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GitLabを活用したクラウドネイティブ アプリケーションセキュリティ

k1nakayama
October 25, 2023

GitLabを活用したクラウドネイティブ アプリケーションセキュリティ

k1nakayama

October 25, 2023
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Transcript

  1. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. 自己紹介 • 中山

    桂一 ( @k1nakayama ) • 株式会社キャラウェブ クラウドパートナーグループ 副部長 • クラウドインテグレーション事業をリード • AWS Community Builders (Serverless) • AWS x Serverless / GitLab / DevSecOps
  2. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. 会社概要 ISO/IEC 27001:2013

    & JIS Q 27001:2014 クラウドに関するコンサルティング、設計、 構築、運用、管理 における認証
  3. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. 開発内製化を進める上での課題 Ø 社内のエンジニアリソースが限られる

    Ø クラウドを活用できるだけの専門的な知見を持っていない Ø 少人数で継続的な開発・運用を行うことは難しい サーバーレス等のクラウドネイティブアプリケーションで構築 GitLabを活用したDevSecOpsを導入する
  4. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. なぜサーバーレス(≒クラウドネイティブ)か AWS Lambda

    の セキュリティの概要 アプリケーション自体や関連する設定等における責任範囲に限定 されており、アプリケーション開発・運用に集中することができる 責任共有モデル
  5. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. なぜGitLabを活用したDevSecOpsか AI-powered DevSecOps

    Platform GitLabはDevSecOpsのプラットフォームであり、ソフトウェア開発 ライフサイクル(SDLC)全体を通じて一気通貫で管理が行える
  6. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. 既にセキュリ ティテストは やってるから

    OK? DevSecOpsっ てDevOpsと 何が違うの? GitLabで どうやって セキュリティ 担保するの? セ キ ュ リテ ィ の 専 門 家 居 な い か ら 無 理 じゃ ね ?
  7. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. シフトレフトによる効果の具体例 Ø ストレージの暗号化をせずデプロイし、公開してしまったが、リ

    リース後の監査により、社内のセキュリティポリシーに違反して いることが判明 u既にデータが入り始めており、過去データのマイグレーション と、暗号化設定済みのストレージに移行することになり、本来 必要なかった作業が大幅に発生 ü IaCスキャンを設計後の早い段階などで実施していたら、 暗号化設定を追加するだけで済んでいた
  8. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. シフトレフトによる効果の具体例 Ø 自社のSaaSサービスに対して、AGPLライセンスを使用してい

    る疑いがある旨の問い合わせと、その場合にサービス全体の コード開示を要求する指摘が入った u1つの依存ライブラリのライセンスを管理できていなかったこ とで、ビジネスにおいて致命的な問題に発展した ü テスト段階において、依存関係スキャンや依存ライブラリに おけるライセンスチェックを行っていたら、公開前に他のラ イブラリに差し替えることが出来ていた
  9. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. GitLabを使ったセキュリティテスト uSAST(Static Application

    Security Testing) ソースコードを解析し、脆弱性を検出する 25種類もの言語やフレームワークに対応 uDependency Scanning パッケージマネージャーの依存関係から、既存のライブラリの脆 弱性を検出する 併せて、各パッケージのライセンスをチェックする uSecret Detection ソースコード内のシークレット等の秘匿情報漏えいをチェックする
  10. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. GitLabを使ったセキュリティテスト uContainer Scanning

    Dockerベースのアプリケーションについて、イメージや使用され ているライブラリ等についての脆弱性を検出します uInfrastructure as Code Scanning(IaC Scan) CloudFormationテンプレートやTerraform、OpenAPI、 Dockerfileなど、IaCを解析し、ベストプラクティスに沿っていない 点を検出します AWS CDKやServerless Framework等もCloud Formationテン プレートとして出力することで解析可能
  11. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. GitLabを使ったセキュリティテスト uDAST(Dynamic Application

    Security Testing) URLに対しWebアプリをクローリングし、動的に様々なリクエスト を実際に行うことで、脆弱性を検出する uAPI Fuzz Testing OpenAPIドキュメントに沿って、実際にランダムなリクエストを APIに行うことで、脆弱性を検出する
  12. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. GitLabを使ったその他のテスト uCode Quality

    ソースコードを解析し、ソースコードの保守性やスタイル等のコー ド品質をチェックします uBrowser Performance Testing Webサイトのレンダリングパフォーマンスを測定します
  13. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. GitLabでのセキュリティテスト実施設定 GitLabのCIの設定を記述する 「.gitlab-ci.yml」に、右記のよう

    なGitLabが提供するテンプレー トの読み込み設定を追加するだ けで、各種セキュリティテストが 有効化され、実施される ※ DAST、Browser Performance Testな どは、CIの中でアプリケーションをデプロイ し、結果のURLを渡す必要がある stages: - build - test - deploy - dast - performance - cleanup include: - template: Code-Quality.gitlab-ci.yml - template: Jobs/SAST.latest.gitlab-ci.yml - template: Jobs/Secret-Detection.latest.gitlab-ci.yml - template: Jobs/SAST-IaC.latest.gitlab-ci.yml - template: Jobs/Dependency-Scanning.gitlab-ci.yml - template: DAST.latest.gitlab-ci.yml - template: Verify/Browser-Performance.gitlab-ci.yml 上記は、Code Quality、SAST、Secret Detection、IaC Scanning、Dependency Scanning、DAST、Browser Performance Testingを実施する場合の設定
  14. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. マージ前にテスト結果を確認し判断 フィーチャーブランチで変更を行 い、マージリクエスト

