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情シスのための生成AI実践ガイド2026 / Generative AI Practica...

情シスのための生成AI実践ガイド2026 / Generative AI Practical Guide for Business Technology 2026

2026年03月06日に開催された「情シスが知っておくべき生成AIとの付き合い方」 での発表資料です

本編スライド内で参照しているURL:
- AIエージェントを導入する [ 社内ナレッジ活用編 ] : https://speakerdeck.com/glidenote/implement-ai-agents
- 世田谷区 生成AI環境の内製化: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000063544.html
- 「そもそも生成AIでやるべきでない問い」に、企業が挑んでしまう問題(深津 貴之): https://note.com/fladdict/n/na45a57c572c8

参考資料:
- 「世界は落下している」(須藤憲司氏): https://sudoken.hatenablog.com/entry/2014/03/22/165919
- メルカリAI推進の取り組み(ハヤカワ五味氏): https://www.youtube.com/watch?v=2HEMep5uoV0
- Claude Code 活用法(梶谷健人氏): https://youtube.com/watch?v=ca5HjfclrjE
- Shopify CEOのAI活用メモ解説(安野たかひろ氏): https://www.youtube.com/watch?v=XFcYSaHmPIY
- AI導入の失敗要因分析(池田朋弘氏 / MIT Sloan): https://www.youtube.com/watch?v=iWUPlrpUEOU
- AIエージェント時代の勝ち抜き方(田原慎一氏 / PIVOT): https://www.youtube.com/watch?v=ZjH8wo1ziws

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Akira Maeda

March 08, 2026
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Transcript

  1. 自己紹介 経歴 期間 所属 役割 2008-2014 GMOペパボ (旧paperboy&co.) シニアエンジニア 2014-2023

    Kaizen Platform Tech Lead, SRE/Engineer Group Manager 2023- クラウドネイティブ 認証/開発/AI 部門を担当 その他情報 サーバ/インフラエンジニア養成読本 DevOps編 共著 Vimのメモプラグイン memolist.vim 開発 前田 章 情シス×生成AI 付き合い方2026 2 / 57
  2. 生成AIとの関わり 区分 内容 生成AI業務歴 約3年 (2023年〜) 顧客向け 生成AIの導入支援 (RAG構築、 Chatbot構築、

    生成AI活用支援) 自社向け 業務ツールの開発、 技術検証、 生成AIの業務活用推進 情シスのための生成AI実践ガイド2026 情シスのための生成AI実践ガイド2026 情シス×生成AI 付き合い方2026 3 / 57
  3. 今日お話しすること # テーマ 内容 1 過去3年間からの学び うまくいったこと、 いかなかったこと 2 クラウドネイティブの現在の話

    生成AIをどのように使っているか 3 情シス担当者は何から始めるべきか 明日からできること 本資料は2026年03月時点の情報をもとに作成をしています。 生成AIは進化が早いため3カ月後には役に立たない資料になっている可能性があります。 持ち時間50分だと思って資料を作ったら20分だったので駆け足になります、 本資料は公 開しますので詳細はそちらをご覧ください。 情シスのための生成AI実践ガイド2026 情シスのための生成AI実践ガイド2026 情シス×生成AI 付き合い方2026 4 / 57
  4. デモ: Claude Codeで業務タスクを実行 後ほどClaude Codeを紹介するので先にデモを開始しておきます 処理に5〜10分かかるため、 裏で実行しながら第1部を進めます 情シス担当者として マネーフォワードAdmina の導入を進めている想定です

    デモ用指示: 社内にマネーフォワード Adminaを導入しようとしています。 まずは上司、 決済者への提案資料をslidevで作成してください。 作成が完了したら、 ブラウザで確認したいのでEdgeブラウザのバッググラウンドタブで開いてください デモ用指示: マネーフォワード Admina を導入した場合どのような構成になるのか draw.io mcp を利用して構成図を作成してください。 情シスのための生成AI実践ガイド2026 情シスのための生成AI実践ガイド2026 情シス×生成AI 付き合い方2026 5 / 57
  5. 2022年〜2025年:生成AI導入の変遷 時期 世の中の動き 現場の肌感覚 2022年末 ChatGPT 登場の衝撃 「これはすごい」 と話題に。 個人利用が中心

