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人工知能学会 AI哲学マップ・総括セッション 講演資料

人工知能学会 AI哲学マップ・総括セッション 講演資料

人工知能学会誌『人工知能』で2021年1月号から2023年5月号まで全15回に渡ってレクチャーシリーズとして実施されて来た「AI哲学マップ」の目的は,新しい人工知能研究の領野を指し示すことにあった.学会誌上で11組の人工地の意研究者と哲学者の対話を記録し,AIと哲学の交差するポイントを収集してきた.本セッションは,その対話の記録を整理し,AIと哲学の間を橋渡しするAI哲学全体マップを提示することで,AI研究と哲学研究が交錯する全体像を提供することにある.また本内容は人工知能学会誌2023年1号から3号に渡って掲載された「AI哲学マップ総論」をレクチャーするものであり,広くレクチャーシリーズの成果を還元するものである.またAI哲学マップの最終的な結果を初めてに公開し解説する.

miyayou

June 07, 2023
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Transcript

  1. 人工知能学会
    AI哲学マップ・総括セッション
    三宅 陽一郎
    2023.6.6
    https://www.facebook.com/youichiro.miyake
    https://miyayou.com/
    [email protected] @miyayou
    https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2023/session/1D02-02/tables?JMBBymNSJx

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  2. 人工知能学会「AI 哲学マップ」総論(2023年1~3号)
    • 2023 年 38 巻 1 号 p. 56-63
    • 「AI 哲学マップ」[総論・前編] 哲学から人工知能へ 15 の批判
    • https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/38/1/38_56/_article/-char/ja/
    • 2023 年 38 巻 2 号 p. 245-253
    • 「AI 哲学マップ」[総論・中編]人工知能—哲学対応マップ
    • https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/38/2/38_245/_article/-char/ja
    • 2023 年 38 巻 3 号 p. 408-412
    • 「AI 哲学マップ」[総論・後編]七つの哲学—人工知能コラボレーション
    • https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/38/3/38_408/_article/-char/ja
    三宅 陽一郎, 大内 孝子, 清田 陽司

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  3. My Works (2004-2022)
    AI for Game Titles
    Books

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  4. 近著

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  8. 外側: 宇宙の果て
    内側: 人間の根源
    この2つはつながっている

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  9. http://static.flickr.com/5051/5525304279_65012a492c_s.jpg

    http://flopdesign.com/download/Human_S/pages/B50.html

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  10. 人工知能の研究
    =いろんな生物を観察して、
    知能の原理を理解して、
    コンピューターやロボットで実現する

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  11. 人工知能を探求することは、
    人間を探求すること。
    哲学によって深く探求し、
    エンジニアリングによって証明する

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  12. アプローチ
    そこから構築
    (エンジニアリング)
    そして何ができるのか?
    知能とは何か?
    (哲学、サイエンス)

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  13. 人工知能のための哲学塾
    未来社会篇 (2018-2019年)
    第0夜 概観
    第一夜 人と人工知能はわかりあえるか?
    第二夜 人工知能はどのような社会を築くのか?
    第三夜 人工知能は文化を形成するか?
    第四夜 人と人工知能は愛し合えるか?
    第五夜 人工知能にとって幸福とは何か?
    第0夜 概観
    第一夜 荘子と人工知能の解体
    第二夜 井筒俊彦と内面の人工知能
    第三夜 仏教と人工知能
    第四夜 龍樹とインド哲学と人工知能
    第五夜 禅と人工知能
    第0夜 概観
    第一夜 フッサールの現象学
    第二夜 ユクスキュルと環世界
    第三夜 デカルトと機械論
    第四夜 デリダ、差延、感覚
    第五夜 メルロ=ポンティと知覚論
    人間の内面を頼りに
    人工知能の内面へ深く迫る(作る)ことが目標
    人間の社会を頼りに
    人工知能の社会へ深く迫る(作る)ことが目標
    http://www.bnn.co.jp/books/8210/
    http://www.bnn.co.jp/books/9172/
    https://miyayou.com/2017/11/11/philosophyeast/ http://www.bnn.co.jp/books/10544/

