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2026年版中小企業白書・小規模企業白書の概要

 2026年版中小企業白書・小規模企業白書の概要

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Takashi Ozeki

April 26, 2026

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  1. 2026年版中小企業白書・小規模企業白書 目次 ▪中小企業白書 第2部:「強い中小企業」に向けた「稼ぐ力」の強化 第1章 中小企業の労働生産性の状況 第2章 中小企業の「稼ぐ力」の強化に向けた取組 第1節 付加価値額の増加(成長投資、研究開発、人材育成、価格転嫁、事業承継・M&A)

    第2節 労働投入量の最適化(省力化投資、AI活用・デジタル化) 第3章 人材確保・活用に向けた取組 第1節 人材確保の取組 第2節 人材活用の取組 ▪小規模企業白書 第2部:小規模事業者の経営リテラシー向上と企業間連携による事業の維持・拡大 第1章 小規模事業者の経営リテラシー向上と企業間連携 第1節 小規模事業者の現状分析 第2節 小規模事業者の経営リテラシー向上(財務・会計、組織・人材、運営管理、経営戦略) 第3節 事業の維持・拡大のための企業間連携の在り方 第2章 支援機関の現状と支援力強化 第1節 支援機関の現状・課題 第2節 支援機関の支援力強化 2 第1章 中小企業・小規模事業者の動向 第2章 中小企業・小規模事業者に求められる共通価値(脱炭素化・サーキュラーエコノミー・経済安全保障・人権尊重) 第3章 中小企業・小規模事業者の取組事例 ▪中小企業白書・小規模企業白書 第1部(共通):令和7年度の中小企業・小規模事業者の動向 第1節 中小企業・小規模事業者の業況 第2節 金利・為替・物価 第3節 雇用・賃金 第4節 労働生産性・設備投資 第5節 デジタル化・DX 第6節 価格転嫁 第7節 開業、倒産・休廃業 第8節 事業承継、M&A
  2. 図・グラフの挿入 現 状 ・ 課 題 と 必 要 な

    取 組 現状・課題 ① 中小企業の賃上げは、日本経済の成長にとって極めて重要。  実質賃金プラス定着に向け、持続的な賃上げ実現が必要。  一方で、中小企業の労働分配率は、既に8割に近い水準。  最賃含む賃上げを継続的に行うための原資の確保が課題。 ② 人口減少の進展による「労働供給制約社会」の到来。  既に大きな課題である人手不足が、更に深刻化するおそれ。 ③ デフレ・ゼロ金利環境からインフレ・金利のある時代への移行。 「稼ぐ力」の強化→賃上げ原資の確保→持続的な賃上げ実現といった好 循環定着・人手不足を乗り越えて供給力の維持・向上を図ることが重要。 ① 成長や変革に挑戦する「稼ぐ力」の強化を実現する取組 短期的損益を追うのではなく、リスクをとって成長投資や新たな成 長分野への挑戦、M&Aによる事業・組織構造の組替えを決断でき る経営力、AIトランスフォーメーション(AX)の実現が重要。 ② 経営力の土台となる「経営リテラシー」の強化・実践 経営力の向上に向けて、原価管理や従業員の労務管理といった、経 営者が持つべき「経営リテラシー」の強化・実践が重要。 「強い中小企業」に向けた「稼ぐ力」の強化 ① 中小企業間でも稼ぐ力(労働生産性)のばらつきが存在。大 企業を上回る労働生産性を有する中小企業も存在。 ② 付加価値額を増加させている中小企業は、価格転嫁や成長投 資、事業承継・M&Aを積極的に行っている傾向。 ③ 「稼ぐ力」の強化に向けて、以下の取組が重要。 A) 成長投資・・・成長に向けた設備投資で高付加価値化 B) 研究開発・人材育成・・・将来の付加価値向上に寄与 C) 価格転嫁・・・適切な価格転嫁や差別化による価格設定 D) 事業承継・M&A ・・・新たな経営者による事業再編 E) 省力化投資・・・業務プロセスの効率化 F) AI活用・デジタル化・・・付加価値向上にも期待 ① 現状、経営リテラシーは十分ではない。経営リテラシーを有す る企業は、業績や人材確保等で明確な違いを生み出す。 A) 財務・会計【原価管理・資金繰り】  原価管理による価格転嫁率の向上、資金繰りに好影響 B) 組織・人材【労務管理・組織活性化】  労務管理や組織活性化は人材の確保・定着に好影響 C) 運営管理【品質管理・属人化防止】  品質管理による顧客獲得、属人化防止で円滑な業務遂行 D) 経営戦略【経営計画策定・マーケティング】  事業目標や経営計画の策定・PDCAサイクルが重要 ② 企業単独ではなく、企業間連携を進めることは、新製品開発や リソースの共有など、労働生産性の向上にとっても有効。 経営者が持つべき「経営リテラシー」の強化・実践 重 要 と な る 取 組 例 支 援 機 関 に よ る 支 援 適切な支援  中小企業の稼ぐ力の強化、経営リテラシーの強化・実践のためには、事業者のニーズに応じた支援機関による経営支援が重要。  経営支援に当たっては、支援機関における支援能力向上(相談員の能力開発)、支援機関同士の連携などが課題。 必要となる取組 中小企業白書・小規模企業白書のメッセージ 付 加 価 値 額 の 増 加 労 働 投 入 量 の 最 適 化 3 主 に 中 小 企 業 主 に 小 規 模 事 業 者 経営環境の転換期において現状維持は最大のリスク。経営者の能力の差が明暗を分ける。短期的な損益を追うのではなく、 長期的な視点で 事業・組織構造を再構築していく「戦略」を持った経営に転換し、「稼ぐ力」を高め、「強い中小企業」へと成長することが重要。
  3. ① 2025年春季労使交渉では、全体で5.25%、中小労働組合で4.65%の賃上げ率となり、約30年ぶりの水準だった2024年を 上回った。2025年度の最低賃金は全国加重平均で前年度比+6.3%を記録。全都道府県で1,000円の水準を超えた。 ② 中小企業の現金給与額は、大企業との差は存在するものの、増加傾向にある。雇用の約7割を占める中小企業における賃上 げは、我が国経済にとって極めて重要。 【現状・課題1-①】大企業との差は存在するものの、中小企業において賃上げの傾向が見られる。 図1 春季労使交渉と最低賃金の動向 図2

    現金給与額の動向 中小企業の 賃金・賃上げ (1)春季労使交渉による賃上げ率の推移 (上図)資料:日本労働組合総連合会「2025春季生活闘争第7回(最終)回答集計」(2025年7月1日集計・7月3日 公表)(下図)資料:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」 (注)(上図)ここでの「中小賃上率」とは、組合員数300人未満の中小組合における賃上げ率をいう。また、ここでの 賃上げ率は、平均賃金方式(組合員の平均賃金をいくら引き上げるか、つまり一人平均の労務コストをもとに交渉する方 式)での賃上げ状況の推移を見たものである。 5.10% 5.25% 4.45% 4.65% 0% 1% 2% 3% 4% 5% 6% 1989 1992 1995 1998 2001 2004 2007 2010 2013 2016 2019 2022 2025 賃上率(全規模) 中小賃上率 (年) 798 823 848 874 901 902 930 961 1,004 1,055 1,121 4.5% 5.1% 6.3% -8% -3% 2% 7% 600 800 1,000 1,200 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 最低賃金(左軸) 引上げ率(右軸) (円) (年度) (2)現金給与額の変化率(企業規模別) (3)大企業と中小企業の比率 資料:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」再編加工 (注)1.金融業、保険業は含まない。2.ここでの大企業とは、常用労働者数1,000人以上の企業、中小企業とは、日本標 準産業分類の大分類に応じて、常用労働者数5人以上99人以下又は299人以下の企業とする。3.「短時間労働者」を除い た「一般労働者」について集計している。4.6月分として支給された、一人当たりの現金給与額。 386.2 382.2 382.4 383.9 377.6 366.4 373.0 383.7 379.4 399.7 290.7 291.7 295.0 297.9 299.2 296.8 301.3 308.2 315.5 322.1 0 100 200 300 400 500 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 大企業 中小企業 (千円) (年) 103.5 100.0 110.8 80 90 100 110 120 130 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 大企業 中小企業 (2015年=100) (年) 1.33 1.24 1.15 1.25 1.35 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 (年) (大企業/中小企業) (1)現金給与額の推移(企業規模別) (2)最低賃金の推移 4
  4. ① 2025年度の賃上げの実施状況(予定を含む、定期昇給は除く)は、中規模企業では約9割が正社員、約8割がパート・ア ルバイトに対し、小規模事業者では約5割が正社員、約6割がパート・アルバイトに対し賃上げを実施。 ② 消費者態度指数(暮らし向きや収入などに関する消費者の意識)は伸び悩む。「強い経済」の実現に向けて、実質賃金プラ スを定着させ、消費を喚起することが必要。 【現状・課題1-②】雇用の約7割を占める中小企業の賃上げは、日本経済の成長にとって極めて重要。 図1 中小企業の賃上げ実施状況 図2

    消費者態度指数の推移 資料:内閣府「消費動向調査」 (注)1.「消費者態度指数」は、原数値(総世帯)を用いている。 2.「消費者態度指数」は、『暮らし向き』、『収入の増え方』、『雇用環境』、『耐久消費財の買い時判断』の4項目に ついて、今後半年間の見通しを5段階評価で回答してもらい、5段階評価のそれぞれ「良くなる・大きくなる・増える」 に(+1)、「やや良くなる・やや大きくなる・やや増える」に(+0.75)、「変わらない」に(+0.5)、「やや悪くな る・やや小さくなる・やや減る」に(+0.25)、「悪くなる・小さくなる・減る」に(0)の点数を与え、この点数に各 回答区分の構成比(%)を乗じ、乗じた結果を合計したうえで、4項目を単純平均して算出している。 5 5 中小企業の 賃金・賃上げ 資料:(株)帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」、(同)デロイト トーマツ 「令和7年度小規模事業者の経営課題と事業活動に関する調査」(注)1.2025年度の賃上げの実施状況及び予定について 聞いたもの。「正社員はいない」、「パート・アルバイトはいない」と回答した事業者は除く。2.定期昇給は除く。 12.4% 22.5% 44.7% 42.8% 35.5% 31.2% 22.5% 22.4% 32.4% 24.0% 14.8% 12.3% 17.7% 19.5% 13.7% 17.7% 1.8% 2.4% 2.8% 3.5% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 正社員(n=8,795) パート・アルバイト(n=5,963) 正社員(n=5,798) パート・アルバイト(n=4,323) 中規模企業 小規模事業者 低下 据置き(0%) 0%超3%未満 3%以上5%未満 5%以上10%未満 10%以上 36.8 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 16/01 17/01 18/01 19/01 20/01 21/01 22/01 23/01 24/01 25/01 (年/月) 25/12
  5. ① 中小企業の労働分配率(付加価値額に占める人件費の割合、一般的に低いほど賃上げ余力が大きい)は、既に8割に近い水準にあり、大企業と 比べて賃上げ余力は厳しい状況。中小企業の付加価値額に占める営業純益の割合は、10%を下回る。 ② 更なる賃上げ原資の確保に向けて、成長や生産性の向上により「稼ぐ力」を高め、「強い中小企業」を目指すことが必要。 【現状・課題1-③】中小企業の更なる賃上げ余力には課題が存在。「稼ぐ力」を高め、原資を確保することが必要。 図1 労働分配率の推移(企業規模別) 図2 付加価値額の構成要素(企業規模別)

    資料:財務省「法人企業統計調査年報」 (注)1.ここでの大企業とは資本金10億円以上、中規模企業とは資本金1千万円以上1億円未満、小規模企業とは資本金1 千万円未満の企業とする。中小企業とは資本金1億円未満の企業とする。 2.金融業、保険業は含まない。 3.労働分配率=人件費÷付加価値額×100。付加価値額=営業純益(営業利益ー支払利息等)+人件費+支払利息等+動産・ 不動産賃借料+租税公課。人件費=役員給与+役員賞与+従業員給与+従業員賞与+福利厚生費。 47.3% 74.4% 81.5% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1990 1994 1998 2002 2006 2010 2014 2018 2022 大企業 中規模企業 小規模企業 (年度) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1990 2000 2010 2020 (年度) 大企業 36.0% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1990 2000 2010 2020 9.5% (年度) 中小企業 中小企業の 賃金・賃上げ 6 2024 2024 2024 資料:財務省「法人企業統計調査年報」 (注)1.ここでの大企業とは資本金10億円以上の企業、中小企業とは資本金1億円未満の企業とする。 2.金融業、保険業は含まない。 3.付加価値額=営業純益(営業利益ー支払利息等)+人件費+支払利息等+動産・不動産賃借料+租税公課。人件費=役員 給与+役員賞与+従業員給与+従業員賞与+福利厚生費。
  6. ① 中小企業における一者当たり従業者数は維持・増加の傾向。 ② 中小企業における雇用者の属性を見ると、全雇用者に占める非正規雇用者の割合は、概ね4割で推移しており、大企業(約 35%)と比較してやや高い水準。また、大企業と比較して、女性の正社員や65歳以上の非正規雇用者の割合が大きい傾向。 【現状・課題2-①】中小企業の一者当たり従業者数は維持・増加の傾向。大企業と比べて非正規比率が高い。 図1 一者当たり従業者数の推移(企業規模別) 図2 雇用者属性の推移(企業規模別)

    人手不足・ 労働供給制約社会 97.8 99.2 105.3 100.0 105.7 107.8 117.8 80 90 100 110 120 130 2012年 2014年 2016年 2021年 大企業 中小企業 (2012年=100) (図1)資料:総務省「平成26年経済センサス‐基礎調査」、総務省・経済産業省「平成24年、28年、令和3 年経済センサス‐活動調査」再編加工 (注)1.ここでの企業規模は、中小企業基本法上の定義に基づく。2.農林漁業を除く、非一次産業の会社及び個 人事業者を集計したもの。 (図2)資料:総務省「労働力調査」再編加工(注)1.ここでの大企業とは従業者数1,000人以上、中小企業と は従業者数99人以下の企業とする。2.ここでの「雇用者」とは、役員を除く雇用者を指す。3.生産年齢人口と は15歳~64歳人口を指す。 34.9% 34.1% 34.3% 34.1% 33.6% 33.5% 33.2% 19.5% 19.4% 19.9% 20.5% 20.9% 21.2% 21.4% 8.8% 9.5% 9.4% 9.4% 9.5% 9.6% 9.8% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 (2)中小企業 正規・生産年齢人口・男性 正規・生産年齢人口・女性 正規・65歳以上 非正規・生産年齢人口・男性 非正規・生産年齢人口・女性 非正規・65歳以上 (年) 非正規 割合 41.0% 46.1% 45.7% 45.9% 45.9% 45.5% 45.0% 45.1% 16.7% 17.1% 18.0% 18.2% 18.5% 18.5% 18.6% 3.5% 3.7% 4.0% 4.2% 4.2% 4.5% 4.7% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 (1)大企業 (年) 非正規 割合 35.6% 7
  7. -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 15/2 16/2

