$30 off During Our Annual Pro Sale. View Details »
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
2年のAppleウォレットパス開発の振り返り
Search
muno92
PRO
December 19, 2025
Programming
0
33
2年のAppleウォレットパス開発の振り返り
muno92
PRO
December 19, 2025
Tweet
Share
More Decks by muno92
See All by muno92
PsySHから紐解くREPLの仕組み
muno92
PRO
1
740
RayでPHPのデバッグをちょっと快適にする
muno92
PRO
0
440
Appleウォレット / Googleウォレットに チケットを保存する方法
muno92
PRO
2
3.9k
歴史を重ねたシステムの開発に趣味で関わり始めて
muno92
PRO
1
550
PHPでGoogle Walletにチケットを追加する
muno92
PRO
0
750
カンファレンススタッフはいいぞ
muno92
PRO
1
380
PHPerKaigi 2022をきっかけにPHPStanにコントリビュートした話 / PHPerKaigi makes me PHPStan's Contributor
muno92
PRO
0
850
Other Decks in Programming
See All in Programming
LLM Çağında Backend Olmak: 10 Milyon Prompt'u Milisaniyede Sorgulamak
selcukusta
0
130
AIコーディングエージェント(Gemini)
kondai24
0
240
開発に寄りそう自動テストの実現
goyoki
2
1.2k
Developing static sites with Ruby
okuramasafumi
0
310
手が足りない!兼業データエンジニアに必要だったアーキテクチャと立ち回り
zinkosuke
0
760
sbt 2
xuwei_k
0
300
FluorTracer / RayTracingCamp11
kugimasa
0
240
TerraformとStrands AgentsでAmazon Bedrock AgentCoreのSSO認証付きエージェントを量産しよう!
neruneruo
1
380
Navigation 3: 적응형 UI를 위한 앱 탐색
fornewid
1
360
認証・認可の基本を学ぼう後編
kouyuume
0
240
S3 VectorsとStrands Agentsを利用したAgentic RAGシステムの構築
tosuri13
6
350
SwiftUIで本格音ゲー実装してみた
hypebeans
0
420
Featured
See All Featured
職位にかかわらず全員がリーダーシップを発揮するチーム作り / Building a team where everyone can demonstrate leadership regardless of position
madoxten
47
33k
Performance Is Good for Brains [We Love Speed 2024]
tammyeverts
12
1.3k
Why Mistakes Are the Best Teachers: Turning Failure into a Pathway for Growth
auna
0
16
Testing 201, or: Great Expectations
jmmastey
46
7.8k
Unsuck your backbone
ammeep
671
58k
Refactoring Trust on Your Teams (GOTO; Chicago 2020)
rmw
35
3.3k
YesSQL, Process and Tooling at Scale
rocio
174
15k
Save Time (by Creating Custom Rails Generators)
garrettdimon
PRO
32
1.8k
Rails Girls Zürich Keynote
gr2m
95
14k
Stop Working from a Prison Cell
hatefulcrawdad
273
21k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
35
2.3k
A Modern Web Designer's Workflow
chriscoyier
698
190k
Transcript
2年のAppleウォレット パス開発の振り返り 2025/12/20 PHPer⼤忘LT会 2025 @muno_92
⾃⼰紹介 • X (Twitter): @muno_92 • PHPer • 趣味: カンファレンススタッフ
◦ PHPerKaigi ◦ PHPカンファレンス⼩⽥原 ◦ iOSDC Japan 2
2年経ったforteeのウォレット機能 • 2023年12⽉頃〜 • Appleウォレット‧Google ウォレットの両⽅に対応 3
fortee (フォルテ) • カンファレンス運営が便利になるシステム • PHPerKaigi / iOSDC Japan 委員⻑の⻑⾕川さんが開発
• PHP製 https://fortee.jp 4
Appleウォレットとは • ウォレットアプリで搭乗券などの 「パス」を管理できるサービス • イベントチケットに使うと ◦ イベント毎に専⽤アプリを⼊れ なくても簡単にチケットを出せ るようになる