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  14. 西洋の見る夢
    東洋の見る夢 人工知能の誕生
    組み合わせ構造・水平的
    存在的混沌・垂直的
    機械論・分解的
    存在論・生成的
    問題特化型
    身体の上に立脚
    情報的・世界の再構築
    身体的・世界と溶けあう
    存在の理解
    存在共生 機能連携
    都市管理
    自然となる
    言葉を外す 言葉で作る
    人工生命 エージェント
    人間拡張
    場の人工知能
    機能理解
    探求の方向
    作り方
    立脚点
    世界とのかかわり方
    相互理解
    人とのあり方
    環境としての人工知能
    言語
    未来
    存在の形
    人工知性 人工知能
    第10章
    第0章
    自律型知能

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  16. 学問としての
    人工知能
    (アカデミック)
    理想の人工知能像
    (鉄腕アトム
    など)
    学問としての人工知能の進む道
    技術(機能)が徐々に集積される
    人々が求める人工知能像
    から逆算して技術を求める
    ポップ
    カルチャー
    (SF,アニメ、
    ゲーム)
    学問
    立ち現れるものとして

    人工知能
    機能とアーキテクチャ
    から
    ビルドアップされる
    人工知能
    現在のところを二つを結ぶ細い架け橋
    (ここを太くすればお互いが相互作用的に進化する)

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  17. 要素を集めて積み重ね、構築的に
    人工知能を作る = 西欧的人工知能
    人工知能
    混沌の海から人工知能を見つけ掘り出す
    = 東洋的人工知能
    積み重
    ねる
    積み重
    ねる
    人工知能
    混沌の海
    掘り
    出す
    掘り
    出す
    足し算による人工知能の作り方
    (組み上げて調和を得る)
    引き算による人工知能の作り方
    (混沌から引き算する)
    デカルト的構築 ベルクソン的引き算

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  18. 人工知能のための哲学塾
    未来社会篇 (2018-2019年)
    第0夜 概観
    第一夜 人と人工知能はわかりあえるか?
    第二夜 人工知能はどのような社会を築くのか?
    第三夜 人工知能は文化を形成するか?
    第四夜 人と人工知能は愛し合えるか?
    第五夜 人工知能にとって幸福とは何か?
    第0夜 概観
    第一夜 荘子と人工知能の解体
    第二夜 井筒俊彦と内面の人工知能
    第三夜 仏教と人工知能
    第四夜 龍樹とインド哲学と人工知能
    第五夜 禅と人工知能
    第0夜 概観
    第一夜 フッサールの現象学
    第二夜 ユクスキュルと環世界
    第三夜 デカルトと機械論
    第四夜 デリダ、差延、感覚
    第五夜 メルロ=ポンティと知覚論
    人間の内面を頼りに
    人工知能の内面へ深く迫る(作る)ことが目標
    人間の社会を頼りに
    人工知能の社会へ深く迫る(作る)ことが目標
    http://www.bnn.co.jp/books/8210/
    http://www.bnn.co.jp/books/9172/
    https://miyayou.com/2017/11/11/philosophyeast/

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  19. なぜ哲学が必要か?

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  20. If(target.type == FRIEND){
    Agent.approach(loation target.positoin);
    Agent.talk();

    }
    else if (target.type == VISITOR){
    Agent.record.put(device* d):
    ….
    }
    一般的に、人工知能は
    数学と工学…と思われている

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  21. そもそも知能ってなんだっけ?
    誰も知らない!
    そもそも知能ってなんだっけ?
    …誰も知らないッ!
    ?

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  22. 知能について定義できナイから
    人工知能を作れない!
    !

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  23. 人間の定義ってなんだ?
    それを追求するのは…

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  24. 哲学

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  25. 最も多い人工知能:ルールベース・タイプ
    • 駅案内の受付けロボット
    →「渋谷駅でしたら山手線に乗って…」
    • 顔認証
    →この顔の人なら通す
    • 会話AI
    →「おはよう」と言われたら「おはよう」
    もし相手が「魔法使い」だったら
    「魔法封じの呪文」を放ツ!

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  26. どんどん賢くして、
    でも、それで人工知能なの?

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  27. どんな人工知能に
    出会いたいですか?

