Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
O/Rマッパーの光と闇
Search
kazuhira
January 19, 2024
Technology
0
520
O/Rマッパーの光と闇
若手・学生サーバーサイドエンジニアLT会で発表した内容です
kazuhira
January 19, 2024
Tweet
Share
More Decks by kazuhira
See All by kazuhira
楽しいアジャイル開発のための_現場のスクラムの話をしよう.pdf
kazutocode
0
98
開発量を増やす
kazutocode
1
160
若手による若手のための 挑戦と失敗と再挑戦のリレー
kazutocode
1
160
エンジニアを選んだあなたへ.pdf
kazutocode
1
150
2024年の抱負
kazutocode
0
170
テストを並列実行してよかった話
kazutocode
0
130
Other Decks in Technology
See All in Technology
「Linux」という言葉が指すもの
sat
PRO
4
140
Evolución del razonamiento matemático de GPT-4.1 a GPT-5 - Data Aventura Summit 2025 & VSCode DevDays
lauchacarro
0
210
スクラムガイドに載っていないスクラムのはじめかた - チームでスクラムをはじめるときに知っておきたい勘所を集めてみました! - / How to start Scrum that is not written in the Scrum Guide 2nd
takaking22
2
210
バイブスに「型」を!Kent Beckに学ぶ、AI時代のテスト駆動開発
amixedcolor
3
590
Autonomous Database - Dedicated 技術詳細 / adb-d_technical_detail_jp
oracle4engineer
PRO
4
10k
まずはマネコンでちゃちゃっと作ってから、それをCDKにしてみよか。
yamada_r
2
120
5分でカオスエンジニアリングを分かった気になろう
pandayumi
0
260
Codeful Serverless / 一人運用でもやり抜く力
_kensh
7
450
COVESA VSSによる車両データモデルの標準化とAWS IoT FleetWiseの活用
osawa
1
400
ブロックテーマ時代における、テーマの CSS について考える Toro_Unit / 2025.09.13 @ Shinshu WordPress Meetup
torounit
0
130
Oracle Cloud Infrastructure IaaS 新機能アップデート 2025/06 - 2025/08
oracle4engineer
PRO
0
110
Android Audio: Beyond Winning On It
atsushieno
0
3.4k
Featured
See All Featured
How to Ace a Technical Interview
jacobian
279
23k
Keith and Marios Guide to Fast Websites
keithpitt
411
22k
Mobile First: as difficult as doing things right
swwweet
224
9.9k
Context Engineering - Making Every Token Count
addyosmani
3
62
Fantastic passwords and where to find them - at NoRuKo
philnash
52
3.4k
GitHub's CSS Performance
jonrohan
1032
460k
How STYLIGHT went responsive
nonsquared
100
5.8k
The Cost Of JavaScript in 2023
addyosmani
53
8.9k
Building Better People: How to give real-time feedback that sticks.
