Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

freee が目指す データ マネジメント戦略 AI-Ready 時代を支える 攻めのガバナンスとは

freee が目指す データ マネジメント戦略 AI-Ready 時代を支える 攻めのガバナンスとは

2026/7/30・31に開催された「Google Cloud Next Tokyo」にて、データマネジメントチーム マネージャーの西 朋里、法務部の平石 平とデータエンジニアの亀田量英が登壇した際の資料です。

Avatar for freee

freee PRO

August 03, 2026

More Decks by freee

Other Decks in Programming

Transcript

  1. 西 朋里 CDO室 データ部 データマネジメントチーム マネージャー Google Cloud Next Tokyo

    ※画像の置換方法 グレーボックスを選択し、 右ク リックで「画像を置換」 を選択 し、配置したい画像に差し替え てください。本テキストは削除し てください。 Proprietary
  2. 私たちの事業について その他サービス 統合型クラウド会計ソフト 統合型クラウド人事労務ソフト 統合型クラウド販売管理ソフト 2013 年 3 月~ 2014

    年 10 月~ 2022 年 11 月~ 日本のクラウド 会計ソフト市場 シェア No.1(2) スモールビジネスの 人事管理市場において 売上金額シェア No.1(3) 【国内初】 クラウド会計ソフトと 一体型で使える 販売管理サービス 請求書 経費精算 決算書 予実管理 ワークフロー 内部統制 注: Google Cloud Next Tokyo 勤怠管理 入退社管理 給与計算 年末調整 マイナンバー 管理 支出管理 福利厚生 人事労務 申告書作成 工数管理・労務費管理 見積・発注・請求 法人手続き クレジットカード 開業手続き 電子契約 1. クラウドサービス:ソフトウェアやハードウェアを所有することなく、ユーザーがインターネットを経由して IT システムにアクセスを行えるサービス 2. リードプラス「キーワードからひも解く業界分析シリーズ:クラウド会計ソフト編」(2022 年 8 月) 3. 「freee人事労務」は ITR が今年調査発行した「ITR MARKET VIEW:人事・給与・就業管理市場2022」の人事管理市場において、従業員 100 人未満および従業員 100~300 人未満の企業で売上金額シェア No.1(2020 年度)を獲得しています。 Proprietary
  3. 本日お話ししたいこと 1. freee のデータ プラットフォーム、データ マネジメント戦略の紹介 2. 法務から見た AI-Ready 時代におけるデータ

    プラットフォームの重要性 3. Google Cloud で実現するアクセス コントロールの実装例 Google Cloud Next Tokyo Proprietary
  4. freee のデータ・ AI 活用ニーズ プロダクト データ お客様との接点、属 性、商談 データ フリーの経営資源

    (人、物、金) Google Cloud Next Tokyo データ プラットフォーム 分析・レポート セールス・マーケティング データ / AI プロダクト DX / オペレーション サクセス / サポート Proprietary
  5. freee のデータ・ AI 活用ニーズ 分析・レポート プロダクト データ マイクロ サービス DB

    Up to 70 お客様との接点、属 性、商談 データ フリーの経営資源 (人、物、金) Google Cloud Next Tokyo テーブル数 Up to 15k データ プラットフォーム クエリ実行数 800k / Month データ / AI プロダクト セールス・マーケティング 利用ユーザー 1000 UU / Month DX / オペレーション サクセス / サポート Proprietary
  6. 多様なニーズに答えるデータ プラットフォーム ハブ & スポーク型のデータメッシュ アーキテクチャを採用 多様なデータ、利用ニーズに応えるプラットフォームを Google Cloud で実現

    DWH 環境 BigQuery プロダクト データ基盤 BigQuery エンジニア プロダクト データ ビジネスデータ基盤 BigQuery データハブ BigQuery Sharing データ分析環境 BigQuery アナリスト お客様との接点、属 性、商談 データ 社内 データ基盤 広告分析環境 BigQuery BigQuery マーケター フリーの経営資源 Google Cloud Next Tokyo Proprietary
  7. freee が抱えるデータ利活用の課題 多様なデータ統合・提供を実現するからこそたくさんの課題を抱える プロダクト データ基盤 DWH環境 エンジニア プロダクト データ お客様との接点、属