    17/2 18/2 19/2 20/2 21/2 22/2 23/2 24/2 25/2 製造業 建設業 情報通信業 運輸業、郵便業 卸売業、小売業 宿泊業、飲食サービス業 生活関連サービス業、娯楽業 学術研究、専門・技術サービス業 医療、福祉 (DI,%pt) 25/11 (年/月) ① 一方で、2010年代以降、多くの業種において人手不足感は強まっており、コロナ禍以降もその傾向が顕著に見られる。特に 「建設業」、「運輸業・郵便業」、「情報通信業」といった業種において不足感が強い傾向にある。 ② 中小企業において、「専門的・技術的職業従事者」、「サービス職業従事者」などの職種の不足率が高い傾向にある。 【現状・課題2-②】多くの業種で人手不足感は強まっている。様々な職種で不足している。 図1 労働者過不足判断DI(業種別) 図2 中小企業における不足している職種 人手不足・ 労働供給制約社会 資料:厚生労働省「労働経済動向調査」より中小企業庁作成(注)1.「常用労働者」過不足判断DIを集計したもの。2. 「常用労働者」とは、 「正社員等」、「臨時」、「パートタイム」を含み、「派遣労働者」は含まない。3.「労働者過不 足判断DI」とは、労働者数について、調査日現在の状況で「不足(やや不足、おおいに不足)」と回答した事業所の割合 から「過剰(やや過剰、おおいに過剰)」と回答した事業所の割合を差し引いた値。なお、他のDIと同様の傾向を把握す るため、公表結果を逆転して表示している。 資料:厚生労働省「雇用動向調査」(令和7年上半期調査結果) (注)1.ここでの「不足している職種」とは、職業別の未充足求人(仕事があり、その仕事に従事する人を補充するために行う 求人のことであり、求人方法は問わない)を指し、全体の未充足求人数に対する職業別の未充足求人数の割合を示している。 2.ここでの中小企業とは常用労働者数5人以上299人以下の企業とする。 3.金融業、保険業は含まない。 4.ここでの「その他」とは、「保安職業従事者」、「その他の職業従事者」の合計。 専門的・技術的職業従事者 26.0% サ-ビス職業従事者 19.8% 生産工程従事者 10.5% 販売従事者 9.0% 事務従事者 8.9% 輸送・機械運転従事者 8.9% 運搬・清掃・包装等従事者 6.3% 建設・採掘従事者 5.9% 管理的職業従事者 2.7% その他 2.1% 製造業 -40 建設業 -57 情報通信業 -58 運輸業、郵便業 -57 卸売業、小売業 -38 宿泊業、飲食サービス業 -44 生活関連サービス業、娯楽業 -35 学術研究、専門・技術サービス業 -58 医療、福祉 -57 2025年11月調査の結果 8
  8. ① 我が国の生産年齢人口は減少する見込みであり、それに伴って雇用者数も減少することが見込まれる。 ② 一定の試算に基づけば、中小企業における雇用者数は2040年には2018年比で8割半ばまで落ち込む可能性。中小企業におい て、人手不足が更に深刻化することが見込まれる。 【現状・課題2-③】生産年齢人口は減少見込み。労働供給制約社会の中、人手不足は更に深刻化するおそれ。 図2 中小企業における雇用者数の将来推計 資料:総務省「労働力調査」再編加工 (注)1.ここでの中小企業とは、従業者数99人以下の企業とする。2.ここでの「雇用者」とは、役員を除く雇用者を

    指す。3.将来推計は、従業者数99人以下の企業における性別・年齢階級別の雇用者数の2024年の実績に、(独)労 働政策研究・研修機構「2023年度版 労働力需給の推計―労働力需給モデルによるシミュレーション―」から、性 別・年齢階級別の就業者数の推計値を乗じて算出している。なお、2025年、2030年、2035年、2040年の推計値を 基に、中間年の値は線形補間により算出した参考値である。 人手不足・ 労働供給制約社会 図1 将来人口の推計 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 2015 2020 2025 2030 2035 2040 15~64歳人口 65歳以上人口 (万人) (年) 2021年以降推計 生産年齢人口 約1,200万人減少 資料:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」 (注)1.出生中位(死亡中位)推計を用いている。2.15歳以上人口について集計したもの。 9 97.4 92.3 97.5 84.1 80 85 90 95 100 105 2018 2020 2022 2024 2026 2028 2030 2032 2034 2036 2038 2040 成長実現・労働参加進展シナリオ 成長率ベースライン・労働参加漸進シナリオ 一人当たりゼロ成長・労働参加現状シナリオ 推計 (2018年=100) (年)
  9. ① 中小企業における持続的な賃上げの実現、労働供給制約社会の中で更なる深刻化が見込まれる人手不足への対応といった転換 期において現状維持は最大のリスク。このため、労働生産性を高めることにより、中小企業の「稼ぐ力」を強化するとともに、 人手不足を乗り越えて供給力を維持・強化していくことが重要。 ② 直近10年間における労働生産性の伸び率が大きい業種ほど、一人当たり賃金の上昇率も高い傾向にある。 【重要な取組1-①】現状維持は最大のリスク。持続的な賃上げ実現や人手不足への対応に向けて、労働生産性を高めることが必要。 労働生産性の向上 【労働生産性の現状】 図2

    中小企業の労働生産性と賃金の変化率の関係 資料:財務省「法人企業統計調査年報」(注) 1.ここでの中小企業とは資本金1千万円以上1億円未満の企業とする。2.労働生産性は付加価値額を従業員数 で除して算出。3.付加価値額=営業純益(営業利益-支払利息等)+人件費+減価償却費+支払利息等+動産・不動産賃借料+租税公課。4.従業員一人当た り賃金とは、従業員給与・従業員賞与を期中平均従業員数で除して算出。5.2015年度から2024年度の変化率を幾何平均により算出。 図1 労働生産性の重要性 付加価値額 = 労働投入量 × 労働生産性 ①労働供給制約社会が到来。 今後さらに労働投入量の減少 が見込まれる。 ②そのため、付加価値額を維 持・増加させるためには、労働 生産性の向上が必要。 10 製造業 鉱業、採石業、砂利採取業 建設業 情報通信業 運輸業、郵便業 卸売業・小売業 不動産業、物品賃貸業 宿泊業、飲食サービス業 生活関連サービス業、娯楽業 学術研究、専門・技術サービス業 教育、学習支援業 電気・ガス・熱供給・水道業 その他のサービス業 -6% -5% -4% -3% -2% -1% 0% 1% 2% 3% 4% 5% 6% -6% -5% -4% -3% -2% -1% 0% 1% 2% 3% 4% 5% 6% 従 業 員 一 人 当 た り 賃 金 の 変 化 率 労働生産性の変化率
  10. ① 2015年度からの10年間において、中小企業では、一人当たり労働生産性は概ね横ばいの傾向にあるが、時間当たり労働生産性 は上昇傾向で推移している。 ② 中小企業の労働生産性の要素を分解すると、2015~2018年度にかけて増加傾向にあり、その後横ばいで推移。一方で、一人 当たり労働時間は減少傾向。また、総合的な労働投入量(労働者数×一人当たり労働時間)は増加しているが、それを上回るペースで 一社当たり付加価値額が増加している。 【重要な取組1-②】中小企業の労働生産性は「一人当たり」では横ばいも、「時間当たり」では上昇傾向。 労働生産性の向上 【労働生産性の現状】

    (2)中小企業の時間当たり労働生産性の推移 図3 中小企業の一社当たり付加価値額の推移 図2 中小企業の労働投入量変化の要因分解 (1)一人当たり労働生産性の推移(企業規模別) 図1 労働生産性の推移(企業規模別) 11 2,885 3,621 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 (円/人時) (年度) (2015年度比+25.5%) 171.7 241.5 100 150 200 250 300 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 (百万円) (年度) (2015年度比+40.7%) (1)資料:財務省「法人企業統計調査年報」(注)1.ここでの大企業とは資本金10億円以上の企業、中小企業とは資本 金1千万円以上1億円未満の企業。2.付加価値額÷従業員数。付加価値額=営業純益(営業利益-支払利息等)+人件費 +減価償却費+支払利息等+動産・不動産賃借料+租税公課。3.金融業、保険業は含まない。 (2)資料:中小企業庁「中小企業実態基本調査」、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」再編加工(注)1.ここでの中 小企業とは、「中小企業実態基本調査」では中小企業基本法に基づく従業員数6人以上の法人企業、「賃金構造基本統計 調査」では日本標準産業分類の大分類に応じて、常用労働者数5人以上99人以下又は299人以下の企業とする。2.付加価 値額÷総労働時間。3.付加価値額の定義は(1)と同様で「中小企業実態基本調査」より算出(2020年度以前は動産・不 動産賃借料に代わり、地代家賃を使用。2024年度は速報値(2026年2月26日)を使用)。4.総労働時間は「賃金構造基 本統計調査」で一人当たり平均年間労働時間を算出し「中小企業実態基本調査」の労働者数に乗じて算出(ここでの労働 者とは常用雇用者、臨時雇用者、派遣従業者の合計)。5.「中小企業実態基本調査」の対象業種を基に算出している。 資料:中小企業庁「中小企業実態基本調査」、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」再編加工(注)1.ここでの中小企業と は図1(2)と同様の定義。2.「労働者数」は「中小企業実態基本調査」で算出(「労働者」の定義は図1(2)と同様)。 3.「労働者一人当たり労働時間」は「賃金構造基本統計調査」で算出(算出方法は図1(2)と同様) 。 4. 「労働投入 量」は「労働者数」と「労働者一人当たり労働時間」を乗じて算出。 資料:中小企業庁「中小企業実態基本調査」(注)1.ここでの中小企業とは図1(2)と同様の定義。2.付加価値額は 図1(1)と同様の定義。 1,537.5 1,935.1 634.6 665.6 0 500 1,000 1,500 2,000 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 大企業 中小企業 (万円) (年度) (2015年度比+25.9%) (2015年度比+4.9%) -6.6% 26.9% 18.6% -10% 0% 10% 20% 30% 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 労働者数 労働者一人当たり労働時間 労働投入量 (対2015年度比) (年度)
  11. 【重要な取組1-③】中小企業の労働生産性は、業種ごとにばらつきがある。 労働生産性の向上 【労働生産性の現状】 図1 業種別の労働生産性(一人当たり) 資料:財務省「法人企業統計調査年報」 (注)中小企業の定義、算出方法等は、前ページ図1(1)注釈を参照。 635.7 866.6 703.5

    573.6 673.7 348.1 447.1 718.8 655.2 874.1 686.1 561.7 730.2 328.7 436.2 713.6 692.9 884.8 709.2 617.1 705.5 343.0 517.6 705.5 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1,000 製 造 業 建 設 業 情 報 通 信 業 運 輸 業 、 郵 便 業 卸 売 業 ・ 小 売 業 宿 泊 業 、 飲 食 サ ー ビ ス 業 生 活 関 連 サ ー ビ ス 業 、 娯 楽 業 学 術 研 究 、 専 門 ・ 技 術 サ ー ビ ス 業 中小企業における一人当たり労働生産性(業種別) 2022年度 2023年度 2024年度 (万円) 図2 業種別の労働生産性(時間当たり) 12 資料:中小企業庁「中小企業実態基本調査」、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」再編加工 (注)中小企業の定義、算出方法等は前ページ図1(2)注釈を参照。 ① 中小企業の労働生産性は、業種ごとにばらつきが存在している。「宿泊業、飲食サービス業」や「生活関連サービス業」の時間 当たり労働生産性については、一人当たり労働生産性と比べ、他業種との差が相対的に小さくなっている。 ② 「卸売業・小売業」、「宿泊業、飲食サービス業」等において、直近3年間では時間当たり労働生産性の伸びが大きく見られる。 3,431 3,909 3,574 2,617 3,663 1,908 2,930 3,830 3,414 4,167 3,738 2,845 3,967 2,578 3,260 4,136 3,642 4,351 3,974 2,878 4,267 2,843 2,891 4,786 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 5,500 6,000 製 造 業 建 設 業 情 報 通 信 業 運 輸 業 、 郵 便 業 卸 売 業 ・ 小 売 業 宿 泊 業 、 飲 食 サ ー ビ ス 業 生 活 関 連 サ ー ビ ス 業 、 娯 楽 業 学 術 研 究 、 専 門 ・ 技 術 サ ー ビ ス 業 中小企業における時間当たり労働生産性(業種別) 2022年度 2023年度 2024年度 (円/人時)
  12. ① 企業規模別の労働生産性の分布を見ると、中小企業(従業者50人以上かつ資本金又は出資金3,000万円以上)のうち、労働生産性が上位に 位置する企業群は、大企業の中央値を超える水準にある。つまり、大企業と遜色ない労働生産性を有する中小企業は一定程度 存在しており、規模の小さい企業であっても、高い労働生産性を実現できる可能性があることが分かる。 ② 短期的な利益を追うのではなく、リスクをとって長期的な視点で事業・組織構造を再構築していく「戦略」をもった経営に転 換できるか、経営者の能力の差が明暗を分ける。具体的には、①成長に向けた設備投資(成長投資)、M&Aを契機とした事 業・組織構造の組み換え、価格転嫁の推進などによる「付加価値額の増加」、②省力化投資、AI活用・デジタル化による 「労働投入量の最適化」といった取組に、積極的に取り組むことが重要。 【重要な取組1-④】労働生産性の向上のためには、リスクを恐れず成長や変革に挑戦する経営に転換することが重要。

    図2 労働生産性の向上に有効な取組 労働生産性の向上 【労働生産性の現状】 図1 労働生産性の分布(企業規模別) 付加価値額 (産出:OUTPUT) • 成長投資 • 研究開発 • 人材育成 • 価格転嫁 • 事業承継・M&A • 省力化投資 • AI活用・デジタル化 労働投入量 (投入:INPUT) 資料:経済産業省「企業活動基本調査」再編加工 (注)1.労働生産性=付加価値額÷従業者数。付加価値額=売上高-営業費用・売上原価-営業費用・販売費及び一般管理費 +給与総額+減価償却費+福利厚生費+動産・不動産賃借料+租税公課。2.外れ値を除くため、最小値近傍の0~10%タイ ル、最大値近傍の90~100%タイルは表示していない。3.企業規模別に各社の労働生産性を算出した上で、それぞれの企業 規模で労働生産性の数値が低い順に並べたもの。4. 中小企業と大企業の分類は、中小企業基本法上の定義に基づく。 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 75-90%点 50-75%点 25-50%点 10-25%点 中央値(大企業) (百万円) 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 75-90%点 50-75%点 25-50%点 10-25%点 中央値(中小企業) 【参考】中央値(大企業) (百万円) (年度) (年度) 大企業 中小企業 13 増 加 最 適 化
  13. ① 生産能力の拡大や新事業への進出を目的とした「成長投資」は、製造業のみならず、様々な業種の企業で取り組まれている。 実施している企業は実施していない企業と比較して、付加価値額の増加率が大きい傾向。 ② 設備稼働率が高い企業ほど、付加価値額の増加率は大きいことが分かる。投資前の業務プロセスの見直し等を行った上で、計 画的な設備投資を行うことの重要性が確認できる。 【重要な取組1-⑤】成長投資は付加価値額の増加に寄与。計画的な設備投資を行うことが重要。 図1 成長に向けた設備投資への取組状況と効果 労働生産性の向上

    【付加価値額増加】 (1)成長に向けた設備投資への取組状況(業種別) 資料:(株)帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」(注)1.(図1(1))2019年以降で成長に向けた設備投資を行っているか聞いたもの。ここでの「成長に向けた設備投資」とは、生産能力の拡大や新事業へ の進出等、売上高を増加させるために行った設備の新設・増強のことを指し、ITツールやAI(人工知能)の活用は除く。2.(図1(2)) (図2(2))付加価値額の増加率は、2024年と2019年を比較したもの。3.(図2)成長に向けた設備投資に 「取り組んだ」と回答した事業者に聞いたもの。複数回取り組んでいる場合は、最も投資額が大きかったものについて聞いたもの。4.(図2)設備稼働率=足下の1日当たり平均稼働時間÷1日当たりの稼働可能な総時間×100。5.(図2)設備稼働率 について、「分からない」と回答した事業者は除く。 6. (図2(1))ここでの「業務プロセスの見直し」とは、業務を効率化するために、現在の業務の状況を明らかにし、業務の改善策を検討・実行する一連の取組を指す。 図2 設備稼働率向上の取組と効果 68.7% 54.8% 50.7% 64.9% 47.7% 50.4% 67.8% 31.3% 45.2% 49.3% 35.1% 52.3% 49.6% 32.2% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 製造業(n=2,837) 建設業(n=3,328) 情報通信業(n=402) 運輸業、郵便業(n=513) 卸売業(n=2,629) 小売業(n=703) 宿泊業、飲食サービス業(n=87) 取り組んだ 取り組んでいない (2)付加価値額の増加率(中央値、成長に向けた設備投資への取組状況別) 37.1% 31.6% 41.3% 41.8% 21.6% 26.6% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 取り組んだ(n=4,179) 取り組んでいない(n=1,573) 75%以上 25%以上75%未満 25%未満 ( 投 資 前 の 業 務 プ ロ セ ス の 見 直 し へ の 取 組 状 況 ) (設備稼働率) (1)設備稼働率(投資前の業務プロセスの見直しへの取組状況別) (2)付加価値額の増加率(中央値、設備稼働率別) 14 22.0 15.2 0 5 10 15 20 25 取り組んだ(n=6,665) 取り組んでいない(n=5,042) (%) 24.6 21.0 20.1 0 5 10 15 20 25 75%以上(n=1,971) 25%以上75%未満(n=2,284) 25%未満(n=1,274) (%) ( 設 備 稼 働 率 )
  14. ① 地域に根ざし、現場現業型でスピード感のある中小企業・小規模事業者にとって、AIトランスフォーメーション(AX)を加 速させることは、人手不足を乗り越えて、大企業を追い抜くほどの大きな成長を実現するチャンス。 ② 「成長に向けたAI活用」に取り組んでいる企業は、そうでない企業よりも付加価値額の増加を実現している。 【重要な取組1-⑥】AXにより、中小企業は飛躍的成長のチャンスを迎えている。 図2 付加価値額の増加率(中央値、成長に 向けたAI活用の取組状況別) 労働生産性の向上