wjessup
368
19k
XXLCSS - How to scale CSS and keep your sanity
sugarenia
248
1.3M
Build your cross-platform service in a week with App Engine
jlugia
231
18k
Practical Tips for Bootstrapping Information Extraction Pipelines
honnibal
PRO
23
1.4k
Transcript
O/Rマッパーの光と闇 2024/01/19 平尾一斗
❏ 名前 ❏ 平尾 一斗(ひらお かずと) ❏ 主戦場 ❏ 自社Webサービス開発 ❏ 最近の関心事
❏ 結婚式の詳細見積もり書 自己紹介 @kazuhira_0001
アジェンダ 起: この機能、動かないです! 承: ボトルネックを探せ 転: SQLをしゃべる 結: O/Rマッパーは友達 @kazuhira_0001
この機能、動かないです! 鳴り響くアラートと共に、その問い合わせはやってきました @kazuhira_0001 事業部 保証情報のCSV出力機能が動かない…
この機能、動かないです! @kazuhira_0001 事業部 以前は動いていたんですけど 最近重いなと感じてました
この機能、動かないです! 「CSV出力機能」はどんな仕様なのか? @kazuhira_0001
この機能、動かないです! ビジネスにおける取引を全て記録する大きなテーブルを想定し、 1. 取引の情報 2. 取引に紐づく会社Aの統計(いろんな履歴から作る) 3. 取引に紐づく会社Bの統計(いろんな履歴から作る) を全取引についてまとめてCSV化する ※「保証」とはなにかについては簡単のため一旦無視します
@kazuhira_0001
この機能、動かないです! ビジネスにおける取引を全て記録する大きなテーブルを想定し、 1. 取引の情報 2. 取引に紐づく会社Aの統計(いろんな履歴から作る) 3. 取引に紐づく会社Bの統計(いろんな履歴から作る) を全取引についてまとめてCSV化する ※「保証」とはなにかについては簡単のため一旦無視します
CSV1行あたりの導出のために 多くのテーブルを参照しなければならない! @kazuhira_0001
この機能、動かないです! クエリが返ってきていない!! メモリ使用率がスパイクしてる!! うーん対応優先度低いけど機能不全はほっとけないなぁ。大きなデータ引っ張ってきてい るみたいけどチューニングとか業務仕様の整理とかめんどk(ry 直そう @kazuhira_0001
この機能、動かないです! そもそも業務を見直せ!というのは一旦置いて… @kazuhira_0001
ボトルネックを探せ ➔ クエリが返ってきていない!! ◆ クエリいっぱいある? ◆ 実行計画は? ➔ メモリ使用率がスパイクしてる!! ◆
引っ張りたいデータが大きくて、オブジェクト化してる? @kazuhira_0001
ボトルネックを探せ(掘り下げる) ➔ クエリいっぱいある? ◆ テーブルごとに1回だけ取得していてN+1問題ではない • が、後述のフルスキャンの一因である ➔ 実行計画は? ◆
インデックスが使われておらずフルスキャン ➔ 引っ張りたいデータが大きくて、オブジェクト化してる? ◆ フェッチしたデータで使わないデータがたくさん • 本来出力するデータは100MB未満と試算 @kazuhira_0001
ボトルネックを探せ(掘り下げる) ➔ 「インデックスが使われておらずフルスキャン」なのはなぜか? ◆ IN句が巨大になりrange_optimizer_max_mem_size(MySQL)の上限突破 • リレーションをたどって外部キーで絞ろうとしてしていた ➔
「フェッチしたデータで使わないデータがたくさん」なのはなぜか? ◆ 大量のデータをオブジェクトにマッピングしてから整形している @kazuhira_0001
SQLをしゃべる クエリの実行計画に気を付けつつ、 必要なテーブル毎にデータを絞って抽出して集計したい O/Rマッパーで書くとすごく複雑になりそうだなぁ… SQLを直接話せばいいじゃない @kazuhira_0001
SQLをしゃべる がんばってクエリを書く… @kazuhira_0001
SQLをしゃべる ❏ 結果(全件指定) ❏ 【Before】 ❏ タイムアウト ❏ 31クエリ(内、28クエリがフルスキャン) ❏
【After】 ❏ 10秒以内 ❏ 1クエリ(急造のためフルスキャン一部あり) @kazuhira_0001
SQLをしゃべる 複雑なクエリが必要な場面では、 がんばってクエリを書いたほうが近道なこともある @kazuhira_0001
O/Rマッパーは友達 とはいえO/Rマッパーは人類が楽をしたいから作られたはず。 @kazuhira_0001
【SQL】 1. クエリを書く 2. クエリを投げる a. 必要なら値のバインドも 3. 返ってきたデータを オブジェクトにマッピングする
4. 完了 【ActiveRecord】 1. モデルのメソッド呼ぶ 2. 完了 O/Rマッパーは友達 単純なデータをオブジェクト化する実装が早い(例:Rails) @kazuhira_0001
O/Rマッパーは友達 O/Rマッパーの特性を理解して使おう @kazuhira_0001