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September 09, 2021
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「欲しいものは自分で作る!身の丈DXのススメ」
2021/9/9(木)My IoT シンポジウム 2021基調講演
masashiokawa
September 09, 2021
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Transcript
Copyright © 2020 WingArc1st Inc. All Rights Reserved. ウイングアーク1st 株式会社
大川真史
[email protected]
2021/9/9
page No. 2 会社概要 出典:(株)デロイトトーマツミック経済研究所 「帳票設計・運用製品の競合調査2020年度版」 (帳票運用製品) 67.3% No.1 14%
No.1 28,000社以上 6,000社以上 2,000社以上 Copyright © 2020 WingArc1st Inc. All Rights Reserved. 出典:ITR「DBMS/BI市場2021」データ分析/ レポーティング市場:ベンター別売上金額推移 およびシェア 商号 ウイングアーク1st株式会社 (英文表記:WingArc1st Inc.) 所在地 〒106-0032 東京都港区六本木三丁目2番1号 六本木グランドタワー 創業 2004年3月 資本金 2億円(2021年2月現在) 代表者 代表取締役 社長執行役員CEO 田中 潤 決算期 2月 売上高 183億(2021年2月末) 従業員数 連結692人/単体595人(2021年2月末現在) グループ会社 株式会社リテールマーケティングワン 株式会社Everforth 文雅科信息技術(上海)有限公司 文雅科信息技術(大連)有限公司 WINGARC SINGAPORE PTE. LTD. WINGARC AUSTRALIA PTY LTD
page No. デジタル化による社会・産業構造転換 大川 真史 内閣府 SIP My-IoT開発プラットフォーム メンバー 明治大学サービス創新研究所
客員研究員 総務省 情報通信分野の研究開発の在り方に係る調査 有識者 東京商工会議所 ものづくり推進委員会 学識委員 兼 専門家WG座長 東京の将来を考える懇談会 学識委員 ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会(RRI) 中堅中小AG Garage Sumida研究所 主席研究員 ほか 「データのじかん」主筆/エヴァンジェリスト 3 Copyright © 2021 WingArc1st Inc. All Rights Reserved. Specialty_ name_ division_ Concurrent post_ External activities_ 講演:経済産業省、日本経団連、経済同友会、日本商工会議所 ほか 寄稿:日本経済新聞、読売新聞、朝日新聞、日刊工業新聞、週刊東洋経済、 週刊エコノミスト、日経コンピュータ、日経ビッグデータ ほか
page No. 4 Copyright © 2020 WingArc1st Inc. All Rights
Reserved. 01 新しい産業革命と日本の現状 02 デジタルサービス/ツール開発・活用事例 03 必要な機能と具体的な進め方
Copyright © 2021 WingArc1st Inc. All Rights Reserved.
page No. 6 Copyright © 2020 WingArc1st Inc. All Rights
Reserved. ポスト工業化社会(デジタルサービス化社会) • 第4次産業革命→100年に1度の産業構造転換 • DX→300年ぶりポスト工業化社会への転換期 • 従来産業が消滅する訳ではない 農耕社会 デジタル サービス 化社会 21世紀 20世紀 19世紀 第1次 • 蒸気機関 第2次 • 重工業 第3次 • ICT 第4次 工業化社会 ※DXとは「データとデジタル技術を活用して、製品やサービス、ビジネスモデルを変革する」(出所:経済産業省「DXレポート2(概要)」)
page No. 7 Copyright © 2020 WingArc1st Inc. All Rights
Reserved. 工業化社会とデジタルサービス社会の違い デジタルサービス化社会 (インターネット後) 工業化社会 (インターネット前) 競争力の源泉 役割分担 競争優位 組織体制 UX=User eXperience(ユーザー経験) 技術 → 機能・製造 水平分業で標準化、管理高度化 QCD(品質・コスト・スピード) 組織内の役割を果たす ユーザーインサイト → UX 一人や少人数が中心となる 試行錯誤と一次データ獲得 初期衝動起点でユーザーと繋がる ビジネスの特徴 ⚫ 資本やリソースを内部に集積 ⚫ 稼働率を上げ効率化を図る ⚫ 均質的なものを多くの人に届ける ⚫ 「顧客」という提供者目線 ⚫ 「巨人の肩で踊る」 ⚫ リソースが離合集散 ⚫ 最適なユーザー体験を提供 ⚫ コミュニティで新たな価値創出 企 業 シ ス テ ム