    性、商談 データ 機微情報の閲覧をどのように制御するか データ品質をどのように担保するのか ビジネスデータ基盤 データの定義・意味(メタデータ)の提供 などなど... 社内 データ基盤 データ分析環境 アナリスト マーケ分析環境 マーケター フリーの経営資源 Google Cloud Next Tokyo Proprietary
  8. freee のデータ マネジメント戦略 データ探索の課題 メタデータ、リネージュの提供 必要なデータの所在、属性が不明 SSoT のメタデータ基盤の構築 データ品質の課題 オブザーバビリティの導入

    信頼できるデータを提供しているか Knowledge Catalog を使った品質チェック 測定基盤の導入 データ ガバナンスの課題 アクセス コントロールの実施 機微情報へのアクセスの統制 ユーザに合わせたデータアクセスの統制 本日お話するテーマ Google Cloud Next Tokyo Proprietary
  9. アクセス コントロールの概要 職種(ロール)によって閲覧できるデータを動的に制御する取り組みを実施 生データの閲覧が可能 エンジニア プロダクト データ モデリングされた データの閲覧が可能 アナリスト

    お客様との接点、属 性、商談 データ データ プラット フォーム 広告データの閲覧が可能 マーケター フリーの経営資源 Google Cloud Next Tokyo Proprietary
  10. アクセス コントロールの概要 職種(ロール)によって閲覧できるデータを動的に制御する取り組みを実施 職種によって同じデータでも異なる見え方になる ロールベース アクセス コントロール( RBAC)を実現 生データの閲覧が可能 エンジニア

    プロダクト データ モデリングされた データの閲覧が可能 アナリスト お客様との接点、属 性、商談 データ データ プラット フォーム 機微情報の閲覧が可能 本日はデータ マネジメントと法務・リスク管理のメンバーより freee が取り組むロールベース アクセス コントロールの紹介をします マーケター フリーの経営資源 Google Cloud Next Tokyo Proprietary
  11. データ マネジメントの法務リスク管理 個人情報保護法 利用規約 社会的妥当性 ・容易照合性による ・価値還元な利用は広く許容 ・適法=何でもしていい ではない データの個人情報化

    不当なプロファイリング ・目的外利用の禁止 社会的妥当性を欠く発信の排除 ・機微情報の取り扱い (要配慮個人情報など) ・システムでの制御 → データの分類とアクセス権の制御 ・リテラシー向上(人間のモラルや意識) → 教育コンテンツ Google Cloud Next Tokyo Proprietary
  12. Proprietary 従来のアクセス制御方法 低セキュリティ リスクのカラムは全員閲覧可能 高セキュリティ リスクのカラムはホワイトリスト形式 company_id 低 Risk plan

    company_id 低 Risk name amount 99999 freee会計 エンタープライズ 99999 AAA(株) 100000 99998 freee会計 アドバンス 99998 BBB(株) 200000 ホワイトリスト形式なのでカラム毎に判定して恣意的なグループに対して閲覧権限付与が必要 なので工数が増大していたのとグループの管理が課題となっていた。 Google Cloud Next Tokyo 027
  13. Proprietary 新しいアクセス制御方法 約 40 種類の詳細なデータ分類 + 職種グループ × 教育レベルによるロールベース アクセス

    コントロール マーケター × 教育 Lv1 マーケター × 教育 Lv2 アナリスト × 教育 Lv1 アナリスト × 教育 Lv2 許可TagList ID (ハッシュ ) 利用プラン 許可TagList ID 利用プラン 許可TagList ID 会社識別 許可TagList ID 会社識別 会計 amount Tag: 会計 freee会計 エンタープライズ company_id Tag: ID name Tag: 会社識 別 99999 AAA(株) freee会計 アドバンス 99998 200000 company_id Tag: ID plan 27f8d822ea64f5bdb9564c53… b75183d2f16a71066e83380f4… Tag: プラン 教育導入や職種グループ毎のアクセス Google Cloud Next Tokyo BBB(株) コントロールにより、工数削減及びデータ 100000 ガバナンスの強化 028
  14. Proprietary データ分類 データ分類は個人情報保護法などの法律をもとに独自に約 40 種類を設定してます。 L1 (大分類 ) L2 (中分類