    【付加価値額増加】 図1 AX(AIトランスフォーメーション)の概念図 15 23.0 17.9 0 5 10 15 20 25 取り組んだ(n=2,618) 取り組んでいない (n=9,089) (%) 資料:(株)帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」(注)1. 2019年以降 で成長に向けたAI活用に取り組んでいるか聞いたもの。ここでの「成長に向けたAI活用」とは、売上高を増加させ るために、従前では自社のみではできなかった、又は、十分ではなかった業務について、AI(人工知能)を活用し て行うことを指す。ここでの「AI」とは、人工知能のことであり、画像認識、音声認識、自然言語処理、データ分 析、意思決定支援、生成AIなどを指す。2. 付加価値額の増加率は、2024年と2019年を比較したもの。 資料:経済産業省「日本成長戦略会議(第3回)経済産業大臣発言補足資料」、2026年 家庭データ 家事支援(家事ロボット) 工場現場の省力化 (生産加工ロボット) 戦場・作戦データ リアルデータの 収集蓄積 データ 防衛 (無人航空機) データ 災害現場データ リアルデータの 学習・高度化 企業内データ 医療サービス (AI診断・手術ロボット) AI-Driven Solutions 守る 医療現場データ 経営する AI部下 フィジカルAI 対話型 AI サービスの省力化 (調理ロボット) モビリティサービス・物流 (自動運転車) 介護現場データ 道路交通データ 助ける AI-Definedな 価値創出デザイン 災害救助 (災害対応ロボット) 災害 対応 生産性向上 人手不足対策 サービス現場データ 製造現場データ 農業・建設の省力化 (自動運転農機・建機) 農業現場データ 建設現場データ つくる 家庭 介護サービス (介護ロボット) 人 (ボス力+現場力) データ データ データ データ 社会 保障 防衛 廃炉作業 (ヘビ型ロボット) 物流 交通 データ基盤
  15. ① 研究開発は、短期的には効果を見出しにくいが、中長期的な付加価値額の増加に資する重要な取組である。 ② 一方、中小企業にとっては研究開発に必要な人材面や費用面が課題。 【重要な取組1-⑦】研究開発は中長期的に中小企業の付加価値額の増加に寄与。 労働生産性の向上 【付加価値額増加】 図2 研究開発における問題点 119.4

    100.0 113.8 90 95 100 105 110 115 120 125 130 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2014年度に実施した企業(n=2,418) 2014-2023年度の間一切実施していない企業(n=2,414) (年度) (2014年度=100) 資料:経済産業省「企業活動基本調査」再編加工 (注)1. 企業活動基本調査の2015年調査(2014年度実績)から2024年調査(2023年度実績)まで連続して回答している 企業のうち、10年連続で中小企業基本法による中小企業の定義に該当し、かつ2014年度実績の業種大分類が「製造業」で ある企業のみを抽出している。2. ここでの「研究開発の実施」とは、「自社研究開発費」及び「委託研究開発費」の合計額 が0(調査票上の単位はそれぞれ百万円)より大きい場合を指す。3. 2014年度の数値を100として、2014年度から2023 年度までの変化率を見たもの。4. 付加価値額=売上高-営業費用・売上原価-営業費用・販売費及び一般管理費+給与総額 +減価償却費+福利厚生費+動産・不動産賃借料+租税公課。 図1 研究開発の実施有無別 付加価値額の推移 (製造業) 資料:(株)帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」(注)1.2019年以降 で、研究開発(製品・商品・サービスの新規開発や改良を目的とするもの)に取り組んだ事業者に聞いたもの。 2.複数回答のため、合計は必ずしも100%にならない。 54.1% 29.1% 22.2% 14.1% 11.3% 5.8% 5.8% 13.9% 0% 20% 40% 60% 必要な技術・ノウハウを持つ人材が不足している 多額の費用が掛かる 研究成果を収益化に結びつけられない 適切な連携相手が見つからない 研究成果を実用化に結びつけられない 研究成果の権利化が難しい その他 特にない (n=4,711) 16
  16. ① 中小企業において、従業員に対するOFF-JT費用(能力開発費)は、増加傾向であるものの、大企業に比べて低い水準で推移。 ② OJTやOFF-JTを通じた人材育成は、中小企業の付加価値額の増加に寄与。 【重要な取組1-⑧】人材育成について、OJTだけでなく、OFF-JTにも取り組むことで付加価値額の増加につながる。 労働生産性の向上 【付加価値額増加】 資料:経済産業省「企業活動基本調査」再編加工 (注)1. 中小企業と大企業の分類は、中小企業基本法上の定義に基づく。

    2. 「能力開発費」とは、講師・指導員経費、教材費、外部施設使用料、研修参加費及び研修委託費、大学への 派遣・留学関連費用、大学・大学院等への自費留学にあたっての授業料の助成等を指す。 図2 人材育成の取組状況と効果 図1 従業員一人当たり能力開発費の推移 (1)OFF-JTへの取組状況 (2)付加価値額の増加率(中央値、人材育成への取組状況別) 7,033 9,130 16,848 21,948 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 (円/人) 中小企業 大企業 (年度) 資料:(株)帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」(注)1.ここでの「OFF- JT」とは、通常の業務から離れて研修を受け新たなスキルを習得することを指す。ここでの「OJT」とは、実務を通じ、 座学研修やマニュアルだけでは身につかない実践的なスキルや知識の習得を目指す育成手法を指す。2.(2)付加価 値額の増加率は、2024年と2019年を比較したもの。OJT、OFF-JTいずれか一方にのみ取り組んでいる場合は集計し ていない。 17 22.6 15.4 0 5 10 15 20 25 30 OJTとOFF-JTどちらも取り組んでいる(n=3,493) どちらも取り組んでいない(n=4,247) (%) 34.1% 65.9% 0% 20% 40% 60% 80% 100% (n=12,105) 取り組んでいる 取り組んでいない
  17. 16.8% 14.2% 13.8% 18.3% 11.6% 12.4% 15.7% 15.5% 12.9% 16.9%

    16.2% 15.6% 38.6% 39.8% 41.4% 38.6% 20.0% 16.6% 12.8% 12.1% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 75%以上 (n=704) 50%以上75%未満 (n=950) 25%以上50%未満 (n=2,574) 25%未満 (n=5,701) 75%以上 50%以上~75%未満 25%以上~50%未満 0%超~25%未満 価格転嫁できなかった ① 仕入れコストの上昇分を適切に販売価格に転嫁すること(価格転嫁)は、付加価値額の増加に直結する。価格転嫁を実現する に当たっては、特定の顧客に過度に依存する状況に陥らないようにすることも重要。 ② 製品・商品・サービスの差別化により、適切な価格設定を行うことで、付加価値額の増加につながる。 【重要な取組1-⑨】価格転嫁や、製品・商品・サービスの差別化による適切な価格設定は、付加価値額の増加に寄与。 図2 価格転嫁の状況(取引先依存度別) 労働生産性の向上 【付加価値額増加】 図1 付加価値額の増加率(中央値、価格転嫁の状況別) 図3 付加価値額の増加率(中央値、差別化の重視状況別) ( 取 引 先 依 存 度 ) 資料:(株)帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」(注)1.(図1)(図2)ここでの価格転嫁とは、過去1年間における製品・商品・サービスの生産や製造、あるいは提供等にかかる費用全体の変動分について、 どの程度販売価格に転嫁できたか聞いたもの。「転嫁不要」と回答した事業者は除く。2.(図1)(図3)付加価値額の増加率は、2024年と2019年を比較したもの。3.(図2)取引先依存度は、直近決算期の売上高のうち、事業者向け(BtoB)が一 般消費者向け(BtoC)よりも多いと回答した事業者に聞いたもの。取引先依存度は、直近決算期における売上高が最大の取引先が、売上高全体に占める割合。4.(図3)「差別化を重視していない」は、製品・商品・サービスに関する競合他社との差別 化で重視している要素について聞いた設問で「特に差別化を重視していない」と回答した事業者。 18 21.1 19.0 18.2 13.2 0 5 10 15 20 25 75%以上(n=1,713) 25%以上75%未満(n=3,143) 0%超~25%未満(n=4,225) 価格転嫁できなかった(n=1,483) (%) ( 価 格 転 嫁 の 状 況 ) 19.0 16.2 0 5 10 15 20 25 差別化を重視している(n=10,961) 差別化を重視していない(n=746) (%)
  18. 15.4% 6.5% 71.7% 55.5% 12.9% 38.0% 0% 20% 40% 60%

    80% 100% 取り組んでいる(n=410) 取り組んでいない(n=713) 想定を超える効果が得られた 想定した効果が得られた 想定した効果が得られなかった ① 事業承継・M&Aは企業の付加価値額を高める効果が見られる。10年以内に事業承継を実施した企業のうち、経営者の年齢が 50歳代以下の企業は、経営者が60歳代以上の企業より付加価値額の増加率が高い傾向にある。事業承継・M&Aを契機として、 新たな経営者の下で利益の大幅増加等に結び付いた事例は多く存在。買収に対するイメージの変化はプラスがマイナスを上回 るも、買収先の探索・選定や資金確保に課題を抱えている。 ② M&A(買収)に当たっては、買収先との経営方針・組織の統合といったPMIに取り組むことが成功のカギとなることが多い。 【重要な取組1-⑩】事業承継・M&Aは企業の付加価値額を高める。M&Aは買収先との綿密なコミュニケーションがカギ。 図1 事業承継、M&Aの効果 図4 M&Aの効果(PMIの取組有無別) 労働生産性の向上 【付加価値額増加】 図3 買収における障壁 資料:(株)帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」(注)1.(図1)付加価値額の増加率は、2024年と2019年を比較したもの。2.(図1(1))調査時点( 2025年11~12月)での経営者の年代。10年以内に 事業承継している事業者について分析している。なお、経営者が創業者である事業者は除く。3.(図1(2))2019年以降における他社又は他社事業の買収(M&A)経験・回数について聞いたもの。「他社の買収」とは議決権過半数に当たる株式を取 得すること、「他社事業の買収」とは事業譲受のことを指す。いずれも有償・無償かは問わない。4.(図2)調査時点(2025年11~12月)において、2019年以降の、他社又は他社事業の買収に対するイメージの変化について聞いたもの。5.(図3) 2019年以降の他社又は他社事業の買収について「買収したことはない」と回答した事業者に聞いたもの。「その他」、「買収を検討したことはない」という回答を除いて、回答割合が高い順に上位5つを表示。複数回答のため、合計は必ずしも 100%に ならない。6.(図4)M&Aの効果は、事業に最もプラスの影響を及ぼしたと思うM&Aについて聞いたもの。 12.8% 11.9% 10.2% 8.4% 5.0% 0% 5% 10% 15% 買収候補先の探索や選定の難しさ 買収資金の負担 買収判断に必要な情報の不足 仲介手数料の負担 買収手続きの煩雑さ (n=10,888) (1)付加価値額の増加率(中央値、事業承継による後継者の年代別) (2)付加価値額の増加率(中央値、M&Aの実施有無別) 図2 買収に対するイメージの変化 18.1% 74.2% 7.7% 0% 20% 40% 60% 80% 100% (n=11,906) プラスのイメージになった 変わらない マイナスのイメージになった 19 18.5 14.9 0 5 10 15 20 25 50歳代以下(n=3,567) 60歳代以上(n=1,418) (%) 22.8 18.5 0 5 10 15 20 25 買収実施(n=1,094) 買収非実施(n=10,613) (%)
  19. ① 労働生産性の分母である「労働投入量(=従業員数)」の最適化に関して、労働生産性を向上させるためには、従業員数の伸び 率を上回る付加価値額の伸び率を達成することが必要である。労働投入量の最適化の在り方として、(A)従業員数が増えたと しても、それを上回る変化率で付加価値額を増加させること(①効率的成長型)、(B)従業員数が減少しつつも付加価値額を 増加させること(②効率化型) 、のいずれかが考えられる。 ② 付加価値額が増加しても、それを上回る増加率で従業員数が増えている場合(非効率的成長型)は、労働投入量の最適化に向け て適切な取組を行うことが必要。省力化投資、AI活用・デジタル化に取り組んでいる企業は、最適化を達成している傾向がある。 【重要な取組1-⑪】労働投入量の最適化を実現した企業は、省力化投資、AI活用・デジタル化に取り組んでいる傾向がある。

    図1 労働生産性の類型 労働生産性の向上 【労働投入量の最適化】 領域 従業員数の変化率 付加価値額の変化率 労働生産性 ①効率的成長型 上昇 上昇 向上 ②効率化型 低下 上昇 向上 ③非効率的成長型 上昇 上昇 低下 資料:(株)帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」 (図2)(注)1.労働生産性変化の類型について、前半期間(2015~2019年)で「③非効率的成長型」の類型に位置し、全期間(2015~2024年)で「①効 率的成長型」、「②効率化型」、「③非効率的成長型」の類型に位置した事業者を集計したもの。2.2019年以降における省力化投資、AI活用、ITツール活用の状況について聞いたもの。なお、AI活用、ITツール活用の状況については、省力化投資に 「取り組んだ」と回答した事業者に聞いたもの。3.ここでの「省力化投資」とは、機械化やAI(人工知能)の活用、 ITツールの活用等によって、従前と同等又はそれ以上の付加価値を創出するために投入する労働量を減少させることを指す。4.ここで のAI(人工知能)とは、画像認識、音声認識、自然言語処理、データ分析、意思決定支援、生成AIなどを指す。5.ここでのITツールには、AI(人工知能)を含まない。 ①効率的成長型 ③非効率的 成長型 ②効率化型 付 加 価 値 額 の 変 化 率 従業員数の変化率 付加価値額の変化率 =従業員数の変化率 + - - + < > 41.8% 34.3% 9.1% 12.5% 49.1% 53.2% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 取り組んだ(n=761) 取り組んでいない(n=878) 44.2% 35.1% 8.8% 9.8% 46.9% 55.1% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 取り組んだ(n=556) 取り組んでいない(n=205) ③→①(非効率的成長型→効率的成長型) ③→②(非効率的成長型→効率化型) ③→③(非効率的成長型→非効率的成長型) 49.0% 38.3% 6.1% 10.5% 44.9% 51.2% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 取り組んだ(n=247) 取り組んでいない(n=514) 20 図2 労働生産性の類型間移動(省力化投資の実施状況別) (2)AI活用の実施状況別 (3)ITツール活用の実施状況別 (1)省力化投資の実施状況別
  20. 6.5% 3.5% 84.9% 77.4% 8.7% 19.1% 0% 20% 40% 60%