    2023年前半 GPT-4 登場、 精度が大幅向上 「業務に使えるかも」 企業の検討が始まる 2023年後半 各社が社内AI導入を検討 PoC乱立、 「で、 何に使うの?」 2024年 Claude/Gemini等の台頭、 精度向上 実業務への適用が本格化 2025年 AIエージェント時代の到来 Claude Code等で 「AIが仕事をする」 段階へ 情シス×生成AI 付き合い方2026 7 / 57
  6. うまくいった事例 1 項目 内容 背景 開発チームの生産性向上が課題だった やったこと Claude Code, Cursor等のAIコーディングツールを開発プロセスに導入

    結果 コード記述作業が大幅に効率化し、 設計・レビューに集中できるように 成功要因 エンジニア自身が 「便利だ」 と感じ、 自発的に使い始めた 現場が自発的に使い始めた 情シス×生成AI 付き合い方2026 10 / 57
  7. うまくいった事例 2 項目 内容 背景 職員の業務効率化・顧客の利便性向上が課題 やったこと 普段使うチャットツール上でAI自動応答を構築 結果 73%以上が生産性向上を実感。

    1日34分の削減 成功要因 AIが扱うデータの整備ができ、 担当者の生成AIへの深い理解 AIが扱うデータ整備と担当者の生成AIへの深い理解 世田谷区 生成AI環境の内製化: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000063544.html 情シス×生成AI 付き合い方2026 11 / 57
  8. うまくいった事例 3 項目 内容 背景 提案書・報告書・議事録・マニュアル等の作成に多くの工数がかかっていた やったこと 生成AIでたたき台を自動生成し、 人間が加筆・修正するワークフローを導入 結果

    ドキュメント作成時間が体感で大幅に短縮。 構成の質・統一感も向上 成功要因 完璧なものではなく 「70点のたたき台」 として活用する運用設計 完璧を要求せず、 70点を目指した 情シス×生成AI 付き合い方2026 12 / 57
  9. うまくいかなかった事例 1 項目 内容 よくある状況 「とにかくAIを入れろ」 という経営層の号令 何が起きたか 業務課題の特定が不十分なまま、 AI搭載チャットボットやRAGを導入

    結果 使い勝手が悪く、 問い合わせは結局人間に戻る。 「AI化できたおしまい」 状態に 本質的な問題 AIを入れることがゴールになり、 その後の運用、 業務改善が置き去りに 「AI導入」 が目的化した 情シス×生成AI 付き合い方2026 14 / 57
  10. うまくいかなかった事例 2 項目 内容 よくある状況 「この定型作業をAIで自動化したい」 (当社への相談でも多い) 何が起きたか ルールが明確な作業にLLMを適用。 回答精度が安定しない

    結果 「AIは使えない」 という評価に。 実際はRPA/プログラムで十分 本質的な問題 生成AIと従来の自動化の使い分けができていない AIでやるべきでない問題に挑んだ 情シス×生成AI 付き合い方2026 15 / 57
  11. うまくいかなかった事例 3 項目 内容 よくある状況 「AIなら何でもできる」 という期待で導入を推進 何が起きたか ハルシネーション (AIの誤回答)

    が発生し、 信頼を一気に失う 結果 「やっぱりAIは使えない」 というレッテルが組織全体に広がる 本質的な問題 LLMの特性 (確率的に回答する仕組み) を理解しないまま導入した AIへの過度な期待と失望 情シス×生成AI 付き合い方2026 16 / 57
  12. うまくいかなかった事例 4 項目 内容 よくある状況 AI推進を始めたら、 意外な方面から反対意見が噴出した 何が起きたか セキュリティ陣営だけでなく, 意外にもエンジニア,

