメトリックモデル

    • 少数のパラメータで表現された オブジェクトの集まり • 幾何学的な計算を行いやすい (2つの円柱の中心間の距離、など) • BIMモデルに変換しやすい ファイルサイズが小さく、扱いやすい 幾何学的な情報だけなら、 オブジェクト1つあたり数百B〜数十KB D L 点群から3Dモデル(パラメトリックモデル)へ変換を行うことで、 アプリケーションに容易に利用できるようになる。 (適切に処理することで) ノイズの影響を軽減できる 点群 パラメトリックモデル 弊社では点群から 3Dモデルを生成する部分をコア技術として製品を提供しています。
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 15 BIMについて 引用:BIMと3D

    CADとの違い, https://www.cadjapan.com/special/bim-navi/know/difference.html 引用:BIMとは | BIM design 建築向け | Autodesk, https://bim-design.com/bim-dx/bim/01-about-bim/ 幾何学形状だけでなく、属性情報を保持する • 市販のBIMソフトウェアなどを用いて、形状の変更が可能 • BIMソフトウェアに応じてフォーマットなどが異なることもある。 • どのソフトウェアでも読み込みするには、 IFCなどの標準フォーマットが必要
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 16 土木・建築分野における3Dスキャン 代表的なデバイス

    iPad 地上型レーザースキャナー ハンディスキャナー Leica BLK360 G2: https://leica-geosystems.com/ja-jp/products/laser-scanners/scanners /blk360 FARO® Leap ST®ハンディ3Dスキャナー : https://www.faro.com/ja-JP/Products/Hardware/FAR O-Leap-ST 近年は特に iPad / iPhone (Pro)を使って,手軽かつ高精度に 3D点群を取得できるようになってきている。
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 17 3Dスキャンの手法 フォトグラメトリ

    LiDAR NeRF/3D Gaussian Splatting 複数の2D画像から3Dデータを作る レーザーを飛ばして、3Dデータを作る NeRF : 場所と視点から色と密度を出力する ニューラルネットワークから 3Dデータを作る 3DGS : 点ではなく、楕円体形状の分布として表現
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 18 iPad /

    iPhoneのLiDAR ARKitなどからdepthデータなどを取得できる。 わかりやすい資料: https://speakerdeck.com/miyanegi/ipadnolidarwotukatutemita
 走査方法:フラッシュ方式 新型iPad ProのLiDAR部を分析 ソニーの新型 Aセンサーを活用 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01267/00043/
 An Overview of Lidar Imaging Systems for Autonomous Vehicles https://www.mdpi.com/2076-3417/9/19/4093 (特集) 車載LiDARの技術動向 ~種類・方式の特徴と全体像~ https://atx-research.co.jp/2021/02/27/lidar-technology/#iPhone%E3%81%A7%E3%82%82%E6%8E%A1%E7%94%A8% E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%80%8C3D%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A 5LiDAR%E3%80%8D パルス信号が往復に要する時間を直接測定し、距離を推定 デジタル撮像のように2次元アレイ状のレーザーを 
 拡散照射することによって3Dイメージを撮像 計測方法:dToF https://www.apple.com/jp/ipad-pro/specs/
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 19 iPad /

    iPhoneのLiDAR 5m以下 … … … … … 照射距離
 自己位置推定 
 照射密度
 Advanced Scene Understanding in AR https://developer.apple.com/videos/play/tech-talks/609/ 新iPad Proの「LiDAR」を分析、SPADセンサーとDOEで実現 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/ne/18/00007/00117/ ARKitではVIO(visual-inertial odometry) を利用 (iOSデバイスのモーションセンサー情報 +カメラ画像の組み合わせ) ドットの数は多くはない (9✕64ドット) 「11インチiPad Pro」のLiDARスキャナーを分解 https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2006/09/news059_3.html 12.9インチ iPad Pro 2020の分解: LiDARスキャナーは実際に どのように見えるのでしょうか? https://www.youtube.com/watch?v=xz6CExnGw9w&t=1s Understanding World Tracking https://developer.apple.com/documentation/arkit/configur ation_objects/understanding_world_tracking
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 20 3Dスキャンアプリの種類と使用技術 フォトグラメトリ

    
 LiDAR 
 NeRF
 Scaniverse SiteScape PIX4Dcatch PIX4Dcloud Luma AI Polycam フォトグラメトリ+LiDAR 
 Metascan WIDAR RealityScan 3D Scanner App 参考: 3Dスキャンアプリ(一部)の分類については、以下の記事を参考にしています。 • 徹底解説!iPhone 3Dスキャンの撮り方全て教えます , https://note.com/iwamah1/n/n1419056b7445 • 【初心者向け】スマホ 3Dスキャンマスターガイド , https://note.com/iwamah1/n/n524ac2f0e6dc Trnio Plus 3DGS
 PIX4Dcatch PIX4Dcloud Scaniverse Polycam Luma AI KIRI Engine
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 22 従来手法/3Dデータを活用した鉄筋出来形計測 従来手法での鉄筋出来形計測