    80% 100% 取り組んでいる(n=2,276) 取り組んでいない(n=1,685) 想定を超える効果が得られた 想定した効果が得られた 想定した効果が得られなかった 57.2% 68.2% 73.4% 31.2% 24.9% 20.9% 11.6% 6.9% 5.7% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 製造・生産管理・物流部門(n=1,210) 営業・販売・顧客対応部門(n=1,605) バックオフィス部門(n=1,577) 活用している 必要性を認識しているが、活用には至っていない 必要性を認識しておらず、活用していない 30.3% 69.7% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=5,645) 取り組んだ 取り組んでいない 【重要な取組1-⑫】中小企業におけるAI活用は一定程度進む。社内研修や部門間連携がデジタル化の効果を高める。 ① 既に人手が足りていない中小企業にとって、AIは、省力化という側面だけではなく、既存の従業員の業務のアウトプットを 補完する役割にもなり得ることから、中小企業において積極的に活用されることが期待される。約3割の中小企業が「AI活 用に取り組んだ」としており、バックオフィス部門や営業・販売・顧客対応部門等において活用されている。 ② デジタル化の効果を高めるためには、従業員のITツール活用促進に向けた研修や勉強会の実施、部門間連携が有効。 図2 デジタル化の効果を高めるための取組 (1)ITツール活用の評価(従業員のITツール活用促進に向けた研修や勉強会 の実施状況別) (2)ITツール活用の評価(ITツールの部門間連携の実施状況別) 図1 AI活用の状況と活用に当たっての課題 資料:(株)帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」(注)1.((図1(1))部門別のAI活用状況は、2019年以降の省力化投資のうち、AIの活用に「取り組んだ」と回答した事業者に聞いたもの。なお、「該 当部門はない」と回答した事業者は除く。2.(図1(2))2019年以降の省力化投資のうち、AI活用に「取り組んでいない」と回答した事業者に聞いたもの。回答割合が高い順に上位5つを表示。複数回答のため、合計は必ずしも100%にならない。 3.(図2) 2019年以降の省力化投資のうち、ITツール活用に「取り組んだ」と回答した事業者に聞いたもの。 ITツール活用の評価について、複数回取り組んだ場合は、最も投資額が大きかったものについて聞いたもの。 4.(図2(2))部門間連携 について、「連携する必要がない」と回答した事業者は除く。 (2)AIを活用していない理由 (1)AI活用の状況 5.9% 2.3% 86.5% 62.9% 7.6% 34.8% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 部門間連携できている(n=3,045) 部門間連携できていない(n=739) 想定を超える効果が得られた 想定した効果が得られた 想定した効果が得られなかった 63.4% 40.0% 26.2% 14.5% 13.8% 0% 20% 40% 60% 80% 活用する業務がイメージできていない 活用を推進する人材が不足している 社内ルール・ガイドラインが整備されていない セキュリティ・情報漏えいへの不安がある 必要な予算を確保できない (n=3,888) (AIを活用している事業者の うち、部門別のAI活用状況) 21 労働生産性の向上 【労働投入量の最適化】
  21. 【重要な取組1】中小企業における事例① 労働生産性の向上 ➢ 長野県長野市の有限会社いろは堂は、長野県の郷土食「おや き」を製造・販売する創業100年の老舗企業(従業員数130名)。 県内6店舗、スーパー等で年間500万個を販売している。市場拡大 を見込んでいたが、生産能力と人材確保に課題を抱えていた。 ➢ 成長機会を捉えるため、同社は計画当時の年商の約2倍に当たる 10億円を投じ、2022年に新工場「OYAKI

    FARM」を開業。最新 設備導入で生産能力を1.5倍に強化し、製造担当者と一丸となって 業務フローや動線を見直すことで業務効率化を実現。さらに、工 場見学やカフェ併設など体験型施設として差別化を図り、幅広い 世代に向けた「おやき文化の発信拠点」としての機能を持たせた。 ➢ 売上高は新工場建設前と比較して175%に増加。想定を超える 原材料価格高騰の影響を受けながらも、付加価値率を向上させ、 かつ従業員の賃上げにも取り組んでいる。既存のおやきのイメー ジを覆す施設が反響を呼び、開業から1年で来場者は28万人を超 え、おやき自体の知名度も上昇。他社から商品開発等の引き合い も急増している。 「大型設備投資によって付加価値を生み、郷土料理の市場を 拡大する老舗企業」 【有限会社いろは堂】 ➢ 埼玉県小鹿野町の松本興産株式会社は、1970年創業の金属加工 メーカー(従業員数143名)。2007年に松本直樹社長が就任後、 自動車業界を開拓して大きく成長。しかし、急成長で固定費が膨 らみ、原価計算が不十分だったため低採算製品が発生。収益改善 に取り組もうにも必要なデータや情報が紙やExcelで分散していた。 コロナ禍による業績悪化で松本社長と経理担当の松本めぐみ取締 役は危機感を抱き、社内の意識改革と収支構造の把握に着手した。 ➢ 「お金を掛けずにできること」として、毎週の社内塾を開講。 「風船会計」と命名した独自の手法で決算書や限界利益の考え方 を従業員に教育。利益重視の意識が社内に浸透。営業の見積りは 勘と経験から原価積み上げ方式に統一され、赤字受注防止や価格 転嫁が可能に。さらにDXを推進し、自社アプリを開発。検品業務 のデジタル化で1,500時間削減、全社員が会計情報をリアルタイム で把握できる体制を構築。社員発案のアプリは70種類に及ぶ。 ➢ 経営危機を脱して成長軌道に。財務の透明性を高めたことで、 従業員が経営視点を持ち、社内に協力し合う文化が生まれた。 「全社的な意識改革とDXの推進によって、成長を実現してい る企業」 【松本興産株式会社】 伊藤拓宗社長 新工場「OYAKI FARM(おやきファーム)」 設備投資 人材育成 松本直樹 代表取締役(左) 松本めぐみ 取締役(右) 社内塾の様子 22
  22. 【重要な取組1】中小企業における事例② 労働生産性の向上 ➢ 奈良県広陵町の昌和莫大小株式会社は、1935年創業の老舗靴下 メーカー(従業員数14名)。積み重ねてきた機械編みと縫製の技 術が信頼を集め、大手アパレルメーカーのOEM生産を担ってきた が、中国製低価格品の流入で価格競争が激化。取引先からの受注 減・値下げ要請により、売上高は最盛期から半減し、利益率も低 下の一途をたどっていた。 ➢

    3代目の井上社長は、2013年、自社ブランドの発足による付加 価値向上戦略に舵を切ることを決意。奈良県よろず支援拠点の助 言を得て、持ち前の編立と縫製技術をいかし、スポーツ・アウト ドア向けソックスブランド「OLENO」を立ち上げた。トップアス リートの試用や、SNSを通じてユーザーとともにブランドを育て ていく仕組みを構築し、試行錯誤を重ねて看板シリーズを完成さ せた。 ➢ 「OLENO」は五輪選手やプロチームにも採用され、輸出も実現。 売上高の約5割を占める規模にまで成長。結果、低採算の受注を 無理して受ける必要がなくなったことで、収益力の改善も実現し た。 「自社ブランドの立ち上げやユーザーの声を丁寧に集めた製 品開発により、付加価値向上を実現した企業」 【昌和莫大小(しょうわめりやす)株式会社】 ➢ 宮城県仙台市のカホク運送株式会社は、冷凍食品や農水産物な どを対象とする幹線輸送を中心に展開する物流企業(従業員数40 名)。東日本大震災により本社屋が全壊。震災の影響による売上 減少や、本社移転等に伴うコストにより財務状況が悪化したため、 経営再建が急務であった。 ➢ 佐藤社長は、収益構造の見える化が重要と考え、中小機構の支 援を受け管理会計を導入。社内のデータを整理し、Excel上に手入 力していた状況からRPAの活用による自動化を実現。得意先別や 輸送ルート別の日次の売上高、利益率、付加価値額等が自動で算 出され、月次目標の達成状況がリアルタイムで把握できる体制を 構築した。 ➢ データ分析に基づいた事業再編も断行。売上高の約3割を担う ものの利益率が低い事業から撤退し、利益率の高い事業に経営リ ソースを集中する方針へ舵を切った。また、原価率などの根拠 データを持参して価格交渉することで、得意先の納得感を得るこ とができ、適切な価格転嫁を実現している。利益率や付加価値額 は大幅に向上し、継続的な賃上げにより積極的に従業員に還元し ている。 「ITを活用した原価管理、付加価値向上や賃上げを実現して いる企業」 【カホク運送株式会社】 差別化 価格転嫁 井上克昭社長 同社ブランド「OLENO」の製品 佐藤俊一社長 大型モニターで受注・販売・運行管 理情報をリアルタイム表示 23
  23. 【重要な取組1】中小企業における事例③ 労働生産性の向上 ➢ 大阪府東大阪市の株式会社カツロンは、創業75年の樹脂素材製 品メーカー(従業員数120名)。石川社長は、安定的に人材を確保 するためには、付加価値の高い仕事を取り込むことで、賃金水準 を高め、企業価値を向上させる必要があると考えていた。 ➢ 2022、23年に後継者不在の課題を抱えていた同業者2社を買収。 M&Aに当たっては、買収先の従業員に対する説明会を実施。雇用

    継続を約束するなど不安払拭に努めるとともに、職場環境を改善。 グループ会社としての対等な関係を前提に、相互に企業文化を取 り入れていくことを意識しながら、同社経理システムや人事制度 も徐々に浸透させ、賃上げも進めた。さらに、人的交流や共同調 達、設備・人材の相互利用を進め、納期短縮やコスト削減を実現。 ➢ 同社では取扱いのなかった樹脂素材や製品分野に対応できるよ うになり、受注の幅が拡大。さらに、人材や設備の相互利用を実 施することで生産キャパシティーも拡大し、グループ全体の売上 げは約1割向上。賃金水準は業界トップクラスであり、M&A以降、 3社いずれも正社員の離職は発生していないという。 「M&Aによるシナジー効果を発揮し、付加価値向上を実現し た企業」 【株式会社カツロン】 M&A(買収) 石川明一社長(左)と買収先名古屋セロン (株)加藤雅也社長(右) 石川明一社長(左)と買収先幸輝プラスチック工業 (株)吉岡美貴男社長(右) 24 ➢ 山梨県甲府市の株式会社クア・アンド・ホテルは、山梨県・長 野県・静岡県に健康ランド、山梨県にビジネスホテルを展開する 企業(従業員数462名)。創業家の三森前社長は、後継者不在の状 況下、今後の発展のためには経営力の高い会社に事業を託すこと が必要と考え、2024年4月に株式会社日本共創プラットフォーム (JPiX)に事業譲渡を決断。田中新社長は、更なる成長には労働生 産性の向上が必要だと判断し、経営改革に着手した。 ➢ 田中社長は従業員・顧客を大切にする文化を残しつつ、新しい ことに挑戦する文化と自分の意見を言う文化を醸成。付加価値労 働生産性をKPIにPDCAを徹底し、料金変動制や成長投資、省力化 を推進。業務可視化やセルフ化で効率化し、経営陣と従業員がフ ラットに意見を出し合える職場で改善提案を促した。 ➢ 労働時間を大幅に節減し、付加価値労働生産性は1年半で21% も上昇。5割程度だった有給休暇取得率は、足下では100%取得 を達成し、年間約7.5%の賃上げを実現している。「スムーズに引 継ぎができたのは、三森前社長が従業員に対して我々への承継の 意義を繰り返し伝えてくれたことが大きい。今後も労働生産性向 上に取り組み、長期的かつ持続的な成長を追い求める」と田中社 長は語る。 「 M&Aによる事業承継後の経営改革により大幅な生産性向 上を実現した企業」 【株式会社クア・アンド・ホテル】 M&A(売却) 三森中前社長(左) 田中翔社長(右) 同社の石和健康ランド
  24. 【重要な取組1】中小企業における事例④ 労働生産性の向上 ➢ 長野県飯田市の株式会社たまゆらは、2002年から介護事業(デ イサービス、ショートステイ、グループホーム、特別養護老人 ホーム)を運営している企業(従業員数160名)。結婚・出産・育 児といったライフイベントによる職員の離職が発生し、人材確 保・定着のための働きやすい職場づくりを推進した。 ➢ 子育て世代の職員から要望を聴取。事業所内に低廉な料金で子

    供を預けることができる託児所や休日学童保育を開設した。また、 短時間勤務が可能な柔軟な勤務制度も導入。さらに、子育て世代 の増加に伴って夜勤が集中している職員の負担軽減のために省力 化投資も実施。全室に見守りカメラを導入し、タブレットで各部 屋の様子を確認、ベッドからの転落などの異常を自動検知できる 体制を整えた。 ➢ 仕事と育児を両立し、仕事が続けやすい環境が整ったことで、 離職率は36.7%(2005年)から11.4%(2025年)にまで低下。 近年は出産・育児を理由とする退職は見られていない。介護業界 の人材不足に直面する中、同社は高い人材定着率によってその課 題を乗り越えている。 「働きやすい職場づくりにより人材の確保と定着を実現して いる企業」 【株式会社たまゆら】 省力化投資 人材確保 久保田忠士社長 25 ➢ 佐賀県神埼市の株式会社大橋は、農林業機械や環境機器の製 造・販売・輸出を主力とする企業(従業員数45名)。大橋弘幸会 長(当時社長)は、国内の労働力不足や需要縮小を懸念。海外展 開を志向するようになり、その実現に向け、気力・体力が充実し ている息子(大橋由明現社長)に事業承継することを決断した。 ➢ 事業承継税制や経営者保証ガイドラインを活用し、株式譲渡に 伴う税負担や経営者保証の課題をクリアすると、承継計画の策定 に着手。海外展開や組織体制の再構築といった将来ビジョンを、 新旧社長が一体となってすり合わせながら策定したこの計画は、 承継実現後のスムーズな経営転換に大きく寄与した。 事業承継後、大橋社長は、欧州における販売体制を構築し、か つ、新たにベトナムに生産拠点を設けるなど、海外事業の拡大を 実現。大きな成功を収めた。 ➢ 「税制やガイドラインの活用により、承継後の成長投資や事業 運営に安心して取り組むことができた」と語る大橋社長は、海外 展開の加速や組織体制の改革が奏功し、売上高は過去最高を更新。 5%程度の賃上げにも複数年取り組むことに成功している。 「円滑な事業承継を実現し、成長への取組を進めている企 業」 【株式会社大橋】 事業承継 大橋由明社長 海外での商談の様子 デイサービスセンターたまゆらの外観
  25. 労働生産性の向上 ➢ 石川県金沢市の岡田研磨株式会社は、建設機械や産業機械向け 部品の加工・組立てを手掛ける企業(従業員数85名)。岡田専務 が入社した当時、図面などの膨大な情報は紙・Excelで管理され、 情報が属人化し、社内共有にも無駄な作業が発生していた。こう した状況を見て、アナログな情報管理体制からの脱却に着手した。 ➢ カギとなったのはAIだった。生成AIでプログラムを作成できる ことを知った岡田専務は、AIとの対話を通じ、自社独自の情報統

    合管理システムの開発に成功。生産管理、労務管理、原価管理を はじめとした30以上のアプリが搭載されており、情報の一元管理 を実現した。さらに、従業員のノウハウ共有にもAIを活用できる と思い立ち、作業手順書の管理システムも開発。これを用いた従 業員教育により、多能工化・業務平準化も進んだ。 ➢ AIを活用することで一からのアプリ開発に成功。業務効率化・ 従業員のパフォーマンス向上の両方を実現し、結果、労働時間の 削減と売上高の増加につながった。 「AI活用によるデジタル化の推進で生産性向上を実現した企 業」 【岡田研磨株式会社】 26 AI活用 【重要な取組1】中小企業における事例⑤ 岡田雄太専務 自社独自の情報統合管理システム 「OKADA Board(オカダボード)」 ➢ 東京都新宿区の株式会社オプトサイエンスは、研究機関等を顧 客に光学機器の輸入販売を行う商社(従業員数33名)。取り扱う 製品は最先端かつ専門性が高く、営業担当者は海外論文や英語マ ニュアルを探して読み込み技術解説文書を作成していた。また、 広告にも課題が存在。広告づくりに不慣れな営業担当者が担当し、 広告枠を有効に活用できていなかった。 ➢ 宍野社長は、2023年に生成AIに衝撃を受け、日本企業でも主流 になると確信し、いち早く導入。営業担当者はAIで論文要約や英 語マニュアル翻訳を行い、技術的な知識を補完。広告づくりでは 商品選定や訴求ポイント、キャッチコピー案をAIに出力させた。 ➢ 営業担当者は、マニュアルがない製品でも詳細な説明が可能と なり、同社の強みは更に高まった。広告においても、レスポンス は平均で2倍以上に増加。月平均5件程度から、多い月には45件 に達する。「AIは様々な可能性があり、経営資源が限られる中小 企業こそ、使わない手はない。まずは触ってみて慣れることが重 要」と宍野社長は語る。 「AIを活用することでパフォーマンスを向上させ生産性を向 上させている企業」 【株式会社オプトサイエンス】 AI活用 宍野吉虎社長 生成AIを活用 した広告
  26. ① 経営力を向上させるためには、経営者が持つべき基本的知識である「経営リテラシー」の強化・実践が不可欠。 ② 経営リテラシーを4つの分野に分類し、小規模事業者を対象に各分野の取組状況を確認したところ、現状、経営リテラシーは 改善の余地がある状況。経営リテラシーを高めていくためには、それぞれの取組が進まない原因を踏まえて適切な支援を行っ ていくことも重要。 【重要な取組2-①】経営力の土台となる「経営リテラシー」の強化・実践が不可欠。 図1 経営リテラシーの分類 経営リテラシー

