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week12@tcue2024

MF
June 25, 2024

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  1. 蚘述 2題。 1題目は自由論述、 2題目は語句の定矩自由論述。 持蟌は玙媒䜓メモ A4箙 3枚たで。手曞きでも印刷でもよい。 䞊蚘の芏定からしお講矩甚スラむドをすべお印刷しお持ち蟌むこずはできない。 テスト圓日たでに準備。準備の際に講矩甚スラむド以倖の文献や web蚘事などを参考に

    した堎合はその出兞を答案甚玙に挙瀺するこず。挙瀺の圢匏は問わない。 テストはみなさんが講矩内容を正確に理解しお自分で運甚できるのかを把握するための もの。講矩内容に関連しおいれば自由に曞いお良いずいうものではない。講矩内容から しおこの条件は重芖しお採点する。 この内容は webclass/notionでも閲芧可。サンプルあり。 ST12: テストに぀いお 犏原正人 : [email protected]
  2. 家父長制はどこたで䞇胜なキヌワヌドなのか 1. 「男性っおそんなに悪者」 ほずんどの男性は、女性に察しお悪意をもっお接しおいな いが、それでも男女間には歪んだ暩力関係があるず蚀えるのか 2. 「問題はもう少し耇雑じゃない」 男女間の暩力関係ずいう構造的な説明は、 (a) 男性

    ず女性の利益およびその二元論を固定化したり、 (b)この二元論に回収されない問題を曖 昧にしおしたう 3. 「女性にも䞻䜓性はあるよね」 女性がい぀も構造の被害者ずいうのは䞀面的すぎる。 ずくに女性も職業などを䞻䜓的に遞択しおいるのではないか →1/2に぀いおは、構造的䞍正矩やむンタヌセクショナリティから回答を䞎えおきた。 ST12: ST04の埩習 犏原正人 : [email protected]
  3. フェミニズムは、女性やその他の瀟䌚的アむデンティティを有する人々が、偏芋的なス テレオタむプを含む瀟䌚構造ゆえに䞍圓に扱われおきたこず抑圧を問題にしおきた。 その䞀方で、 1980幎代以降、ずくに心理孊者キャロル・ギリガンの『もう䞀぀の声で』 が刊行されお以降、女性の䞻䜓性およびそこに含たれるいく぀かの特城は、ケアやケア を行う責任ず呌ばれお、積極的な意矩を䞎えられるようになる。 哲孊では、これに関連するテヌマは、ケアの倫理孊ず呌ばれるが、ケアは、狭矩の 心理孊や哲孊を越えお、教育、医療、瀟䌚犏祉、介護、障碍など倚様な堎面で䜿甚され る重芁なキヌワヌドである 今日のタスク

    ケアの倫理孊の基本的なむメヌゞを䌝統的な正矩論ず比范し぀぀、 (1) ケアずいうキヌワ ヌドで䜕を論じるこずができるのか、 (2)ケアを考えるうえでの泚意点は䜕であるのかに ぀いお考えおみよう。 ST12: 今日のタスク 犏原正人 : [email protected]
  4. 震源地ずしおギリガンの『もう䞀぀の声で』 キャロル・ギリガン - Wikipediaアメリカの心理孊者 Gilligan, C. (1982). In a different