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  28. プラトン(B.C. 427-347)
    哲学は人間を解放するものである
    哲学
    哲学 知識
    哲学 解放
    哲学とは創造と破壊
    古い考えを打ち破り、
    新しい場所に導く
    その繰り返し

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  29. ルネ・デカルト(1596-1650)
    思考を持つ人工知能
    人工知能は考える存在です
    人間は考える存在である
    近代哲学

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  30. エトムント・フッサール(1859-1938)
    意識を持つ人工知能
    人工知能は世界へ向かう意識です
    人間は世界へ向かう意識である
    現象学

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  31. ノーバート・ウィナー(1894-1964)
    経験する人工知能
    人工知能は世界と連動した運動です
    人間は世界と連動した運動である
    サイバネティクス

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  32. 哲学とは新しい台地を与えるもの
    広げれば広げるほど
    高い人工知能を作れる
    解放
    解放
    解放

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  33. その上の構造を作るのは理科系の仕事
    (エンジニアリング、サイエンス)
    台地を作るのは文科系の仕事
    (哲学、人文学)

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  34. 新しい台地へ…
    さらに人工知能を拡張したい
    解放
    解放
    解放
    解放

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  35. 哲学は新しい土地を与える
    • 哲学は具体的な理論を与えるもの、というよりは、
    • 哲学は人工知能が構築される土地を与える。
    • 新しい概念は、新しい土地(=可能性)の指針を与える
    • 新しい概念によって張られる土地
    • 概念のマップを作ろう

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  36. 常にこう問うべき
    • 我々は何の上に立っているか?
    • 我々は何に捕らわれているか?
    • 我々を現在の呪縛から解き放つべきものは何か?

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  37. 概念

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  38. • AIマップβ

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  39. • AIマップβ ここ(人工知能の中心)を探求したい

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  40. 水平構造
    垂直構造
    機械論、合理的存在としての知能、
    人間の思考の記号化
    ニューラルネット、物としての知能
    神経回路、力学系
    現象学、精神の動力学
    サイバネティクス、
    環境とのフィードバック

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  41. 技術と哲学
    • 技術は水平構造を与える
    • 実際にどう手を動かしていいかを教えてくれる
    • 哲学は垂直構造
    • 新しい考え方の次元を与える

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  42. 水平構造=人工知能技術
    垂直構造=哲学

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  43. 水平構造=人工知能技術
    垂直構造=哲学
    80年代:哲学の方が強い

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  44. 水平構造=人工知能技術
    垂直構造=哲学
    今:技術の方が強い

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  45. 水平構造=人工知能技術
    垂直構造=哲学
    90年代:どちらも弱い

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  46. 水平構造
    垂直構造
    機械論、合理的存在としての知能、
    人間の思考の記号化
    ニューラルネット、物としての知能
    神経回路、力学系
    現象学、精神の動力学
    サイバネティクス、
    環境とのフィードバック
    実際はいくつかの軸がある

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  47. 水平構造
    垂直構造
    それぞれの時代の
    知の境界面
    それぞれの時代の
    知の境界面(エピステーメー)

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  48. 哲学マップ=知の体系
    • パラダイム
    知のまとまったパッケージ。
    知はパラダイムからパラダイムへ非連続に進む
    トーマス・クーンの用語
    • パースペクティブ
    知の展望。俗語。
    • エピスメーテー
    ある時代の社会や人々の生産する知識のあり方を特定付け、
    影響を与える、知の「枠組」(Wikiより)

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  49. 作るマップの種類の検討
    人工知能の垂直的発展の原動力となっている
    ものを提示する

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  50. 哲学マップはいかにあるべきか?
    • 思考のガイドであるべき
    • 必ずしも客観的なマップでなくて良い
    • カオス縁(秩序と混沌の境界)のような境界を示すもの
    • 新しい可能性を示すものであればよい
    • 人の発想をインスパイアするもの
    • 固定概念を崩す
    • 何が我々の思考の境界を作っているか

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  51. 成果物:新しい研究分野
    • 本プロジェクトの目標=新しい土地を示すこと
    • 新しい土地を示す土台となること
    • 具体的に新しい研究分野を示唆できればベスト
    • 新しい研究分野の方向を示せればベター
    • 新しい研究分野を考える示唆を与えるのはミニマム

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  52. 人工知能の3大基本問題
    • フレーム問題
    物事を捉える方を生成できるか?
    記号の体系もニューラルネットも世界を細分化するだけ
    • シンボルグラウンディング問題
    記号は世界にたどり着けるか?
    記号の体系~世界の体系
    • 心身問題
    身体と知能はいかに結びつくか?

