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水を運ぶ人としてのリーダーシップ
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izumii19
June 28, 2026
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水を運ぶ人としてのリーダーシップ
2026/06/28 エンジニアがこの先生きのこるためのカンファレンス 2026
Track A 20分セッションの発表資料です
izumii19
June 28, 2026
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Transcript
水を運ぶ人としての リーダーシップ クリエーションライン株式会社 伊藤いづみ 2026/06/28 エンジニアがこの先生きのこるためのカンファレンス 2026 Track A 16:30
自己紹介 伊藤 いづみ (いづいづ) ▪ クリエーションライン株式会社 ▪ アジャイルコーチ / スクラムマスター
▪ アジャイル開発による伴走支援サービスを推進するチームのリーダー ▪ 北海道在住 ▪ 好きなこと:ネコ、ひとり旅 2 X:izumii19
会社紹介 : クリエーションライン株式会社 ▪ 得意領域:AI、アジャイル開発、クラウド技術を駆使した伴走支援 ▪ プロダクト開発支援だけではなく、「お客様の本当に実現したいこと」を共に実現するために ビジネス設計やプロセス改善など組織変革を一気通貫で支援( = Co-Creation
Sherpa ) 3
今回きのこカンファレンス 2026に すべり込みでプロポーザルを提出し採択いただきました 🎉 4 初参加です! 締切5時間前
なぜ突然プロポーザルを出そうと思ったか 5
ある日の会話 いづいづは何が得意なの? これがめっちゃ得意ってのはあんまないですかねぇ その年齢でこれが得意ですって言えないのってまずいんじゃない? 「年齢を重ねているのに得意なことがない=劣っている」 と言われているように感じた 6
得意なことって必ずないとダメですか そんなことはないんじゃないかと思った ▪ 自分も得意なことがないという声もまあまあ聞く ▪ でも実際にはその人にたくさん助けてもらったり、支えてもらっている実感がある ▪ 得意なことがない=劣っているのであれば淘汰されると思うが、得意なことがない自分も今のところ生き 残っている 7
得意なことって必ずないとダメですか 得意なことがないことはコンプレックスでもあった ▪ もともと1つの分野を突き詰めていくことが苦手な性格 ▪ 得意なことを見つけようと思えば思うほど見つけられず、それがない自分がダメな気がしていた ▪ 得意なことがない人なりの生き残り方を見つけて、肯定していきたい 8 色々と考えを巡らせているうちに思い出した1つのキーワード
水を運ぶ人 9
水を運ぶ人 もともとは サラエボ内戦時代に、戦火の中自らの危険を顧みず水を汲みに行き、他人の命を救う尊い存在 オシム監督の奥さん イビチャ・オシム監督が残した言葉 華やかなスター選手(ゴールを決める人)の陰で、 泥臭くチームのために走り回り、ボールを奪って味方にパスを供給する献身的な選手を指す 10
モデルとなった選手は、クロード・マケレレ ▪ 2000年〜2002年頃、レアル・マドリードに在籍 ▪ 超攻撃的サッカーを標榜するスター集団の中で泥臭く走り回りパスを繋ぐハードワーカーとして活躍 ▪ 花形選手に比べて目立つ選手ではなかったが、チームに必要不可欠な存在だった 運営陣 彼はヘディングもできなければ、 3メートルのパスを出すこともほとんどない。
彼を忘れさせる若手が必ず現れるだろう ▪ 自身の仕事に敬意を払われなかったと感じたマケレレは、別チームへ移籍 ▪ その後レアル・マドリードは失点が増加し低迷した ▪ マケレレのチームへの貢献度が高かったにも関わらず、運営陣は彼を正しく評価できなかった 11
12 自分はこういう人になりたいと思っていたことを思い出した
われわれを取り巻く環境での “水を運ぶ人 ” 13
われわれエンジニアを取り巻く環境の特徴 ▪ 複雑で不確実で、変化が早い業界 ▪ 関わる人が多い ▪ 専門性が高く、ラベリング文化が強い 14
専門性が高く、ラベリング文化が強い 15 フロントエ ンドは 任せて! バック エンドは 任せて! インフラは 任せて!
