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Blockchain GIG#13 NFTのユースケースとHyperledger Fabricでの実装

gakumura
September 15, 2022

Blockchain GIG#13 NFTのユースケースとHyperledger Fabricでの実装

2022/9/15 Blockchain GIG#13 で喋った内容
「世間で言うNFTって?」
「技術的にはどういう仕様?」
「販売、投機以外の活用は?」
「Hyperledger Fabricで実装するとどういう感じ?」

gakumura

September 15, 2022
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Transcript

  1. Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 2 中村 岳

    Twitter @gakumura はてなブログ @gakumura …主にHyperledger Fabric関連 • 現職:ソリューションエンジニア@日本オラクル • 担当:Oracle Blockchain Platform、 Blockchain Table • 前職:金融決済系SIerでパッケージ開発 • SWIFT、CLS、日銀ネット関連の銀行間決済システム
  2. Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 3 内容 1.

    はじめに:派手なほうのNFTと地味なほうのNFT 2. トークン形式としてのNFTの技術的な仕様 3. デジタルアセットNFTへの期待と現実 4. NFT活用のユースケース紹介 ~「NFT販売による収益」を越えて~ 5. Hyperledger FabricでのNFT実装 6. Oracle Blockchain Platformを利用したNFTアプリケーションの構築
  3. 4兆円 …米投資銀行Jefferiesによる「NFT」市場規模予測 • 2022年に350億ドル(約4兆円)以上 • 2025年に800億ドル(約9兆1000億円)以上 代表的な「NFT」売買の事例 デジタルアート:"Everydays – The

    First 5000 Days" 約6935万ドル(約75億円)で落札 最初のツイート:"just setting up my twttr" 約290万ドル(約3億1500万円)で落札 デジタルトレーディングカード:NBA Topshot マーケットプレイス上での売上高 24時間で580万ドル/30日間で6850万ドル ゲーム内(メタバース)アセット:Axie Infinity ゲーム内の土地が550ETH(約2億8600万円)で落札 5 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  4. パブリック ブロックチェーン NFTマーケットプレイス 「NFT」の盛り上がり 市場の盛り上がりから話題に上がることが多いのは 個人で保有でき、売買可能なNFTとそのエコシステム • アートやコンテンツ、なんらかの権利を表現するNFT • 画像、動画、音声データ

    • ゲーム内の土地やキャラクター、アイテムなどのアセット • イベントチケットやコミュニティ参加権 • 不動産(の所有権、利用権) • その売買のためのNFTマーケットプレイス • NFT版のメルカリ、ヤフオクのようなもの • 代表例:OpenSea、Rarible • 発行者による一次販売と、その後の保有者による二次販売 • 参加者: • 供給側:クリエイター、IP(知的財産)保有企業 • 需要側:ファン、投機家 NFT 外部のストレージや アプリケーション デジタル コンテンツ 個人 クリエイター ファン 投機家 IP保有 企業 コンテンツの作成、公開 NFTの作成、マーケットプレイスへの出品 NFTの購入、保有、売却 エコシステム 6 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  5. ふたつの「NFT」 7 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates デジタルアセットNFT

    トークン形式としてのNFT • NFTがなんらかのデジタルコンテンツや権利などに 紐づいているユースケースのカテゴリ • 個人(消費者)が保有する • 多くがB2CおよびC2C市場で売買が可能で、 NFT自体になんらかの価値が見出されている • デジタルアートや動画、音楽、コレクティブル (トレーディングカードなど) • ゲーム内アセット(土地、アイテム、キャラ等) • イベントチケットやコミュニティ参加権 • デジタルな記念品 • 不動産 • ←も含む、単にデータ形式、トークン形式の種別 • Non-FungibleなTokenである、ということの文字 通りの意のみ • 必ずしも個人が保有、売買可能なアセットという 特性を持たない (←に加えて) • サプライチェーン上の個々に識別される物品のト ラッキング、トレーサビリティ • 自動車や航空機、ダイヤモンドなどの高価な物品 の品質証明書、履歴情報の蓄積 • 再エネ証明などの由来、履歴の証明が重要とな る分野でのデータ管理 用法、特性 ユースケース の例 ※「デジタルアセットNFT」の呼称はここでの便宜的なもので特に定着した呼称はない トークン形式 デジタル アセット 現状、世間一般で言われている「NFT」は多くの場合デジタルアセットNFT(※)
  6. NFTとスマートコントラクト • ブロックチェーン上には多様なプログラムを実装できる (→スマートコントラクトによるプログラマビリティ) • NFTもスマートコントラクトとして実装されている • NFTの作成や移転はこのスマートコントラクトを実行することで行う →NFTの振る舞い、特性はロジックとして実装される •

    誰が、どのようにNFTを発行できるか • NFTの移転、取引はどのように行うか • NFTはどのようなデータ項目を持つか などなど • NFTを扱うコントラクトの仕様を取り決めた規格がある (ERC-721等) トランザクション {NFTデータ} 前回のハッシュ値 BLOCK A トランザクション Timestamp ナンス BLOCK n-1 BLOCK n BLOCK n+1 NFTの コントラクト 10 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  7. FT:Fungible Token • NFTの対照カテゴリーとしてのFT=Fungible Token/代替性トークン • 「代替性」…他の同種のトークンで代替可能 • 個別性ではなく、数量のみが関心になるモノを表す •