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  53. AI哲学マップ

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  54. AI哲学マップ
    • 人工知能学会編集委員会における,哲学と人工知能を含む議
    論の中から,次なる人工知能のフロンティアを見つけるミッション
    • 学会誌上で,一人の哲学者,一人の人工知能研究者をお呼びして,
    AI哲学対談を行うことで広く知見を集めた.(対談を未来へ残す)
    目的
    方法
    • 集めた情報をもとにマップを作成する
    結果

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  55. スタッフ
    • 清田 陽司, 大内 孝子, 三宅 陽一郎

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  56. ご協力いただいた皆様に心より御礼申し上げます。

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  57. ご協力いただいた皆様に心より御礼申し上げます。

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  58. ご協力いただいた皆様に心より御礼申し上げます。

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  59. ご協力いただいた皆様に心より御礼申し上げます。

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  60. 「AI 哲学マップ」総論(2023年1~3号)
    • 2023 年 38 巻 1 号 p. 56-63
    • 「AI 哲学マップ」[総論・前編] 哲学から人工知能へ 15 の批判
    • https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/38/1/38_56/_article/-char/ja/
    • 2023 年 38 巻 2 号 p. 245-253
    • 「AI 哲学マップ」[総論・中編]人工知能—哲学対応マップ
    • https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/38/2/38_245/_article/-char/ja
    • 2023 年 38 巻 3 号 p. 408-412
    • 「AI 哲学マップ」[総論・後編]七つの哲学—人工知能コラボレーション
    • https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/38/3/38_408/_article/-char/ja
    三宅 陽一郎, 大内 孝子, 清田 陽司

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  61. 「AI 哲学マップ」総論(2023年1~3号)
    • 2023 年 38 巻 1 号 p. 56-63
    • 「AI 哲学マップ」[総論・前編] 哲学から人工知能へ 15 の批判
    • https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/38/1/38_56/_article/-char/ja/
    • 2023 年 38 巻 2 号 p. 245-253
    • 「AI 哲学マップ」[総論・中編]人工知能—哲学対応マップ
    • https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/38/2/38_245/_article/-char/ja
    • 2023 年 38 巻 3 号 p. 408-412
    • 「AI 哲学マップ」[総論・後編]七つの哲学—人工知能コラボレーション
    • https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/38/3/38_408/_article/-char/ja
    三宅 陽一郎, 大内 孝子, 清田 陽司

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  62. AI哲学マップ・総括①
    「哲学から人工知能へ 15 の批判」
    三宅 陽一郎
    三宅 陽一郎

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  74. 哲学から人工知能へ 15 の批判
    全11回に渡るテキスト群
    抽出

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  75. 哲学から人工知能へ 15 の批判
    (1)環境と主体が一体となってこその知能ではないのか?
    (2)ディープラーニングに対応する哲学とは何か?
    (3)決められたタスクをこなすAI よりは,
    発達的に人工知能をつくるべきではないか?

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  76. 哲学から人工知能へ 15 の批判
    (4)人工知能にとって時間とは何か?
    (5)現在を点のように考えていないか?
    (6)欠損から,引き算,「ずれ」から
    意識が生まれるのではないか?

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  77. 哲学から人工知能へ 15 の批判
    (7)人工知能をモデル化するとき空間化していないか?
    (8)人工知能の上に自由意志を構築することはできるか?
    (9)人工知能の歴史をあまりに簡素化して捉えていないか?

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  78. 哲学から人工知能へ 15 の批判
    (10)言語と論理を第一原理として考えるのではなく,
    むしろ,それは結果として得られるものとして知能を
    構築するべきではないか?
    (11)人工知能を一般化された知能としてではなく,
    個としての知能としてつくることはできないか?
    (12)思いどおりになる身体をつくろうとしていないか?

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  79. 哲学から人工知能へ 15 の批判
    (13)人工知能の研究者は成功事例ばかりを論文化する
    のではなく,失敗事例や,うまくいかなかった話を,
    人工知能研究の未来のために残すべきではないか?
    (14)人工知能の発展は技術だけはなく,文化の発展と
    ともに考えるべきではないか?
    (15)東洋哲学・東洋の文化を人工知能に組み込んでいくべき
    ではないか?

