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20260423_執筆の工夫と裏側 技術書の企画から刊行まで / From the plann...

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April 23, 2026

20260423_執筆の工夫と裏側 技術書の企画から刊行まで / From the planning to the publication of technical book

■資料について
2026年4月23日の白金鉱業Meetup Vol. 23 技術評論社編での登壇資料です。
https://brainpad-meetup.connpass.com/event/386854/

■共著者
・浅野 純季(https://x.com/nash_efp
・木村真也
・田中 冬馬(https://x.com/fuyu_quant
・武藤克大 (https://x.com/eycjur
・栁 泉穂(https://x.com/suikabar_umai

■書籍リンク
先輩データサイエンティストからの指南書 | 技術評論社
https://gihyo.jp/book/2025/978-4-297-15100-3

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April 23, 2026

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Transcript

  1. Copyright © Senpai All Rights Reserved 2 本日の資料について  Speaker

    Deckにアップロードして公開済みです! 本日の資料はいつでもお手元でご確認いただけます、リラックスしてお聞きください!  会場限定の話もします! ここだけでしか聞けない制作の裏側や 具体的なエピソードを交えてお話しします  Web限定の補足ページあり! (会場に来てくれた方は二度美味しい😋) 登壇中は時間の関係で割愛した補足ページ など、後ほどゆっくり確認できる追加コン テンツを用意しています
  2. Copyright © Senpai All Rights Reserved 3 自己紹介 あさの じゅんき

    浅野 純季 株式会社ブレインパッド データサイエンティスト @nash_efp 好きなバンド:plenty
  3. Copyright © Senpai All Rights Reserved 4 執筆した書籍:先輩データサイエンティストからの指南書 • 2025年8月

    刊行(技術評論社) • 主なターゲット:実務経験のある若手〜中堅のDS • 特徴:現場で培う「泥臭いノウハウ」を言語化 • 詳細は書籍や過去の登壇資料をご覧ください ◦ [先輩データサイエンティストからの指南書 | 技術評論社] ◦ [20260127_試行錯誤の結晶を1冊に。著者が解説 先輩データサイエンティストからの指南書 - Speaker Deck] ※ DS:データサイエンティスト
  4. Copyright © Senpai All Rights Reserved 5 執筆の背景 機械学習の理論や分析手法に関する良書はたくさんありますが、 いざ実務に入ると「理論だけでは解決できない壁」にぶつかる

    ことが本当に多いんです。 この本には、私たちがこれまで現場で経験してきた 「こういうことを、誰か最初に教えてくれたらよかったのに!」 という実践的な知見を詰め込みました。 “ “ 執筆者インタビューより 【書籍出版記念】データサイエンティストの「こういうことを教えて欲しかった」を1冊に! 実践知を体系化した指南書の裏側を執筆陣が語る - Platinum Data Blog by BrainPad ブレインパッド]
  5. Copyright © Senpai All Rights Reserved •登壇者が思う良い本 = 一定の売上 +

    誰かに深く刺さる 執筆の具体的なフローを共有することで、執筆のハードルを下げる ひいては良い本・良い技術暑を生み出すことに貢献する 6 今日の登壇のモチベーション • 当然ながら、出版関係者に利益を還元するために、一定の売上は不可欠 ◦ ただし、技術書は読者ターゲットが狭いため、売上の確保が一般的な書籍より難しい • ベストセラーでなくとも、いち読者として「良い」と思った本はたくさんある ◦ 書かれている内容が深く刺さることも大事
  6. Copyright © Senpai All Rights Reserved 7 アジェンダ 01 企画

    何を書くか、需要をどう見積もるか 02 執筆 0から1を生み出すこと、レビューと管理 03 組版 ここが最後の砦 04 刊行 書いてからもだいじ 05 感想 書籍を執筆した感想 06 会場限定 書籍誕生の裏話
  7. Copyright © Senpai All Rights Reserved 8 01 企画 01

    企画 何を書くか、需要をどう見積もるか 02 執筆 0から1を生み出すこと、レビューと管理 03 組版 ここが最後の砦 04 刊行 書いてからもだいじ 05 感想 書籍を執筆した感想 06 会場限定 書籍誕生の裏話
  8. Copyright © Senpai All Rights Reserved • 執筆した書籍は社内wikiに書かれた「役立ちそうなことリスト」が元ネタ 自分たちが欲しいもの(欲しかったもの)を書く 9