    ①財務・会計リテラシー 原価管理 資金繰り計画の策定 ②組織・人材リテラシー 従業員の労務管理 組織活性化 ③運営管理リテラシー 品質管理 ノウハウの蓄積・共有 ④経営戦略リテラシー 経営計画の策定 マーケティング 図2 経営リテラシーへの取組状況 資料:(同)デロイト トーマツ「令和7年度小規模事業者の経営課題と事業活動に関する調査」 (注)1.ここでの「原価管理」とは、製品・商品・サービスの生産・提供に要するコストを把握し、適切に管理することを指 す。2.ここでの「従業員の労務管理」とは、従業員の長時間労働の防止や有給休暇の取得促進への取組を指す。ここでの 「組織活性化」とは、従業員の働きがいやエンゲージメント(従業員の、自身が勤める企業に対する自発的な貢献意欲)の維 持・向上への取組を指す。3.ここでの「品質管理」とは、業務に使う設備等の点検をすることや、製品・商品の出荷前、 サービスの提供前にチェック項目等に基づいて品質を確認することを指す。ここでの「ノウハウの蓄積・共有」とは、業務上 のノウハウ(技術・知識・経験)が特定の従業員に依存しないよう、組織としてノウハウの蓄積・共有に取り組むことを指す。 4.ここでの経営計画とは、自社が現状から将来のあるべき姿に到達するための計画の策定を指す。ここでの「マーケティン グ」とは、外部環境の情報収集及び差別化の取組を行うことを指す(いずれか一方に取り組んでいる事業者は除く)。 資料:(同)デロイト トーマツ「令和7年度小規模事業者の経営課題と事業活動に関する調査」 (注)1.「原価管理」における「取り組んでいる」は「製品・商品・サービス別に把握している」、「事業単位で把握してい る」、「取り組んでいない」は「全社単位で把握している」、「ほとんど把握していない」と回答した事業者の合計。2. 「労務管理」、「組織活性化」については、従業員がいる事業者に聞いたもの。「ノウハウの蓄積・共有」については「従業 員はいない」と回答した事業者は除く。3.小規模事業者の回答を集計している。 27 67.8% 24.6% 70.5% 41.4% 69.3% 48.8% 19.9% 60.6% 32.2% 75.4% 29.5% 58.6% 30.7% 51.2% 80.1% 39.4% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 原価管理(n=9,915) 資金繰り計画の策定(n=9,915) 従業員の労務管理(n=6,911) 組織活性化(n=6,911) 品質管理(n=9,915) ノウハウの蓄積・共有(n=7,424) 経営計画の策定(n=9,915) マーケティング(n=7,138) 財務・会計 リテラシー 組織・人材 リテラシー 運営管理 リテラシー 経営戦略 リテラシー 取り組んでいる 取り組んでいない
  27. ① 原価管理の実施状況を段階ごと(製品・商品・サービス別/事業単位/全社単位)に見ると、より詳細に原価管理を行ってい る小規模事業者ほど、価格転嫁に成功している傾向が見られる。 ② 資金繰り計画の策定は、資金不足時期の把握などに寄与。貸借対照表を活用した財務内容等の把握・分析は、資金繰りに好影 響を与えている傾向も見られ、小規模事業者においても貸借対照表の活用は重要。 【重要な取組2-②】原価管理を徹底して行うことで価格転嫁の成功に寄与。貸借対照表の活用は資金繰りに有効。 経営リテラシー 【財務・会計】 図2

    資金繰り計画策定の効果 資料:(同)デロイト トーマツ「令和7年度小規模事業者の経営課題と事業活動に関する調査」 (注)1.小規模事業者の回答を集計している。2.(図1)ここでの価格転嫁とは、過去1年間における製品・商品・サービスの生産 や製造、あるいは提供等にかかる費用全体の変動分について、どの程度販売価格に転嫁できたか聞いたもの。「転嫁不要」と回答し た事業者は除く。3.(図2)資金繰り計画を「策定している」と回答した事業者に聞いたもの。4.(図2)(図3(1))複数回 答のため、合計は必ずしも100%にならない。5.(図3(1))貸借対照表を「大いに活用している」「ある程度活用している」と 回答した事業者に聞いたもの。回答割合が高い順に上位5つを表示。 6.(図3(2))足下の資金繰りの状況について聞いたもの。 図1 価格転嫁の状況(原価の把握状況別) 図3 貸借対照表の活用方法と効果 (1)貸借対照表を使った経営状況の把握・分析の取組内容 4.1% 2.3% 48.4% 34.7% 35.1% 42.5% 12.4% 20.6% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 活用している(n=4,011) 活用していない(n=5,904) とても余裕がある ある程度余裕がある あまり余裕がない ほとんど余裕がない (2)資金繰りの状況(貸借対照表の活用状況別) 28 11.8% 8.5% 6.9% 5.0% 8.4% 8.7% 6.7% 4.7% 12.5% 10.4% 11.1% 6.9% 42.2% 43.1% 43.1% 38.9% 25.1% 29.3% 32.2% 44.4% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 製品・商品・サービス別(n=3,870) 事業単位(n=1,732) 全社単位(n=1,660) ほとんど把握していない(n=855) 75%以上 50%以上~75%未満 25%以上~50%未満 0%超~25%未満 価格転嫁できなかった 59.4% 46.5% 30.0% 29.2% 27.4% 1.7% 3.7% 0% 20% 40% 60% 資金不足時期の把握 収支見通しの精度向上 資金調達判断の最適化 急な支払いへの対応力向上 金融機関等への説明力向上 その他 特に効果は感じていない (n=2,387) 54.9% 41.2% 33.7% 32.0% 15.2% 0% 20% 40% 60% 資産と負債のバランス 借入金の返済能力 資産・負債の増減推移 資産の流動性 自己資本比率 (n=3,882)
  28. 55.3% 49.8% 44.9% 38.0% 27.2% 17.1% 16.3% 8.4% 2.6% 2.2%

    0% 20% 40% 60% 賃金・賞与の引き上げ 柔軟な働き方の導入 社内コミュニケーションの活性化 従業員の意見の積極的な取り入れ 福利厚生の充実 教育・研修の実施 理念・ビジョンの共有 人事評価基準の明確化 表彰制度の導入 その他 51.6% 41.7% 31.9% 28.1% 16.5% 30.2% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 取り組んでいる(n=2,021) 取り組んでいない(n=2,054) 採用した(予定人数に到達) 採用した(予定人数には未達) 採用していない(採用を希望していた) ① 労務管理(従業員の長時間労働の防止や有給休暇の取得促進への取組)に取り組む小規模事業者は約7割。従業員の勤怠管理を紙への手書き で行う小規模事業者も多い。従業員の残業時間が減少していると従業員の定着率が高い傾向も見られる。 ② 組織活性化(従業員の働きがいやエンゲージメントの維持・向上)に向けた取組として、賃金・賞与の引上げ、柔軟な働き方の導入、社内 コミュニケーションの活性化などがある。組織活性化は採用実績にも違いを生む。 【重要な取組2-③】従業員の労務管理や組織活性化は、人材の確保・定着に好影響。 図1 従業員の労務管理への取組方法と効果 図2 組織活性化への取組と効果 経営リテラシー 【組織・人材】 資料:(同)デロイト トーマツ「令和7年度小規模事業者の経営課題と事業活動に関する調査」(注)1.小規模事業者の回答を集計している。2.(図1(1))従業員の勤怠について、タイムカード等で把握した勤退情報をどのような方法で管理している かを聞いたもの。「従業員はいない」と回答した事業者は除く。3.(図1(2))従業員がいる事業者に対して、従業員の月平均残業時間について、直近3年間での傾向を聞いたもの。残業時間が減少又は増加について集計している。4.(図1(2))従 業員の定着状況は、直近3年間で採用した従業員の定着率を聞いたもの。「直近3年間に採用した従業員はいない」と回答した事業者は除く。5.(図2(1))従業員の働きがいやエンゲージメント維持・向上に「大いに取り組んでいる」「ある程度取り 組んでいる」と回答した事業者に聞いたもの。複数回答のため、合計は必ずしも100%にならない。6.(図2(2))直近3年間での採用実績を聞いたもの。「採用していない(採用を希望していなかった)」と回答した事業者は除く。 (1)従業員の働きがいやエンゲージメントの維持・向上のために取り組んでいること (2)採用実績(従業員の働きがいやエンゲージメントの維持・向上の取組状況別) (2)従業員の定着状況(残業時間の傾向別) 10.4% 9.4% 30.3% 49.8% 0% 20% 40% 60% 80% 100% (n=6,911) クラウド型の勤怠管理システム インストール型の勤怠管理システム Excel等の表計算ソフト 紙への手書き (1)従業員の勤怠管理方法 48.5% 59.8% 31.1% 22.2% 20.4% 18.0% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 残業時間増加 (n=476) 残業時間減少 (n=985) 7割以上 3割以上~7割未満 3割未満 29 (n=2,781)
  29. 39.4% 28.8% 22.6% 28.6% 38.0% 42.6% 0% 20% 40% 60%

    80% 100% 取り組んでいる(n=6,653) 取り組んでいない(n=2,951) 上昇 不変 低下 38.1% 24.5% 33.7% 38.3% 28.2% 37.1% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 取り組んでいる(n=6,653) 取り組んでいない(n=2,951) 増加 不変 減少 ① 品質管理(業務に使う設備等の点検や、製品・商品・サービスの出荷前/提供前のチェックなど)に取り組むことで、顧客数の増加・離反防止や営 業利益率の向上につながる傾向が見られる。 ② マニュアルや手順書の整備など、社内ノウハウを蓄積・共有化することは、業務の属人化を防止し、円滑な業務遂行や品質の 安定化に有効。 【重要な取組2-④】品質管理は顧客獲得につながる。社内ノウハウの蓄積・共有化による円滑な業務遂行も重要。 図1 品質管理への取組と顧客数・利益率との関連性 経営リテラシー 【運営管理】 (1)顧客数の傾向 資料:(同)デロイト トーマツ「令和7年度小規模事業者の経営課題と事業活動に関する調査」(注)1.小規模事業者の回答を集計している。2.(図1)顧客数、営業利益率は3期前と比較した傾向を聞いたもの。「3期前は事業を開始していない」 と回答した事業者は除く。3.(図2)複数回答のため、合計は必ずしも100%にならない。4.(図2)業務上のノウハウ(技術・知識・経験)が特定の従業員に依存しないよう、組織としてノウハウの蓄積・共有に取り組んでいるかについて、「大い に取り組んでいる」、「ある程度取り組んでいる」と回答した事業者に聞いたもの。回答割合が高い順に上位5つを表示。 図2 社内ノウハウの蓄積・共有化の取組と効果 (1)社内ノウハウを蓄積・共有化する上で、有効だった取組 (2)社内ノウハウの蓄積・共有化により得られた効果 (2)営業利益率の傾向 30 39.1% 35.9% 28.7% 23.6% 14.7% 0% 10% 20% 30% 40% 50% マニュアルや手順書の整備 社員同士の交流機会の提供 社内勉強会・研修の実施 OJTの提供 事例等のデータベース化 (n=3,537) 43.6% 31.9% 31.2% 21.7% 18.2% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 担当者不在時でも業務が滞りなく遂行できるようになった 業務の引継ぎが円滑に行えるようになった 製品・商品・サービスの品質が安定した 業務負担が平準化され、働きやすさが向上した 業務効率が向上し、時間的・人的コストが削減された (n=3,499)
  30. ① 事業目標や経営計画の策定は、経営資源が比較的乏しい小規模事業者にとって重要。経営計画を策定するのみではなく、計画の 実績を確認(PDCA)することで、経営計画策定の効果は高まる。 ② 競合他社との差別化や外部環境の分析などマーケティングに取り組む小規模事業者では、売上げを伸ばしている傾向が見られる。 【重要な取組2-⑤】経営計画の策定・PDCAが重要。経営戦略の構築が、成長と経営の安定をもたらす。 図1 経営計画策定の効果 図2 マーケティングの取組状況

    経営リテラシー 【経営戦略】 (1)売上高の傾向(事業目標・経営計画の策定状況別) 資料:(同)デロイト トーマツ「令和7年度小規模事業者の経営課題と事業活動に関する調査」(注)1.小規模事業者の回答を集計している。2.(図1(1))売上高は3期前と比較した傾向を聞いたもの。「3期前は事業を開始していない」と回答した 事業者は除く。3.(図1(2))実績の確認状況は、経営計画を策定している事業者に対して、売上高や顧客数などの実績と経営計画を比較し、進捗状況の確認をしているか聞いたもの。4.(図1(2))経営計画の策定によって業績向上にどの程度効果 を得られたか聞いたもの。5.(図2(1))売上高は3期前と比較した傾向を聞いたもの。「3期前は事業を開始していない」と回答した事業者は除く。6.(図2(1))マーケティングに「取り組んでいる」事業者は、差別化(自社の製品・商品・サービ スの競合他社との差別化)に取り組んでいる、かつ、外部環境(顧客・エンドユーザーのニーズや購買行動の変化、競合他社の特徴・動向、市場の変化など)の情報収集に取り組んでいる事業者。「取り組んでいない」事業者は、いずれにも取り組んでいな い事業者。なお、いずれか一方に取り組んでいる事業者は集計していない。7.(図2(2))直近の年間総売上高について、一般消費者向け(BtoC)が事業者向け(BtoB)よりも多いと回答した事業者について集計している。 (2)経営計画の策定が業績向上に及ぼした効果(実績の進捗確認状況別) 6.5% 1.9% 44.7% 19.0% 43.0% 53.3% 5.7% 25.8% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 確認している(n=1,422) 確認していない(n=484) 想定を超える効果が得られた 想定した効果が得られた 想定には及ばなかったが効果は得られた ほとんど効果が得られなかった (1)売上高の傾向(マーケティングへの取組状況別) (2)EC、SNSの活用状況(BtoCが主たる事業者) 25.4% 15.5% 59.1% 0% 20% 40% 60% 80% 100% (n=4,948) 取り組んでいる 取り組んでいないが、取り組む意向がある 取り組んでおらず、今後も取り組む意向はない ▪EC ▪SNS 14.6% 31.8% 26.0% 27.5% 0% 20% 40% 60% 80% 100% (n=4,959) 大いに活用している ある程度活用している 活用していないが、関心はある 活用しておらず、関心もない 57.9% 50.9% 35.0% 14.3% 17.8% 24.8% 27.9% 31.3% 40.2% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 経営計画を策定(n=1,880) 事業目標はあるが経営計画は未策定(n=3,663) 特に策定していない(n=4,061) 増加 不変 減少 53.8% 34.2% 17.0% 24.6% 29.3% 41.2% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 取り組んでいる(n=4,143) 取り組んでいない(n=2,758) 増加 不変 減少 31
  31. 【重要な取組2】小規模事業者における事例① 経営リテラシー ➢ 愛知県岡崎市の有限会社髙井技鈑は、金属の精密研削加工を手 掛ける企業(従業員数13名)。2022年に髙井社長が事業承継した 当時、残業が続くほど仕事量は多かったが、売上重視で利益への 意識が薄く、赤字が続き、資金繰りも厳しい状況だった。 ➢ 髙井社長は、商工会議所の紹介で財務会計セミナーに参加し、 決算書や原価計算の知識を習得。知識をいかして製品別原価を算