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  80. 「AI 哲学マップ」総論(2023年1~3号)
    • 2023 年 38 巻 1 号 p. 56-63
    • 「AI 哲学マップ」[総論・前編] 哲学から人工知能へ 15 の批判
    • https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/38/1/38_56/_article/-char/ja/
    • 2023 年 38 巻 2 号 p. 245-253
    • 「AI 哲学マップ」[総論・中編]人工知能—哲学対応マップ
    • https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/38/2/38_245/_article/-char/ja
    • 2023 年 38 巻 3 号 p. 408-412
    • 「AI 哲学マップ」[総論・後編]七つの哲学—人工知能コラボレーション
    • https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/38/3/38_408/_article/-char/ja
    三宅 陽一郎, 大内 孝子, 清田 陽司

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  81. AI哲学マップ・総括②
    「人工知能─哲学対応マップ」
    三宅 陽一郎
    三宅 陽一郎

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  87. 哲学
    人工知能
    「イデア」
    プラトン
    トップダウン型の
    人工知能
    B.C.500
    すべて現在
    「我思うゆえに我あり」
    デカルト
    ~ 1750
    「思考の算術化」
    ライプニッツ
    記号主義型人工知能
    考える存在としての人工知能
    「知の起源は知覚」
    ヒューム
    知覚の饗宴としての知能
    1600
    「言挙げしない」
    本居宣長
    言語化しないことの
    重要性
    1800
    「発展し運動する精神と
    弁証法」ヘーゲル
    発展する精神として
    の人工知能
    「世界を統合的に認識す
    る純粋理性」カント
    世界を統合的に
    認識する理性の法則
    1850

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  88. 哲学
    人工知能
    「意識の流れ」
    ジェームズ
    1880
    すべて現在
    1900
    「言語と世界、言語ゲーム」
    ウィトゲンシュタイン
    場と矛盾としての知能
    は可能か?
    1950
    人工知能の意識の流れ
    とは何か?
    「精神力動理論」
    フロイト
    人工知能における
    精神構造
    「現象学」
    フッサール
    現象学的人工知能
    「多時間スケール
    モデルをもつマル
    チプルタイムス
    ケールリカレント
    ネットワーク」
    谷淳
    「意識・時間・身体」
    ベルクソン
    ベルクソンを基礎とする
    新しい人工知能の基礎
    「禅と霊性の思想」
    鈴木大拙
    人工知能は「悟る」こ
    とができるだろうか?
    「絶対矛盾的自己同一の場
    として自己」西田幾太郎
    「媒体の哲学、
    切断と継続」
    田辺元
    生物は切られつつ
    接続する。知能と
    環境の関係の構築
    「北海道大学
    CHAIN」田口茂
    「死への先駆、
    インタラクション」
    ハイデガー
    死だけは交換可能でない。
    人工知能の交換不可能性と
    は何か?
    技術論、道具論から環境の
    一部としての人工知能へ
    命題の集合として世界は記述
    できるか?言語ゲームに、
    人工知能は参加できるか?
    「記号論理と集合論」
    ラッセル
    「二階述語論理」
    フレーゲ
    二階述語論理的人工知能
    記号主義型人工知能
    「身体の現象学」
    メルロ=ポンティ
    人工知能は自己身体感覚
    を持つことができるだろうか?
    デカルト
    (17世紀)
    ライプニッツ
    (17世紀)
    「心身二元論の批判」
    ライル
    心身二元論を超えた
    人工知能は可能か?
    「ENIAC」アーサー・バークス
    ハーマン・H・ゴー ルドスタイン
    「サイバネティクス」
    ウィナー
    人工知能の出発点の一つ
    「記号学」
    パース
    「記号創発ダイナミクス」
    谷口忠大
    「環世界」
    ユクスキュル
    生態学的人工知能

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  89. 哲学
    人工知能
    「知能の発達理論」
    ピアジェ
    1960
    すべて現在
    1970
    発展する精神として
    の人工知能
    1950
    「暗黙知」
    ポランニー
    人工知能もまた暗黙知
    を持てるだろうか?
    「ルール・慣習を含む
    自由主義」ハイエク
    人間の知性には限界があり
    ルールや慣習が必要。
    人工知能もまた同様か?
    「人間中心主義の終焉」
    フーコー
    フーコーの議論から人間を
    模した人工知能の終焉の議
    論へ接続できないか?
    「差異と反復」
    ドゥルース
    さまざまな最前線の「現場」
    でこそ差異と反復に遭遇する。
    哲学と現場をつなぎ人工知能
    の対処する諸問題を抽出する
    「言語行為」
    サール
    人工知能にお
    ける言語行為
    とは?
    「生成文法」
    チョムスキー
    生成文法に基
    づく人工知能
    「身ぶりと行為」
    グーラン
    グーランの人類の身ぶりから
    発達する知能の発展を人工知
    能の上に再現できないか?
    「実践的知識」
    アンスコム
    人工知能に実践的知
    識はあり得るか?
    ウィトゲンシュタイン 「モンタギュー文法」
    モンタギュー
    自然言語意味論
    は人工知能に何
    をもたらすか?
    「構造主義」
    レヴィ=ストロース
    人工知能もまた暗黙知
    を持てるだろうか?
    「生態学的心理学」
    ギブソン
    アフォーダンスなど
    環境認知に必要な理
    論的フレームワーク

