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事例で学ぶ!今日から使えるWebサービスUI改善ポイント

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May 27, 2025

 事例で学ぶ!今日から使えるWebサービスUI改善ポイント

「Webサイトの離脱率が高い」「業務システムが複雑で使いにくい」「サービスの使い方に関する問い合わせが多い」といったユーザビリティに関する課題をお持ちではありませんか?
昨日まで革新的だったユーザビリティが、今日は当たり前となり、明日には時代遅れになっている。そんな変化のスピードが加速する今の時代において、「使いやすさ」は常に進化し続ける必要があります。

本ウェビナーでは、UI改善が現在のサービスをより良くするだけでなく、未来のユーザビリティを向上させ、競争優位性を維持する重要な手段であることに着目します。そして、Webサイトなどの具体的な事例を交えながら、早速今日から実践できるUI改善のポイントをわかりやすくご紹介します。

主な内容
・ユーザーがストレスなく操作できるUIの考え方
・悪い例から学ぶUI改善ポイント
・ユーザーの習熟度や使用頻度から考えるUI設計の方法  ほか

こんな方におすすめ
・自社サービスや業務システムの使い勝手に課題を感じている方
・UIの改善方法を知りたい方
・UIの改善検討中、またはその相談先を探している方

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May 27, 2025
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Transcript

  1. 本日のウェビナーの流れ ⚫ UI改善の必要性とは? ⚫ 例から学ぶ!UI改善ポイント ⚫ 事例1 不自然な操作フロー ⚫ 事例2

    視覚的な非操作性 ⚫ 事例3 コントラストの不足 ⚫ 事例4 非効率な情報配置 ⚫ 事例5 認識性の低下 ⚫ 事例6 不十分な検索機能 ⚫ 事例7 すべて戻ってしまうようなUI ⚫ 最適なUI設計 タスクベースとオブジェクトベース ⚫ まとめ 5
  2. UI改善の5つのポイント 10 3. コントラスト 1. レイアウト 2. 階層 4. ユーザー思考、習熟度

    5. ルール ユーザーの「道のり」を明確にするステッパー • 多層構造を避ける • ステッパー 情報の「見え方」を最適化 • 大きさ • 要素の配置 • 余白 • 整理 情報の「メリハリ」で理解を促進 • シェイプ • 色 • サイズ • フォント 利用者の「気持ち」に寄り添う • 記憶負荷の軽減 • 直感的な操作フロー • 入力補助 一貫した「品質」を担保 • ガイドラインルール • コンポーネントルール • プラットフォームルール
  3. UI 改善策 ボタンの視認性向上 18 ⚫ 「ボタンらしさ」の明確化(角丸や影) ⚫ イラストやアイコンによる視覚的な明示 ⚫ 画面遷移の明示(「>」アイコンで遷移を表す)

    大阪万博チケット購入画面 マイナンバーカード申請画面 3. コントラスト 1. レイアウト 2. 階層 4. ユーザー思考、習熟度 5. ルール
  4. 見た目で「押せる」とわかるUIに! 19 ⚫ ボタンの形を明確にする ⚫ 単なる四角いブロックではなく、角丸にしたり、わずかに影をつけたりするだけでも、「ボタンらしさ」が 増します ⚫ アイコンの追加 ⚫

    ボタンの機能を表すシンプルなアイコンを添えることで、文字を読まずとも直感的に操作を促せます 今日から使える UI改善チップス アイコンを見るだけで、そのボタンが 「カートに入れる」機能を持つことが、直感的に理解できる。 「>」アイコンがつくことで 遷移先があることが、直感的に理解できる。
  5. 非効率な情報配置 23 日付が入れられることが 直感的に理解しにくい。 テキストを手動で入力の 場合、日付の書式 (例:YYYY/MM/DD、 YYYY-MM-DDなど)がわ からない。 選択肢とその

    操作ボタンが 離れている 開封/未開封の イラストが見分け がつきにくい 頻度高く使用するボタン の横に破壊的なボタン (削除)を置くと、誤操作 を誘発する 事例 4
  6. 入力フィールドは「何を入れればいいか」を明確に! 27 ⚫ プレースホルダーの活用 ⚫ 入力フィールド内に「YYYY/MM/DD」のような期待する書式の例や説明を薄い文字で表示しましょう ⚫ カレンダーアイコンの設置 ⚫ 日付入力フィールドの横には、必ずカレンダーアイコンを配置し、クリックするとカレンダーピッカーが表示され

    るようにすると非常に便利です ⚫ 適切な入力補助 ⚫ 16桁の数字であれば、自動的に4桁ごとにスペースが挿入される、あるいは入力が完了すると次のフィールド に自動で移動する、といった補助機能も有効です 今日から使える UI改善チップス
  7. ユーザー行動に寄り添う設計 40 住所の編集ができない 「住所を編集する」がある 3. コントラスト 1. レイアウト 2. 階層

