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汎用原子レベルシミュレータMatlantis 計算材料科学のMI活用と課題

Matlantis
February 14, 2024

汎用原子レベルシミュレータMatlantis 計算材料科学のMI活用と課題

2024/2/1にnano tech 2024 特別シンポジウムにてPreferred Computational Chemistry シニアマネージャーの名児耶が"汎用原子レベルシミュレータMatlantis 計算材料科学のMI活用と課題"というタイトルで講演した際の資料です。
https://unifiedsearch.jcdbizmatch.jp/nanotech2024/jp/sem/nanotech_mems/seminar_details/s6om7kV0zq4#A29157452

講演では、
- 高速な原子レベルの材料シミュレーション Matlanitsの概要
- Matlantisを使った最近の計算事例の紹介
- Matlantisでは対応できない計算ニーズと事業展開における課題
などに関して触れてみました。ぜひご覧ください。

Matlantis

February 14, 2024
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Transcript

  1. 汎用原子レベルシミュレータMatlantis 計算材料科学のMI活用と課題   1 ・2024 2/1(木)15:00-15:40  ・メインシアター (東4ホール) Preferred Computational

    Chemistry シニアマネージャー 名児耶 彰洋 【nano tech 特別シンポジウム】MIはナノ材料開発をどう変化させたのか - 現状の課題と今後の展望 -
  2. 自己紹介 2 プロフィール • 大阪大学大学院 基礎工学研究科 修士課程 修了 (2007) •

    株式会社豊田中央研究所 (2007) ◦ 第一原理計算:太陽電池材料、半導体材料、燃料電池触媒、グラフェン材料 ◦ 高分子の古典MD、MI • ENEOS株式会社 (2022) ◦ Matlantis関連業務 • Preferred Computational Chemistry (2023) 興味・趣味 • 材料に関わる現象、散歩、ランニング、子供と遊ぶこと Preferred Computational Chemistry (PFCC) 技術営業部 シニアマネージャー 名児耶彰洋 / Akihiro Nagoya
  3. アジェンダ • PFCCのご紹介 • 汎用原子レベルシミュレータ 「Matlantis」 のご紹介 • Matlantis活用事例の紹介 ◦

    Matlantisによる複雑現象解明と材料スクリーニング (ENEOS 小野寺様) • 課題と展望 1. 使いやすさ 2. 海外展開 3. 実験とのスケールの違い • まとめ 3
  4. 会社紹介 5 The largest petroleum company. Japan’s AI technology leader.

    Preferred Computational Chemistry 会社名 設立背景 基本情報 代表取締役社長 岡野原 大輔 (CEO) *2023年7月 IDTechEX で9.4/10点の高評価 • ミッション “革新的なマテリアルの創出に貢献し、持 続可能な世界を実現する ” • サービス:Matlantis™ 汎用原子レベルシミュレーションのクラウドサービス
  5. 材料科学におけるチャレンジ 1 2 3 革新的なマテリアルの創出に貢献し、持続可能な世界を実現する 材料の研究開発対象となる未知の分子の数: 1060 種類 • 実験

    合成・解析のハードルが高く網羅的な検討が困難 • シミュレーション 計算に時間がかかりすぎて非実用的 • マテリアルズ・インフォマティクス データ駆動型アプローチとして有 望、”普遍性” に課題 シミュレーション × 深層学習
  6. Matlantis 開発の背景  マテリアルズ・インフォマティクス( MI) 9 材料開発にAIを用いて 膨大な候補物質から 有望材料を見出す技術。 特徴 ①

    研究者の経験や勘に頼る 従来の手法を加速できる。 特徴 ② シミュレータ ~10回/月 実験 ~10回/月 従来 開発に時間がかかる MI活用 実験・計算 → バーチャル実験 数千回/月 Matlantis データ ベース 深層学習 モデル 学習 計算 → バーチャル実験 → 実験 原子配置から材料特性を予測する汎用シミュレータ 入力:原子配列 出力:エネルギー    原子に働く力
  7. 製品の特長 10 2,000 years 20M times 72 elements 72元素 (実用上ほぼ全ての元素)

    に対応 従来手法よりも2000万倍の高速性 1台のGPUで2,000 年分 のデータを学習 (2000万個のシミュレーションデータ) PFN supercomputing cluster 学習済みのAIを提供:学習データの準備やAIの知識は不要 メンテナンスフリー:システム/ハードの専門家は不要
  8. Why Matlantis™? 11 実験 従来手法 (DFT) Matlantis™ シミュレーション シミュレーション 実験

    解析 ・圧倒的な速さ ・実験と同様の条件のもとで計算 ・Matlantis駆動型アプローチ による材料開発の加速 計算準備 計算準備 解析 ~10,000 回 ・計算時間が膨大 ・計算負荷を下げるために計算内容を単純化 ・計算結果が出るのは実験終了後
  9. Applications 12 トリメチルアルミニウムの反 応解析 BaTiO3の相変態 触媒 電池 半導体 金属・合金 触媒組成の