    ITリテラシーの高い人からも反発 結果 推進派 vs 反対派の対立で導入スピードが大幅に低下 本質的な問題 反対理由は一様ではない。 技術的懸念・心理的抵抗・仕事を奪われる不安が複雑に絡む 社内の 「生成AI反対勢力」 情シス×生成AI 付き合い方2026 17 / 57
  13. AIに 「やらせてはいけない」 仕事 完璧性を要求する仕事 — 生成AIは 「間違えること」 が仕様。 医療・法務の最終判断等に は不向き

    ステップが長く連鎖する仕事 — 精度90%でも10工程直列で成功率は理論上34%まで 低下 生成AIは確率的に回答する機械であることを理解した上で活用する 出典: 深津貴之 「そもそも生成AIでやるべきでない問い」 に、 企業が挑んでしまう問題 ※ 実際にはフィードバックで改善可能だが、 工程が長いほどリスクは増大 情シス×生成AI 付き合い方2026 18 / 57
  14. では、 生成AIが得意な仕事は何か? 「筋の良さ」 「網羅性」 が価値になる領域が得意 PDCA 従来の生成AI 理由 Plan (検討)

    ✅ 得意 論点洗い出し・たたき台作成 Do (実行) ❌ 不向き 毎回結果が異なる。 RPA/プログラムの領域 Check (評価) ✅ 得意 レビュー・要約・分析 Action (改善) ✅ 得意 改善案の提案・代替案の比較 ※ エージェント型AIでDoの領域にも変化あり → 第2部で解説 情シス×生成AI 付き合い方2026 19 / 57
  15. 生成AIと人間の役割分担 多くの人が 「人間が考え、 AIが実行」 を行っている 実際は 「AIが提案し、 人間が判断・実行」 がうまくいく AIの役割

    人間の役割 ❌ よくある誤解 実行・作業 考える・企画 ✅ うまくいくモデル 方向性・たたき台の生成 判断・検証・正確な仕上げ AIは方向性を示し、 人間は 「判断し正確に仕上げる」 が得意 情シス×生成AI 付き合い方2026 21 / 57
  16. 失敗事例に共通するパターン パターン 本質 AI導入が目的化 「何を解くか」 が不在 LLMで単純作業を自動化 「何に使うか」 を間違えた 過度な期待→失望

    「何ができるか」 を知らない 社内に反対勢力が発生 「誰がどう使うか」 を設計していない 失敗の原因はAIではなく、 AIに何を・どう任せるかの設計にある 情シス×生成AI 付き合い方2026 22 / 57
  17. クラウドネイティブ社内のAI活用の現状 2026年03月時点の状況 AIチームが選定したツールから社員が選択して利用 項目 状況 生成AIツールの付与率 100% 利用できるAIツール Gemini, Claude,

    ChatGPT, Cursor, Perplexity等 (企業向けプラン) 活用している業務領域 議事録生成、 資料作成、 開発、 調査 利用できる情報 ツールごとに規定。 機密・個人・認証情報は取扱規定に従う 利用状況の確認 セキュリティ監視ツールで未許可AI利用を検知 情シス×生成AI 付き合い方2026 24 / 57
  18. 具体的な活用例 主要なツールは提供 個人ごとが用途ごとでツールの使い分けをしている ツール 活用例 Gemini, ChatGPT, Claude 汎用用途 Perplexity

    出典付きの情報収集/信頼性を要求する調査 Notion AI, NotebookLM 会議動画から議事録生成, 会議の分析 NotebookLM 分析, 資料作成 Cursor, GitHub Copilot 開発, ドキュメント作成 Claude Code 後で詳しく解説 そのほかにもEnterprise系のAIサービス製品評価などで利用中 情シス×生成AI 付き合い方2026 25 / 57
  19. 「実行(Do)はAIに不向き」 は 過去の話になりつつある 従来の生成AIは PDCAのP・C・Aが得意、 Doは苦手 だった 2025〜2026年、 エージェント型AIの登場でこの前提が変わった デジタル業務のDoをAIに委任できる場面が増えている