    誰かに保有される点、移転可能な点はNFTと同様 • 代表的なFTは仮想通貨/暗号資産(誰が/いくら持っている=残高のみが問題) • ブロックチェーンは仮想通貨/暗号資産を扱うための仕組みとして登場 • スマートコントラクトの応用が発展する中で やがて唯一性、非代替性を持ったアセットを扱うようになり(→NFT)、 トークンの形式の分類としてNFT/FTと呼ばれるように • 実際にはFungible Tokenの残高でも、その残高がどこから来ているものかで扱いが変わるケースがある …が、話が複雑になるのでここでは割愛 • 盗難されたもの、資金洗浄が疑われるアカウントから受け取った残高が混じっていると受付を拒否される、など 11 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  8. 単純化したデータ構造の例で理解するFTとNFT Fungible Token • 保有者、残高 Non-Fungible Token • ID、メタデータ、保有者 •

    メタデータに「モノ」との紐付けがある • どのようなモノかを表す情報 • デジタルコンテンツの場合、所在のURLなど (コンテンツは通常ブロックチェーン外) 保有者(※) 残高 Alice 1000 Bob 500 Carol 2000 tokenId メタデータ 保有者(※) 1 ・作品名:hogehoge、 ・URI:https://~~、 etc. Alice 2 ・作品名:fugafuga、 ・URI:https://~~、 etc. Bob 3 ・作品名:piyopiyo、 ・URI:https://~~、 etc. Carol ※実際にはウォレットアドレスなどの一意な識別子で記載 12 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  9. トークンのインスタンス 個々のインスタンスの ライフサイクル スマートコントラクトとNFTのトークンの関係 あるコントラクトの中でn個のトークンインスタンスが管理される (デジタルアートNFTコントラクトなど、ひとつだけ管理しているものもある) 13 Copyright © 2022

    Oracle and/or its affiliates contract HogeNFTcontract { mint(tokenId) transfer(from, to, tokenId) burn(tokenId) ownerOf(tokenId) } mint transfer burn HogeNFT: { tokenId: 1 owner: Alice metadata: {…} } HogeNFT: { tokenId: 1 owner: Alice metadata: {…} } HogeNFT: { tokenId: 1 owner: Alice metadata: {…} } HogeNFT: { tokenId: 1 owner: Alice metadata: {…} } HogeNFT: { tokenId: 2 owner: Bob metadata: {…} } HogeNFT: { tokenId: 1 owner: Alice metadata: {…} } HogeNFT: { tokenId: 1 owner: Alice metadata: {…} } HogeNFT: { tokenId: 1 owner: Alice metadata: {…} }
  10. 知っておきたい標準:ERC-721 NFT Token Standard ERC(Ethereum Request for Comment) • Ethereumに関するあるテーマの仕様、規格に関する技術的な文書

    • EIP(Ethereum Improvement Proposal)から議論を経てその時点での結論としてとりまとめられたもの • ERC内にもいくつかカテゴリがあるが、FTやNFTなどのコントラクトの規格を定めたものが存在 • ERC-20、ERC-721など番号で区別され、番号に意味はなく単に順番 ERC-721(https://eips.ethereum.org/EIPS/eip-721) • NFTのスマートコントラクトに関する規格→すなわち、Ethereum上でNFTとして発行されるトークンの規格 • Ethereum以外でのNFT規格もこれをベースとしているものが多く、影響力が非常に大きい • ERC-721に準拠したコントラクト、トークンにしておくことで、そのNFTの応用がオープンに広がっていく • OpenSeaなどの(Ethereumに対応した)マーケットプレイスに出品し、安全に取引することができる • マーケットプレイス以外のアプリ(所有NFTの画像の展示など)も対応できる ERC-721以外にもNFT関連の重要なERCがあるがここでは割愛(ERC-1155,2981など) 14 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  11. ERC-721の内容 • 準拠したコントラクト(およびトークン)が備えるべきインターフェースを定義 • 実装で拡張するのは自由 インターフェースのうち主要なもの • 保有者のクエリ:あるtokenIdのトークンの保有者アドレスや、あるアドレスの保有するトークンの数を返す • トークンの移転:トークンを移転させる

    • transfer、transferFrom、safeTransferFrom • 移転権限の移譲:トークンを移転させる権限を、そのトークン保有者以外のアドレスに移譲する • トークン売買取引のエスクローとなるマーケットプレイスに出品する際などに使う • 基本的にはコントラクトアドレスへの移譲が想定されていそう • approve、setApproveForAll、 • メタデータ:オプショナル項目ではあるが、ほとんどの場合は実装する • name、symbol:コントラクトの名前と略称 • tokenURI:あるトークンの{名前、説明、画像URI、etc.}を記載したJSON(→後述)の所在のURI 15 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  12. ERC721 Metadata JSON Schema { "title": "Asset Metadata", "type": "object",

