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感覚記憶と長期記憶、流入元で変わる作業記憶の働き

 感覚記憶と長期記憶、流入元で変わる作業記憶の働き

「作業記憶」で扱える容量は、「感覚記憶」から持ち込まれた場合と、「長期記憶」から持ち込まれた場合とで異なる。外部から感覚器(視覚とか聴覚とか)を通して入ってきた情報は、作業記憶で扱える容量にかなりタイトな制限があるが、もともと自分の内側で持っていた情報を長期記憶を通して持ち込んだ作業記憶の扱いに、容量制限はない。
長期記憶の作り次第で「作業記憶が何をするか、どこまでできるか」は劇的に変わるという話。詳しくは、筆者ブログにて。
その仕事をしなくなるなら、その仕事能力を身につける必要はなくなるのか問題┃心のうち
https://hysmrk.cocolog-nifty.com/blog/2025/05/post-980005.html

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marimari

May 24, 2025
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  1. 感覚記憶と 長 期記憶、流 入 元で変わる作業記憶の働き ๏感覚記憶から持ち込まれた場合、作業記憶で扱える容量には限界がある。 ๏ 長 期記憶から持ち込まれた場合、作業記憶で扱える容量に制限はない。 長

    期記憶の作り次第で、「作業記憶が何をするか、どこまでできるか」は劇的に変わる。 感覚記憶 作業記憶 長 期記憶 ๏ 約7ビットの情報を保存可 ๏ 一 度に2〜4つの要素を扱える ๏ 数秒間だけ処理できる ๏ リハーサル→リフレッシュされ ないと20秒以内に失われる 容量に限界がある ๏ 外から感覚受容器が受信可能な 情報量は、約1100万ビット ๏ 脳が1秒間に注視して受け取れ る情報量は、約40ビット ๏ あふれた1099万9960ビットは 脳まで到達せず、相当な情報の 選りすぐりが 行 われている ๏ さまざまな知識が関連づけら れ、スキーマ化されている ๏ 何と何が関連づけられ、どれだ けの複雑さや深さをもった知識 構築かは、個々に異なる ๏ スキーマ次第で、作業記憶のア クセスしやすさ・負荷が変わる 容量に限界はない ๏ 長 期記憶の保存状態次第 ๏ 複雑でも知識がスキーマ化され ていれば、単 一 の要素として持 ち込まれ 自 動処理される。他の 処理に余 力 を当てられる ๏ 関連性もたずバラバラな知識と して持ち込まれればパンクする ジョン・ハッティ、グレゴリー・イエーツ著「教育効果を可視化する学習科学」(北 大 路書房)15章をもとに筆者作成   hysmrk