    「相談相手」 から 「実行者」 へ — これがエージェント型AIの本質的な進化 ※ 万能ではない。 長い連鎖処理の精度低下は依然として課題。 リスク評価と人間の監督は必須 情シス×生成AI 付き合い方2026 28 / 57
  20. なぜ今、 Claude Codeなのか 2025年2月: ターミナル前提のエンジニア専用ツールだった 2026年、 3つの進化で職種を問わず使える段階に到達 UI: Webブラウザ版・デスクトップアプリが登場 モデル性能:

    多くのタスクで実用的な精度に到達 エコシステム: MCP連携・スキル機能で業務全般をカバー エンジニア職以外でも利用が推奨できる段階に到達(したと言われている) 情シス×生成AI 付き合い方2026 29 / 57
  21. Claude Teamで組織に導入 Claude Team / Enterpriseで統制可能。 5名〜、 セルフサービスで即日導入 Team/Enterprise契約では入力データはモデル学習に不使用 Claude

    Code本格利用にはPremiumが必要 (Standardは制限にすぐ到達) シート 月額/人(年契約) Standard $20 Premium $100 ※ 2026年3月時点のAnthropicポリシー。 最新の規約を要確認。 不正利用検知等の目的でデータが一時保持される場合あり ※ ヘビーユーザーがいる場合は個別でClaude Max(x20)の利用を検討 情シス×生成AI 付き合い方2026 30 / 57
  22. Webチャット型AIとの決定的な違い 観点 Webチャット型AI Claude Code 動作環境 ブラウザ上 ローカルPC 操作権限 ブラウザの制約内

    ファイル読み書き・コマンド実行 コンテキスト 毎回コピペで伝達 フォルダ内を自動参照 複雑な処理 1回のやりとり単位 複数ステップを自律実行 外部連携 基本なし MCP経由でSaaSと直結 ※ Webチャット型AIも各社進化中のため全てがこの限りではない ※ フォルダ内ファイルはAIプロバイダーに送信されうるため機密ファイルを混在させないこ と ※ ローカル動作のため利用ガイドライン・権限の最小化・操作ログ取得はセットで整備が必要 情シス×生成AI 付き合い方2026 31 / 57
  23. 職種を問わずおすすめの理由 ❌ 従来: ChatGPT → Notion → Excel → Slack…画面切り替えとコピペの繰り返し

    ✅ Claude Code: 調査→整理→集計→報告、 すべて同じ画面で完結 MCP連携で外部ツールにも画面を離れず直接アクセス ツールの行き来がなくなり、 思考が途切れない 理由1: ツール切り替えの認知的負荷がゼロになる 情シス×生成AI 付き合い方2026 32 / 57
  24. 職種を問わずおすすめの理由 ❌ 従来: 毎回 「このプロジェクトは…」 と伝え直す。 伝え忘れると的外れな回答に ✅ Claude Code:

    フォルダに情報を整理しておくだけで自動参照 会話がリセットされても、 フォルダ内の情報は常に参照される フォルダ構造 = AIへのオンボーディング 理由2: 前提情報を毎回伝えなくていい 情シス×生成AI 付き合い方2026 33 / 57
  25. フォルダ構造の例 (情シス業務) CLAUDE.md = 新人に渡す業務マニュアル。 フォルダ設計力がAI活用力になる it-operations/ ├── CLAUDE.md #

    ★AIへの業務指示書 ├── .claude/rules/ │ ├── security-policy.md # セキュリティポリシー │ ├── naming-standards.md # 命名規則 │ └── workflows.md # 承認フロー・業務手順 ├── docs/ │ ├── requirements/ # 要件定義・RFP │ ├── architecture/ # 構成図 │ └── runbooks/ # 運用手順書 ├── specs/ # AI用の作業仕様書 └── reports/ # 月次レポート・議事録 ※ ファイル内容はAIプロバイダーに送信される。 機密情報・認証情報・脆弱性情報はフォルダに含めないこと 情シス×生成AI 付き合い方2026 34 / 57
  26. MCP連携とスキル機能 「Notionを接続して」 で自動接続。 Slack・カレンダー等も同様 APIがあれば自分専用のMCPをClaude Codeに作ってもらえる 複雑な作業を1度お願い → 「スキル化して」 で自動生成