    "properties": { "name": { "type": "string", "description": "Identifies the asset to which this NFT represents" }, "description": { "type": "string", "description": "Describes the asset to which this NFT represents" }, "image": { "type": "string", "description": "A URI pointing to a resource with mime type image/* representing the asset to which this NFT represents. Consider making any images at a width between 320 and 1080 pixels and aspect ratio between 1.91:1 and 4:5 inclusive." } } } 16 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  13. つまり…? Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 17 ERC-721

    コントラクト ERC-721 トークン メタデータ JSON 画像 管理 tokenId URIで参照 tokenURI URIで参照 image オンチェーン(ブロックチェーン上)のロジック、データ どこかにあるデータ (オンチェーンとは限らない) • 多くはふつうのオンラインストレージ(書き換えが可能) だったりIPFS(維持コストを払わないと消える)だったりする • これらもオンチェーンのものは特に フルオンチェーンNFTと呼ばれる
  14. TTFにおけるNFT • 「あるトークンがFungibleなのかNon-Fungibleなの か」はBase Typeとして分類される • Non-Fungible Tokenは更に3つのサブタイプに分類 される •

    Whole:トークンクラスに複数のトークンインスタン スがあり、それらは分割できない (→デジタルコレクティブルのNFTとか) • Fractional:トークンクラスに複数のトークンインス タンスがあり、それらは更に分割できる (→フラクショナルNFT) • Singleton:そのトークンクラスにはひとつのみトー クンインスタンスがある (→デジタルアートNFTとか?) • Transferable(移転可能)か、Burnable(破棄 可能)かなどはBehavior(振る舞い)として別の分 類項目になっている 20 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates トークンのBehavior(振る舞い)の分類 ……画像引用元: https://github.com/InterWorkAlliance/TokenTaxonomyFramework/blob/ main/token-taxonomy.md
  15. TTFは何に役立つのか? • TTFは抽象的なフレームワークであり、(一部サンプルとして提供されているものを除けば)トークンの具体的な項目 やトークンを扱うスマートコントラクトのインターフェースについては規定していない • したがって、特定のブロックチェーンプロトコル上でNFTを扱うスマートコントラクトを開発するにあたり、省力化などに直接 的に役立つものではない • 一方で、以下を検討したり、コミュニケーションしたりする場合には理解のベースとして効果的 •

    自分がトークンとして表現しようとしているものはどういうものなのか • それを表現するにあたってトークンはどのようなものであるべきなのか • ERC-721のような”「画像に紐づいた」「売買によって移転可能な」 「Ethereum上の」NFT”にあてはまらないトークン (FT/NFT)のユースケースを考えたり議論したりするにあたっては目を通しておきたいW 21 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  16. 脱線:SBT(Soulbound Token) • Ethereum共同創設者Vitalik Buterinらが提唱する「譲渡不可能なNFT」 • 通常の(ここでは≒ERC-721の)NFTとの最も大きな違いはトークン保有者がトークンを移転できない点 • Ethereumの文脈では「NFTは移転可能である」と多くのひとに前提されてしまっているので、 単にNFTのNon-Transferableなサブカテゴリであるということにはせずに別のカテゴリにする流れ

    • なんらかの証明書を移転不可能なNFTとして表現するようなユースケース • 教育資格(学位)や職歴、クレジット/ローンなどの信用情報、クレデンシャルなどへの利用が想定 参考 • Coinpost記事:イーサリアム創設者ブテリン氏提唱の「Soulboundトークン(SBT)」に高い関心 (https://coinpost.jp/?p=353189) • Vitalikの個人ブログ:Soulbound (https://vitalik.eth.limo/general/2022/01/26/soulbound.html) • 論文:Decentralized Society: Finding Web3’s Soul (https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=4105763) 22 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  17. デジタルアセットNFTへの期待:“電子的な作品を「資産」として「所有」できる” • 画像や動画、音声などのデジタルコンテンツは所詮データなので本来複製し放題、「本物」「偽物」にそのものとしての 差異はないところを… • “NFTによって電子的な作品に唯一無二性や希少性を付与できる” • “NFTによって作品が本物であることを証明できる” • “電子的な作品に紐づいた「権利」を証明し、「資産」として扱えるようになる”

    • あるデジタルコンテンツを「自分のもの」と言えるようになる • 二次流通(購入したNFTの売却)が可能になり、物理的なアート作品と同様に投資/投機の対象となる • パブリックブロックチェーン上のデータは特定の企業の存続やサービス継続の意向に依存せず持続する • 改ざん不能かつ透明性のあるかたちで所有者、および取引による移転を記録できる 24 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  18. “電子的な作品を「資産」として「所有」できる”? • デジタルコンテンツを「所有」できているのか?は(かなり)NO寄りの微妙 • NFTはデジタルコンテンツである作品そのものではない(フルオンチェーンNFTでない場合) • ブロックチェーン外部のコンテンツが無くなる、変質することが有り得る • 有体物ではないNFT、デジタルコンテンツは法的な所有権の対象とはならない •