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  90. 哲学
    人工知能
    「脳の同期理論」
    クリック、コッホ
    1970
    すべて現在
    2000
    オートポイエーシス
    なシステムとしての
    人工知能
    1980 「包括的な言語
    科学」土屋俊
    哲学が概念を生み出すことを使命
    とするなら、人工知能はその概念
    を活かすことができるだろうか?
    1990
    「オートポイエーシス」
    バレーラ, マトゥラーナ
    「人工知能批判」
    ドレイフェス
    人工知能を各モジュー
    ルの同期という視点か
    ら組み直せないか?
    言語科学からの
    人工知能への
    アプローチ
    「人間とソフトウエアの相互作用」
    ヴィノグラード,フローレス
    人間の環境の一部とし
    ての人工知能の探求
    「道具論」
    ハイデガー
    「脳と身体と世界の接続」
    クラーク
    脳と身体と環境の三
    者の相互作用そのも
    のの中に知能がある
    「意識のハードプロブレム」
    チャ―マーズ
    内的経験を持つ
    人工知能は可能か?
    「状況に埋め込まれた
    行為」サッチマン
    プランニングを否定し環境
    とのコミュニケーション
    「志向姿勢」
    デネット
    志向姿勢を持つ
    人工知能
    「概念を生み
    出す哲学」
    ドゥルース,
    ガタリ
    「誤差逆伝播法、PDP」ラメルハート
    「分散認知、
    エスノグラフィ」
    ハッチンスン
    分散認知による
    全体の知能モデル
    「身体拡張」
    稲見昌彦、暦本純一

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  91. 哲学
    人工知能
    2000
    「認知言語学」
    山梨
    「神経科学に基づ
    く意識」コッホ
    統合情報理論に
    基づく人工知能
    「意識の統合情報理論」
    トノーニ
    神経科学に基づく
    人工知能の意識
    「シンギュラリティ
    批判」ガナシア
    認知言語学から
    人工知能の認識を
    作ることは可能か
    自由エネルギー原理
    に基づく人工知能
    「量子脳理論」
    ピータ・ブルーザ
    「Slow Feature Analysis」
    ウィスコット
    「計算機の歴史」
    ディビス
    「圏論と知能」
    西郷
    圏論から人工知能
    の理論を構成する
    2020
    2010
    ディープラーニングの台頭
    「シンギュラリティ」
    カーツワイル
    「Project Bergson in Japan」
    安孫子信・平井靖史
    ベルクソンの哲学
    に基づく人工知能
    「全脳アーキテクチャ」
    山川宏
    脳構造を模擬した
    人工知能アーキテクチャ
    「コモングラウンド」
    西田豊明
    「自由エネルギー原理」
    フリンストン
    会話情報学
    空間知能
    すべて現在

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  92. 「AI 哲学マップ」総論(2023年1~3号)
    • 2023 年 38 巻 1 号 p. 56-63
    • 「AI 哲学マップ」[総論・前編] 哲学から人工知能へ 15 の批判
    • https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/38/1/38_56/_article/-char/ja/
    • 2023 年 38 巻 2 号 p. 245-253
    • 「AI 哲学マップ」[総論・中編]人工知能—哲学対応マップ
    • https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/38/2/38_245/_article/-char/ja
    • 2023 年 38 巻 3 号 p. 408-412
    • 「AI 哲学マップ」[総論・後編]七つの哲学—人工知能コラボレーション
    • https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsai/38/3/38_408/_article/-char/ja
    三宅 陽一郎, 大内 孝子, 清田 陽司

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  93. AI哲学マップ・総括③
    「人工知能─哲学対応マップ」
    三宅 陽一郎
    三宅 陽一郎

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  94. • AIマップβ ここ(人工知能の中心)を探求したい

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  95. 入り込めない領域がある
    中心領域 応用領域
    応用的探求
    基礎的探求