    3Dデータを活用した鉄筋出来形計測 画像:古郡建設株式会社様ご提供 複数人での作業が必要 計測、帳票作成までに 時間がかかる 1人で作業が可能 計測、帳票作成までにかかる 時間を削減可能 点群データから生成した3Dモデルの配筋検査やインフラ補修検測への適用, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsceiii/6/1/6_107/_article/-char/ja

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 23 配筋検査で考慮すべき観点 形状および測定すべき値の複雑さ

    • さまざまな鉄筋の種類や検査項目に対応できるか 外部環境の影響 • 照度などの環境条件に対してロバストに計測できるか 精度 • 鉄筋出来形計測に関する要領で求められる精度を満たしているか ◦ デジタルデータを活用した鉄筋出来形計測の実施要領(案)令和5年7月 ◦ 官庁営繕事業の建設現場におけるデジタルデータを活用した配筋検査試行要領 令和5年3月 ダブル配筋 かぶり厚 鉄筋かご さまざまな鉄筋の組み方の例 検査項目の例
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 24 検証内容 点群データとそれをもとに作成した

    3Dモデル 配筋検査項目(鉄筋間隔の例)の出力 本検証での実証内容 • 柱・梁の鉄筋に対して、点群データを取得し、点群データから 3Dモデルを作成。 • 配筋検査項目である 鉄筋間隔、かぶり厚 の精度を評価。 • 複数の点群測定機器 による比較や照度の条件による比較を評価。
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 26 計測条件:鉄筋模型 •

    建築現場を想定した鉄筋模型(実現場の配筋を模した鉄筋モックアップ(柱、梁))を本実証用に作成した . ◦ 主鉄筋:D29 (鉄筋直径約29mm)またはD25(鉄筋直径約25mm) ◦ 帯筋・あばら筋:D13(鉄筋直径約13mm) 鉄筋モックアップ
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 27 iPad Proの3Dスキャンアプリ

    地上型レーザースキャナー 計測条件:計測デバイス • Leica BLK360 G2: https://leica-geosystems.com/ja-jp/products/laser-scanners/scanners/blk360 • PIX4Dcatch: https://www.pix4d.com/jp/product/pix4dcatch/ • PIX4Dcloud: https://www.pix4d.com/jp/product/pix4dcloud/ • Scaniverse: https://scaniverse.com/ Leica BLK360 G2 PIX4Dcatch + PIX4Dcloud Scaniverse • 点群測定機器(1種類の地上型レーザースキャナーと 2種類の iPad Proを用いた3Dスキャンアプリ)を用いて、作成した鉄筋のモックアップ の点群データを取得した。 三脚に設置し、複数地点から撮影 iPadを用いて、鉄筋の周囲を歩いて撮影
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 28 照明条件 計測条件:撮影条件

    • 2パターン ◦ 照明100%:約200~900ルクス ◦ 照明50%:約50~400ルクス 型枠あり 前方の型枠なし 後方の型枠なし 型枠条件 3パターン
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 29 3D配筋検査システム「Modely」 3D配筋検査システム「

    Modely」を用いて検証 • https://www.datalabs.jp/modely • iPad Proや地上型レーザースキャナーなどを用いて取得した点群データを 3Dモデルに変換することで、配筋検査における検査項目 (鉄筋 本数や鉄筋間隔等の値 )の実測値を自動で帳票化することが可能な Web アプリケーション。 • NETIS登録番号 CB-230008-VE: https://www.netis.mlit.go.jp/netis/pubsearch/details?regNo=CB-230008%20 • 令和5年度インフラDX大賞においてスタートアップ奨励賞受賞: https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001047.html Modely HPより抜粋 ダブル配筋 かぶり厚 鉄筋かご
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 30 Modelyの将来像 「新しい配筋検査の形を確立する」

    点群から生成した3Dモデルをベースに,自動作成した 3次元モデルとCIMデータを全面的に活用することで,配筋検 査の完全自動化及び検査以降の維持管理等の業務へのデータ適用を可能とし, i-Construction 2.0が目指す省人 化を実現していくことを目指している .
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 31 計測条件:実測方法・検証方法 3Dモデル生成