    NFTそのものは創作的表現とはみなされず著作権の対象とはならない →NFTとして売買しているのは作品についての所有権でも著作権でもない • 「コンテンツを一定の方法で利用できる地位」? • 「所有感」というパワーワードも登場 • 「資産」か?は価値の問題とすればある程度YES? • 金銭的価値…誰かにいくらかで売れる(自分以外に買いたがるひとがいる) • 機能的価値…保有しているとなにかに役立つ • 感情的価値…保有していると自己満足できる、自慢できる • デジタルアセットNFTについて語られていることは誇張や誤解、過度な期待も多い • 参考:NFTとは何ではないか(https://speakerdeck.com/okapies/nfttohahe-dehanaika) NFTと法的課題(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/meeting_materials/assets/internet_committee_220715_05.pdf) 25 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  19. “NFTによって作品が本物であることを証明できる”? • 「NFTだから証明できる」「NFTだから安全、安心」というわけでは特にない • 実際に不正な(コンテンツに対して権利がない者が発行した)NFTを売る詐欺事件が多発している • 信頼できる発行者が発行したNFTは信頼でき、したがってなんらかの証明として扱える、という話 • 結局のところNFTの発行者が信頼できるかのチェックが必要 •

    NFTの中身だけ見ていても発行者が信頼できるかはわからない • NFTを買うときはコンテンツの権利を保有する企業やクリエイターの公式ホームページなどで確認しよう!! 26 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 非権利者が勝手にアップロードした 不正なコンテンツを参照するNFTを勝手に発行する詐欺 正規の コンテンツ 正規のNFT 詐欺NFT 正規のコンテンツを勝手に参照するNFTを 非権利者が発行、販売する詐欺 詐欺 コントラクト 正規の コントラクト 詐欺NFT 詐欺 コントラクト コンテンツ 権利者 不正な コンテンツ コンテンツ権利者 (無関係)
  20. デジタルアセットNFTへの期待:新たな市場とマネタイズ手段 • クリエイターやIP保有企業などのコンテンツオーナーからすると、現に価値を感じるひとが一定数おり、市場が成立して いることが重要 • 従来よりも低い中間マージンでデジタルコンテンツ(のNFT)を販売できる • 例:OpenSeaでの売買の手数料は売買代金の2.5% • ただしパブリックブロックチェーンではコントラクトデプロイ、NFTのmint、移転権限移譲などでそれぞれブロックチェーン

    でのトランザクション実行手数料(GAS代)が、また、コンテンツを置くストレージの費用も別途かかる • ユースケース、エコシステムの急速な発展拡大 • 二次流通の際にもNFT発行者に売価の一部がロイヤリティとして支払われる(→追及権)など、 プログラマビリティによる様々な発展可能性 • 「NFT販売による収益」だけではないツールとしての活用も試みられている(→後述) • GameFi、DeFi、ひいてはWeb3の重要なパーツとなる? 27 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  21. ところで(パブリックBCの)NFTマーケットプレイスは何をやってくれているのか? • マーケットプレイスは陳列場所の提供、集客に加えて取引の安全な決済のためのエスクローの役割がある • パブリックブロックチェーン上のNFTは技術的にはマーケットプレイスを通さない相対取引が可能で、この場合マー ケットプレイスの手数料はかからない • {売り手(現owner)が買い手にNFTをtransferする}トランザクションと {買い手が売り手に代金を支払う}トランザクションの両方を実行すればいいだけ…… •

    ……ではあるが、パブリックブロックチェーンの世界はカウンターパーティリスク(NFTが受け取れない⇔代金が受け 取れない)が非常に高いので一般的には相対取引は行わない • マーケットプレイスによっては買い手保護のため詐欺NFTや盗難NFTの出品停止などの対策も行っている • ただし基本的に後手に回るため不完全 28 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  22. 国内でのNFTマーケットプレイス運営への主要な取り組み 既に大小多数(2022年6月時点で60以上)の国内NFTマーケットプレイスが存在 • それぞれがIPホルダーと提携しNFT発行とマーケットプレイス上での(一次)販売プロジェクトを展開 • 既に自身のプラットフォームを中心に独自のエコシステムを築いている企業はプライベートブロックチェーンを用いたマー ケットプレイスでエコシステムを拡張 29 Copyright ©

    2022 Oracle and/or its affiliates マーケットプレイス名 運営企業 グループ 対応する ブロックチェーン ブロックチェーンの カテゴリー SBINFT Market SBI Ethereum、Polygon パブリック Adam by GMO GMO Ethereum パブリック Coincheck NFT(β版) Coincheck Ethereum パブリック 楽天NFT 楽天 独自ブロックチェーン プライベート LINE NFT LINE 独自ブロックチェーン プライベート
  23. ブロックチェーンの利用形態(ネットワーク)の分類 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates パブリック 公開制のネットワークを

