Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
HTTP/2 Desync Attacksを解説する
Search
kuzushiki
September 30, 2021
Technology
2
860
HTTP/2 Desync Attacksを解説する
第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会(
https://sfb.connpass.com/event/224489/)の発表資料です
kuzushiki
September 30, 2021
Tweet
Share
More Decks by kuzushiki
See All by kuzushiki
Apple M1 CPUの脆弱性「PACMAN」について解説する
kuzushiki
0
570
Open xINT CTF 2021 writeup
kuzushiki
0
580
Other Decks in Technology
See All in Technology
ソフトウェアエンジニアと仕事するときに知っておいたほうが良いこと / Key points for working with software engineers
pinkumohikan
0
100
飲食店予約台帳を支えるインタラクティブ UI 設計と実装
siropaca
7
1.8k
偶然 × 行動で人生の可能性を広げよう / Serendipity × Action: Discover Your Possibilities
ar_tama
1
1.1k
開発スピードは上がっている…品質はどうする? スピードと品質を両立させるためのプロダクト開発の進め方とは #DevSumi #DevSumiB / Agile And Quality
nihonbuson
2
3k
エンジニアが加速させるプロダクトディスカバリー 〜最速で価値ある機能を見つける方法〜 / product discovery accelerated by engineers
rince
4
380
君も受託系GISエンジニアにならないか
sudataka
2
440
SA Night #2 FinatextのSA思想/SA Night #2 Finatext session
satoshiimai
1
140
技術的負債解消の取り組みと専門チームのお話 #技術的負債_Findy
bengo4com
1
1.3k
Data-centric AI入門第6章:Data-centric AIの実践例
x_ttyszk
1
410
株式会社EventHub・エンジニア採用資料
eventhub
0
4.3k
全文検索+セマンティックランカー+LLMの自然文検索サ−ビスで得られた知見
segavvy
2
110
CZII - CryoET Object Identification 参加振り返り・解法共有
tattaka
0
380
Featured
See All Featured
Building a Modern Day E-commerce SEO Strategy
aleyda
38
7.1k
Build The Right Thing And Hit Your Dates
maggiecrowley
34
2.5k
Building Better People: How to give real-time feedback that sticks.
wjessup
367
19k
RailsConf 2023
tenderlove
29
1k
StorybookのUI Testing Handbookを読んだ
zakiyama
28
5.5k
CSS Pre-Processors: Stylus, Less & Sass
bermonpainter
356
29k
Adopting Sorbet at Scale
ufuk
74
9.2k
Side Projects
sachag
452
42k
Imperfection Machines: The Place of Print at Facebook
scottboms
267
13k
[Rails World 2023 - Day 1 Closing Keynote] - The Magic of Rails
eileencodes
33
2.1k
I Don’t Have Time: Getting Over the Fear to Launch Your Podcast
jcasabona
32
2.1k
Git: the NoSQL Database
bkeepers
PRO
427
64k
Transcript
HTTP/2 Desync Attacks を解説する kuzushiki 第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会 kuzu7shiki
今回の発表内容 HTTP/2: The Sequel is Always Worse James Kettle |
Director of Research, PortSwigger HTTP/1.1とHTTP/2との同期ズレ (DeSync) を突いた攻撃手法について 第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会 kuzu7shiki Black Hat USA 2021で興味深かった発表を紹介する 2 / 20
HTTP/1.1 第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会 kuzu7shiki 3 / 20
HTTP/2 第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会 kuzu7shiki 4 / 20
HTTP/2で追加された概念 Binary Protocol HTTP/1はテキストベースなので曖昧な文字列のパースが必要 ex) ヘッダの終わりを知るために「:」を探す TCPのようなバイナリのプロトコルを採用 Message Length HTTP/1ではメッセージボディの長さを以下のヘッダで定義
Content-Length Transfer-Encoding HTTP/2では削除 メッセージボディに長さのフィールドが組み込まれているため不要 メッセージ長を曖昧にする余地がほとんどない 第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会 kuzu7shiki 5 / 20
HTTP/2 Desync Attacks 第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会 kuzu7shiki ようやく本題 6 / 20
Request smuggling via HTTP/2 downgrades プロトコルの違いを利用してリクエストを密輸 (smuggling) 第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会 kuzu7shiki
7 / 20
H2.CL Desync on Netflix 第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会 kuzu7shiki リアルワールドの脆弱性を紹介 8 /
20
Before HTTP/2ではContent-Lengthヘッダは不要 なぜかRFCでは付与してもOK After リクエストを挿入し罠サイト 02.rs に誘導 Netflixのアカウントを侵害し,クレジットカード番号など の重要な情報を窃取できた 報奨金は200万円
第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会 kuzu7shiki 9 / 20
H2.TE Desync on Application Load Balancer 第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会 kuzu7shiki リアルワールドの脆弱性を紹介
10 / 20
Before HTTP/2ではTransfer-EncodingヘッダはNG AWSはこれに従っていなかった After リクエストを挿入し罠サイト psres.net に誘導 報奨金は70万円 第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会
kuzu7shiki 11 / 20
H2.TE via Request Header Injection 第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会 kuzu7shiki リアルワールドの脆弱性を紹介 12
/ 20
Before HTTP/2はバイナリベース \r\nなどの特殊な文字列を挿入可能 After 被害者は悪意のあるNetlifyドメインからコンテンツを受け取 ることに 報奨金はMozilaから20万,Netlifyから20万円 第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会 kuzu7shiki
13 / 20
H2.X via Request Splitting 第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会 kuzu7shiki リアルワールドの脆弱性を紹介 14 /
20
Before chunked encodingを使わず,2回の\r\nでリクエストを 中断させようとした After しかし失敗 フロントエンドはHostヘッダを\r\n\r\nで終わらせるため, 独立したリクエストを挿入してしまった その結果... ->
第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会 kuzu7shiki 15 / 20
結果,障害レベルの事態に 1回の通信で2つの独立したリクエストを送信してしまった リクエストとレスポンスが一つずれてしまった Set-Cookieヘッダを含むレスポンスがあったため,異なるユーザのアカウントにログインできてしま った Atlassianは全ユーザのセッションを失効することで対処 報奨金は150万円 著者はかなり影響が大きいと考えている 第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会
kuzu7shiki 16 / 20
Desync-Powered Request Tunnelling Smugglingの例とは異なり,IPごとにコネクションが張られている 他ユーザのレスポンスに影響が出ない この場合でも キャッシュポイゾニング が可能 第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会
kuzu7shiki 17 / 20
Tunnelling Exploitation: Cache Poisoning 第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会 kuzu7shiki リアルワールドの脆弱性を紹介 18 /
20
Before POSTではレスポンスボディが大きすぎて上手く検知できず… HEADを用いてレスポンスボディをカット After 通常レスポンスヘッダはhtmlとしてみなされない 今回はレスポンスボディとして解釈されているためXSSが 発火 この時点でキャッシュが汚染される 他のユーザが /blog/?x=dontpoisoneveryone
に アクセスしてもXSSが発火 報奨金は150万円 第11回 初心者のためのセキュリティ勉強会 kuzu7shiki ` ` 19 / 20
おわりに HTTP/2 Desync Attacksを解説した 報奨金の多さ(計560万円!)から,とても深刻な脆弱性だということが分かった 紹介した脆弱性は以下のツールで発見できる(BApp Storeからインストール可) https://github.com/PortSwigger/http-request-smuggler E2EでHTTP/2を使うことが大切 第11回
初心者のためのセキュリティ勉強会 kuzu7shiki 20 / 20