Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Sign up for free
Menu
Search
Features
All features
Private URLs
Password Protection
Custom URLS
Scheduled publishing
Remove Branding
Restrict embedding
Deck Collections
Notes
Features
All features
Private URLs
Password Protection
Custom URLS
Scheduled publishing
Remove Branding
Restrict embedding
Deck Collections
Notes
Explore
Featured decks
Featured speakers
Programming
Technology
Storyboards
Explore
Featured decks
Featured speakers
Programming
Technology
Storyboards
Pricing
Search
Sign in
Sign up for free
P2P通信の標準化 WebRTCを知ろう
Search
Akira Takahashi
July 18, 2025
Technology
3.3k
6
Share
Embed
Copy iframe code
Copy JS code
Copy link
Start on current slide
P2P通信の標準化 WebRTCを知ろう
Akira Takahashi
July 18, 2025
More Decks by Akira Takahashi
See All by Akira Takahashi
C++20 射影変換
faithandbrave
0
910
C++26アップデート 2025-03
faithandbrave
0
2.3k
C++26 エラー性動作
faithandbrave
2
1.3k
C++20の整数
faithandbrave
0
310
コンテナと文字列の中間インタフェースspanとstring_view
faithandbrave
1
680
C++23 スタックトレースライブラリ
faithandbrave
0
650
if constexpr文はテンプレート世界のラムダ式である
faithandbrave
3
1.6k
使いたい標準C++機能がない環境でいかに実装・設計するか
faithandbrave
2
1.3k
C++20からC++23までの変化
faithandbrave
9
12k
Other Decks in Technology
See All in Technology
顧客の成果創出とプロダクトの成長を 両立するためのFDE
sansantech
PRO
0
600
MCPゲートウェイを作って運用してわかったこと — Agent時代の権限管理の現在地
mtpooh
10
2.6k
検証フェーズはAIの回答を判断するための学習機会
toru_kubota
2
220
3人で1000GPU超を統合運用する?マルチクラウド&オンプレを跨ぐ、構築と運用のリアル!
kazukun0716
2
800
Lambda MicroVMsは常駐サーバーの代わりに なるか? Kiro Crew を動かして検証してみた / Kiro Crew on Lambda MicroVMs
k_adachi_01
2
350
【Findyテック文化祭ワークショップ】新卒エンジニア&採用担当と作る、 なりたい姿と今やるべき一歩
dip_tech
PRO
0
150
DORA_Metrics.pdf
wagnerfusca
1
140
SQL Server 2025 最適化されたロック
odashinsuke
0
120
React Nativeでの OTA Updateって、 どう説明する?
ichiki1023
0
130
キャリアLT今日までそして明日から
kentapapa
1
140
AgentCoreで実践するハーネスエンジニアリング
yakumo
1
170
生成AIを使って「人が」考える技術 ― AI時代の人機共想と実践ノウハウ|UNITT AC2026
ishiirikie
0
510
Featured
See All Featured
ピンチをチャンスに:未来をつくるプロダクトロードマップ #pmconf2020
aki_iinuma
128
56k
The untapped power of vector embeddings
frankvandijk
2
1.9k
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
37
6.6k
Designing for Timeless Needs
cassininazir
1
510
Save Time (by Creating Custom Rails Generators)
garrettdimon
PRO
33
5k
From π to Pie charts
rasagy
1
380
実際に使うSQLの書き方 徹底解説 / pgcon21j-tutorial
soudai
PRO
203
76k
Performance Is Good for Brains [We Love Speed 2024]
tammyeverts
12
1.9k
Scaling GitHub
holman
464
140k
Become a Pro
speakerdeck
PRO
31
6.3k
Design of three-dimensional binary manipulators for pick-and-place task avoiding obstacles (IECON2024)
konakalab
0
610
The browser strikes back
jonoalderson
0
1.7k
Transcript
P2P通信の標準化 WebRTCを知ろう 高橋 晶 (Akira Takahashi)
[email protected]
Preferred Networks, Inc.