    ) L3 (小分類 ) 例 説明 個人情報 一般的な個人情報 識別情報 氏名等 データベースの中で個人を一意に識別する情報 個人情報 機微な個人情報 人事労務情報 勤怠情報等 本人の情報のうち特にプライバシー性が高い経済的 状況、労働環境、健康状態を推定できる情報 個人情報 要配慮個人情報 健康・医療情報 病歴、検診結果等 本人の情報のうち特にプライバシー性が高い健康状 態に関する直接的な情報。 顧客事業者情報 freee と共同利用 する情報 freee との契約に 関する情報 ご利用プラン 支払方法等 ユーザーがプロダクトを利用するにあたって、 freee と 共有していることが前提となっている情報 顧客事業者情報 顧客帰属情報 会計情報 取引先名、取引金額、取 引履歴等 ユーザーの会計に関する情報のうち、個人情報に当 たらないもの ※一例 Google Cloud Next Tokyo 029
  15. Proprietary 職種グループ 職種は四半期ごとに変更があるのと 50 種類以上あるので約 15 種類の職種グループにて ロールベース アクセス コントロールを実施している。

    職種 職種グループ 説明 データの使途(例) エンジニア エンジニア ミッションを技術で実現するため、スケーラブルで価値あるクラウドサービ スを開発。最新技術でイノベーションを追求。 障害対応 FDE エンジニア 顧客の現場や業務に深く入り込み、エンジニアリング手法を用いて、個別 の技術的・業務的課題を直接解決するフロント エンジニア職。 プロダクト開発 アナリスト アナリスト 社内外のデータを分析し、事業成長に繋がるインサイトを抽出。データドリ ブンな意思決定と企業文化の醸成を推進。 KPI 分析 インサイドセー ルス セールス 会計事務所・税理士などアドバイザーとの関係を深め、彼らのクライアント へ自社サービスを広げるパートナー型インサイド セールス。 営業セグメント分析 マーケター マーケティング ミッション実現に向け、データドリブンな戦略でブランド・サービス価値を市 場に浸透させるマーケティング職。 DM 送付先リスト選定 Google Cloud Next Tokyo ※一例 030
  16. Proprietary 職種グループと教育レベル 職種グループと Lv に合わせた専用テストがあり、合格を条件に必要なデータへのアクセス 権を段階的に解放。 許可TagList マーケター職向け Lv2 テスト

    マーケター職向け Lv1 テスト 合格 ID 利用プラン 許可TagList ID (ハッシュ ) 利用プラン 合格 マーケター アナリスト職向け Lv2 テスト アナリスト Google Cloud Next Tokyo アナリスト向け Lv1 テスト 合格 合格 許可TagList ID 会社識別 会計 許可TagList ID 会社識別 031
  17. Proprietary 職種グループ × 教育 Lv 毎にデータ マッピング表 職種グループ毎に法務リスク担当とデータマネジメントが連携。ヒアリングを経て、マッピン グ表や教育コンテンツを作成 マーケター

    法務リスク担当 データマネジメント アナリスト Google Cloud Next Tokyo 例 アナリスト Lv1 アナリスト Lv2 マーケター Lv1 マーケター Lv2 氏名等 ハッシュ化 ハッシュ化 閲覧不可 閲覧不可 勤怠情報 閲覧不可 閲覧可能 閲覧不可 閲覧不可 検診結果 閲覧不可 閲覧不可 閲覧不可 閲覧不可 freee との 契約に関 する情報 閲覧可能 閲覧可能 閲覧可能 閲覧可能 会計情報 閲覧不可 閲覧可能 閲覧不可 閲覧可能 ※一例 032
  18. RBAC に適応できるデータ プラットフォーム ハブ & スポーク型のデータメッシュ アーキテクチャに データ分類 × 職種グループ

    × 教育レベルでアクセス コントロールできるように適応 DWH 環境 BigQuery プロダクト データ基盤 BigQuery エンジニア プロダクト データ ビジネスデータ基盤 BigQuery データハブ BigQuery Sharing データ分析環境 BigQuery アナリスト お客様との接点、属 性、商談 データ 社内 データ基盤 広告分析環境 BigQuery BigQuery マーケター フリーの経営資源 Google Cloud Next Tokyo Proprietary
  19. Proprietary ガバナンスの要となる Policy タグ Data Catalog • • Data Catalog