    企画:何を書くか ・ ・ ・ 共著者の栁さんが書いた社内wiki(コンフルエンス)より ※ wikiには自身のことを「スキルがほぼない状況」と謙虚に書いていますが、彼は最初から鬼優秀です リンク先も社内wiki
  9. Copyright © Senpai All Rights Reserved 炎上リスクなしに書ける 社内という閉じた環境の ため、拙い内容でも炎上 を気にせず、気楽に書き

    あげることができる (社員が良い人だから成立している...。 仮に反対意見があっても建設的で思いやりが ある) 「書籍執筆の種」は、社内Wikiで育てることを推奨 10 執筆に繋げるためのアウトプット 前提知識を省略できる 端的な内容でも伝わる ハイコンテキストな内容 であっても、課題感や ツールが共通していたり バックグラウンドを 知っているため伝わる ① 執筆コストが低い ② 心理的ハードルが低い ③ 外向けに書くかの判断材料 社内の反響が事前指標に なる 外向けに書くかどうかの 判断材料になる
  10. Copyright © Senpai All Rights Reserved 書籍とは関係ない内容だが、社内ウケがよかった記事の紹介 あるグレードで必要と感じたスキルセットの一覧 12 実際のアウトプット(社内wiki)②

    平均(※)に比べて 10倍くらいの反応 ※ 浅野の体感値 ▪ 共通認識を持っている内容は刺さりやすい 身近な課題(社内グレードや実務でのあるあるなど)に 関するアウトプットは、読者とコンテキスト共有ができてお り、共感を生みやすい ▪ 抽象化による「社外向け」への転換も可能 左記の内容も抽象化すれば「データサイエンティストのキャ リア戦略」として対外発信することも可能 ▪ 役に立つかはわからないが書いてみるのが大事 完成度を求めすぎず、まずは形にすることが大事 自分の頭の整理にもなる 社内wikiにアウトプットすることで得られた学び
  11. Copyright © Senpai All Rights Reserved 書籍を買うときと同じ情報量 (タイトルと概要など)だけ で「実際に買うか」を社内で アンケート

    購入率は脅威の65% もちろん社内バイアスマシマシ、 そこは割り引いて考える 実際は認知されたうえで、 購入は数%程度だろうと考えていた 売上部数 = ターゲット読者の人数 × 購入率 ※ ※ 計算式に認知率も入れたかったが数字として出しづらかったため、認知率も考慮した購入率ということにした (ゴニョゴニョ) 17 需要予測(定量) データ活用人材は〇〇の 記事によるとn人 そのうちメインの対象読 者であるジュニア層m人 ① ターゲット読者の人数 を調査 ② 執筆予定の内容をQiitaで 公開し、反応を見る ③ 社内アンケートで ニーズ調査 記事は一時期トレンド1位 になったため、ある程度 の需要はあると判断 実際は無料で見れる技術記事と 有料で買う書籍なので単純比較はできない 日頃から社内wikiに書い ている内容をQiitaに転記 するだけであるため作業 コストはほぼゼロ
  12. Copyright © Senpai All Rights Reserved • なぜ今この書籍を執筆すべきなのか • 類書にどのような書籍があるか、類書との差別点は何か

    もちろん定性面での市場調査も実施 ※ どこまでいってもお気持ちや主観は排除できない 19 市場調査
  13. Copyright © Senpai All Rights Reserved 21 02 執筆 01

    企画 何を書くか、需要をどう見積もるか 02 執筆 0から1を生み出すこと、レビューと管理 03 組版 ここが最後の砦 04 刊行 書いてからもだいじ 05 感想 書籍を執筆した感想 06 会場限定 書籍誕生の裏話
  14. Copyright © Senpai All Rights Reserved • GitHubによるPull Requestベースでレビューをする •