2025/07/18 (金) C++ MIX #15
WebRTC (Web Real-Time communication) とは • P2P通信の規格・技術・ライブラリ • W3CとIETFで標準化されている •
サーバー経由でクライアント同士の通信をするのではなく、クライアント同士 で直接接続する • サーバー経由で通信すると、遅い、サーバー負荷が高いという問題がある • 基本的にUDPで通信する • ビデオ、オーディオ、データ (テキスト、バイナリ) などを 高速に送受信できる • 昔ながらのP2Pは、Bluetoothやローカルネットワーク内のWi-Fi接続が使われ ていたが、インターネットを介したデバイス間通信が広まっている
WebRTCを使っている主要サービス ビデオ会議・音声チャットの開発に向いている • Google Meet • Zoom • Slack •
Discord • Facebook Messenger • Microsoft Teams • Steamリモートプレイ • DJIドローン (遠くまで飛ばすのでBluetoothではないらしい)
P2P通信の一番の課題 • P2Pで一番むずかしいのは「接続 (NAT越え)」 • 異なるプライベートネットワークの人同士を接続する際には、 ルーターやファイアウォールを突破しないといけない • WebRTCでは、相手と接続するために、2種類のサーバーを使用する •
STUNサーバー • TURNサーバー
STUNサーバー • UDPで接続して、P2P接続できそうな自分の グローバルIP・ポート番号のリストを返してくれる • クライアント同士は、offer側とanswer側に分かれ、 STUNサーバーからもらった接続できそうなIP・ポートリストを、 接続できそうな順に接続を試みていく • Googleが無料のSTUNサーバーを公開してくれている
TURNサーバー • P2P接続がむずかしい場合 (NAT越えできない場合) に使われるサーバー • 使わないという選択もできる • すべての通信をTURNサーバー経由で相手に送る •
すべての通信を中継するので負荷がとても高い • 無料のTURNサーバーはないので、自分でTURNプロトコルをサポートするサーバーを 立てる必要がある • coTurnなど、オープンソースになっているTURNサーバーを実行する • WebRTCの設定で、複数のTURNサーバーを指定できて自動で分散してくれる • 異なるTURNサーバーを使っている同士でも通信できる • TURNサーバー経由でも接続できない場合はある
NAT越えができないケース • 対称NAT (Symmetric NAT) が使われている • 宛先ごとに外部ポート番号が割り当てられる • 多段NAT
• 家庭用ルーター -> 上位ルーターのように複数段になっている場合 • 最も外側のアドレスしかわからないので無理 • UDP通信がブロックされている • プロキシ経由の通信 • 環境としては、 • 職場、学校、寮、ホテル、公共Wi-FiなどでNAT越えできないことが多い
使用するポートの共通化 • 使用するポート数が多いとそれだけ接続がむずかしくなる • WebRTCではポート番号をひとつだけ使い、 複数ストリームでの通信でもポートを共有する
通信データ • 基本的にUDPで通信するので、パケットロスが起こる可能性がある • TCP • 順序保証あり • 自動再送信する (パケットロスなし)
• UDP • 順序保証なし • 自動再送信しない (パケットロスする) • WebRTCでは、UDP通信でもTCPと同等の保証をオプションでつけられ る • データごとにいつでも切り替えられる • ゲーム用途だと消えてもいいデータ、消えると困るデータ両方があるので便利
WebRTCの実装 • Googleがオープンソースで、C++実装とJavaScript実装 (ブラウザ用) を公開している • ゲーム用途ならUnity社がcom.unity.webrtcというC#ラッパーを公開し ている • 非同期をawaitで書けるようにしたくらいのラップ
WebRTC (C++) の例 – Offer側 auto pc = CreatePeerConnection(factory, config);
pc->CreateOffer(CreateSessionDescObserver::Create([pc](auto* desc){ pc->SetLocalDescription(SetDescObserver::Create(), desc); std::string sdp; desc->ToString(&sdp); // sdpを相手に送る }), PeerConnectionInterface::RTCOfferAnswerOptions()); • WebRTCでの接続は、Offer側とAnswer側に分かれる • Offer側で作られたSDPという形式の文字列を、サーバーなどを介して Answer側に伝え、それをアドレス代わりにして接続する
WebRTC (C++) の例 – Answer側 auto pc = CreatePeerConnection(factory, config);
// offer側が作ったsdp文字列を受け取る auto desc = CreateSessionDescription("offer", sdp); pc->SetRemoteDescription(SetDescObserver::Create(), desc); pc->CreateAnswer(CreateSessionDescObserver::Create([pc](auto* desc){ pc->SetLocalDescription(SetDescObserver::Create(), desc); }), PeerConnectionInterface::RTCOfferAnswerOptions()); • このあとにIce Candidateと呼ばれるプロトコル・IPアドレス・ポート 番号の組み合わせの交換が行われ、接続できそうな組み合わせが順に 試行されて、接続される
Google独自のビルドシステム • WebRTC (C++) を自分でビルドするのはわりとたいへん • 独自のビルドスクリプトGN (Generate Ninja) •
CMakeは未サポート • GNは.ninjaファイルを生成してくれる手続き型っぽい言語 • 独自のパッケージマネージャDepot Tools (gclient) • 時雨堂が各PC・スマートフォンプラットフォーム向けに ビルドバイナリを提供してくれている • https://github.com/shiguredo-webrtc-build/webrtc-build • それ以外の環境向けにはビルドをがんばらないといけない (一部の機能を無効にしたりとかも)
じつは昔からWebRTCっぽいP2P通信は行われていた • WebRTCではないが、STUN / TURNサーバーというアイディアは 以前から使われていた • 「モンスターストライクのリアルタイム通信を支える技術 - logmi」
• https://logmi.jp/main/technology/321751 • Skype • 独自プロトコルのSTUNサーバーっぽいものを使っていた • WebRTCライブラリを使わずに、STUNサーバーだけを使うこともでき る (UDPでSTUNプロトコルに従って通信すればよい) • WebRTC / STUN / TURN規格ができたことで、P2P接続を独自で がんばらなくてもよくなった
まとめ • WebRTCは、P2P通信の規格・技術・ライブラリです • P2P通信で一番むずかしい接続の部分をがんばってくれます • これまで独自でがんばっていた部分が標準化されました • P2P接続できない場合のフォールバックとしてサーバー経由の通信も用意されています •
動画やその他データ配信の便利・安全な機能がついています • QUICベースの新しい規格の策定も進められています • WebTransport、Media over QUIC Transport (MOQT) • 時雨堂が入門資料を書いてくれてたりするので、 よりくわしい情報はそちらを見てください • 時雨堂 WebRTC 入門 (講師資料) v2024-02 • https://gist.github.com/voluntas/b67af408b8950b568e750918920016d8 • WebRTC Meetupというイベントも東京 (品川) で開催されています