    出した結果、約7割の製品が赤字受注で、適正価格の4分の1の製 品も判明。これを受け、顧客との価格交渉を開始し、具体的な数 字を示して理解を得ながら粘り強く取り組んだ。採算が合わない 取引は停止し、利益率重視で顧客を選定。さらに、新規顧客開拓 や材料・工程の見直しを実施し、社員にも単価や工程管理の意識 付けを行うことで、全社的なコスト削減を進めた。 ➢ 利益体質への転換が実現し、赤字が続いていた業績は、売上げ は横ばいながら黒字転換を実現。顧客構成も変化し、新規顧客が 売上げの3~4割を占めるようになった。新分野への挑戦を通じ て社内の士気も向上している。 「原価管理の知識を習得して価格改定に取り組み、利益体質 に変化した企業」 【有限会社髙井技鈑】 ➢ 福島県西郷村の東陽電気工事株式会社は、1933年創業の電気設 備工事を専門とする企業(従業員数11名)。石川社長が事業承継 した当時、業務はトップダウンで進められ、組織的な情報共有や 人材育成などの仕組みも整っていなかった。 ➢ 石川社長は、若年層の定着・活躍を念頭に改革を進めた。まず、 給与体系を抜本的に見直し、勤続年数重視から技能・技術力や工 期管理を評価する「実力評価型」制度を導入。さらに、働き方改 革でOJTが難しくなった課題を解決するため、2021年に研修施設 を開設。実際の現場を再現し、ベテラン職人が講師となり新人に 配線や器具取付などの基礎を伝授。閑散期に集中研修を行うこと で短期間での戦力化を実現し、職場の雰囲気改善にもつなげた。 ➢ 一時期は100%だった3年以内離職率は30%まで低下。社員の 平均年齢も、社長就任当時の47歳から33歳へと大幅に若返り、従 来はほとんどいなかった女性職人も活躍するようになった。新人 の早期戦力化により、受注案件への対応力が向上し、長時間労働 の削減を実現しながらも安定的な売上高を維持している。 「透明性の高い人事制度と人材育成により組織活性化を実現 している企業」 【東陽電気工事株式会社】 財務・会計 組織・人材 髙井俊宜社長 製造現場の様子 石川格子社長 ベテラン職人から技術を教わる様子 32
  32. 【重要な取組2】小規模事業者における事例② ➢ 神奈川県小田原市の有限会社川田製作所は、1969年に創業した 金属の精密部品を製造している企業(従業員数16名)。2019年に 事業承継した川田社長は、安定した事業継続のためには、売上高 の約8割を一社の取引先に依存する状況からの脱却が必要だと考 えた。そのために多品種少量生産への転換を目指すに当たり、社 内の情報共有の基盤構築とノウハウの共有が課題となった。 ➢ 川田社長は、デジタルインフラの整備に着手し、生産・品質管

    理をクラウド化するとともに、全社員にタブレット端末を配布し てリアルタイムの情報共有を実現。作業手順書も画像・動画付き でデジタル化し、分かりやすさを高めた。アナログな手法も大切 にし、社員同士が講師となり仕事を教え合う「みんな塾」を立ち 上げ、ノウハウ共有とコミュニケーション促進を実現している。 ➢ 従来の主力顧客の受注構成比は約3割まで低下し、新たな領域 で顧客が加わったことで安定した売上げの確保を実現した。ノウ ハウの共有化は、学習ハードルの低下につながっており、外国人 や障がい者など誰もが活躍できる会社へと変化している。 「社内ノウハウの蓄積や情報共有力を強化し、多様な人材の 活躍による生産性の向上を実現した企業」 【有限会社川田製作所】 「ECやデジタル化への取組を通じて顧客のニーズに応え、成 長している企業」 【株式会社花工房あげたけ】 運営管理 根鈴啓一社長 同社商品の花束 川田俊介社長 デジタル技術が浸透する現場 ➢ 鳥取県北栄町の株式会社花工房あげたけは、1952年創業の生花 販売を行う企業(従業員数9名)。根鈴社長は、人口が減少して いる地方圏では、「街の花屋」として受け身の営業を行うだけで は、今後の展望が開けないと問題意識を抱えていた。 ➢ 根鈴社長は、自社のフラワーデザイナーによるデザイン力を武 器に商圏を全国に広げることを狙い、2020年にECサイトを開設。 SNSも活用して商品紹介や入荷情報を発信してサイト誘導を強化 するほか、季節の花を定期配送する「お花の定期便」などの新 サービスも展開し、リピーター獲得に工夫も凝らす。さらに実店 舗では、花器に花木を挿して試せる「試着」サービスやカフェ併 設など体験型の営業に転換し、県内外からの集客を実現している。 ➢ 売上高は取組開始前の約1.5倍に増加。ECの売上げは、2020年 以降、前年比2倍のペースで毎年伸び続けており、売上高全体の 約25%を占める。今後は、ECへ注力しながら、店舗での顧客との リアルなコミュニケーションも継続し、顧客が何に満足し、どの ような商品を求めているかを探りつつ、次の一手につなげていく。 経営戦略 経営リテラシー 33
  33. ① 企業間連携は、企業単独で不足している経営力を補うことができるとともに、新製品開発やリソースの共有等により事業の成 長にもつながることが見込まれる。連携に取り組む企業において売上高が増加している傾向が見られる。 ② 企業間連携の在り方としては、プロジェクト単位や資本関係を伴う連携など様々な形が存在。連携により求める目的に応じて、 適切な企業間連携に取り組んでいくことが重要。 【重要な取組2-⑥】企業単独で取り組むだけではなく、経営力を補う合うために企業間連携を進めることも重要。 図1 企業間連携の類型と取組状況 図2

    企業間連携の効果 企業間連携 協業・プロジェクト型 特定の目的やテーマのために、複数の企業等が協力して新商品開発やイベント開 催、地域活性化などに取り組む連携(例:地域フェアやコラボ商品など) 組合型 法律に基づいて複数の企業が組織を作り、共同で事業を行う連携(例:商店街振 興組合など) 契約型 企業同士が契約や覚書を交わして協力する連携(例:共同開発や業務提携など) 資本型 出資や合弁会社の設立など、資本関係を伴う連携(例:共同出資による新会社設 立など) (※)企業間連携の4類型 (1)企業間連携の取組状況 資料:(同)デロイト トーマツ「令和7年度小規模事業者の経営課題と事業活動に関する調査」(注)1.小規模事業者の 回答を集計している。2.(図1)企業間連携の類型は、事業に最もプラスの影響を及ぼしたと思う企業間連携について聞い たもの。3.(図2(1))売上高の傾向は、3期前と比較した傾向を聞いたもの。「3期前は事業を開始していない」と回答 した事業者は除く。 4.(図(2))企業間連携に「取り組んでいる」と回答した事業者に聞いたもの。企業間連携の類型で 「その他」を回答した事業者は集計していない。企業間連携での取組内容について、「デジタル化や業務改善への連携」、 「その他」の回答は表示していない。複数回答のため、合計は必ずしも100%にならない。 18.4% 19.2% 62.3% 0% 20% 40% 60% 80% 100% (n=9,915) 取り組んでいる 取り組んでいないが、取り組む意向がある 取り組んでおらず、今後も取り組む意向はない 46.6% 14.1% 22.5% 1.6% 15.2% 0% 20% 40% 60% 80% 100% (n=1,828) 協業・プロジェクト型 組合型 契約型 資本型 その他 (1)売上高の傾向(企業間連携への取組状況別) (2)企業間連携での取組内容(企業間連携の類型別) 53.2% 43.8% 18.4% 20.4% 28.4% 35.7% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 取り組んでいる(n=1,752) 取り組んでいない(n=7,852) 増加 不変 減少 34 44.9% 33.8% 16.6% 41.7% 15.1% 1.3% 19.4% 20.6% 28.9% 33.2% 52.6% 27.3% 1.6% 28.9% 32.5% 26.8% 18.0% 50.2% 12.8% 2.5% 10.3% 20.7% 31.0% 44.8% 34.5% 31.0% 17.2% 13.8% 0% 20% 40% 60% 新たな製品・商品・サービスの共同開発 販売促進・広告活動の共同実施 原材料・資材の共同仕入や物流の共有 技術・知識・経験等の共有 人材の交流・研修の共同実施 バックオフィス業務の集約 地域活性化や社会課題解決への共同対応 協業・プロジェクト型(n=841) 組合型(n=253) 契約型(n=406) 資本型(n=29)
  34. 【重要な取組2】小規模事業者における事例③ ➢ 愛知県豊川市の「こざかいのお家のお医者さん」は、建設業関 連5者で地元のリフォーム工事を手掛ける企業間連携体。一次事 業者との価格交渉力の弱さや、迅速な対応ができないことに問題 意識を抱き、一次事業者を介さず自ら受注を獲得しようと始動。 ➢ 5者でターゲット顧客を統一。地域密着と顔が見える安心感を 意識したデザインのチラシを作成し、商工会仲間の新聞販売店の 協力を得て、地元地域に限定してチラシの配布等に取り組んだ。

    ➢ 結果、直接の受注が増え、新規顧客が増加。 契約書による取決めはないが、緊密な関係で 仕事を紹介し合い、互いの事業の維持・拡大 につながった。 【こざかいのお家のお医者さん】 ➢ 佐賀県佐賀市にあるSAGA COLLECTIVE協同組合は、佐賀県の 地場産業や伝統産業の異業種11社からなる協同組合。 ➢ 海外販路の更なる拡大のため、資金面を強化し、柔軟な連携を 可能にする協同組合形態を選択。「エシカル」をコンセプトとし た活動を軸に掲げ、海外バイヤーとの交流や共同事業を行える組 合型の連携の特徴をいかしたHP制作、ECサイト運営、展示会への 共同出展などでブランド力を高め、販路開 拓とブランド発信を進めた。 ➢ 共同活動により大型受注が増加。各社の 経営意識向上やリブランディングにも波及 している。 【SAGA COLLECTIVE協同組合】 ➢ 提案型ものづくりを志向していた有限会社安久工機と株式会社 極東精機製作所が連携。設計に強みを持つ安久工機と金属の精密 切削加工技術に強みを持つ極東精機製作所が連携(両社とも東京 都大田区)。プロダクト開発の上流から下流までを一貫して担え る体制を構築し、新製品開発に成功。共通ビジョンの下、事業提 携や両社社長の相互役員就任を行う。 ➢ 従来の受託型のものづくりを脱して、付加 価値の高い提案型のものづくりが推進され た。従来は声が掛からなかった開発案件や 難易度の高い案件の相談が増え、受託単価 や売上げの増加を実現している。 【有限会社安久工機×株式会社極東精機製作所】 ➢ 有限会社やまきん(従業員数10名)は栃木県日光市の温泉旅館 を営む企業。前オーナーは、コロナ禍からの状況打開のために付 加価値向上が必要だと認識するも、従業員の高齢化や採用難、自 身も高齢で体力的に限界を感じ、取組を進められずにいた。 ➢ 株式会社女将塾に株式の100%を売却。 女将塾は、バックオフィス業務の共通化、 顧客層やコンセプトの明確化、リニュー アル工事、オンライン旅行代理店を活用 したマーケティングを実行。 ➢ 売上高は増加し、コロナ禍前を上回る。 業務効率化や人材育成の環境整備も実現。 【有限会社やまきん×株式会社女将塾】 企業間連携 協業・ プロジェクト型 組合型 契約型 資本型 「こざかいのお家の お医者さん」のメンバー 海外展示会に共同で出展 35 安久工機:田中宙社長(左) 極東精機製作所:鈴木亮介社長(右) リニューアルされた浴場
  35. ① 中小企業が経営リテラシーを強化・実践していくためには、支援機関によるニーズに合った支援が重要。企業側が支援を求め る分野と、支援機関側が支援に取り組んでいる分野の傾向は概ね一致している状況。 ② 支援機関においても、支援ノウハウ・知見の蓄積や支援人材の確保などの課題が存在。支援人材の支援能力向上のためには、 OJT、OFF-JTや他の支援機関と連携した勉強会の実施などが有効な取組となり得る。 【重要な取組3】支援機関によるニーズに合った支援が重要。支援人材の支援能力向上も課題。 図1 企業の支援ニーズと支援機関の取組 図2

    支援機関が抱える課題 支援機関の取組 図3 支援人材の支援能力向上に寄与する取組 資料:(同)デロイト トーマツ「令和7年度小規模事業者の経営課題と事業活動に関する調査」 (株)帝国データバンク「令 和7年度中小企業支援機関の取組と課題に関する調査」 (注) 1.(図1(1))小規模事業者の回答を集計している。2.(図 1(1))(図2)複数回答のため、合計は必ずしも100%にならない。3.(図1(2))支援先の事業者が独力で取り組むこ とができるようになるための支援にどの程度取り組んでいるか聞いたもの。「大いに取り組んでいる」「ある程度取り組んでい る」と回答した割合の合計を表示している。4.(図2)事業者の経営課題に対する支援を行う上での課題を聞いたもの。5. (図3)各取組について、相談員の支援能力向上にどの程度寄与しているかを聞いたもの。 (1)小規模事業者が、支援機関に支 援を求めている分野 (2)支援機関が、支援に取り組んで いる分野 79.6% 76.6% 51.4% 44.2% 50.4% 33.8% 20.0% 0% 50% 100% 経営計画の策定と運用 資金繰り管理 マーケティング 労務管理 原価管理 組織活性化 品質管理 (各n=4,701) 49.8% 42.2% 35.4% 31.4% 30.7% 27.2% 2.3% 8.0% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 支援ノウハウ・知見の蓄積 支援を担当する人材の確保 支援による効果の測定 支援のきっかけづくり 支援ニーズの把握 支援に必要な予算の確保 その他 特に課題は感じていない (n=5,095) 59.0% 57.2% 52.9% 43.2% 41.9% 31.5% 16.0% 18.6% 19.4% 24.5% 29.5% 26.0% 25.1% 24.2% 27.7% 32.3% 28.6% 42.5% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 現場での実務を通じた指導育成(OJT) 社外を含む研修の受講推進(Off-JT) 同じ属性の支援機関と連携した勉強会の実施 異なる属性の支援機関と連携した勉強会の実施 資格取得の奨励・支援 相談員の支援能力の見える化(スキルマップの作成等) 寄与している 寄与していない 取組を実施していない (各n=4,701) 36 37.3% 31.4% 27.3% 15.2% 11.9% 7.5% 4.7% 26.9% 0% 20% 40% 60% 経営計画の策定と運用 資金繰り管理 マーケティング 労務管理 原価管理 組織活性化 品質管理 特にない (n=9,622)
  36. 【重要な取組3】支援機関における事例 支援機関の取組 ➢ 三重県津市の三重県信用保証協会は、中小企業や小規模事業者 の資金調達を支援する公的機関。新型コロナ関連の借入負担が増 す中、収益改善が進まない企業の返済懸念が顕在化し、保証後の 経営改善支援の重要性が高まっていた。 ➢ 2021年4月に「三重県中小企業支援ネットワーク推進事業(現 愛称『み・エールbiz』)」を開始。県内主要金融機関や商工団体

    から出向者を受け入れ、中小企業診断士や協会職員と専任チーム を構成。各メンバーのノウハウと外部専門家の活用により、質の 高い経営支援を実現。また、支援の質を更に高めるため、個別事 例研究会を毎年開催し、ノウハウ共有を推進した。 ➢ 支援を受けて行動計画を策定した企業数は、2025年12月末時点 で累計690社を超え、小規模事業者を中心に売上高や営業利益率の 改善効果が確認されている。さらに、出向を終えた金融機関職員 が帰任後にノウハウを持ち帰ることで、金融機関の支援力向上に もつながっている。 「連携の推進役となり、質の高い伴走支援の枠組みを実現し ている支援機関」【三重県信用保証協会】 ➢ 岡山県赤磐市の赤磐商工会は、赤磐市及び岡山市東区瀬戸町エ リアを管轄する支援機関。課題解決を支援する伴走型支援のニー ズが高まる中、職員の支援力にばらつきがあり、初期段階から専 門家派遣に依存するケースが見られていた。また、職員間の連携 不足により十分な支援が提供できていない課題を抱えていた。 ➢ 2020年度以降、伴走型小規模事業者支援推進事業を活用し、外 部専門家や会員事業者を交えたロールプレイング研修を実施し、 対話力や課題整理力を強化。さらに、専門家同行によるOJTとフォ ローアップで理論と実践を結び付けることで支援力を底上げ。コ ロナ禍では、資金繰り計画や経営改善に関する知識習得にも注力 した。また、人材育成の時間確保のため、並行して業務改革を推 進。業務のデジタル化やマニュアル整備、ビジネスチャット導入 で業務連絡を効率化し、組織内コミュニケーションを促進した。 ➢ 組織が一体となって伴走支援に取り組む体制が整い始めている。 支援の質が向上したことにより、事業者からは単発の相談にとど まらず、継続的に相談に訪れるケースも増加している。 「相談員の支援力強化と業務改革により、支援の質向上に取 り組む支援機関」【赤磐商工会】 個別事例研究会の様子 「み・エールbiz」のメンバー 赤磐商工会の メンバー 外部講師を招いた研修の様子 37
  37. 158.9 139.7 18.5 6.9 0 10 20 30 40 50