page No. 8 Copyright © 2020 WingArc1st Inc. All Rights
Reserved. ダイナミック・ケイパビリティとは • 不確実性の高い世界では、環境変化に対応すべく組織内外の経営資源を再結合・再構成する経営者 や組織の能力(ダイナミック・ケイパビリティ)が重要である 出所:経済産業省 産業構造審議会「新型コロナウイルスの影響を踏まえた経済産業政策の在り方について」より講演者作成
page No. 9 デジタルサービス化社会へ転換した産業・新興国 約10年で誕生した企業がトップ 最適なUXと一次データで優位形成 Uber 旅客自動車運送サービス Airbnb 宿泊サービス
Alibaba 小売りサービス レガシーが無い国が新しい技術 や産業構造変革を受け入れる ルワンダ 全国規模ドローン配達 ケニア マイクログリッドで電化 中国・深セン 世界最大のデジタル集積地
page No. 10 ICT機器産業 • 1980年代、日本は「電子立国」と称され、半導体は「産業のコメ」と呼ばれた。 • 2000年代から生産減少し2013年に輸出額と輸入額が逆転。2000年代後半からは輸入が急増。 • 全世界で爆発的成長を続けているICT関連機器市場で、日本はダウントレンドから産業消滅の危機。
出所:総務省「令和元年 情報通信白書」 出所:総務省「令和2年 情報通信白書」 世界のIoTデバイス数の推移及び予測
page No. 11 ICT業界構造 出所:総務省「令和元年 情報通信白書」 出所:経済産業省「DXレポート2 (概要) 」 出所:総務省「令和元年
情報通信白書」 ②各国のICT投資額の推移の比較
page No. 12 守りのIT投資(コストセンター) 出所:経済産業省「DXレポート(概要) 」
Copyright © 2021 WingArc1st Inc. All Rights Reserved.
page No. 14 打ち抜きプレス:タカハシ(東京・5名) • 社長が(古い開発言語の)COBOLをゼロから学習し、製造/SCMシステムを自作した。 • 全業務・全情報をバーコード化。入力用キーボード、タッチパネルは独自に改造した。 • 現場をデータ化するために最適な方法は現場にいる人しかわからない。
Copyright © 2020 WingArc1st Inc. All Rights Reserved. 出所:経済産業省/RRI共催「ものづくり中小企業DXフォーラム」より講演者作成
page No. 15 薬局:山口さん • 35才からプログラムの勉強を始め自分で使うためのサービスやツールを開発。 • 開発したものを同業者等に販売するため起業。 出所:山口洋介さんFacebookページより講演者作成
page No. 16 アルミ加工:フジタ(富山・16名) 出所:経済産業省/RRI共催「ものづくり中小企業DXフォーラム」より講演者作成
page No. 17 ドラッグストア:サツドラ • コロナ禍の社内ハッカソンから2週間で店舗にAIカメラを設置し分析開始 • ID-POSデータでは女性客7割だったが、AIカメラ分析で男女比はほぼ半々と判明 • これまでの女性向け施策や陳列を男女ともに使いやすい店舗へ見直すきっかけになった
出所:Itmedia「AIで店舗の「3密」対策、社内ハッカソンから2週間で実装」(https://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/2006/22/news004.html)より講演者作成 Copyright © 2020 WingArc1st Inc. All Rights Reserved.
page No. • 「データに基づいて仕事したい」と思った社長が(孤独に)5年間試行錯誤を続けた • 業務に精通したソフトウェアエンジニアを採用し1年半で多くのサービスやツールを開発 • 業者に頼めば「数か月数百万円」のことも「数週間数万円」で出来る • 現在は格安ロボットの活用に向けた試行錯誤を行っている
鋳造業:錦正工業(栃木・約30名) 出所:経済産業省/RRI共催「ものづくり中小企業DXフォーラム」( https://www.youtube.com/watch?v=F7H13kNcLbw)より講演者作成 18 Copyright © 2020 WingArc1st Inc. All Rights Reserved.
page No. 19 デジタル化に挑む人たちに共通している事 • 毎日の困り事や自分の欲求をど うにかしたい • 欲しい物を作るのが楽しくて、 誰かが使うのが嬉しい
初期衝動 • 現地・現場・現物が起点 • 開発・試行・修正を繰り返す • ブログやプロトタイプ専門ス クールで勉強 方法 • 始めに色々買って、試行錯誤の 結果、使わなくなる物が多い • 躊躇なく捨てるために安く手軽 なものを手に入れる 必要なもの • 代替わり等で中長期の本質的課 題に向き合う覚悟 • 「自分達で作る」が最優先 • 想定外の効果を認めて喜べる 経営者 • 同じ辛さを痛感している同業者 への販売 • ユーザーのコミュニティ化で更 に価値を高める ビジネスモデル • 一連の業務もデータもひとつの 基盤で扱える • 最適なユーザー体験を提供 プラットフォーム Copyright © 2020 WingArc1st Inc. All Rights Reserved.