    鉄筋間隔 (3Dモデルを自動モデル化した際に自動計算) 設計値入力 帳票作成 鉄筋を抽出する領域を指定 • 実測方法:メジャーを用いた従来方法の計測と同様に行う。 • 検証方法 ◦ Modelyにおいて、アップロードした点群から 3Dモデルを生成する。(鉄筋径は事前に指定) ◦ 生成した3Dモデルについて、帳票出力を行う鉄筋を選択し、帳票作成を行う。 ◦ 3Dモデルの精度は、帯筋・あばら筋の鉄筋間隔・かぶり厚について検証を行った。 ▪ 鉄筋間隔は、100~200程度、かぶり厚は、10~30程度の測点を比較した。
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 32 結果:3Dモデルの鉄筋間隔・かぶり厚 BLK360

    G2、PIX4Dcatch+PIX4Dcloud、Scaniverseいずれも、(φは鉄筋径) • 鉄筋間隔の相対誤差: 0.3 φ 以内 • かぶり厚の相対誤差: 0.6 φ 以内 BLK360 G2 Pix4D Scaniverse 鉄筋間隔の 相対誤差の分布 かぶり厚の 相対誤差の分布
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 33 結果:照明条件での比較 •

    照明による差異はほとんどない。 • 本実証での照明条件での照度は約 50〜1000ルクス ◦ →労働安全衛生規則(照度)第六百四条の「普通の作業に必要な照度 (150ルクス以上)」を十分満たしている。 ◦ 労働安全衛生規則 (照度)第六百四条: https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=347M50002000032 BLK360 G2 Pix4D Scaniverse 鉄筋間隔 かぶり厚 full, half はそれぞれ「照明100%」、「照明50%」の条件に対応する。
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 34 写真ベースによる配筋検査との比較 点群ベース(

    Modely) 写真ベース 現場施工性 撮影デバイス iPad Pro ,iPhone Proで可能 地上型レーザースキャナー,ハンディスキャナーも使 用可能 専用のデバイスが必要な場合がある 撮影範囲 非常に広い 狭い 天候の影響 ほとんど影響を受けない 受ける可能性がある 足場の影響 足場があっても撮影可能 足場があると撮影が難しいことがある 汎用性 鉄筋籠の検査 可能 対応できないことがある ダブル配筋や過密配筋の検査 可能 対応できないことがある かぶり厚の検査 可能 対応できないことがある 写真管理 写真管理 写真管理不要 ただし,写真管理を求められる場合, 二重管理となる 写真管理不要 従来通りの写真管理も可能 3Dモデルの出力 可能 不可の場合がある
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 35 従来との比較(作業時間など) 国土交通省中部地方整備局「令和

    4年度現場ニーズ と技術シーズのマッチング」点群データの自動モデル化による配筋 検査効率化技術 現場試行結果, https://www.cbr.mlit.go.jp/architecture/netis/matching/siryou/230329_01.pdf 従来と比較して、約 8割の作業時間の削減
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 36 配筋検査におけるBIMの活用 作成したBIM/CIMモデルをModelyにインポートし活用する

    Modelyで作成した3DモデルをIFC出力し活用する →BIM/CIMモデルを、検査において取得した点群や点群から作成した 3D モデルと直接重ね合わせて比較する ことができる →施工後の配筋の 3DモデルをIFC出力することで、施 工後のデータとして管理する ことができる インポートしたIFC(白色) + 点群 インポートしたIFC(白色) + 3Dモデル (鉄筋:赤色、型枠:青色) エクスポートしたIFC
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 38 従来手法/3Dデータを活用した断面修復工における出来形管理 従来手法

    での断面修復工における出来形管理 3Dデータを活用した断面修復工における出来形管理 複数人での作業が必要 計測、帳票作成までに 時間がかかる 1人で作業が可能 計測、帳票作成までにかかる 時間を削減可能
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 39 かぶり厚とはつり深さについて C:はつり深さ

    B:天端~鉄筋 A:底板~鉄筋 計測データ数204 =撮影条件12パターン×計測点数17 計測データ数168 =撮影条件12パターン×計測点数14 計測データ数48 =撮影条件12パターン×計測点数4 • 対象物の底板から鉄筋まで(裏かぶり厚) • 天端から鉄筋まで(表かぶり厚) • はつり深さ(対象物の天端から底板まで) 鉄筋 はつり面 仕上がり面
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 40 検証内容 点群データ

    本検証での実証内容 • 断面修復工を想定した鉄筋模型の点群データを取得し、点群データから 3Dモデルを作成 • はつり工事の検査項目である 体積,はつり深さ,かぶり厚 (表かぶり厚,裏かぶり厚 ) の精度を評価 • 照度などの条件による比較を評価 点群データをもとに作成した 3Dモデル
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 41 計測条件:鉄筋模型 上面図