    以降は関連する指示で自動的にスキルが発動 MCP = AIの拡張機能 スキル機能 = 業務のパッケージ化 ※ MCP接続には認証情報の管理が伴う。 接続先の権限範囲・データ流出経路の増加に注意 情シス×生成AI 付き合い方2026 36 / 57
  27. まず自分で使い倒す (今日〜1ヶ月) 初級者: Claude / ChatGPT / Gemini に同じ業務タスクを投げて比較する 中級者:

    Claude Codeを試す — 日本語の指示で業務を最後まで実行 推進担当が使い倒していなければ、 社内の誰も説得できない。 目標: 自分の言葉で語れる実体験を作る 情シス×生成AI 付き合い方2026 42 / 57
  28. 安全な土台を整え、 会社に広げる (3ヶ月〜) ツールの選定と契約 — 自前で作らず企業向けプランを買う(重要) 情報の 「3段階分類」 と 「利用ガイドライン」

    を策定する チームの数字で経営報告し、 全社展開の承認を得る 数字がなければ経営層は動かない。 ルールがなければ現場は使えない。 目標: 経営層を動かす数字と、 安全に使える環境を整える ※ 外部ツール活用企業の成功率が高い傾向 (参考: MIT Sloan S. Nanda氏らの研究) 情シス×生成AI 付き合い方2026 44 / 57
  29. RAGから始めてはいけない 「まず社内データを活用しよう」 とRAGから着手する企業が多いが、 難易度が非常に高い 精度の二重課題 — 検索精度とAI回答精度の両方を同時に担保する必要がある ハルシネーション — 社内データを参照させても誤回答するリスクは残る

    データ整理が前提 — 未整理データではAIに見せていい情報の区別ができない 以前の勉強会で詳しく解説: https://speakerdeck.com/glidenote/implement-ai-agents 情シス×生成AI 付き合い方2026 45 / 57
  30. 生成AIのセキュリティ — よくある懸念と実態 懸念 実態 「入力データが学習に使われる?」 API/エンタープライズ契約では主要各社がデフォルトで学習に不使用 としている (※各社の最新ポリシーを必ず確認) 。

    ただし不正利用検知 等の目的での一時保持・人間レビューの可能性はある。 無料Web版は 学習に使用される可能性があり業務利用NG 「社内情報が漏洩する?」 API利用ならデータ保持は各社ポリシーに基づく期間限定保持。 一部 ベンダー・プランではZDR (ゼロデータリテンション=サーバー側にデ ータを保持しない構成) も選択可能 (※定義はベンダーにより異なる ため契約条件を要確認) 「ハルシネーションで誤情報?」 タスクにより精度は大きく変動。 Human-in-the-loopが必須 「社員が勝手にAI利用?」 多くの組織でシャドーAIが発生。 禁止だけでは逆効果になりうるため、 ガイドライン整備と公式ツール提供に加え、 DLP/CASB等の技術的制 御を併用することが有効 情シス×生成AI 付き合い方2026 46 / 57
  31. AIに渡す情報の仕分け 全データをAIに渡す = アクセス制御のない共有フォルダを全社公開しているのと同じ レベル 例 AI利用 公開情報 製品カタログ、 FAQ

    そのまま活用可 社内限定 業務マニュアル、 手順書 匿名化の上で活用 機密情報 個人情報、 財務データ、 認証情報 AIに渡さない 情報の3段階分類 違反時の対応手順 (報告先・影響範囲の確認・再発防止策) もあわせて策定すること 情シス×生成AI 付き合い方2026 47 / 57
  32. セキュリティガイドラインの整備 (1/2) 1. 利用可能なツールの指定 推奨: 企業向けプランがあるもの。 開発元の責任所在が明らかである NG: 無料Web版 (学習に使用される可能性、