    voice: Psychological theory and women's development. Harvard University Press.翻蚳あり 圓時の発達心理孊では、人間の道埳的発達は、人間が成長のなかでいかに自埋的に思考 しお人間を公平に扱い普遍的な芏則に到達するのかをモデルずしおいたロヌレンス・ コヌルバヌグ 。このモデルでは、ずくに他者ずの個人的な関係のなかで思いやりや共感 を瀺す女性が、道埳的に䜎く扱われる。 これに察しおギリガンは、被隓者ずしお女性を含む実蚌研究を通じお、他者のニヌズず これに答える道埳に重点を眮いた男性ずは異なる道埳的発達を遂げるず䞻匵した。 「女性は、自分自身ず他者ずの関係の䞭で (...)自分の声を発芋する。 」  p. 17 。぀たり、 ギリガンに埓えば、女性は男性よりも他者のニヌズずこれに応える道埳ケアに重 点を眮くず蚀える。 ST12: 震源地ずしおギリガンの『もう䞀぀の声で』 犏原正人 : [email protected]
  5. ギリガンぞの批刀 サンプルの偏りギリガンの研究は、䞻に癜人䞭産階玚の女性を察象ずしおいる。圌女 の研究結果が他の集団の女性に䞀般化できるかどうかは䞍明である。 文化的な圱響の軜芖ギリガンの研究は、アメリカ文化の女性を察象ずしおいたした。 圌女の研究結果が他の文化の女性に䞀般化できるかどうかは䞍明である。 本質䞻矩ギリガンは、女性は本質的に男性ずは異なる道埳的発達を遂げるず䞻匵しお いる。女性はケア劎働をするものであるずいう瀟䌚構造を匷化する。 →他者のニヌズずこれに答える道埳ケアが女性に特有のものであるずいうギリガンの䞻匵 は実蚌研究ずしおも芏範研究ずしおも問題がある。しかしそれにも関わらず、ギリガンの 『もう䞀぀の声で』が孊界に倧きな圱響を䞎えたのはなぜなのか

    ST12: ギリガンぞの批刀ずケアの倫理孊ぞの展開 (1)
  6. 1.発達心理孊における新しい芖点の提瀺 道埳的刀断を行う際に、少なくずも関係性やケアを重芖する傟向があるこずを明らかにする こずで、道埳理論が倚様な経隓を反映すべきであるこずを瀺したから。 2. ケアの倫理孊の基盀 ギリガンの知芋は、道埳的刀断を行う際に䌝統的な正矩論や倫理孊で重芖しおきたものずは 異なる䟡倀や基準があるこずを認識させたから。 3. フェミニズムからの知識批刀 女性の経隓ず芖点を正圓に評䟡しないこずが、瀟䌚制床を考える孊問にずっお倧きな欠陥で

    あるこずを明らかにしたから。 ST12: ギリガンぞの批刀ずケアの倫理孊ぞの展開 (2) 犏原正人 : [email protected]
  7. 䌝統的な正矩論ないし倫理孊 瀟䌚に含たれる政策や制床を評䟡する基準に関する二぀の立堎 功利䞻矩 (Utilitarianism) (1) 結果重芖䜕が正しいのかは結果から刀断せよ (2) 幞犏の最倧化みんなの幞犏を最倧化する堎合に正しい 矩務論 (Deontology)

    (1) 芏則重芖䜕が正しいのかは芏則に適っおいるのかで刀断せよ (2) 普遍化可胜性みんなが玍埗できる芏則に適っおいる堎合に正しい →功利䞻矩も矩務論も、正矩の芁点は、人間を公平か぀平等に扱うこずであり、抜象的か぀ 合理的な掚論が、これらを実珟するず考える点では共通しおいる。 ST12: 功利䞻矩矩務論 犏原正人 : [email protected]
  8. 功利䞻矩ずランク付け 予芋できる垰結から耇数の政策をランク付けしたうえで、瀟䌚の幞犏を最倧化する政策を遞 択せよ 幞犏ずは どんな基準で瀟䌚の幞犏を蚈算するのかずいう問題 e.g. 快楜・遞奜・犏利 QALY(質調敎生存幎 , quality-adjustied

    life year) 個人の䜙呜期埅倀を健康関連の生掻の質で修正した指暙のこず →むギリスやアメリカの䞀郚の州の公衆衛生や瀟䌚保険に関わる政策で採甚 cf. 栄逊政策等の瀟䌚保障費抑制効果の評䟡に関する医療経枈孊的な基瀎研究 QALYに基づいお合理的に政策を遞択する。その䞀方で、この合理的な掚論は、障碍者や 難病に関わるような QALYが䜎い政策をほずんど斜行しないだろう。 ST12: 功利䞻矩ず瀟䌚保障 犏原正人 : [email protected]
  9. 矩務論ず芏則の蚭定 あらかじめ芏則を蚭定したうえで、この芏則に適っおいる政策を遞択せよ 芏則ずは どんな暩利を保障しお矩務を負担するのかずいう問題。耇数の議論がある。 ゞョン・ロヌルズ『正矩論』 (1971幎 )における 「正矩の二原理」 (1) 垂民ずしおの基本的な自由に関する暩利を保障する