    不特定多数で運用 コンソーシアム 許可制のネットワークを 複数組織で運用 プライベート 許可制のネットワークを 単一組織で運用 パーミッションレス← →パーミッションド 30 30
  24. デジタルアセットNFTにおける発行基盤、マーケットプレイス基盤選択: Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 31 パブリックブロックチェーン

    エンドユーザーが多く市場が大きい • 暗号資産ユーザー=潜在的なNFT購入者 • 最初からグローバルな市場に開かれている オープンさが呼び込む多様な応用の急速な発展 • 複数の活発なマーケットプレイスが既に存在 • 「自慢」用途(例:SNSプロフィールへのNFT画像 表示)、Play to Earnなどの新たなユースケースと ニーズの発生 トランザクションコストと性能 • 電力消費量、CO2排出量が圧倒的に低い • トランザクションあたりの費用が安く、変動も小さい • 処理性能が高い • 画像を含めたフルオンチェーンも実現しやすい ユーザーフレンドリーでハードルが低い • 暗号資産ユーザーでなくても参加可能 • ユーザー自身による秘密鍵管理不要 詐欺や消費者問題、規制のリスクが小さい • 詐欺や信頼できない出品者を排除しやすい (ホワイトリスティング) • 二次流通も含めて制御できる • 暗号資産への規制動向の影響を受けない パーミッションドブロックチェーン
  25. “NFTブーム”は終わった? Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 33 •

    OpenSeaでの2022年8月のNFT取引高は最高時 (2022年1月)の10分の1程度に • BAYCやCryptoPunksなどの著名コレクティブルNFTの 価格が大幅に下落 • ゲーム内アセットにNFTを利用したP2E(Play to Earn)として著名なSTEPN、Axie Infinityなどのトー クン価格も大幅下落し、プレイヤー離れも進む 囁かれる”NFTバブル”の崩壊 • OpenSeaは取引のアクティブユーザー数に関しては ピーク時からそれほど減っていないと主張 • OpenSea以外の活発なマーケットプレイスも複数登場 し、総体でのアクティブユーザー数は一貫して増加傾向 という分析も存在 • NFTを販売ではなく配布する事例が増加しており、そう したNFTの保有者は増え続けている 増加するNFT保有者数 • 投機の過熱は終わりつつある?終わった? • 単なる値上がり期待以外の動機でのNFT保有の拡がり →コレクション、自慢、自己開示、コミュニケーション、コミュニティ参加、「推し活」、etc.
  26. NFT購入理由についてのアンケート結果(グローバル) Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 34 出典:CoinGecko

    NFT Survey(2022年3月) (https://assets.coingecko.com/reports/Surv eys/2022-NFT-Survey.pdf) 出典:Crypto.Com NFT Survey(2020年11月) (https://assets.ctfassets.net/hfgyig42jimx/6hIoPzp3vXT9 CEIt2uTpwo/392c47a8d8f7c4da8b582a6a8f1463bf/Crypt o.com_Survey_Report_-_NFT.pdf) いずれのアンケートでも 値上がり期待が最上位
  27. NFT購入理由についてのアンケート結果(日本) Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 35 出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング

    NFTの 利用状況に関するアンケート結果(2022年6月) (https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/meeting_materials/assets/internet_committee_220715_03.pdf) • 複数回答での目的、最も主要な目的ともに「コレクション」が最も多い • 「サービスの利用」が値上がり期待と同程度 …ユーティリティNFT重視? • 「クリエイターの応援」を挙げる割合がまあまあ多い …「推し活」
  28. NFTによるユーザー体験、文化受容の変化の可能性 「投機的な期待によるNFT購入」の熱が去っても…… Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 37

    • FacebookやTwitter、Instagram、TikTokなどの ソーシャルメディア上のプロファイル • メタバースにおけるアバター(分身) • 自己表現のための消費 • 他者とのつながりやコミュニケーションの媒介となるような アイテム、体験への消費 NFTはデジタルな「自分」に 持たせることができる「証明書」 • デジタルなアート、コレクション、 ファッションアイテムの「所有」を NFTで証明 • 好きなコンテンツやアーティスト、 ブランドのNFTの開示を通じて 自己を表現 • NFTを介してのコミュニケーショ ンや同好コミュニティへのアクセ ス デジタルな「自分」の存在感と重要性の拡大 デジタルネイティブ世代を中心に変容する消費のあり方
  29. 企業にとってのNFTの活用可能性:プロモーション、ブランディング、価値証明 「NFT販売による収益」を越え、ブランド価値向上や新規オーディエンス獲得へのツールとしての利用 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 38