    50 70 90 110 130 150 170 94Q1 96Q1 98Q1 00Q1 02Q1 04Q1 06Q1 08Q1 10Q1 12Q1 14Q1 16Q1 18Q1 20Q1 22Q1 24Q1 売上高(大企業) 売上高(中小企業) 経常利益(大企業) 経常利益(中小企業) 経常利益(兆円・後方4四半期移動平均) 売上高(兆円・後方4四半期移動平均) (年期) ① 中小企業全体の経常利益は長期的には増加傾向で推移しているが、大企業と比較すると低い。 ② 業種ごとには大きなばらつきが存在しており、宿泊・飲食をはじめとしたサービス業では伸び悩んでいる。 【動向・業況①】経常利益は長期的には増加傾向も、大企業と比較して伸び悩み、差は拡大。 図1 売上高・経常利益の推移(企業規模別) 図2 経常利益の推移(中小企業、業種別) 中小企業の業況 資料:財務省「法人企業統計調査季報」 (注)1.ここでの大企業とは資本金10億円以上、中小企業とは資本金1千万円以上1億円未満の企業とする。 2.金融業、保険業は含まない。 資料:財務省「法人企業統計調査季報」 (注) 資本金1千万円以上1億円未満の企業について集計したもの。 39 25Q4 -3,000 0 3,000 6,000 9,000 12,000 15,000 13Q1 14Q1 15Q1 16Q1 17Q1 18Q1 19Q1 20Q1 21Q1 22Q1 23Q1 24Q1 25Q1 製造業 建設業 情報通信業 運輸業、郵便業 卸売業 小売業 宿泊業、飲食サービス業 生活関連サービス業、娯楽業 学術研究、専門・技術サービス業 医療、福祉業 (億円・後方4四半期移動平均) (年期) 25Q4
  38. ① 中小企業の業況判断DIは、2023年上半期に1994年以降最高水準を記録するも低下し、回復に足踏みの傾向が続いている。 【動向・業況②】中小企業の業況判断DIは足踏み、コロナ前の水準に回復しない業種も存在。 図1 業況判断DIの推移(企業規模別) 図2 業況判断DIの推移(中小企業、業種別) 中小企業の業況 資料:中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」 (注)景況調査の業況判断DIは、前年同期と比べて、業況が「好転」と答えた企業の割合(%)から、「悪化」と答えた

    企業の割合(%)を引いたもの。 資料:中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」 (注)景況調査の業況判断DIは、前年同期と比べて、業況が「好転」と答えた企業の割合(%)から「悪化」と答えた 企業の割合(%)を引いたもの。 -80 -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 10 94Q1 96Q1 98Q1 00Q1 02Q1 04Q1 06Q1 08Q1 10Q1 12Q1 14Q1 16Q1 18Q1 20Q1 22Q1 24Q1 製造業 建設業 卸売業 小売業 サービス業 (DI,%pt、前年同期比) (年期) 25Q4 40 -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 94Q1 96Q1 98Q1 00Q1 02Q1 04Q1 06Q1 08Q1 10Q1 12Q1 14Q1 16Q1 18Q1 20Q1 22Q1 24Q1 中小企業 中規模企業 小規模事業者 (DI,%pt、前年同期比) (年期) 25Q4
  39. ① 原材料・商品仕入単価DIが売上単価DIを大きく上回っていることから、コストの上昇分を、製品・商品・サービスの販売価 格に十分に転嫁できない状況が続いていることが分かる。 ② 2025年9月時点で、中小企業のコスト全般の価格転嫁率は53.5%。2023年3月時点と比較して上昇傾向にあるが、価格転 嫁ができる企業とできない企業が存在する、二極分離の状態が継続しており、転嫁が困難な企業への更なる対策が重要。 【動向・業況③】価格転嫁は進みつつあるものの、転嫁ができる企業とできない企業の二極分離の状態が続く。 図2 中小企業の価格転嫁状況 53.5

    55.0 50.0 48.9 25 30 35 40 45 50 55 60 2023年3月 (n=20,722) 2023年9月 (n=44,059) 2024年3月 (n=67,390) 2024年9月 (n=54,430) 2025年3月 (n=76,894) 2025年9月 (n=86,538) コスト全般 原材料 労務費 エネルギー費 (%) 資料:中小企業庁「価格交渉促進月間フォローアップ調査」 (注)1.ここでの価格転嫁率とは、主要な発注側企業(最大3社)との間で、直近6か月間のコスト上昇分のうち、何割 を価格転嫁できたかの回答を集計したもの。2.(上図) 2023年3月、2023年9月、2024年3月、2024年9月、2025年 3月、2025年9月の調査における、価格転嫁率の平均値を算出したもの。3.(下図)運輸・郵便はトラック運送業を除く。 中小企業の業況 資料:中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」 (注)1.売上単価DIとは、前年同期と比べて、売上単価が「上昇」と答えた企業の割合(%)から、「低下」と答え た企業の割合(%)を引いたものである。 2.原材料・商品仕入単価DIとは、前年同期と比べて、原材料・商品仕入単 価が「上昇」と答えた企業の割合(%)から、「低下」と答えた企業の割合(%)を引いたものである。 3.採算DIと は、前年同期と比べて、採算(経常利益)が「好転」と答えた企業の割合(%)から、「悪化」と答えた企業の割合 (%)を引いたものである。 図1 売上単価DI、原材料・商品仕入単価DI、採算DIの推移 41 -80 -60 -40 -20 0 20 40 60 80 100 90Q1 91Q1 92Q1 93Q1 94Q1 95Q1 96Q1 97Q1 98Q1 99Q1 00Q1 01Q1 02Q1 03Q1 04Q1 05Q1 06Q1 07Q1 08Q1 09Q1 10Q1 11Q1 12Q1 13Q1 14Q1 15Q1 16Q1 17Q1 18Q1 19Q1 20Q1 21Q1 22Q1 23Q1 24Q1 25Q1 採算DI 売上単価DI 原材料・商品仕入単価DI (DI,%pt、前年同期比) (年期) 54.3% 51.9% 50.3% 51.2% 48.8% 50.3% 45.5% 59.4% 58.9% 54.2% 54.1% 54.0% 53.2% 52.4% 40% 45% 50% 55% 60% 65% 機械製造(n=2,152/3,099) 自動車・部品製造(n=1,818/2,285) 金属(n=3,164/4,635) 卸売(n=6,450/10,248) 小売(n=3,086/4,635) 建設(n=10,152/18,748) 運輸・郵便(n=760/1,227) 2024年9月 2025年9月
  40. ① 中小企業・小規模事業者の設備投資額は、大企業と比較して低い水準にあるものの、足下で増加傾向で推移。 ② 中小企業の生産・営業用設備判断DIは、非製造業で不足感が目立ち、足下でマイナスで推移。 【動向・業況④】中小企業の設備投資額は足下で増加傾向。非製造業では設備の不足感が続く。 資料:財務省「法人企業統計調査年報」 (注)1. ここでの大企業とは資本金10億円以上、中規模企業とは資本金1千万円以上1億円未満、小規模企業とは資 本金1千万円未満の企業とする。 2.

    設備投資は、ソフトウェアを除く。 3. 金融業、保険業を含まない。 図1 設備投資額の推移(企業規模別) 図2 生産・営業用設備判断DIの推移 中小企業の業況 (2)中小企業の設備投資計画 25.7 14.2 5.0 0 10 20 30 40 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 2022 2024 (兆円) (年度) 大企業 中規模企業 小規模企業 資料:日本銀行「全国企業短期経済観測調査」 (注)1. ここでの大企業は資本金10億円以上、中小企業は資本金2千万円以上1億円未満の企業とする。なお、 2003年第4四半期以前の調査においては、大企業は常用雇用者数1,000人以上、中小企業は常用雇用者数50人以 上299人以下の企業とする。 2. 「生産・営業用設備判断DI」は、生産・営業用設備について、「過剰」と答えた企業の割合(%)から、「不 足」と答えた企業の割合(%)を引いたもの。 42 -10 0 10 20 30 40 94Q1 95Q1 96Q1 97Q1 98Q1 99Q1 00Q1 01Q1 02Q1 03Q1 04Q1 05Q1 06Q1 07Q1 08Q1 09Q1 10Q1 11Q1 12Q1 13Q1 14Q1 15Q1 16Q1 17Q1 18Q1 19Q1 20Q1 21Q1 22Q1 23Q1 24Q1 25Q1 (DI,%pt) (年期) 中小企業 製造業 中小企業 非製造業 大企業 製造業 大企業 非製造業
  41. ① 労働生産性の向上が期待できるデジタル化は、一定数の中小企業・小規模事業者がまだ取り組んでいない状況。 ② 設備投資額に占めるソフトウェア投資比率も、大企業と比較すると低い水準で推移している状況。一方、中小企業でも資 産に計上されないSaaS等のクラウドサービスの活用が進んでいる。 【動向・業況⑤】中小企業のデジタル化には一定の進捗がみられるが、未着手の企業も依然存在。 資料: (株)帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」 (注)デジタル化の取組段階については、以下のとおり。 段階4:デジタル化によるビジネスモデルの変革や競争力強化に取り組んでいる状態

    段階3:デジタル化による業務効率化やデータ分析に取り組んでいる状態 段階2:アナログな状況からデジタルツールを利用した業務環境に移行している状態 段階1:紙や口頭による業務が中心で、デジタル化が図られていない状態 図1 中小企業のデジタル化の取組段階 図2 ソフトウェア投資比率(企業規模別) デジタル化 資料:財務省「法人企業統計調査季報」(注)ここでの大企業とは資本金10億円以上、中小企業とは資本金1千万円以上1 億円未満の企業とする。2.ソフトウェア投資比率=ソフトウェア投資額÷設備投資額×100。3.金融業、保険業は含まない。 図3 クラウドサービス関連費用(企業規模別) 資料:経済産業省「企業活動基本調査」再編加工(注)1.ここでの企業規模は、中小企業基本法上の定義に基づく。2.ここでの 「情報処理通信費」とは、コンピュータによる情報処理やデータ通信等の専門部署における情報処理費用と電話、郵便等の通信費 の合計金額。コンピュータによる情報通信費には、導入諸掛り、リース・レンタル料、保守料、回線使用料、ソフトウェア委託料 及び購買費、パンチ委託料、計算委託料、オンラインサービス料等を含む。 162.1 100.0 148.0 90 100 110 120 130 140 150 160 170 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 (2014年度=100) 大企業 中小企業 (年度) 2.8% 24.5% 57.3% 15.4% 0% 20% 40% 60% 80% 100% (n=12,215) 段階4 段階3 段階2 段階1 (1)従業者一人当たり情報処理・通信費の推移(企業規模別) (2)中小企業における情報処理・通信費の増加内訳(2019年以降) 32.2% 28.6% 20.3% 12.9% 5.9% 0% 20% 40% 60% 80% 100% (n=11,020) ソフトウェア購買費 クラウドサービス使用料 リース・レンタル料 保守料 その他 資料:(株)帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」 (注)1.情報処理や通信 に掛かる費用のうち、2019年以降で最も金額が増加しているものを聞いたもの。2.「その他」は、「インターネット 回線使用料」「電話料金」「郵便料金」「その他」の合計。「特にない」と回答した事業者は除く。 (年期) 43 12.9% 7.9% 0% 5% 10% 15% 20% 02Q2 04Q2 06Q2 08Q2 10Q2 12Q2 14Q2 16Q2 18Q2 20Q2 22Q2 24Q2 大企業 中小企業 25Q4 (後方4四半期移動平均)
  42. 【動向・業況⑥】人手不足の中、中小企業における人材確保の取組や副業・兼業人材の活用は重要。 図1 中小企業への入職理由(前職の企業規模別) ① 中小企業への入職理由について「仕事の内容に興味」の比率が増えている。人材定着率が高い中小企業は、人事評価制度の 策定、賃金水準の向上、休暇の取得推進などに取り組んでいる。 ② 副業・兼業人材について、活用していない中小企業は多いものの、今後活用する意向がある中小企業も一定数存在。 図2 人材の定着状況(人事評価制度の有無別)

    図3 人材定着率が高い中小企業の定着率向上のための取組 (図2)(図3)(図4)資料:(株)帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」 (注)1. (図2) 人事評価制度の有無について、「役員・従業員はいない」と回答した事業者は除く。2019年以降で採用 した従業員の定着割合について、「従業員を採用していない」と回答した事業者は除く。2. (図3) 2019年以降に採用し た従業員の定着割合について、「7割以上」と回答した事業者のみを集計。 2019年以降で人材の定着率向上のために取り組 んだことを聞いたもの。回答割合が高い順に上位5つを表示。 複数回答のため、合計は必ずしも100%にならない。3.(図 4)ここでの「副業・兼業人材」とは、他社の正社員が、業務後や休日等の空き時間を使って別の仕事を行うことを指す。 49.6% 48.8% 26.0% 20.4% 13.1% 13.8% 11.3% 17.1% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 設けている(n=5,763) 設けていない(n=5,546) 7割以上 5割以上~7割未満 3割以上~5割未満 3割未満 20.8% 34.5% 23.2% 27.9% 22.4% 18.3% 18.4% 20.5% 16.7% 17.5% 15.5% 15.0% 19.1% 10.7% 19.3% 14.4% 6.0% 7.1% 8.5% 7.4% 10.3% 9.3% 8.6% 10.7% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2014年 2023年 2014年 2023年 仕事の内容に興味 労働条件が良い 能力・個性・資格を生かせる とにかく仕事に就きたかった 収入が多い 会社の将来に期待 通勤が便利 大企業から 中小企業 中小企業から 中小企業 資料:厚生労働省「雇用動向調査」再編加工(注)1.前職の企業規模は、大企業は従業員数300人以上、中小企業は従業員 数299人以下の企業とする。現職の中小企業は、常用労働者数5人以上299人以下の企業とする。2.入職理由のうち「その 他の理由(出向者等含む)」、「不詳」を除いて集計している。 人材確保・活用 図4 中小企業の副業・兼業人材の活用状況 7.0% 4.0% 14.5% 74.5% 0% 20% 40% 60% 80% 100% (n=12,001) 現在活用している 現在活用していないが、活用したことはある 活用したことはないが、今後活用する意向がある 活用したことはなく、今後も活用する意向はない 44 63.1% 61.1% 45.1% 36.5% 35.6% 0% 20% 40% 60% 80% 賃金水準の向上 休暇の取得推進 時間外労働の削減 柔軟な働き方の導入 社内コミュニケーションの活性化 (n=5,501)
  43. ① 「金利のある世界」が到来し、金融機関の貸出金利の上昇を受けて、中小企業の借入金利水準判断DIは大幅に上昇。 日米金利差が縮小傾向にあっても、円安トレンドは続き、多くの中小企業にとって厳しい環境。 【動向・業況⑦】金利上昇局面の中、物価高・円安トレンドは続き、中小企業にとっては厳しい環境。 図3 国内企業物価指数、消費者物価指数、輸入物 価指数、ドル円相場の推移 外部環境の影響 資料:日本銀行「全国企業短期経済観測調査」「基準割引率および基準貸付利率」(注)1. ここでの大企業は資本金