    縦(最上層): D19x7本,D25x1本 横(最下層): D16x6本 鳥瞰図 底面を縦横に2分割,合計4領域に分割 各領域で深さを変えた (下記は平均深さ) (上)正面図 (下)側面図 はつり状態を再現するため 底面にはランダムな凹凸をつけた 領域0 105mm 領域1 115mm 領域2 100mm 領域3 110mm 30mm 横の鉄筋 コンクリートを模擬した発泡スチレ ン 正面 側面 縦 560 mm 横685mm • 対象物として使用した鉄筋模型は、縦 560mm×横685mm。底面部に2層の鉄筋を配置。
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 42 計測条件:計測デバイス・撮影条件 屋外

    地面 壁 廊下 (トンネル内など薄暗い場所を想定) 屋内 上 下 地面 壁 地面 壁 • 点群測定機器(iPad Proを用いた3Dスキャンアプリ)を用いて、作成した鉄筋模型の点群データを取得した . ◦ iPad Proの3Dスキャンアプリ:Scaniverse ▪ https://scaniverse.com/ • 撮影条件 ◦ 全12パターン=天候・照明 3種類(屋内・廊下・屋外)x はつり平面方向2種類(地面・壁) x 対象物方向2種類(上・下)
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 43 3Dインフラ補修システム「Hatsuly」 3Dインフラ補修システム「

    Hatsuly」を用いて検証 • https://hatsuly.datalabs.jp/ • スマホやタブレットで取得した3次元データを利用して、橋梁補修工事における、調査や表面被覆工や剥落防止工の出来形検査、断面修復工 における出来形検査など、インフラ補修における検測を効率化するシステム。 • NETIS登録番号 KK-230066-A: https://www.netis.mlit.go.jp/netis/pubsearch/dtlprint?regNo=KK-230066%20 はつり面積(長さ ×幅)、はつり深さ、体積、鉄筋かぶり厚の算出 任意箇所の面積の計算や、クラックの延長の計測
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 45 結果:3Dモデルにおける体積 mean:平均 

    std:標準偏差  Histogram:ヒストグラム  Normal Distribution:対応する正規分布の密度関数 推定値と実測値の相対誤差 : ±6%以内
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 46 結果:3Dモデルにおける体積 対象物方向

    はつり平面方向 天候・照明 mean:平均  std:標準偏差 屋内 廊下 屋外 上 下 地面 壁 天候・照明 3種類(屋内・廊下・屋外 )、はつり平面方向 2種類(地面・壁)、対象物方向 2種類(上・下)による差は、ほとんどない。
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 47 結果:3Dモデルにおけるかぶり厚及びはつり深さ 平均   

    0.596mm 標準偏差 3.39mm C:はつり深さ B:天端~鉄筋 A:底板~鉄筋 平均 -0.624mm 標準偏差 3.21mm 平均 -0.742mm 標準偏差 2.5mm mean:平均  std:標準偏差  Histogram:ヒストグラム  Normal Distribution:対応する正規分布の密度関数 推定値と実測値の絶対誤差 : ±7mm以内
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 48 結果:3Dモデルにおけるかぶり厚及びはつり深さ(A:底板~鉄筋) 壁

    地面 下 上 mean:平均  std:標準偏差 廊下 屋内 屋外 天候・照明 はつり平面方向 対象物方向 天候・照明 3種類(屋内・廊下・屋外 )、はつり平面方向 2種類(地面・壁)、対象物方向 2種類(上・下)による差は、ほとんどない。
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 49 結果:3Dモデルにおけるかぶり厚及びはつり深さ(B:天端~鉄筋) 壁

    地面 下 上 mean:平均  std:標準偏差 廊下 屋内 屋外 天候・照明 はつり平面方向 対象物方向 天候・照明 3種類(屋内・廊下・屋外 )、はつり平面方向 2種類(地面・壁)、対象物方向 2種類(上・下)による差は、ほとんど無い。
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 50 結果:3Dモデルにおけるかぶり厚及びはつり深さ(C:はつり深さ) 対象物方向

    はつり平面方向 天候・照明 屋内 廊下 屋外 上 下 地面 壁 mean:平均  std:標準偏差 天候・照明 3種類(屋内・廊下・屋外 )、はつり平面方向 2種類(地面・壁)、対象物方向 2種類(上・下)による差は、ほとんど無い。
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 53 まとめ •

    土木・建築分野における3Dデータを活用した効率化の取り組みを紹介しました。 ◦ 主に点群データから生成した 3Dモデルを用いた検査の効率化 について紹介しました。 • 点群データから生成した3Dモデルを用いた配筋検査やインフラ補修の効果について,精度検証と従来方法との比 較を行いました。 ◦ 配筋検査(Modely) ▪ 精度:鉄筋間隔が相対誤差0.3φ以内、かぶり厚が相対誤差0.6φ以内(φは鉄筋径) ▪ 作業時間:約 8 割削減 ◦ インフラ補修(Hatsuly) ▪ 精度:はつり体積 6%以内,はつり 深さ及びかぶり厚 7mm 以内 ▪ 作業時間:約 8.5 割削減