Copyright © 2021 WingArc1st Inc. All Rights Reserved. 20 Copyright
© 2020 WingArc1st Inc. All Rights Reserved.
page No. 21 Copyright © 2020 WingArc1st Inc. All Rights
Reserved. デジタル化に必要な機能 • デジタル化には下図の機能が必要。最も重要な事はユーザーがデータに基づいて「判断」し、それ に基づく「アクション」である。データ可視化やデータ分析は判断までの過程に過ぎない。 しくみ ユーザー 判断 する アク ション データを作る・ 上げる データをつなげ る データを分析す る データを見る・知らせる センサー カメラ AI-OCR 音声・VUI 業務システム 外部データ 無線近距離通信 クラウド ストレージ 表計算ソフト クラウドAI API ETL 可視化ツール チャット BOT SNS VUI フロントDB
page No. 22 Copyright © 2021 WingArc1st Inc. All Rights
Reserved. デジタルツール導入・活用の大原則:UX重視&試行錯誤 • デジタルツール導入・活用では、現地・現場・現物起点で実際に使う人の使いやすさ=ユーザー体 験(UX)を重視する事と、最適なUXを探索するための素早い試行錯誤である。 何を作るか ユーザーが使い 続けるのが「良 いサービス」 誰が決めるか 良いサービスは ユーザーしか決 められない どう作るか ユーザー試行を 重ね、失敗と修 正が多いほど良 く育つ どう進めるか 1日でも早く1回 でも多く「ダメ」 と言われる
page No. しくみ ユーザー 23 導入・活用のコツ①手段のフィードバック • 「判断」と「アクション」の結果から「手段のフィードバック(見直し・改善)」が重要である。 • いわゆるAgile(試行錯誤)の進め方となる。
判断 する アク ション データを作る・ 上げる データをつなげ る データを分析す る データを見る・知らせる • データの種類 • データ取得頻度 • データの質 • データの信頼性 • 大量データの操作 • 欠損データの扱い • 解析アルゴリズム • データ送信先 • 送信方法・頻度 • データマージの 基準・ルール • ユーザーインターフェース • リアルタイム必要性 • 同時表示データ種類 フィードバック フィードバック
page No. 出所:東京商工会議所「ものづくり企業の現状・課題に関する調査」(http://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=115010)より講演者作成 24 Copyright © 2020 WingArc1st Inc. All
Rights Reserved. 想定外の効果「やってみないとわからない」 • デジタルツール導入前の期待効果と導入後の効果は異なる。想定外の効果がある。 • 例:デジタルツール導入→データ化→可視化共有→社内外コミュニケーション活性化→生産性向上 • 想定外の効果を認識する能力が必要である。
page No. 25 導入・活用のコツ②成果のフィードバック • 経営戦略や優先度の高い経営課題を念頭に、現地・現場・現物の課題に取り組んでみる。 • 現場を起点としてまず自分達で「やってみる」と想定外の効果・成果が出てくる。 • それを前向きに受け止めて目的や設定課題を見直す事が重要である。
③どうやるか データを作る ・上げる データを つなげる データを 分析する 判断する データを見る・知らせる アク ション 手段のフィードバック ③どうやるか ④ 次に何を するか ② まず何を するか ① 何をどう したいか ⑤ やった結果 どうだったか 成果のフィードバック(検証・修正) ⑥ 「どうしたい」 の見直し 事業計画・開発計画 商品・サービス設計 要件定義・概要設計 詳細設計・開発 テスト・ローンチ 効果測定
page No. 26 Copyright © 2020 WingArc1st Inc. All Rights