セキュリ ティは 任せて! 上流工程 は任せ て! フロント エンジニア バックエンド エンジニア インフラ エンジニア セキュリティ エンジニア PM 得意分野がラベリングされているので 専門性の高い仕事はしっかりと割り振られる
専門性が高く、ラベリング文化が強い 16 フロント エンジニア バックエンド エンジニア インフラ エンジニア セキュリティ エンジニア
PM ラベリングされてない仕事はスキマに落ちやすい 専門性の高い業界ほどこの傾向になりがち ラベリング されてない仕事
得意分野で活躍する人を主役とするならば、水を運ぶ人は主役じゃない 水を運ぶ人 = 主役じゃない方のリーダーシップをとれる人 ラベリングされてない方の仕事を献身的にさばくことで、全体としての成果をあげる ▪ 得意領域で勝負するのではなく、得意な人が得意なことに集中できる環境を作る ▪ 自分がなんでも解決するのではなく、必要な人へつなぐことで解決に導く ▪
自分が前にでるのではなく、チームや組織全体が前進できるような場を作る 17
「主役じゃない方のリーダーシップ」 18
じゃない方のリーダーシップは単なるサポート役とはちがう じゃない方のリーダーシップ ▪ 状況をよく観察して必要な判断と行動ができる ▪ 時には、前に出て場を牽引するようなリーダーシッ プに転じることができる 単なるサポート ▪ 成果を意識せず来た仕事をこなしているだけ
▪ 状況に応じて前に出る勇気やスキルがない 19
じゃない方のリーダーシップを育てるための 4つのTips 20 ▪ 行間を読む力を磨く ▪ 地味で小さな仕事だとしても誠実に取り組む ▪ 新しいことにチャレンジする ▪
成果を見えるようにする
行間を読む力を磨く 21 ▪ 行間を読む ≠ 空気を読む ▪ 行間を読む力 = 観察力
× データの蓄積。観察力とは違和感に気づく力のこと ▪ 感じた違和感を放置せず自分で深堀ってみる ▪ ロジカルシンキング(まだまだ課題) ▪ 意外と読書 1
地味で小さな仕事だとしても誠実に取り組む 22 ▪ 得意分野で勝負できないかわりに、オールラウンダーのこころを持つ ▪ ブルシット・ジョブでもなんでも喜んでやるということではない ▪ 誠実に仕事をする = 自分なりのベストを尽くすこと。ただタスクをこなすだけではなく状況をよりよくす
ることにコミットすること ▪ 地味で小さな仕事でも誠実に取り組んでいると、必ず信頼関係の向上に繋がる 2
新しいことにチャレンジする 23 ▪ 得意という武器を持たない代わりに、守備範囲を広げる ▪ 引き出しが多いほど、自分が誰かに供給できる選択肢が増える ▪ 一方で、武器をもってないので新しいフィールドに対する耐性が割と低め ▪ 時には引き受けるのを迷うようなチャレンジングな依頼があるが、思い切ってやるようにしている
3
成果を見えるようにする 24 ▪ 水を運ぶ人の貢献はわかりにくい(マケレレの例) ▪ 普段は自分の成果に固執せずとも、必要な場面ではしっかりとアピールするために事実ベースで成果を可 視化 ▪ とはいえ、普段から誰にも気にかけてもらえないとやっぱりさびしいので、ここにいるみなさんが水を運ぶ 人の成果を称える側になれるといいですね
4
1つ1つは小さな事でも 4つのTipsが循環し守備範囲が確実に広がる 25 行間を読む / 観察力 チームや組 織 への貢献力 が
高まる 成果をしっか りアピール 信頼度UP 新たな依頼 誠実な仕事 新しいことに チャレンジ できることが 増える
生き残る🍄 = 生存戦略 26
「水を運ぶ人」がなぜ生存戦略として成り立つのか 得意なことを磨いて生き残ろうと考える人は多い 一方でそういう人が増えるほど水を運ぶ人も必ず必要になる 27
アポロシンドローム 経営学者のメレディス・ベルビン博士が提唱した、優秀な人材ばかりを集めたチームが必ずしも良い結果を出 せない現象のこと 優秀な人が集まったチームが強いのではなく 役割とバランスで決まる Belbin Apollo Teams https://www.belbin.com/resources/articles-directory/belbin-apollo-teams 28
ベルビンチームロール これらの9つのロールがバランスよく配置されているチームが成果を最大化できる • プランナー : 創造的であり、斬新なアイデアで問題を解決することを得意とする • 監視・評価型 : 偏見を持たず、ものごとを論理的に観察・判断しあらゆる選択肢を公平に評価できる
• 専門家 : 特定の領域・分野に関する深い知識や高いスキルでチームに貢献する • 推進型 : 目標達成に向けて行動を促し、チームの原動力となる • 実行型 : アイデアを実行可能で効率的な計画に落とし込み、行動に移す • 完全主義者 : 納得がいくまで仕上げようとする完璧主義者であり、高品質を追求する • 調整型 : 多くの場合でチームリーダーであり、目標を明確化してチームをその達成に集中させる • チームワーカー : チームの潤滑油的存在であり、メンバーが互いに理解し合えるようサポートする • 資源探査型 : 外交的で好奇心旺盛であり、外部から情報を収集しチームにアイデアを持ち帰る 9つのチームロールでチームワークを強化する / ベルビンチームロール https://mtx2s.hatenablog.com/entry/2023/01/23/220718 29
水を運ぶ人は、構造の重要なピース ▪ 得意を突き詰める人たちは自分の専門領域に固定されやすいが、一人で仕事をするのではない限り隙間 は必ず存在する ▪ 水を運ぶ人はその隙間を見つけ、走り回って埋めることでチームのバランサーとなる ▪ これによって強いチーム・組織へと進化できる 30
まとめ 31
得意なことって必ずないとダメですか 得意なことがないことはコンプレックスでもあった ▪ もともと1つの分野を突き詰めていくことが苦手な性格 ▪ 得意なことを見つけようと思えば思うほど見つけられず、それがない自分がダメな気がしていた ▪ 得意なことがない人なりの生き残り方を見つけて、肯定していきたい 32 色々と考えを巡らせているうちに思い出した1つのキーワード
水を運ぶ人 33
水を運ぶ人 ▪ チームの中で主役じゃない方のリーダーシップをとれる人 ▪ ラベリングされてない方の仕事を献身的にさばくことで、全体の成果をあげることに貢献する ▪ チームの良きバランサーとなる ▪ 得意なことで活躍する人が多いこの環境だからこそ、必要とされる役割 34
水を運ぶ人 リーダーシップを育てるための 4つのTips ▪ 行間を読む力を磨く ▪ 地味で小さな仕事だとしても誠実に取り組む ▪ 新しいことにチャレンジする ▪
成果を見えるようにする 35
1つ1つは小さな事でも 4つのTipsが循環し守備範囲が確実に広がる 36 行間を読む / 観察力 チームや組 織 への貢献力 が
高まる 成果をしっか りアピール 信頼度UP 新たな依頼 誠実な仕事 新しいことに チャレンジ できることが 増える
最後に 37 ▪ どの世界でも生き残るということは大変なこと ▪ 誰かになろうとすることよりも、まず自分がどういう人であるかを知る ▪ 目の前にある仕事を一生懸命やっていく
ありがとうございました