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テーブル脳からグラフ脳へ - Ontologyによる業務データの意味づけ -

テーブル脳からグラフ脳へ - Ontologyによる業務データの意味づけ -

2026/6/27(土)に開催された .NETラボ 勉強会 2026年6月( https://dotnetlab.connpass.com/event/390843/ ) に参加した時に当日受付LTで発表した資料です。 #dotnetlab

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なかしょ

June 27, 2026

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Transcript

  1. 自己紹介 • なかしょ(中島進也) @nakasho_dev • 所属:NTTテクノクロス株式会社 デジタルトランスフォーメーション事業部 • 業務:MaaS関連のスマートフォンアプリ開発担当 •

    趣味: – 妻とモンハンデート – AI+モバイル+地理空間情報システム – IT関連の勉強会(主にモバイル系 or アジャイル系 or Microsoft系) – 技術コミュニティの運営スタッフ • AI Dev Day 2026 • eXtreme Programming Japan User Group(XPJUG) 2019〜 • TDD BootCamp Online (TDDBC) 2020~ ※本資料は私個人の意見であり、所属企業・部門見解を代表するものではありません。
  2. AIはなぜ業務で迷うのか AIエージェントが「次に何をすべきか」を判断できない根本原因は、 業務知識の構造 にある テーブル脳 vs グラフ脳 テーブル脳 意味のつながりが消える VS

    グラフ脳(OWL ) 案件 稟議 承認ルール 役員承認必要 関係・制約が明示化 → AIが推論可能 よくある現場の悩み 原因の仮説 「テーブルに並んだデータ」と 「意味あるネットワーク」は何が違うのか? • 「AIに稟議を処理させたいが、ルールが複雑すぎて動かない」 • AIはデータを読めるが、業務の文脈・関係性を理解していない • テーブルのJOINでは「なぜこの承認が必要か」を説明できない 案件ID 金額 状態 A001 600万 稟議中 A002 200万 承認済 A003 980万 稟議中
  3. テーブル脳の限界 RDBのフラットな構造は業務ルールの「文脈」を失わせ、AIの推論を妨げる テーブル脳の世界 承認ルールはどこに? → 別テーブルにJOINで辿るしかない 稟議テーブル 承認ルールテーブル 社員テーブル …?

    稟議ルールの例 「金額が 500万円超 なら役員承認が必要」 → このルールは どのテーブルに記述する? コードかドキュメントに埋もれ、AIには不可視 テーブル脳が引き起こす問題 ルールの散在 業務ルールがコード・ドキュメント・テーブル定義に分断して存在し、一元管理でき ない 意味的関係の消失 テーブル間のつながりはJOINで「推測」するしかなく、「なぜ」という意味は消える AIが説明できない 「なぜこの承認が必要か」をAIエージェントは構造から導出できず、根拠を提示でき ない データは揃う — しかし意味のつながりは消える 「テーブルに並んだデータ」 と 「意味あるネットワーク」 は根本的に異なる。AIが 推論するには後者が必要。 稟議ID 金額 申請者ID ステータス RG-001 6,200,000 EMP-042 稟議中 RG-002 320,000 EMP-017 承認済
  4. グラフ脳への転換(OWLによるオントロジー例) オントロジーは業務ルールを「クラス・関係・制約」として明示化し、AIが推論できる地図を提供する 29個 クラス 38個 オブジェクト プロパティ 17個 データ型 プロパティ

    AIが辿れる推論パス 稟議中 → 承認ステップ → 承認レベル → 金額承認ルール • ルールを「検索」ではなく「探索・推論」できる • 主要クラス:顧客・案件・見積・注文・請求・入金・稟議・承認ステップ・社員・部門・ SLA・金額承認ルール
  5. AIエージェントへの影響 グラフ構造の業務知識を持つAIエージェントは、探索・判断・行動・説明の 4 能力が飛躍的に向上する 1 探索 「この案件の次の 承認者は誰か」を グラフ上でパスと して辿れる

    稟議 → 承認ステッ プ → 承認レベル → 担当者 2 判断 金額・部門・承認 レベルのルールを 組み合わせて正し い判断ができる 例: 5,000,000 円 → 役員承認が必 要 3 行動 稟議ステータスの 遷移を自律的に管 理する 内示 → 見積提出済 → 稟議中 → 受注 確定/失注 4 説明 「なぜこの承認が 必要か」をOWLの 関係性から自然言 語で根拠として提 示できる 根拠を明示した説 明 → 人間との信 頼構築
  6. まとめ:AIに業務地図を渡す オントロジーはAIエージェントに渡す「業務地図」― テーブルからグラフへの転換が自律AIの鍵となる 今日のメッセージ AIに業務をわかってほしければ、まず 業務の地図(オントロジー)を作れ 稟議フロー OWL は「AIが迷わない業務知 識」の設計例

    Next Action:自社業務のオントロジー設計を始めてみましょう 観点 テーブル脳(RDB) グラフ脳(OWL) 知識表現 行・列・JOIN クラス・関係・制約 文脈の保持 意味のつながりが消える 明示的に保持される ルールの所在 コード・ドキュメントに 散在 オントロジーに一元化 AIの動作 迷う・説明できない 推論・探索・説明できる