    データ保持ポリシーが不透明) 複数のAIツールを提供する — 最適なツールは日々変わる 2. 入力してよい情報の範囲 OK: 公開情報 / 要注意: 社内プロセス (匿名化が条件) 絶対NG: 個人情報・認証情報・契約情報・財務データ 最低限決めるべき3つのルール 情シス×生成AI 付き合い方2026 48 / 57
  33. 利用申請の判断基準 判断軸 ✅ 許可 ⚠️ 条件付き ❌ 不許可 データ 公開情報

    社内限定 (匿名化) 個人情報・機密情報 目的 たたき台・調査 業務判断の補助 最終判断の完全自動化 出力用途 社内利用 取引先提出 (要レビュー) 法的文書・契約書 絶対禁止: 機密情報のAI入力、 AI出力のみでの最終判断 それ以外は条件付き許可 — 一律禁止はシャドーAIを招く 技術的制御 (DLP/CASB等) も併用すること 許可/不許可を判断する3つの軸 基本方針: 「絶対禁止ライン」 + 「条件付き許可」 情シス×生成AI 付き合い方2026 50 / 57
  34. 情シスの新しい役割 第1部の失敗パターン 情シスの具体アクション AI導入が目的化 業務課題から逆算してPoC対象を選ぶ 生成AIと従来自動化を混同 ガイドラインで 「AIが得意な業務」 を明示 過度な期待→失望

    小さなPoCで実績を積み、 段階的に展開 社内に反対勢力が発生 成功事例の可視化 + 評価制度で巻き込む 情シスは 「ツールを入れる人」 から 「AIで業務を再定義する人」 へ 第1部の失敗パターンに対して、 情シスは何ができるか 情シス×生成AI 付き合い方2026 51 / 57
  35. 「世界は落下している」 KAIZEN Platform CEO・須藤憲司氏のブログより 本来あるべき方向に向かって、 世界は凄い勢いで落下している 世の中には不可逆な流れがあり、 重力と同じで、 抵抗しても止められない スマートフォン、

    クラウド、 ゼロトラスト — どれも抵抗した側がただ出遅れた 世界が落下する方向を見定めて先に動いた者ほど、 有利なポジションを取れる 世界は落下している - sudoken Blog 情シス×生成AI 付き合い方2026 53 / 57
  36. 抵抗勢力にならない 「使うかどうか」 を議論する段階はすでに終わっている 「一律禁止」 を選んだ瞬間、 気づかぬうちに抵抗勢力になっている 課題があるなら 「安全に使える仕組み」 を整備する 「できない理由」

    ではなく 「どうやるか」 を考え抜くのが情シスの仕事 情シスに求められているのは流れを止める側ではなく、 組織を前進させる役回り 情シス×生成AI 付き合い方2026 54 / 57
  37. 今日のポイント 失敗の原因はAIではなく、 AIに何を・どう任せるかの設計にある AIは方向性を示し、 人間が 「判断し正確に仕上げる」 のがうまくいくモデル 環境を整備し 「使える」 状態にはした。

    しかし全社員が活用できる状態ではない ツール付与と教育はセットで必要。 教育は継続的にやる必要がある 推進担当が使い倒していなければ、 社内の誰も説得できない 課題があるなら 「安全に使える仕組み」 を整備する 1. 失敗の原因はAIではなく 「任せ方」 の設計 2. 「使える」 と 「使いこなす」 の間にはまだ距離がある 3. 情シスがやるべきは 「禁止」 ではなく 「整備」 情シス×生成AI 付き合い方2026 55 / 57
  38. 参考資料 「そもそも生成AIでやるべきでない問い」 に、 企業が挑んでしまう問題 (深津 貴之) メルカリAI推進の取り組み (ハヤカワ五味氏) 「世界は落下している」 (須藤憲司氏)

    Claude Code 活用法 (梶谷健人氏) Shopify CEOのAI活用メモ解説 (安野たかひろ氏) AI導入の失敗要因分析 (池田朋弘氏 / MIT Sloan) AIエージェント時代の勝ち抜き方 (田原慎一氏 / PIVOT) 情シス×生成AI 付き合い方2026 57 / 57