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  96. 水平構造
    垂直構造
    機械論、合理的存在としての知能、
    人間の思考の記号化
    ニューラルネット、物としての知能
    神経回路、力学系
    現象学、精神の動力学
    サイバネティクス、
    環境とのフィードバック

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  97. 中心領域 応用領域
    人工知能の拡大
    中心領域の拡充

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  98. View Slide

  99. 人工知能の呼吸
    • 人工知能の活動は常に哲学と一つの環の中で連動している
    •外へ伸ばす力 = エンジニアリング
    •内へ引き戻す力 = 哲学

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  100. 脳科学の進展
    全脳アーキテクチャ
    意識の情報統合理論
    自由エネルギー原理
    カント「純粋理性批判」
    ヒューム「人間本性論」
    デカルト「方法序説」
    ピアジェ「知能の発達理論」
    ヘーゲル「精神の弁証法」
    唯識論
    ユクスキュル「環世界」
    エージェントアーキテクチャ
    知能の全体論

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  101. 谷淳「現象学的人工知能」
    谷口忠大
    「記号創発ダイナミクス」
    アンディ・クラーク
    「脳と身体と世界の接続」
    本誌特集
    「開かれた知能」
    ベルクソン「イマージュ」
    フッサール「現象学」
    デカルト「考える存在としての人間」
    ライル「心身二元論の批判」
    ユクスキュル「環世界」
    ウィナー「サイバネティクス」
    思考,精神,身体
    を含む人工知能

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  102. バレーラ、マトゥラーナ
    「オートポイエーシス」
    本誌特集
    「意識とメタ過程」
    西田幾太郎
    「絶対矛盾的自己同一の場として自己」
    チャ―マーズ
    「意識のハードプロブレム」
    デカルト「我思うゆえに我あり」
    デネット「志向姿勢」
    トニーニ「意識の統合情報理論」
    フリンストン
    「自由エネルギー原理」
    意識モデル
    意識の探求

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  103. ギブソン「アフォーダンス」
    プランニング
    アンスコムは「実践的知識」
    ハイデガー「道具論」
    ウィナー「サイバネティクス」
    サッチマン「状況に埋め込まれた行為」
    環境認識
    ベルクソン
    「時間の空間化」批判
    ユクスキュル「環世界」
    スマートオブジェクト
    特集「空間移動自動運転技術」
    時間と空間の認知

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  104. 西田豊明「コモングラウンド」
    ハイエク「ルール・慣習を含む自由主義」
    空間知能
    アリストテレス
    「人間はポリス的動物」
    スマートシティ
    特集
    「スマートシティと
    AIの新展開」
    特集「職場で働くAI」
    「地域におけるAI社会実装」
    特集「社会に浸透する
    アバターの存在を考える」
    特集「人工知能と社会的意思決定」
    「ノモス」と「テシス」
    社会的存在としての人工知能

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  105. ポランニー「暗黙知」
    フレーゲ「二階述語論理」
    ウィトゲンシュタイン
    「言語と世界、言語ゲーム」
    ライプニッツ「思考の算術化」
    グーラン「身ぶりと行為」
    サール「言語行為」 チョムスキー「生成文法」
    モンタギュー
    「モンタギュー文法」
    記号主義的人工知能
    ラッセル「記号論理と集合論」
    ディープラーニングによる
    自然言語人工知能
    自然言語処理
    ソシュール
    「シニフィアン、シニフィエ」
    パース「記号学」
    言語と概念を操る人工知能

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  106. 分散人工知能
    フーコー「人間中心主義の終焉」
    人工生命
    レヴィ=ストロース「構造主義」
    カーツワイル「シンギュラリティ」
    特集
    「ゲーム産業における人工知能」
    特集
    「スマートファクトリーとAI」
    ハッチンスン「分散認知」
    人工知能の新しいかたち

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  107. まとめ
    • 人工知能の活動は常に哲学と一つの環の中で連動している
    • 外へ伸ばす力 = エンジニアリング
    • 内へ引き戻す力 = 哲学
    • 一つの科学的研究は、必ず一つの哲学的探求と対応している
    • 逆もしかり
    • 一つの哲学的研究は、必ず一つの科学学的探求と対応している
    • 科学的研究から哲学的研究を行い、哲学的研究から科学的研究を行
    うことで、人工知能は真に高いアクティビティを獲得する

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