    NFT保有者が ブランドアンバサダーとなり 露出機会を増加 • インフルエンサーがソーシャル メディア上でブランドのアイテ ムや世界観を表すアートの NFTを展示 • メタバース上で実物と同デザ インのデジタルファッションアイ テムNFTをアバターが着用 オムニチャネル体験 • フィジカルな商品購入に景 品としてNFTアートを付随 • 「オンライン上での自己表現 もできる」ことが付加価値に • NFT保有者のみが購入でき る限定品などの応用も 製品の品質や背景の証明 • 製品の背景や品質などの証 明書、鑑定書としてNFTを 活用することで製品の価値 を向上 • 販売から利用、二次流通ま でのメーカーとユーザー、周 辺業者の加わったエコシステ ムの創造 デジタル デジタル×フィジカル フィジカル
  30. デジタル×フィジカルでのNFT活用事例:adidas "Into the Metaverse" • アディダスは自社製品を着用したキャラクターの NFTアートを販売 • NFT保有者に対し、アートの着用アイテムと 同一デザインのフィジカル製品を無料で配布

    • 今後NFT保有者のみがアクセスできるメタバースの 展開、メタバース上で利用できるデジタルファッション アイテム配布などのロードマップ 39 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 画像出典(右):WWD 「アディダス オリジナルス」NFT参入の理由 「スポーツのあり方が変わる」 https://www.wwdjapan.com/articles/1300470 (左):adidas Into the Metaverse公式サイト https://www.adidas.com/into_the_metaverse
  31. 自動車のライフサイクル管理×NFT事例:アルファロメオ Tonale NFT • アルファロメオの新型モデルTonaleにNFT技術を導入 • 車の証明書として機能するNFTが発行され、車のライフサ イクルにわたっての主要な利用状況データを記録 • NFTは適切なメンテナンスが為されていることの保証として

    利用でき、二次流通(中古車市場)での価値の向上に 寄与することが期待 41 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 画像出典:Stellantis社プレスリリース https://www.prnewswire.com/news-releases/la-metamorfosi-all-new- 2023-alfa-romeo-tonale-makes-its-global-debut-301476965.html
  32. + ダイヤモンドのトレーサビリティ 個々のダイヤモンドの流通、品質の情報をブロック チェーンに記録することで、偽造品や詐欺などの不正 を対策し、正規品の価値を証明 • 来歴の記録 採掘から小売までの一貫した履歴情報を追跡可能に • さらにライフサイクルを追跡

    二次流通を含め、誰が/誰に、売却/購入したかを 確認可能にし、正規の流通を保護 • 改ざんできないデジタル鑑定書 ダイヤモンドに関する40項目のメタデータを記録 改ざん不能なブロックチェーンを用いることで、紙の鑑定書 の改ざんや偽造の問題を解決 Everledger社 42 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  33. 企業にとってのNFTの活用可能性:ファンエンゲージメント リアル×デジタルで「推し活」を加速 • スポーツチームやアーティスト、アイドルなどの事業者がファンに向けたNFTを販売、配布 • ファン向けグッズのデジタル版としてNFTを販売 • リアルイベントのデジタル記念品としてNFTを配布…チケットの半券、来場プレゼントのデジタル版 • さらに保有者向けに特典を付与することでNFTを介したコミュニケーションを活発化、エンゲージメントを向上

    • クローズドなオンラインコミュニティへの参加 • 限定イベントへの参加権やチケット優先購入権 • 動画や画像、音声などの限定コンテンツ • NFTをなんらかの決定への投票権として扱う例も(例:グループメンバー選挙) 43 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates イベントへの参加 記念品NFTの提供 NFTデジタルグッズの販売 グッズ購入により応援 ファン同士の交流 特典の提供 投票や交流を通しコミュニティ参加 ファン アーティスト、 アスリート NFTを活用した エンゲージメント プラットフォーム
  34. スポーツ分野でのNFTを活用したファンエンゲージメント強化 • スポーツ分野ではいち早くNFTの 活用によるファンエンゲージメント推進の取り 入れが進む • 国内でもパ・リーグ(野球)や Jリーグ(サッカー)、Bリーグ(バスケ)など の競技団体として取り組む事例、 横浜DeNAベイスターズ、ソフトバンクホークス

    (野球)や東京FC(サッカー)などチームと して取り組む事例、 アスリート個人が取り込む事例などが登場 44 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 出典:経済産業省 スポーツ分野でのNFT/FTの可能性と課題 https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sports_content/pdf/003_02_00.pdf
  35. 山古志村のNFTを活用した取り組み 新潟県山古志村の抱える課題 • 錦鯉発祥の地である山間の村 • 中越大震災の影響により過疎化が急速に進行 • 高齢化も相まって自治体存続の危機 NFTを活用した村おこし •

    錦鯉をテーマとしたデジタルアートのNFTを販売 • NFTは「デジタル住民票」としての意味合いをもたせ、グ ローバルでデジタルな関係人口の創出を狙う • 地域住民800人+NFTホルダー10000人の関係人口 により村の存続、振興をはかる • NFT販売益の一部を財源とし、NFTホルダーの投票に より施策を実施していく 45 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates Nishikigoi NFT Colored Carp NFT 画像はいずれも山古志住民会議noteから引用 https://note.com/yamakoshi1023/n/n1ae0039aa8a4
  36. NFT販売/配布およびマーケットプレイス運営に係る法的論点 特にパブリックブロックチェーンを利用する場合に法的リスクと規制強化のリスクが潜在 刑法(賭博罪)や景品表示法に係る 論点が存在 • 特にパブリックブロックチェーンを利用して NFTを発行しており、発行者のコント ロールの効かない二次流通(転売) が可能な場合に留意が必要 •