5
Appleウォレット(のパス)の開発 を振り返ります 6
きっかけ • iOSDC Japan 2023 (9/1〜9/3) ◦ チケットのQRコードをブラウザで提⽰ ▪ 開くのに⼿間取る⼈も
• アンケート「(要約) Appleウォレットに追加できると良 いかも」 7
🤔「Appleウォレットの実装って どんな感じなんだろう?」 8
作った Appleウォレット Google ウォレット 9
開発の歴史 • 最⼩実装版 (2023/12/2〜) • 更新対応版 (2024/11/26〜) • ⼀括更新対応版 (2025/9/15〜)
10
最⼩実装版 (2023/12/2〜) • 必要最低限 ◦ パスをiPhoneに新規追加 ◦ チケット番号‧QRコードの表⽰ • それ以外は割り切った
11
詳しい実装については https://fortee.jp/iosdc-japan-2024/proposal/cf6f4134-8ae5-4b4a-b001-d4abeffc03b4 12
初期開発の振り返り • 機能を絞ったことで想定より早くリリースできた 🎉 ◦ 意図してなかったがPHPカンファレンス北海道2024 に間に合い、便利だと実感できた • 後々ネックになってくる設計も‧‧‧ 13
2023/12時点 • ✅ パスの新規発⾏ • ❌ キャンセル時の無効化 • ❌ カンファレンス終了後のアーカイブ
• ❌ カンファレンス共通情報の埋込‧⼀括更新 14
更新対応版 (2024/11/26〜) • パスの更新に対応 • できるようになったこと ◦ 参加者名の表⽰‧変更反映 ◦ キャンセル時の無効化
◦ カンファレンス終了後のアーカイブ 15
補⾜: パスのアーカイブ • イベントの終了時刻を埋め込むと終了後に⾃動でアー カイブしてくれる • 終了イベントのパスで埋め尽くされなくて済む ◦ 地味に便利 •
更新対応とセットで埋め込んだ ◦ 万が⼀時間が変わった時に更新できないと困るので 16
パス更新に対応していなかった理由 • パスの更新はめんどい ◦ サーバーからiPhone内のパスは直接更新できない ◦ 「iPhoneに更新がある事を伝える」→「更新後の パスを取ってこさせる」必要がある 17
forteeから発⾏したAppleウォレットのパスを更新できるようにしま した && 更新⽅法の解説 18
forteeから発⾏したAppleウォレットのパスを更新できるようにしま した && 更新⽅法の解説 19
forteeから発⾏したAppleウォレットのパスを更新できるようにしま した && 更新⽅法の解説 20
地味に⾯倒だったけど対応 💪 21
更新対応の振り返り • チケットのキャンセルなど運⽤に必要な機能を備えら れた • パスの更新フローについて⾃信を持って説明できるよ うになった ◦ 「ドキュメントを読んで知っている」とは⼤違い 22
2024/12時点 • ✅ パスの新規発⾏ • ✅ キャンセル時の無効化 • ✅ カンファレンス終了後のアーカイブ
• ❌ カンファレンス共通情報の埋込‧⼀括更新 23
⼀括更新対応版 (2025/9/15〜) • ⾒た⽬上はあまり変わっていない • ⼀括更新する仕組みを追加した 24
なぜ⼀括更新したくなったのか • 「受付の近くにいるときだけロック画⾯ にパスを表⽰」をやりたかった 25
iBeaconで「受付近く」を判別 • Bluetooth Low Energy (BLE) を使⽤した技術 • Appleウォレットの場合 ◦
受信したビーコンとUUIDが⼀致したパスがロック 画⾯に表⽰される 26 iBeacon ‧UUID: XXX UUID: XXX
UUIDは変えたくなるかも知れない • 変更する場合、全てのパスに埋め込んだUUIDを更新し ないといけない • ⼀括更新とセットで実装した 27
パスの⼀括更新 • ⼀括更新⽤のAPIは無い • パスの数だけ更新処理をバッチで回す ◦ 1更新毎に複数のリクエストがforteeに⾶んでくるの で更新ペースは若⼲配慮している 28
ちなみに: Google ウォレット • Google ウォレットはチケットを構成する情報が2つ に分かれている ◦ 共通情報 (パスクラス)
◦ 各参加者固有の情報 (パスオブジェクト) • 共通情報を更新したい場合はパスクラスをPUT or PATCHリクエストで更新するだけでOK ◦ とても楽 29
伏線回収: パスの更新⽇時 • パス更新時、iPhoneにパスの更新⽇時を伝えない といけない • それまで ◦ パスの更新⽇時 =
参加者レコードの更新⽇時 ◦ ビーコンのUUIDが変わった場合、参加者レ コードは更新されない 🤯 30
お茶を濁した • パスの更新⽇時 = max(参加者レコードの更新⽇時, ウォ レット共通設定の更新⽇時) • もう1つ条件が増えたらリファクタリングするかな ‧‧‧
31
⼀括更新対応の振り返り • iBeacon動かなかった‧‧‧ ◦ リベンジしたい • カンファレンス共通情報を追加しやすい基盤は作れた 32
現在 • ✅ パスの新規発⾏ • ✅ キャンセル時の無効化 • ✅ カンファレンス終了後のアーカイブ
• ✅ カンファレンス共通情報の埋込‧⼀括更新 33
forteeの開発以外にも 34
旅先で実機確認したり 35
各社のパスをコレクションしたり 36
開発⽤のツールを作ったり 37
⽇々ウォレットを楽しんでいます 38
まとめ • ちょっとした好奇⼼で開発したネタが2年続いている ◦ 今でも楽しい ◦ 2年続くと反省点も⾒つかる • 気になったネタがあったら気軽に取り組んでみると良 い出会いがあるかも
39
ご清聴ありがとうございました 40