Reserved. デジタル化・データ活用を進める上での課題 • 日本は世界有数の情報通信インフラが整備され、デジタル化に必要な環境整備も進んでいる。 • 日本企業の課題は、自社組織内の状況や社内風土によるものが最も大きなものとなっている。 出所:総務省「平成30年 情報通信白書」3章2節 図表3-2-2-4より講演者作成 0% 20% 40% 60% 80% 100% 日本 米国 英国 ドイツ 通信回線の品質や速度 端末やセンサーの品質や価格 外部との接続性 レガシーシステムとの調整や移行 データ流通に係る制度環境やルールの整備 政策や制度的な対応・支援 資金調達環境 人材育成 自社のニーズに対応したソリューションや製品・ サービス ビジネスモデルの構築 組織としてのビジョンや戦略の立案 組織風土 システム・ インフラ 事業環境・ 支援体制 自社組織・ 自社風土
page No. 27 Copyright © 2020 WingArc1st Inc. All Rights
Reserved. デジタル化・データ活用が出来ない組織風土例 • 日本企業でデジタル化・データ活用が進まない要因は、手段が目的化し、失敗が無いように進め、 本気で活用しようとする人物がいないためである。 • 成功事例の多くは、経営トップが積極的に関与・推進し、真剣に取り組んだ中小企業である。 • AI・IoT等デジタルツールを 導入する事が目的になって いる。 • 事業上の成果の目論見がな く始める。 事業上の目的 が不明確 • 確実に成功しそうな事だけ を実施する。 • 実績のない新技術・新サー ビスを避ける。 • 挑戦がないため、導入効果 が殆ど無い。 出来る事から 考える • 「試しにやってみる」が出 来ない。 • 経営者・責任者が許容しな い。 • 従業員も本気でやらない。 やらされ感。 失敗を許さな い 出所:pwc「日本企業におけるAI活用の可能性 –成功のカギはどこにあるのか?」に講演者加筆
page No. 28 Copyright © 2020 WingArc1st Inc. All Rights
Reserved. 必要な人材:3D人材 • 当事者であるExtreme Userを中心としてDirector、UX Designer、Digital Engineerが必要 • 圧倒的に不足しているのはデザイナー。デザイナーを許容する組織文化が必須。 • 筋の良いExtreme Userを探索できるかもポイントとなる Extrem e User Director Digital Engineer UX Designer 【Digital Engineer】ツール等の事例収集と評価 ⚫幅広く情報を収集し自社導入の目利きができる ⚫自分で試作(プロトタイプ)を作ることができる 【UX Designer】ユーザーインサイト獲得 ⚫現場観察や対話を通じてユーザーインサイトを獲得する ⚫本質的な「良さ」「便利さ」を探索することが得意 【Director】課題探索と優先度 ⚫ユーザーと共に探索した課題の中から優先度を決める ⚫社内外関係者との調整、ノイズキャンセリングが得意 出所:経済産業省「第4次産業革命クリエイティブ研究会」より作成
page No. 29 Copyright © 2020 WingArc1st Inc. All Rights
Reserved. Agile(試行錯誤)の本質 出所:横田幸信「優れたアイデアを生み出すには? 」(ウイングアークフォーラム2019大阪) デザイン的なやり方 (デザイン思考、人間中心など) これまでのやり方 (工学/ロジカルシンキングなど) 顧客の価値= 性能、機能、効率など客観的なもの 顧客の価値= 心地よさ、驚きなど主観的なもの 統計情報などの市場予測から 顕在化したニーズの傾向を把握 個人レベルで深く洞察することで 潜在的なニーズを発掘する 手順的なプロセス: 「正解がある」という前提 論理的に導き出せるか、 顧客や市場を分析すれば発見できる 探索的なプロセス: 「正解がない」という前提 プロトタイプをつくり、 顧客との対話を通じて最善解を探索する 出所:企業内技術士シンポジウム2016、配布資料「日立におけるデザインの役割の変化と課題〜“技術”と “人”の狭間で思うこと〜」(株式会社日立製作所 古谷純氏講演資料)を用いて横田作成 得意そうな人: エンジニア、ビジネス 得意そうな人: デザイナー、建築家
page No. 30 Copyright © 2020 WingArc1st Inc. All Rights
Reserved. まとめ デジタル化は全ての産業を根本的に変革させる 手を動かして解決に向けた「何か」を小さく始める 現場で試行錯誤を繰り返し、色々な側面での変化を楽しむ 小さな変化が「成果の萌芽」になるよう組織風土を変える 業務や事業に貢献する糸口が見えたら本格的に取り組む 自社で定着したら同じ痛みの他社にも広めてみる
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