    4. ユーザー思考、習熟度 5. ルール ⚫ オブジェクトの振る舞いを考慮 ⚫ 特定の情報(オブジェクト)に接している時に、「それに対する変更」という 自然な行動を促すUIを提供する ⚫ 多様なユーザーシナリオを想定する UI 改善策
  8. ⚫ ユーザーが達成したい「目的(タスク)」を中心にUIを設計するアプローチ。ユーザーはまず行いたい 「操作(タスク)」を選択し、そのタスクを完了するために必要なステップを順に進める • 一度特定のタスクに入ると、 途中で別の操作をしにくい(自 由度が低い) • 頻繁に使うタスクの場合、ス テップが多いと煩わしさを感じ

    る可能性がある デメリット タスクベースUI: 「目的」を中心に考えるデザイン 43 • 「何をしたいか」を明確にする ことに重点を置く • ユーザーは、定められた順序 に従って必要な情報を入力し たり、選択したりしていく • 手順が明確で、ユーザーが迷 うことなくタスクを完了できるよ うなウィザード形式がよく用い られる • 利用頻度が低いタスクや、手 順が複雑なタスクに適する • オンラインショッピングの購入 手続き • 新規会員登録フォーム • オンライン予約システム(例: 航空券予約) • 新規従業員オンボーディング • SUUMOのトップ画面で借りる か買うかを選ぶ 具体例 • ユーザーが迷いにくい • 入力ミスを防ぎやすい • 使用頻度が低いタスクや、 ユーザーの習熟度が低い ケースに適している メリット 特徴
  9. ⚫ ユーザーが操作したい「モノ(オブジェクト)」を中心にUIを設計するアプローチ。ユーザーはまず対 象となる「モノ」を選び、それに対してどんな「操作(アクション)」ができるかを選択する • 複雑なタスクや、複数のオブ ジェクトにまたがるタスクには 向かない場合がある • 初めて使うユーザーには、ど のオブジェクトをどう操作すれ

    ば良いか分かりにくいことが ある デメリット オブジェクトベースUI: 「モノを」中心に考えるデザイン 44 • 「何に対して」操作するかを明 確にすることに重点を置く • ユーザーは画面上で「モノ (データや要素)」を見つけて から、それに対して行える操 作(編集、削除、共有など)を 探す • 情報が階層的に整理され、 ユーザーは特定のオブジェク トの詳細に深く潜っていくこと ができる • 日常的に繰り返し使うシステ ムや、特定の「モノ」を管理す るシステムに適する 特徴 • ファイル管理システム(例: Google Drive、Windowsのエク スプローラー) • メールクライアント(例:Gmail) • ECサイトの商品登録画面 • プロジェクト管理ツール 具体例 • 直感的で探索的な操作がしや すい • 情報の一覧性が高い メリット
  10. 最適なUI設計のための2つの軸 46 使用頻度 が高い ユーザー の習熟度 が低い 使用頻度 が低い ユーザー

    の習熟度 が高い マネーフォワード 年末調整 タスクベースUIが適している オブジェクトベースUIが適している 新規会員登録 フォーム 新規従業員 オンボーディング 航空券予約 Windowsの エクスプローラー オンラインショッピ ングの購入手続き プロジェクト 管理ツール Google Drive Gmail スマートフォン のカメラアプリ 駅の券売機 ATMの操作画面 企業の「経理システム」に おける「四半期決算処理画面」 システム管理者向けの 「サーバー設定画面」 受注システム の登録画面 SUUMOの トップ画面
  11. まとめ 48 3. コントラスト 1. レイアウト 2. 階層 4. ユーザー思考、習熟度

    5. ルール • 色の戦略的活用 • アイコンの視認性 • 期待に応える操作感 • 破壊的アクションの配置 • 日付入力フィールドの直感性 • ボタンの視認性向上 • チェックボックスとその操作ボタンの距離 • エラー表示の位置 • その時々で最も重視する情報の検索 • ユーザー行動に寄り添う設計
  12. 終わりに 49 ⚫ UI改善の5つのポイントと、具体的な事例を通して、「なぜ使いにくいUIが生まれ るのか」、そして「どうすればユーザーに寄り添ったUIを設計できるのか」につい て掘り下げてきました。 ⚫ これらのポイントを意識し、実際に存在するサービスでの「なぜ使いにくいのか」 を分析することで、UI/UXデザインの奥深さと重要性を実感いただけたのではな いでしょうか。

    ⚫ 重要なのは、UI/UXデザインに「完璧な正解」はありません。しかし、ユーザーの 立場に立ち、彼らの行動や思考パターンを理解しようと努力し、継続的に改善を 重ねていくことが、成功への唯一の道です。 ⚫ 本日紹介したデザインポイントは、ノンデザイナーの方でも取り組むことが可能 です。例え小さな改善でもユーザー体験の向上や、業務効率の向上に繋げら れます。