    の一機能 BigQuery のカラムレベルのアクセス制御を可能にする Google Cloud Next Tokyo 035
  20. Proprietary Policy タグによる動的なアクセス コントロール アクセス権を持つユーザーが参照する場合 Policy タグ Data Catalog 管理者

    / 分析者 Google Cloud Next Tokyo Tag: id Tag: Name Tag: Email Tag: accounting user_id name email amount 1001 クラウド 太郎 [email protected] 15,000 1002 見本 花子 [email protected] 8,800 1003 データ 一郎 [email protected] 23,100 1004 テスト 次郎 [email protected] 5,400 036
  21. Proprietary Policy タグによる動的なアクセス コントロール アクセス権を持たないユーザーが参照する場合 Policy タグ Data Catalog 一般ユーザー

    Google Cloud Next Tokyo Tag: id Tag: Name Tag: Email Tag: accounting user_id name email amount 1001 NULL NULL NULL 1002 NULL NULL NULL 1003 NULL NULL NULL 1004 NULL NULL NULL 037
  22. Proprietary 生成 AI によるデータ分類の自動化 お客様データについては全てのカラムに Tag を付与するのが理想 Tag: id Tag:

    Name Tag: Email Tag: accounting user_id name email amount 1001 クラウド 太郎 [email protected] 15,000 1002 見本 花子 [email protected] 8,800 1003 データ 一郎 [email protected] 23,100 1004 テスト 次郎 [email protected] 5,400 データの分類 (Tag) が活用の大前提 しかし、15k のテーブル、 800k を超える カラムへ手動での適用は困難 セキュリティ専門家 Google Cloud Next Tokyo 生成 AI 生成 AI と専門家の共創による運用 038
  23. Proprietary 生成 AI によるデータ分類の自動化 生成 AI を活用した自動分類の概要アーキテクチャ アセスメントBatch データ分類定義 データ保存

    セキュリティ ルール Gemini 3.5 Flash Cloud Run Jobs L1 (大分類) の判定 L2 (中分類) の判定 L3 (小分類) の判定 例: 個人情報と 判定 例: 一般的な個人情報と 判定 例: 識別情報と 判定 評価対象データ BigQuery Schema 情報, Sample データ Google Cloud Next Tokyo アセスメント結果 BigQuery 評価結果の出力 040
  24. Proprietary 生成 AI によるデータ分類の自動化の運用 エンジニア介入ゼロ。Slack とスプレッドシートで完結する Human-in-the-Loop 運用 アセスメント Batch

    PolicyTag アサイン Batch Cloud Run Jobs Cloud Run Jobs Data Catalog PolicyTag のアサイン アセスメント の定期更新 評価対象データ アセスメント結果 BigQuery BigQuery 専門家の確認と Accept セキュリティ リスク管理担当 なぜ専門家(人間)が介在するのか? AI の不確実性をカバー:ハルシネーション( AI の誤分類)による致命的なセキュリティ事故を防ぐ。 最終責任の所在:判定の量とスピードは AI に任せ、最終的なリスク判断と責任(質)は専門家が担保する。 AI と人間のベストミックス: AI の処理能力 × 人間の判断力により安全でスケーラブルなデータ ガバナンスを実現 Google Cloud Next Tokyo 041
  25. 過去、現在、未来のデータ ガバナンス 過去のガバナンス • 特徴 ◦ ◦ • 課題 ◦

    ◦ ◦ 現在のガバナンス • 低セキュリティ リスクのカラ ムは全員閲覧可能 高セキュリティ リスクのカラ ムはホワイトリスト形式 ◦ • 工数が増大 煩雑なグループの管理 荒いデータ分類 特徴 ◦ 成果 ◦ ◦ ◦ Google Cloud Next Tokyo 未来のガバナンス • Policy Tag を利用した一部へ の RBAC の導入開始 LLM による自動判定を用いた HITL の運用開始 工数の削減 一部の職種グループによる自 動的なグループ管理 詳細なデータ分類によるきめ 細やかなルール整備 特徴 ◦ ◦ • 展望 ◦ ◦ Policy Tag を利用した全職種 グループへの RBAC の導入完 了 LLM による自動判定を用いた HITL の運用の確立 さらなる自動化により、工数の 削減 / 判定精度向上 全職種グループによる自動的 なグループ管理 Proprietary