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新米スクラムマスターの4ヶ月 -「スクラムイベントを回しているのに手応えがない」からの脱出 /...

新米スクラムマスターの4ヶ月 -「スクラムイベントを回しているのに手応えがない」からの脱出 / Four Months as a New Scrum Master — When Scrum Events Were Running, but Nothing Felt Right

RSGT2026の登壇資料

スクラムイベントは回っている。デイリーもレトロもやっている。

それでも、なぜかチームの歯車が噛み合わない⋯チームで実施したOSTで課題が噴出し暗いムードに⋯

現職に転職して5ヶ月。ウォーターフォール開発を長く経験してきた自分は、停滞し始めたチームを前に、スクラムマスターを担うことなりました。

あれこれ試行錯誤するうちに、「スクラムをやっているのに、価値提供にあまり手応えがない」という壁を感じました。

本セッションでは、スクラム未経験の立場でスクラムマスターに就任し、試行錯誤の中で直面したつまずき、そしてスクラムイベントやレビューを見直すことでチームの学習と価値提供が回り始めた過程を共有します。

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YuseiOwatari

January 08, 2026
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Transcript

  1. ⾃⼰紹介 (Profile) 職歴 (Background) 尾渡 裕成 (Owatari Yusei) 2025年4⽉〜 株式会社ヘンリー

    「病院向けクラウド型電⼦カルテHenry」製品開発部⾨ PdM / ドメインエキスパート / スクラムマスター 2011-2022: ⽇⽴グループ (中⼩規模病院向け電⼦カルテ開発) 2022-2025: 富⼠フイルム (医療AI商品企画) ウォーターフォール型開発出⾝、スクラムは完全未経験 趣味:ランニング | 資格:中⼩企業診断⼠‧医療情報技師‧G検定 入社前 入社時 2
  2. 開発体制とスケジュール チーム構成 直近の開発スケジュール Epic Owner (Engineers) PdM Domain Expert (⾃分)

    Frontend & Backend Engineers Designer ディスカバリー(Discovery) 要件定義‧探索フェーズ 設計‧実装 (Dev) 2週間スプリントでのスクラム開発開始 2025/6-7 2025/8- スクラムイベント 2 Weeks 実施している会議体: デイリーMTG プランニング スプリントレビュー レトロスペクティブ 4 ※6⽉にチーム分割して新体制をスタートしたが、  チーム分割前の会議体や進め⽅を踏襲
  3. 最初の10⽇でやったこと (9⽉) BASE / ⼟台 社内のアジャイルコーチからのコーチング 週1回の1on1での壁打ち、チーム観察からのフィードバックを基盤に活動 スクラムガイドの再読 チーム全員でスクラムガイドを読み 合わせ。「疑問リスト」を作成し、

    認識のズレをなくす。 デイリーの「問い」 「今⽇の動きはゴールに繋がる?」と ⼀⾔投げ、⾃律的思考を促進。 障害リスト化 インペディメントリストを作成。 簡単なもの、重いものなんでも「書い てOK」として皆で共有。 BASE/⼟台 7 効果的だった施策
  4. 1st Action (9⽉) デイリーの変⾰ レトロの活性化 ⾒積もりの精度向上 兼務問題の調整 Before: 進捗報告や仕様相談が⼊り乱れる After:

    「進捗報告‧進捗の課題解決」へフォーカス。 仕様相談はデイリー後に分離し、ゴール達成に集中。 マンネリ打破のため、KPTに加え「スプリントにお けるチーム‧個⼈の4段階評価」を導⼊。チーム状 態の⾒える化、チーム状態の認識のズレがないかを 確認。 経験則頼りから脱却。タスクを「1⽇以下」の単 位まで分割し、確実性を⾼める。 部室⻑と連携しリソース調整。不可避な兼務につい ては、早めのアラート出しをルール化。 9 効果的だった施策
  5. 2nd Action(10⽉) 実績値ベースの計画 ユーザーストーリーに相対⾒積りを実施 し、ベロシティ計測を開始。 感覚ではなく実績値ベースの計画へ。 完成の定義 (DoD) 「どの環境で、どの検査条件を満たせ ばDoneとするか」「スプリントにお

    ける提供価値」を明⽂化。 認識のズレを排除し、⼿戻りを削減。 対話の促進 1on1を実施し潜在的な課題を吸い 上げ。 SM⾃らが「困りごと」を開⽰し、 障害リストを活性化。 10 「イベントは改善されてきたが、完成の定義の認識がぶれているな…プランニン グも相変わらず経験則だから確信度が低いな…」 「障害リストも形骸化して、表⾯的な課題は出なくなってきた感じがあるな…」 「相変わらず理想の姿は⾒えていないけど、まぁ⼀つずつやっていこうか」 効果的だった施策
  6. 仕様確認の⼿戻りをなくす (11⽉) 仕様確認の頻度や⼿戻りが減少 ⾒積もりの効率もUP 課題 (Problem) スプリント途中でエンジニアから仕様確認が多発。 作業が中断し、フロー効率が低下。 対策 (Solution)

    「デイリーリファインメント」の導⼊ デイリーMTGの前に毎⽇15分ユーザーストーリーの 認識合わせを実施。着⼿前に不明点を潰す習慣付け。 11 「あれ…?なんか最近Slackで仕様の確認、質問が増えたな…」 効果的だった施策
  7. 3rd Action (12⽉) ベロシティに基づく計画 ベロシティをベースにしたプラン ニングを開始。無理のない、かつ 予測可能な開発サイクルを実現。 リアルなレビュー (業務シナリオを⽤いた価値検証) 顧客の運⽤操作を意識したシナリ

    オでレビューを実施。単なる機能 確認から「価値確認」へ。 外部の⽬ (顧客‧業務に近い視点) レビューにチーム外の有識者参加を 必須化。⾝内バイアスを排除し、 ガチのフィードバックを得る。 14 「ベロシティは計測できるようになったのでプランニングは前進している」 「ただ、スプリントレビューが機能の確認‧報告⽌まりで、顧客提供価値に フォーカス出来ていない気がする…」 効果的だった施策
  8. リアルなレビュー レビューのシナリオ 考慮したポイント テーマ:H.ピロリ抗体の検査名称変更 検査会社からの依頼によりH.ピロリ抗体の検査名称をH.ピロリ抗体 (LA法)に変えたい。 その際に過去に実施した検査の名称は変えず、明⽇から新検査名称 を使いたい。マスターのコードは変更したくない。 🟦 業務リアリティの徹底

    (現場⽬線) ‧実際の運⽤を題材に採⽤することで、顧客の操作を リアルに再現 ‧以前より効率化されているか、提供価値はあるか、 改善点はないかを確認しやすくする 🟨 外部の⽬を⼊れる ‧社内有識者(元看護師、導⼊担当者、サポート担当 者、他チームのDE)をレビューに呼ぶことで、顧客に 近い⽬線での評価をもらう Action1. マスタ管理 (検査技師) ‧今⽇で期限を切って複製し、明⽇開始で新検査名称に変更 ‧期限管理もセットと同様の複製操作で実施 Action2. オーダー (医師) ‧明⽇の⽇付でH.ピロリ抗体をオーダーする ‧オーダー画⾯で新名称が出ているか確認 提供価値:マスタ変更依頼が反映されるのに1週間かかっていたが、 即座に変更可能に 提供価値:従来のプルダウン選択より、連続選択出来る形式のため操 作時間短縮 機能が出来たか否かではなく、 価値提供に繋がっているかを評価 →チームのドメイン知識も向上 15