    毎週木曜の夜は同期レビューの時間(もし原稿が書き上がってなくとも集まって、もくもく会=執筆する) レビュー制度により品質を担保(共著のメリット) 24 品質向上のために 章 執筆者 レビュアー 1章:導入 浅野 木村、栁 2章:環境構築 田中 武藤、栁 3章:コードの品質 浅野、武藤 栁 4章:データの品質 木村、栁 浅野 5章:実験管理 栁 武藤 6章:プロトタイプ 武藤 栁 ※ 補足:編集担当とは.mdファイルをpdf化してGoogleドライブでやりとりしていた
  15. Copyright © Senpai All Rights Reserved 執筆ガイドラインに従って執筆 表記ゆれの自動修正など、仕組みでも揺れを防止 25 共著による揺れを防ぐために

    詳細は共著者の栁さんが記事にしてくれています [初めての技術書執筆で学んだ実践ノウハウ] 文体や一人称など ガイドラインで明文化 textlint による表記ゆれのチェックを GitHub ActionsのCIに組み込む
  16. Copyright © Senpai All Rights Reserved 28 03 組版 01

    企画 何を書くか、需要をどう見積もるか 02 執筆 0から1を生み出すこと、レビューと管理 03 組版 ここが最後の砦 04 刊行 書いてからもだいじ 05 感想 書籍を執筆した感想 06 会場限定 書籍誕生の裏話
  17. Copyright © Senpai All Rights Reserved ページレイアウトに関する調整や、ミスがないかの最終確認 30 組版では微調整と最終確認 •

    各ページの微調整 ◦ 「以下の〜」という表現はページをまたぐと通用しないため「次の~」に変える ◦ レイアウトを整えるために意味を変えずに文章を増やすor減らす ◦ 英単語は途中で改行できないため違和感がないように前後の文章を増やす or 減らす • 全体のページ数を踏まえた調整 ◦ 例えば本書は240ページにおさめるために付録をオンラインで配布することにした • 組版の過程で発生しうるヒューマンエラーがないかも確認する(誤字脱字など)
  18. Copyright © Senpai All Rights Reserved • マークダウンやpdfを、画面上で縦にスクロールして読むと目が滑る • 執筆過程で少なくとも一度は印刷することを推奨

    印刷して読むと、表現の違和感や論理構造のミスに気づきやすい 32 (組版に限らず)おすすめの確認方法:紙で読む
  19. Copyright © Senpai All Rights Reserved 33 04 刊行 01

    企画 何を書くか、需要をどう見積もるか 02 執筆 0から1を生み出すこと、レビューと管理 03 組版 ここが最後の砦 04 刊行 書いてからもだいじ 05 感想 書籍を執筆した感想 06 会場限定 書籍誕生の裏話
  20. Copyright © Senpai All Rights Reserved • 憧れの方へリスペクトを込めて出版社経由で献本 • お世話になった方や後輩、学生の方へは自腹でも献本

    せっかく書いた書籍を対象読者に届けたい 献本やSNSでの宣伝で販促 34 販促:想いを届ける 今日の登壇者のお二方にもお渡ししました 感想を書いてもらえるの本当に嬉しいです、感謝 詳細:「先輩データサイエンティストからの指南書」の感想まとめ - posfie 印税は全部プレゼントに使いました [書籍「先輩データサイエンティストからの指南書」を学生に抽選でプレゼントします|アサノ / asano]
  21. Copyright © Senpai All Rights Reserved • 自分の性格上、やり切る前に口にすると脳の報酬系が刺激される • 「やり始める」「やっている」「やりきる」にはそれぞれ壁がある

    • 印刷所をおさえて後戻りできなくなってからは宣伝も兼ねて言っていた 書籍を執筆していることはある程度形になるまでは言わない 守秘義務ではなく、気が抜けるから 35 地味に大事にしていたこと 詳細:「先輩データサイエンティストからの指南書」 の発売時の反応まとめ - posfie
  22. Copyright © Senpai All Rights Reserved 36 05 感想 01

    企画 何を書くか、需要をどう見積もるか 02 執筆 0から1を生み出すこと、レビューと管理 03 組版 ここが最後の砦 06 会場限定 書籍誕生の裏話 05 感想 書籍を執筆した感想 04 刊行 書いてからもだいじ
  23. Copyright © Senpai All Rights Reserved 日ごろの仕事に真摯に向き合うことがアウトプット(書籍)につながる そして良い本が世に出るのは編集担当の力も大きい 37 感想