    大規模スクリーニング 潤滑剤 セラミックス 固体電解質中の Li拡散 吸着剤 分離膜 摩擦における化学反応 MOF中の分子吸着 磁性材料 …
  10. Research Transformation by Matlantis™ 15 • 実験科学者から勘所を学ぶ • じっくり論文を読む •

    空いた時間で計算機のメンテなども https://www.slideshare.net/Matlantis/matl antis30-rula05ce05o175xpfcc20221215 • とりあえず計算を回して実験科学者に見せる • じっくり論文を読むために、 ◦ 1日分/1週間分の構造モデル作成~ジョブ投 入を自動化 ◦ 1日分/1週間分の計算結果を自動解析 • 計算機のメンテは不要 研究者の時間 計算機の時間 https://pc.watch .impress.co.jp/d ocs/news/1336 421.html 研究者の時間 計算機の時間 “ 20年近く計算化学の世界にいるが、触った感じは圧倒的に汎用性が高い。 数カ月かかっていた計算が1秒もかからないで終わる。 わくわくする以外の要素がない。”    Matlantis 導入 古山教授 (信州大) プレスリリースより抜粋
  11. Scientific Papers 16 Editor’s Highlights on 2 categories + 37

    conference presentations https://matlantis.com/cases Lieven Bekaert, et al. 2023 ChemSusChem2023, e202300676 Ayako TAMURA, et al. 2023 J. Comput. Chem. Jpn., 21, 129-133 Kan Hatakeyama, et al. 2023 10.26434/chemrxiv-2023-f9lxl Tien Quang Nguyen, et al. 2023 J. Comput. Chem. Jpn., 21, 111–117 Lieven Bekaert,et al. 2023 J. Phys. Chem. C, 18, 8503–8514 Hiroshi Sampei,et al. 2023 JACS Au, 3, 991–996 Yuji Shitara,et al. 2023 Tribologist, 68, 280-291 Yuji Shitara and Shigeyuki Mori 2022 Tribologist, 67, 662-671 Tasuku Onodera 2022 Tribologist, 67, 821-829 Kaoru Hisama,et al. 2022 Comp. Mat. Sci., 218, 111955 So Takamoto, et al. 2022 Nature Comm.,13, 2991 Other publications (as of July 2023):
  12. 現象解明のためのモデリング 19 Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved. 実験結果:基油の種類によって加工しやすさが変化

    ⇒ 2種の異なる基油中における添加剤の拡散・吸着ダイナミクスを追跡 金属 金属 面 圧 金属 金属 面 圧 イソパラフィン×80 + 添加剤 ドデカノール×1 + 添加剤 ドデカノール×1 n-パラフィン×80 基油 加工しやすい 潤滑油 基油 加工しにくい 潤滑油 基油層 基油層 添加剤 添加剤 【引用】 小野寺、トライボロジスト、67 (2022) 821/山岸ほか、トライボロジー会議2022春・東京、D25/柴田ほか、トライボロジー会議2022秋・福井、A23
  13. 加工しやすい基油の提案 21 Copyright © ENEOS Corporation All Rights Reserved. 実際に入手可能な化合物を3つ提案。当社内にて、実験実証フェーズに突入!

    特徴量(RDF中点) 特徴量(RDF傾き逆数) •教師データ •予測データ 入手可能な化合物 イソパラフィン 基準油 ★ 有望な化合物群 >10,000個 密 疎 密 疎 RDF 特徴量 加工油の基油候補 基準油 A B C 中点 3.74 3.70 3.68 3.50 傾き 逆数 0.99 0.94 0.96 0.90 入手可能 化合物群のうち、入手可能な化合物 基油として用いれば、 金属加工を容易にできる可能性 (疎な油膜を形成、添加剤吸着を妨害せず) 

  14. Atomistic Simulation Tutorial 必要な知識を実践的に学べるチュートリアル • Document: https://docs.matlantis.com/atomistic-simulation-tutorial/ • Code: https://github.com/matlantis-pfcc/atomistic-simulation-tutorial

    コンテンツ • 1章: Introduction (導入) • 2章: Opt (構造最適化) • 3章: Energy • 4章: Vibration, phonon, 各種自由エネルギー • 5章: 反応経路探索 • 6章: MD (分子動力学法) • 7章: おわりに 学習教材とカスタマーサポート 24 専門家によるカスタマーサポート - Webフォームからの問い合わせ対応 - 定期打ち合わせ - サンプルプログラムの提供
  15. 課題3:実験との比較 S. G. Louie, Nature Materials, 20, 728 (2021) DFT

    MD 安定状態 化学反応 計算精度 計算精度 時間 ps - ns 現象のサイズ 大きさ ~ nm DFT MD
  16. スケールの難しさ:Li-ion電池のデバイス構造 Y. Chen, Journal of Energy Chemistry 59, 2021, 83-99

    K. Liu, Automotive Innovation, 5, 2022,121 材料、セル、モジュール 実験からの目線
  17. 21