    10億円以上、中小企業は資本金2千万円以上1億円未満の企業とする。なお、2003年第4四半期以前の調査において は、大企業は常用雇用者数1,000人以上、中小企業は常用雇用者数50人以上299人以下の企業とする。2. 「借入金利 水準判断DI」は、借入金利水準について、「上昇」と答えた企業の割合から「低下」と答えた企業の割合を引いたもの。 図1 借入金利水準判断DI、基準金利の推移 資料:日本銀行「企業物価指数」「外国為替市況」、総務省「消費者物価指数」 (注)ここでの「ドル円相場」は、「東京市場 ドル・円 スポット 中心相場/月中平均」のデータを示している。 図2 現預金、借入金等の推移(企業規模別) 資料:財務省「法人企業統計調査年報」(注)1.ここでの大企業とは資本金10億円以上の企業、中小企業とは資本金1億円未 満の企業とする。2.金融業、保険業は含まない。3.借入金等=金融機関借入金+その他の借入金+社債。 82.9 173.5 389.5 291.1 0 100 200 300 400 500 1990 1994 1998 2002 2006 2010 2014 2018 2022 現預金残高(大企業) 現預金残高(中小企業) 借入金等(大企業) 借入金等(中小企業) (兆円) (年度) 2024 45 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 -100 -80 -60 -40 -20 0 20 40 60 80 100 85Q4 87Q4 89Q4 91Q4 93Q4 95Q4 97Q4 99Q4 01Q4 03Q4 05Q4 07Q4 09Q4 11Q4 13Q4 15Q4 17Q4 19Q4 21Q4 23Q4 25Q4 (基準金利,%) (DI,%pt) 借入金利水準判断DI(大企業)(左軸) 借入金利水準判断DI(中小企業)(左軸) 基準金利(右軸) (年期) (年/月) 60 80 100 120 140 160 180 80 100 120 140 160 180 200 10/01 10/07 11/01 11/07 12/01 12/07 13/01 13/07 14/01 14/07 15/01 15/07 16/01 16/07 17/01 17/07 18/01 18/07 19/01 19/07 20/01 20/07 21/01 21/07 22/01 22/07 23/01 23/07 24/01 24/07 25/01 25/07 (2020年=100) 輸入物価指数(円ベース)(左軸) 国内企業物価指数(左軸) 輸入物価指数(契約通貨ベース)(左軸) 消費者物価指数(財)(左軸) ドル円相場(右軸) (ドル円相場・月中平均、円/ドル) 25/12
  44. 41.2% 23.6% 21.2% 17.6% 10.0% 9.5% 7.9% 7.8% 4.9% 6.4%

    25.2% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 現地パートナーとの連携 展示会・商談会への参加 海外の市場調査 製品・商品・サービスの現地最適化 専門人材の採用・育成 輸出戦略の策定 ブランドイメージの具体化 外部専門家等の活用 SNS・デジタル広告の運用 その他 特にない ① 直接輸出に取り組む中小企業は、取り組んでいない中小企業と比べて付加価値額の増加率が大きい傾向が見られる。 ② 輸出の効果を高める取組として、現地パートナーとの連携、展示会・商談会への参加などが挙げられる。 【動向・業況⑧】輸出に取り組む中小企業は、付加価値額の増加率が大きい。 図1 直接輸出企業割合の推移(企業規模別) 図2 中小企業の直接輸出先地域の推移 図4 輸出の効果を高める取組 21.0% 28.6% 10% 20% 30% 40% 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 中小企業 大企業 (年度) (図3)(図4)資料:(株)帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」 (注)1. (図3) 「直接輸出に取り組んだ」は、2019年以降で直接輸出に取り組んだ事業者。付加価値額の増加率は、 2024年と2019年を比較したもの。2. (図4) 2019年以降の輸出の取組状況について、「直接輸出に取り組んだ」、 「間接輸出に取り組んだ」と回答した事業者に聞いたもの。 複数回答のため、合計は必ずしも100%にならない。 (n=1,668) 図3 付加価値額の増加率(中央値、輸出の取組状況別) 国際展開 23.7% 40.1% 11.6% 15.7% 7.9% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 (年度) 中国(香港含む) その他アジア 中東 ヨーロッパ 北米 その他 46 (図1)(図2)資料:経済産業省「企業活動基本調査」再編加工 (注)1.直接輸出額が1百万円以上の企業を「輸出実績がある」として集計している。2.ここでの企業規模は、中小企業 基本法上の定義に基づく。 23.0 18.7 0 5 10 15 20 25 直接輸出に取り組んだ(n=856) 輸出に取り組んでいない(n=10,113) (%)
  45. 図1 米国関税措置等に伴う相談窓口への相談実績 ① 全国約1,000か所に設置した相談窓口では、令和8年1月26日時点で、計8,751件の問い合わせがあった。 相談内容としては、関税措置の詳細に関する問い合わせが中心。 ② 実際に影響を受けている、または今後影響を受ける可能性が高いと考えている中小企業に、具体的な影響の内容を聞くと、 「販売先からの受注減少」、「仕入価格の上昇」と回答する企業が多い傾向。 【動向・業況⑨】米国関税に関する相談内容は、関税措置の詳細が中心。実際に受注減少・仕入価格上昇に直面する企業も存在。 図2

    米国関税引上げの具体的な影響 外部環境の影響 47 資料:経済産業省・中小企業庁 (注)1.集計期間は令和7年4月2日~令和8年1月26日。2.関税内容の相談件数は(独)日本貿易振興機構で の相談件数。3.資金繰りの相談件数は(株)日本政策金融公庫、(株)商工組合中央金庫、信用保証協会での相 談件数。 資料:(株)帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」 (注) 1.2025年4月以降に米国が実施した関税引上げにより、受けている又は今後受ける可能性がある具体的な影響につ いて聞いたもの。「自社の輸出減少」については、「輸出実施企業」にのみ聞いている。2.「輸出実施企業」は、2019年 以降で「直接輸出に取り組んだ」、「間接輸出に取り組んだ」と回答した事業者のうち、関税引上げにより、マイナスの 影響を受けているかについて、「受けている」、「現在は受けていないが、今後受ける可能性が高い」と回答した事業者 の合計。3.「輸出非実施企業」は、2019年以降で輸出に「取り組んでいない」と回答した事業者のうち、関税引上げによ り、マイナスの影響を受けているかについて、「受けている」、「現在は受けていないが、今後受ける可能性が高い」と 回答した事業者の合計。4. 複数回答のため、合計は必ずしも100%にならない。 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000 4/7 4/21 5/8 5/20 6/3 6/16 6/30 7/14 7/28 8/12 8/25 9/8 9/24 10/6 10/20 11/4 11/17 12/1 12/15 1/5 1/19 (件) その他経営など一般 資金繰り 関税内容 合計 2025年 2026年 1/26 55.8% 45.8% 20.0% 3.8% 22.7% 41.2% 70.3% 14.0% 4.2% 0% 20% 40% 60% 80% 販売先からの受注減少 仕入価格の上昇 販売先からの値下げ要請 その他 自社の輸出減少 輸出実施企業(n=875) 輸出非実施企業(n=3,627)
  46. ① 脱炭素化・サーキュラーエコノミー・経済安全保障・人権尊重といった価値観については、大企業において対応が進んでお り、中小企業にとってその対応の有無が大企業との取引に影響を及ぼす可能性が高まっている。 ② 一方で、これらの取組は収益への短期的な効果が見えにくく、取組に着手している中小企業は限定的。先駆けた取組によっ て外部からの信頼を得られる可能性が高まり、「選ばれる」企業となる可能性がある。 【動向・業況⑩】脱炭素化・経済安保といった価値観への対応を求められる機会が増加。顧客からの信頼獲得のため重要性は増す。 図1 脱炭素化・サーキュラーエコノミーへの取組 図2

    経済安全保障・人権尊重への取組 資料:(株)帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」(2025年11~12月)、「令和6年 度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」(2024年11~12月) (注)1.取引先から脱炭素化に関する「協力要請を受けた」と回答した割合。右図は2025年の調査結果について一部業種を抜 粋したもの。2.建設業(n=3,328)、製造業(n=2,837)、情報通信業(n=402)、運輸業・郵便業(n=513)、卸売業 (n=2,629)、小売業(n=703)、飲食サービス業・宿泊業(n=87)。3.2024年、2025年共にサンプル調査であり、調査 間で母集団が異なるため、回答割合を一概には比較できないことに留意。 (2)人権尊重に関する取組の要請有無 (3)人権方針の策定状況 資料:(株)帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」 (注)1.(図2(1))経済安全保障関連の取組について発注企業から「実際に対応を求められている」又は「今後対応を求め られる可能性が高いと考えている」ものについて聞いたもの。複数回答のため、合計は必ずしも100%にならない。2.(図2 (3))ここでの「人権方針」とは、「人権を尊重する責任を果たす、という企業のコミットメントを示す方針」を指す。 (1)経済安全保障に関する要請内容 資料:(株)帝国データバンク「令和7年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」 (1)脱炭素化に向けた協力要請を受けた割合 (2)サーキュラーエコノミーへの認知・取組状況 外部環境の影響 31.6% 9.4% 2.6% 2.4% 2.2% 3.6% 60.2% 0% 20% 40% 60% 80% サイバーセキュリティ・技術情報管理強化 サプライチェーンの強靭化 人権尊重を理由とする輸入規制強化 経済制裁による輸出入規制強化 貿易摩擦による輸出入規制強化 その他 特にない (n=12,215) 15.2% 21.9% 10.9% 15.8% 15.7% 11.0% 11.5% 0% 10% 20% 30% 建 設 業 製 造 業 情 報 通 信 業 運 輸 業 、 郵 便 業 卸 売 業 小 売 業 飲 食 サ ー ビ ス 業 、 宿 泊 業 13.3% 86.7% 0% 20% 40% 60% 80% 100% (n=12,215) 受けた 受けていない 7.4% 39.1% 53.5% 0% 20% 40% 60% 80% 100% (n=12,215) 概念を認知しており、実際に取り組んでいる 概念を認知しているが、取り組んでいない 概念を知らない・分からない 12.0% 15.8% 0% 10% 20% 2024年 (n=24,588) 2025年 (n=12,215) 9.3% 33.6% 57.0% 0% 20% 40% 60% 80% 100% (n=12,002) 既に策定している 策定していないが、策定することを検討中 策定しておらず、今後策定することも検討していない 48
  47. 0 500 1,000 1,500 23/1 23/2 23/3 23/4 23/5 23/6

    23/7 23/8 23/9 23/10 23/11 23/12 24/1 24/2 24/3 24/4 24/5 24/6 24/7 24/8 24/9 24/10 24/11 24/12 25/1 25/2 25/3 25/4 25/5 25/6 25/7 25/8 25/9 25/10 25/11 25/12 ~4人 5~9人 10~ 19人 20~ 49人 50~299人 300人以上 (件) (年/月) ① 2010年代以降、倒産件数は減少傾向にあったが、コロナ禍以降再び増加に転じ、2025年の倒産件数は10,300件。従業員 規模別の割合としては、従業員数10人未満の企業の倒産が全体の9割近くを占める。 ② 業種別の倒産件数を見ると、サービス業が占める割合が最も大きく、次点で建設業、製造業の割合が大きい。 【動向・業況⑪】倒産件数は増加傾向。従業員数10人未満の小規模な企業が多数を占める。 倒産・休廃業 ・事業承継 図1 倒産件数の推移 図2 2025年の倒産件数の構成比(業種別) (図1)(図2)資料:(株)東京商工リサーチ「全国企業倒産状況」 (注)1.ここでの「倒産」とは、企業が債務の支払不能に陥ることや、経済活動を続けることが困難になった状態と なること。また、法的倒産(会社更生法、民事再生法、破産、特別清算)と私的倒産(銀行取引停止処分、内整理) の2つに大別される。2.負債額1,000万円以上の倒産が集計対象。3.(図2)「サービス業他」には、飲食業、生活 関連サービス業,娯楽業、学術研究,専門・技術サービス業等が含まれる。 (従業員数) 農・林・漁・鉱業 1.2% 建設業 19.6% 製造業 11.5% 卸売業 11.1% 小売業 11.4% 金融・保険業 0.2% 不動産業 3.2% 運輸業 3.8% 情報通信業 4.3% サービス業他 33.8% 49 10,300 0 5,000 10,000 15,000 20,000 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 (件) (年)
  48. 33.5% 30.9% 28.2% 26.4% 24.9% 23.0% 21.7% 21.5% 20.6% 20.4%

    31.8% 34.1% 36.4% 37.8% 39.2% 39.9% 41.1% 42.6% 39.5% 39.3% 13.2% 14.4% 15.4% 16.0% 17.8% 19.8% 21.3% 21.7% 23.7% 24.4% 67.4 71.5 60 65 70 75 80 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 30代以下 40代 50代 60代 70代 80代以上 平均年齢(右軸) 55.7% 54.5% 56.0% 55.4% 57.1% 56.2% 54.3% 51.9% 51.1% 49.1% 44.3% 45.5% 44.0% 44.6% 42.9% 43.8% 45.7% 48.1% 48.9% 50.9% 0% 50% 100% 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 赤字 黒字 図1 休廃業・解散件数、損益別構成比の推移 ① 休廃業・解散件数についても、2010年代後半以降減少傾向にあったものの、2023年に増加傾向に転じた。休廃業・解散し た企業を損益別に分類すると、黒字にもかかわらず休廃業・解散した企業の割合は、2025年で49.1%と近年は低下傾向。 ② 休廃業・解散企業の経営者の年齢は、70代・80代以上の割合が上昇傾向。平均年齢も上昇傾向で推移。 (年) 【動向・業況⑫】休廃業・解散件数も同様に増加。黒字にもかかわらず休廃業・解散する企業が約半分を占める。 倒産・休廃業 ・事業承継 (年) (歳) ( 構 成 比 ) ( 経 営 者 年 齢 ) 資料:(株)帝国データバンク「全国企業『休廃業・解散』動向調査」 (注)1 .(株)帝国データバンクが調査・保有する企業データベースのほか、各種法人データベースを基に集計したもの。休廃業・解散とは、倒産(法的整理)によるものを除き、特段の手続を取らずに企業活動が停止した状態を確認(休廃業)、若 しくは商業登記等で解散(ただし「みなし解散」を除く)を確認できたものを指す。2.調査時点での休廃業・解散状態を確認したもので、将来的な企業活動の再開を否定するものではない。また、休廃業・解散後に法的整理へ移行した場合は、倒産件 数として再集計する場合もある。 3.(図1)「黒字」及び「赤字」の判定は休廃業・解散直前の当期純利益に基づく。4.(図2)各集計年のうち、代表者の年齢が判明した企業を対象に集計している。 図2 休廃業・解散企業の経営者年齢の推移 60,168 59,702 58,519 59,225 56,103 54,70953,426 59,105 69,019 67,949 0 20,000 40,000 60,000 80,000 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 (件) (年) 50
  49. ① 中小企業の後継者不在率は減少傾向にあり、経営者の年齢が60歳以上である企業においても、後継者不足の解消が進む。 ② 一方で、中小企業の経営者年齢のピークは若くなっているものの、60歳以上の経営者が全体の過半数を占め、割合は上昇 している。 【動向・業況⑬】全体的に後継者不在率は減少傾向も、中小企業経営者の年齢は高い水準で推移。 図2 経営者年齢の分布(中小企業) 図1 後継者不在率の推移(中小企業)

    資料:(株)帝国データバンク「企業概要ファイル」「信用調査報告書」再編加工 (注)1.ここでの「中小企業」とは、中小企業基本法に定める「中小企業者」のことを指す。なお、企業規模は企業概要 ファイルの情報に基づき分類している。2.「全体」については、経営者年齢の情報がない企業も含んだ中小企業数に対する 割合を示している。 倒産・休廃業 ・事業承継 66.0% 66.2% 67.2% 66.0% 65.8% 62.3% 57.9% 54.5% 52.7% 50.8% 36.3% 26.5% 21.3% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年 全体 60代 70代 80代以上 0 5 10 15 20 25 2000年 2005年 2010年 2015年 2020年 2024年 2025年 (%) (歳) 2025年の割合 資料:(株)帝国データバンク「企業概要ファイル」再編加工 (注)1.ここでの「中小企業」とは、中小企業基本法に定める「中小企業者」のことを指す。なお、企業規模は企業 概要ファイルの情報に基づき分類している。2.経営者年齢の分布は、経営者年齢が判明した中小企業を対象に集計し ている。3. データ制約上、「2000年」については、2001年1月時点の企業概要ファイルを使用し、ほかの系列につ いては毎年12月更新時点の企業概要ファイルを使用している。 (歳) (%) 15~19 0.0 20~24 0.0 25~29 0.2 30~34 0.8 35~39 2.1 40~44 5.1 45~49 9.4 50~54 14.7 55~59 15.2 60~64 14.9 65~69 12.3 70~74 10.4 75~79 9.2 80~ 5.7 51