AIとアイデアを考えていると、「これは面白い」と思った着想が、次々と現れるAIの出力に押し流されてしまうことがあります。
本研究では、AIとのアイデア創出において、AIの出力と次の思考の間に「何を挟むか」に着目しました。
大学生89名による15分間の発想課題「2030年の自動販売機」を通じて、次の3方式を比較しました。
① 高回転対話:記録を挟まず、AIとの対話を高速に続ける
② デジタル摘録:AI出力をコピーし、重要箇所にマーカーを付け、自分の考えをコメントする
③ 手書き記録:気になる情報を紙に書き取り、そこから生じる着想も手書きする
結果として、創造性の高まり、思考の飛躍度、翌日語れる自信の3指標について、方式間の統計的に有意な差は確認されませんでした。
一方、自己評価の平均値では、思考の飛躍度はデジタル摘録群、翌日語れる自信は手書き記録群が最も高く、自由記述にも方式ごとに異なる創造体験が表れました。
本研究は、方式を参加者が自己選択した探索的研究であり、因果的な効果を示すものではありません。
AI時代の創造で重要なのは、AIの出力量だけではなく、人間がどこで立ち止まり、何を拾い、どう考えを育てるかという「介在の設計」なのかもしれません。
本資料では、実験の概要、結果、自由記述、研究の限界、今後の研究課題と実践的な示唆を紹介しています。
【発表情報】
日本創造学会 第48回研究大会(2026年)
2026年10月25日/秋田県立大学
発表者:石井力重(アイデアプラント)
資料:全49ページ
※研究発表時のスライドを公開したものです。