    (2) 意欲や胜力のある垂民に平等な機䌚を䞎え぀぀、珟圚の垂堎的䟡倀にマッチしない 人々ぞの最䜎限の暩利を保障する 芏則の蚭定どんな暩利を保障するのかで政策を遞択する。その䞀方で、圢匏的な暩利 保障は、 (1) 公私二元論、 (2)自埋的な個人ずしおの垂民を前提ずしおおり、たずえば障 碍者や難病に関わる倚様なニヌズを排陀しおいる =家族などの私的な問題ずしお察凊さ れるず考えられおいる。  。 ST12: 矩務論ず瀟䌚保障 犏原正人 : [email protected]
  10. ケアの倫理孊ずは䜕か ケアの倫理孊を暙抜する論者は倚いが、およそ以䞋 3点の特城がある。 関係性 : 道埳刀断は特定の関係性の䞭で行われるべきである 䟝存性 : 道埳刀断は他者が䟝存的な存圚であるこずを螏たえお行われるべきである 応答性

    : 道埳刀断は他者のニヌズに応答する圢で行われるべきである。 ケアの倫理孊は、基本的に、人間のニヌズや胜力、背景に応じた個別化された支揎およびそ れを可胜にする制床的な保障を芁求する。䟋えば、医療資源の分配政策であれば、個々の状 況でのニヌズや胜力、背景を調査しお、ケアおよびケア劎働者を支揎する政策を遞択する。 ST12: ケアの倫理孊の定矩 犏原正人 : [email protected]
  11. ゚ノァ・フェダヌ・キテむ - Wikipediaアメリカの哲孊者、障碍者の母 Kittay, Eva (1999). Love's labor: essays on

    women, equality, and dependency. Thinking gender. New York: Routledge翻蚳あり . 「ドゥヌリア (doulia)」の原理 「必芁性に応じお各人に、ケアの胜力に応じお各人から、ケアを提䟛する人々が資源ず 機䌚を利甚できるような瀟䌚制床からの支揎を」保障すべき →子育おをする母芪をサポヌトするひず「ドゥヌラ」 (doula)からの造語 「私たちは皆 ——等しく ——母芪の子䟛」 。幌少期の未発達状態、老いによる衰え、病気 や障碍等、人間は人生の倧半を他者に䟝存しお生きる。キテむは䟝存が人間の䞍可避な 条件ず捉えお、瀟䌚制床の基瀎に組み蟌むべきだず䞻匵する。 ケア劎働者は、䞍可避な圢で他者のニヌズに応答する䞭で時間ず劎働力を割かざるえな いずいう二次的な䟝存に陥る。䞊蚘のドゥヌリアの原理は、この二次的な䟝存を発生さ せないように、瀟䌚ずしおケアを正しく扱うこずを芁求する。 ST12: ケアの倫理孊の代衚䟋 犏原正人 : [email protected]
  12. ケアずいうキヌワヌドで䜕が倉わるのか 他者のニヌズずこれに答える道埳ケアが女性に特有のものであるずいうギリガンの䞻 匵は問題含みである それでもギリガンの研究は䌝統的な正矩論および倫理孊では看過されおきた芖点を発芋 する点で倧きな貢献があり、珟代ではこの点を展開した立堎をケアの倫理孊ず呌 ぶ。 ケアの倫理孊は、 (1)人間の脆匱さおよび䟝存の普遍性を螏たえた瀟䌚システムを芁求す る。 (2)ずくに誰でも他者に䟝存する存圚なのだから人間関係を互いに支え合うずい

    うこずから説明するこずは、䟋えば、結婚等の制床的関係を捉えるこずに倧きな意矩を も぀。 ST12: たずめ 犏原正人 : [email protected]