    こうした論点については違法/適法のラ インの整理がついておらず、今後訴訟と なるリスクや規制強化の影響を受ける リスク有り • また、パブリックブロックチェーンの利用で は暗号資産への今後の規制による影 響を受ける可能性も 46 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 出典:経済産業省 スポーツ分野でのNFT/FTの可能性と課題 https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sports_content/pdf/003_02_00.pdf
  37. • Chaincode開発言語の選択肢:Node.js、Go、Java • これらの言語で用意されたFabric Chaincode SDKを利用してChaincodeを実装する • まずはHLFのGitHubの公式サンプルコーナー (https://github.com/hyperledger/fabric-samples) にあるChaincodeをいろいろ眺めてみることを推奨

    • ERC-721っぽいサンプル(非公式)も (https://github.com/wan-yong/nft-erc721/blob/main/chaincode- javascript/lib/tokenERC721.js) • ただしこれはクライアントアイデンティティの扱い方があまり実践的でないかも(後述) Hyperledger Fabric(HLF)でのスマートコントラクト=Chaincode Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 48 Peerノード Ledger Chaincode fabric-contract-api fabric-shim Client App Fabric SDK
  38. NFTのChaincodeを実装する • EthereumにおけるERC-721のような、HLFとしてNFTの規格を定めたものは特にない • OpenZeppelinのERC721.solのような「基本これをそのまま使えばOK」のデファクトなライブラリやサンプルもない • 一方で、ChaincodeはSolidity/EVMや他のパブリックブロックチェーンのスマートコントラクトのようなロジック実装上の 厳しい制約(stack too deepになって泣く、GAS代が高くなりすぎて泣く)も特にない

    • ので、素直に実装していけばOK • ここからは「NFTを扱うChaincodeを実装する」うえで知っておくと役立ちそうな点を紹介 • それ以外のChaincode一般の話はまた別の資料で説明しているのでそちらを参照 (https://speakerdeck.com/gakumura/developing-hyperledger-fabric-application-and- chaincode) 49 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  39. メタデータ • HLFの台帳(WorldState)はKVS(Key-Value Store) • ValueがJSON型であれば属性/値を指定したリッチクエリも利用可能 • ERC-721では外部化していたようなメタデータの内容もオンチェーンで良い • バイナリデータも突っ込めるが、性能に顕著に悪影響が出るので画像や音声、動画などのメディアデータのオンチェーン

    チャレンジはやめておくのが無難(非常に小さいSVG画像くらいならイケるかも?) 50 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates Key:トークン種別とtokenID Value:メタデータ car^aaa111 {“color”:”red”, “price”:10000, “owner”:”Bob”, “drive”:”front”} car^bbb222 {“color”:”blue”, “price”:30000, owner”:”Alice”, “drive”:”AWD’} bike^xyz345 {“color”:”green”, “price”:30000, owner”:”Alice”, “CC”:”1800’} 複合キーの利用や Key値の範囲指定のクエリも可 State DBにCouchDBを使いValueをJSONにしておくと リッチクエリが使える (例:ownerがAliceのアセットを全件取得)
  40. アイデンティティと権限制御 • Ethereum(およびパブリックブロックチェーン一般)では基本的にエンドユーザーが自身の秘密鍵を用いてトランザク ションに署名し発行する=エンドユーザーのブロックチェーン上のID(アドレス)が直接伝わってくる • 通常、HLFでは個々の消費者に対してはブロックチェーン上のIDを持たせない(割り当てない) • エンドユーザーが消費者の場合、トランザクションに署名し発行するのは中間オペレーター(のアプリ) • この場合、「トランザクション署名者がTokenのOwnerのIDと一致しているか」では権限制御できない

    • 必要に応じロールベース(RBAC)や属性ベース(ABAC)のオンチェーン権限制御ロジックを実装する 51 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates ウォレット (サーバーサイド) アプリ コントラクト Chaincode アプリの認証(ID/PW等) 操作 ブロックチェーンのトランザクション エンドユーザー(消費者)自身の秘密鍵で署名 トランザクション アプリの抱える秘密鍵で署名 Ethereum等 パブリックBC Hyperledger Fabric 消費者 消費者
  41. DogCC 複数種類のトークンを扱う場合 • 複数種類のトークンをひとつのChaincodeでまとめて管理することもできる • 例①:ひとつのChaincode内で複数種類のNFTを扱い、互いに交換可能にする • 例②:ひとつのChaincode内でNFTとFTを扱い、DVP(Delivery Versus Payment)をやる