    あとは、自己紹介が楽になった(ホントにどうでもよい感想) データサイエンスの界隈はもちろん、最近立ち飲み居酒屋に通っており、 そのようなコンテキストが共有されていない場所でも 「あ~本とか書いていますね~(ウレシハズカシ)」と自己紹介すると仲良くなれて楽 マジでこすり倒している もちろん書籍について温かいお言葉いただけることや、 少なからず業界に貢献できている(はず)なのは嬉しい • 右も左もわからない初執筆は、編集担当の手厚いフォローにより無事刊行 • あと個人的な思いとして... 後輩に執筆機会を提供できてよかった ※共著者は全員後輩
  24. Copyright © Senpai All Rights Reserved 38 06 会場限定 01

    企画 何を書くか、需要をどう見積もるか 03 組版 ここが最後の砦 04 刊行 書いてからもだいじ 05 感想 書籍を執筆した感想 02 執筆 0から1を生み出すこと、レビューと管理 06 会場限定 書籍誕生の裏話
  25. Copyright © Senpai All Rights Reserved 40 【会場限定・オフレコ】執筆のきっかけ ?   思想が強いですね

       私も紙が結構好きで     今日も持っていまして 自分、本は紙でしか 買わないんですよね~ 内緒!!!
  26. Copyright © Senpai All Rights Reserved 43 【会場限定・オフレコ】 執筆したかったらバーに行こう! いろんなところに顔を出そう!

    自分がいるコミュニティの外に行き、色んな人と話すと世界が広がる あくまでその場をみんなで楽しむことが最優先 「人脈が〜」とか言ってテイカー気質だと結果的に良い関係は築けない こういった場が、何かに繋がったり繋がらなかったりする 白金鉱業Meetupも誰かの何かきっかけになればと思い運営している 内緒!!!
  27. Copyright © Senpai All Rights Reserved 44 【会場限定・オフレコ】 執筆したかったらバーに行こう! いろんなところに顔を出そう!

    自分がいるコミュニティの外に行き、色んな人と話すと世界が広がる あくまでその場をみんなで楽しむことが最優先 「人脈が〜」とか言ってテイカー気質だと結果的に良い関係は築けない 人との出会いと場が、何かに繋がったり、繋がらなかったりする 白金鉱業Meetupも何かのきっかけになればと思い運営している 内緒!!!
  28. Copyright © Senpai All Rights Reserved 企画から刊行まで、各工程で工夫をこらして、 編集担当や社内の方の力も借りて書籍を書きあげた 45 まとめ

    ▪ 企画・需要予測 社内wikiを「執筆の種」とし 、アンケートやQiitaの反応から定量的に市場の需要を裏付け   ▪ 執筆・品質管理 執筆合宿による時間確保 、レビューで品質向上、textlintを用いて仕組みでも揺れを防止   ▪ 組版・最終確認 ページレイアウトの調整。画面上での見落としを防ぐため「紙に印刷して読む」   ▪ 刊行・販促 SNSでの宣伝や献本を実施 、学生へは書籍をプレゼント   ▪ 総括 日ごろから仕事に真摯に取り組んでアウトプットすることが書籍執筆に繋がる 本書の完成はチームの賜物です、今日の発表が誰かの書籍執筆のきっかけになれば幸いです!
  29. Copyright © Senpai All Rights Reserved 特に”レビュー”は購入を迷っている方の判断材料になります! 47 購入 &

    Amazon等でレビューをしてくれたら嬉しいです! [先輩データサイエンティストからの指南書 | 技術評論社 ]
  30. Copyright © Senpai All Rights Reserved あまり使わなかった 51 よく聞かれる質問:執筆に生成AIを使いましたか? 時間をかけてでもいいから自分の言葉で書きたかったので、

    具体的な内容については使わなかった(気持ちの問題) 誤字脱字のチェック、言葉の言い換え、 論理構造が正しいか、調査などには利用した
  31. Copyright © Senpai All Rights Reserved 52 なぜこういったことが起 こるのか 本書を読んで“Notebookだけ”の

    データサイエンティストから 卒業しよう 書籍のサブテーマ になっています!!