    (MR,GitHub等でいうところのプ ルリクエスト)を行う画面上で、 それぞれのセキュリティテストの 結果を確認でき、このままマー ジを承認してよいかを判断する ことができる
  15. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. セキュリティポリシー、コンプライアンス テスト結果に応じて、特定のライ センスが使用されていることが

    検出された場合や、脆弱性が検 出された場合などに、特定の人 や一定のロールを持つ人の承 認を一定数得られなければマー ジできない、といったルールを設 定できます。 また、特定のテストを実行してい なければマージ出来ないという ポリシーも設定できます。
  16. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. マージ後も継続的に脆弱性を一元管理 マージ後にプロジェクトに残され た脆弱性について、脆弱性ダッ

    シュボードにて一元管理でき、 それぞれの脆弱性について、ト リアージして管理することが可 能。 必要に応じてワンクリックで Issue化することもできる。
  17. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. AIを活用した脆弱性対応 脆弱性として検出される内容は 多種多様なものがあり、セキュ

    リティの専門家であっても、その 脆弱性についての説明や対応 方法を全て提示することは難し いです。 GitLabは、AIを活用し、ボタン1 つで脆弱性の説明、脅威の内 容、対応策を説明します • レビュアーの提案 • コードの提案(Visual Studio Code等 のIDE上で、コード提案を受けながら コーディングを進められる) • コードの説明(選択したコード部分が 何をしているコードかを説明する) • GitLab Chat • マージリクエストのサマリー • マージリクエストに対するレビューの サマリー • マージリクエスト時のコードに対する テストコードの生成 • イシューのディスカッションについて のサマリー
  18. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. デプロイまでの基本フロー コードプッシュ毎に セキュリティテストの実行

    マージ後も再度 セキュリティテストの実行 コードプッシュ毎にReviewAppを デプロイし、実際のアプリを対象 にDAST等も行える ※マージしたら ReviewAppやフィー チャーブランチは自動的 に削除する まずはマージリクエストを作成し、 同時にフィーチャーブランチ作成
  19. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. 設計段階の成果物としてIaC Ø IaCでインフラのセキュリティを固める

    クラウド上でのイベントフローなどを設計した上で、全体的なアー キテクチャを設計したら、AWS CDKやTerraform等で全体的な コンポーネントを定義し、APIについてもOpenAPIドキュメント (Swagger)を作成しIaCスキャンにかける ü アプリケーション構築前から、足回りのセキュリティを考慮して おくことで、アプリケーション開発時に実装するべき内容が明 確になり、セキュリティ対応に掛ける時間が短縮できる
  20. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. ReviewAppを必ずデプロイ Ø 実際にデプロイすると網羅的にチェックできる

    マージリクエスト時に変更されたコードだけ見ても、本当に意図し た通り動くかを正確に見極めることは難しく、マージした後で実 際にデプロイしたら動かないだと、全体的な手戻りが発生する ü 実際のデプロイされた環境があれば、コードと併せて実際の 意図した動きをするかを確認できるだけでなく、ReviewAppに 対するDASTやPerformance Test、Fuzz Testなどを実行する ことができる ü クラウド上の各種サービスに対する権限設定が正しいかも、 実際の動きをみて確認できる
  21. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. WAF等での対応策も検討 Ø 全部の脆弱性を潰してからリリースは非現実的

    プロジェクトの規模感によっては、最初からDevSecOpsを実践し、 初期段階からセキュリティテストをしていても、大量の脆弱性の 指摘がでることも ü 全部対応することが絶対ではなく、市場への価値提供のリー ドタイムを優先するべき状況もあり得る ü AIによる脆弱性の説明機能を活用し、脅威や攻撃手法の把 握を行い、必要に応じてWAF等で軽減処置を行うことも検討 するべき
  22. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. 導入効果 Ø コード品質が向上

    脆弱性対応を進めやすくするためにも、コード品質を上げてコー ド修正がしやすい形に変えていこうとするため、コード品質が向 上する Ø スキル向上 脆弱性対応を進めるために、自分たちが持っていない知識を調 べて対応するため、広い範囲での知識が身につきやすい Ø 手戻りが少なくなる 早い段階で網羅的にテストするため、手戻りが少なくなり生産性 向上していく?
  23. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. 導入効果 Ø マージ時の心理的ハードルが下がる

    ReviewAppにより実際に動くことをマージ前に確認できることや、 様々なテストの結果、指摘がない状態でレビュー依頼ができると、 レビューイ側も自信をもってリクエストできる。 レビュアー側も同様に、自分の確認漏れによるマージ後の問題 を気にすることが少なくなり、スムーズにレビューが行える Ø クラウドのベストプラクティスに対応できる IaCスキャンの結果に対応していくことで、必然とクラウドのベス トプラクティスに対応していくことができる
  24. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. まとめ Ø変化の早いマーケットに対し、柔軟に対応するためには、クラウド ネイティブなアプリケーションを、内製で開発するべき

    Øセキュリティ対応を含めてスムーズに開発を進めるためには、 DevSecOpsを導入する ØDevSecOpsの実践には、GitLabを使うことで一気通貫で解決 ØIaCにより、クラウドのベストプラクティスに対応 ØAIの活用で、セキュリティ専門家不在でも内製で対応可能
  25. © 2023, CHARA-WEB Co.,Ltd. All rights reserved. GitLab導入支援 • GitLabを活用したCI/CDの構築支援

    • GitLab Self-Managed版 環境構築 (AWS上での構築) • GitLab Runner(Specific Runner)構築(AWS上での構築) • GitLab活用についてのコンサルティング • ラベル運用の自動化支援 • AWSとのインテグレーション支援