    • トークンごとに分けても良い • この場合、異種トークンの交換は専用のChaincodeを作り、そこから各トークンのChaincodeを呼ぶ 52 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates SuperTokenChaincode DogNFT CatNFT PericaFT 交換ロジック Dog ロジック Cat ロジック Perica ロジック ExchangeChaincode 交換ロジック DogNFT Dog ロジック CatCC CatNFT Cat ロジック PericaCC PericaFT Perica ロジック
  42. Hyperledger FabricをベースにPaaSおよびオンプレミス版の両方で提供 • エンタープライズ利用に適したブロックチェーン基盤 • 数ステップで構築完了、GUIコンソールで管理・運用も容易 • エンタープライズグレードの耐障害制、堅牢性 • マルチクラウド、ハイブリッドクラウド、

    オープンなネットワーク構成が可能 • Oracle独自の付加価値: • State DBとしてBerkeley DBを利用:パフォーマンスとクエリ利便性向上、 Hyperledger FabricのPhantom Read問題に係る制約も解消 • 多機能なREST API:スマートコントラクトの利用を容易に • 台帳のデータをRDBに複製:大量照会、分析、データ統合 • 開発補助ツール:トークン(FT/NFT)も迅速に開発可能、各種用途のサンプルも付属 Oracle Blockchain Platform Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 東京DCからも サービス提供中 54 54
  43. エンタープライズNFTマーケットプレイス リファレンスアーキテクチャ OCI上のサービスで効果的、効率的な実装をサポート • Oracle Blockchain Platform上にNFTを発行、保持 • Oracle Content

    Management(OCM)でデジタルコ ンテンツを管理 • NFT発行時にIPFSにコンテンツを配置 • Visual Builderを利用してNFTマーケットプレイスを作成 • OCM上のコンテンツとBlockchain上のNFTを参照 • CPQのeコマース機能と連携 • Mobile Hubを利用しスマートフォンアプリとしても提供 • Autonomous DatabaseにBlockchainから複製された 台帳のデータやその他のデータを収集、蓄積し、 Analytics Cloudで分析 55 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 詳細はリファレンスアーキテクチャ紹介ページを参照: https://docs.oracle.com/ja/solutions/nft-marketplace-oracle-blockchain/index.html#GUID- BC63A5E1-AAF4-42B5-8A33-5DFE43A434BD
  44. 作り込みの手間を減らしデータ活用を加速 • 台帳のデータをブロックチェーン外部のリレーショナルデータベースに複製 • ブロックチェーンが苦手とする複雑な参照処理(集計、分析)を、 データベース側で実装可能に • 多くの開発者が慣れ親しんでいるOracleデータベースでの開発 • Oracle

    Analytics Cloudをはじめとした多種多様なBIツールの利用 • 他システムとのデータ統合も一般的なツールとノウハウで容易に実現可能 • ERP、SCMなどの基幹システムとブロックチェーンのデータを 統合することで、データの価値を最大限に活用 Oracle Blockchain Platformの特長 実用上ほぼ必須となるデータベースへのデータ複製を機能として提供 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates + ブロックチェーン: トランザクション と値の履歴を格納 State DB (World State): 現在の値を格納 台帳(Ledger) 複製 56
  45. グラフ分析×ブロックチェーン上のデータ ユースケースの例 • 資金の移動元と移動先を分析 • マネーロンダリングや不正などが疑 われる支払いを検出 • 製品、部品、サプライヤーの関係 を可視化/分析

    • トレーサビリティを実現するとともに、 よりリスクに強く最適なサプライ チェーンを構築 • ユーザー同士、ユーザーと店舗、 ブランドの関係を分析 • ユーザープロファイルの構築とリコメ ンデーションなどへの応用 57 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates デジタル通貨/ペイメント サプライチェーン マーケットプレイス/コミュニティ
  46. Blockchain App Builder:スマートコントラクト開発にかける時間を短縮 • 一連のライフサイクル(開発、パッケージング、デプロイ、アップデート)に対応 • ローカルなHyperledger Fabricネットワークを自動構成してデプロイ、テスト • リモートのOracle

    Blockchain Platformにデプロイ、テストも可 • アセット仕様からプログラムを自動生成 • 宣言的に記述したアセットの属性と振る舞いをもとにコードを自動生成 • トークンの開発を強力にサポート • Fungible Token(FT)…金額やポイントの残高などを扱うユースケース • Non-Fungible Token(NFT)…唯一性を持ったモノに紐づくトークン 例:サプライチェーンの物品の追跡、デジタルコンテンツ Oracle Blockchain Platformの特長 スマートコントラクトのローコード開発ツール Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 詳細は以下のドキュメントを参照: https://docs.oracle.com/en/cloud/paas/blockchain-cloud/usingoci/using-chaincode-development-tools.html 58 58
  47. Blockchain App Builderのトークン開発サポート • TTF(Token Taxonomy Framework)およびERCをベースとした標準に 基づいたトークン仕様からコードとAPIを自動生成 • トークンのメタモデル(例:Fungible)と振る舞い(例:Mintable、

    Transferable、Burnable)、カスタムメソッドをテンプレートに記述する ことでそれに合わせたコードとSDK(カスタムコード内で再利用可能) を生成 • 30種類以上のトークンラッパー関数 • ビルトインのロールベースドセキュリティ、アクセス制御機能を利用可能 59 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates