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Pub/Sub vs Cloud Tasks - その違い、わかりますか?-

Pub/Sub vs Cloud Tasks - その違い、わかりますか?-

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Tomonori Hayashi

July 21, 2025
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  1. Tomonori Hayashi / ぴーはや • NTT ドコモビジネス ◦ ソフトウェアエンジニア ▪

    Front:TypeScript - React/Next.js ▪ Infra:Google Cloud • Google Cloud Partner Top Engineer 2024 - 2025 • Google Cloud Tech Blog Challenge 2024 個人カテゴリ受賞 • Google Cloud All Certifications • コミュニティ ◦ Jagu’e’r (Google Cloud 公式ユーザーコミュニティ) ▪ エバンジェリスト ▪ オブザーバビリティ分科会 運営 ▪ 月末 Tech Lunch • カンファレンススタッフ ◦ Observability Conference Tokyo 2025 ◦ SRE kaigi 2026 2 @pHaya72 @t_hayashi
  2. 本日お話しすること • Google Cloud における非同期処理の主要サービス、 Pub/Sub と Cloud Tasksに フォーカスします

    • これらの中核にある『呼び出しモデル』という観点から、両者の性質の違いに説 明します 本日お話しないこと • 両サービスの詳細な機能比較はしません
  3. 5 簡単に Cloud Tasks について 非同期タスクキューやジョブスケジューラのように振る舞う • Cloud Tasks 内にキュー

    というリソースを作成して、クライアントから タスク を依頼してワーカーに処理させる仲介役
  4. 8 Pub/Sub :Implicit Invocation 暗黙的な呼び出し 概念 Publisher は Topic にイベントを発行するだけ

    そのイベントをどの Subscriber がどう処理するかは関与しない 責務 Publisher はイベントの発生を通知するだけ 処理の責務は Subscriber にある キーワード イベント通知パターン , パブリッシュ /サブスクライブ
  5. 9 Pub/Sub :Implicit Invocation 暗黙的な呼び出し 概念 Publisher は Topic にイベントを発行するだけ

    そのイベントをどの Subscriber がどう処理するかは関与しない 責務 Publisher はイベントの発生を通知するだけ 処理の責務は Subscriber にある キーワード イベント通知パターン , パブリッシュ /サブスクライブ 伝えるメッセージ = 「イベント(出来事)」 事実の発生を知らせる通知であることから関心ごとは「事実の通知」
  6. 10 Pub/Sub :Implicit Invocation 暗黙的な呼び出し 概念 Publisher は Topic にイベントを発行するだけ

    そのイベントをどの Subscriber がどう処理するかは関与しない 責務 Publisher はイベントの発生を通知するだけ 処理の責務は Subscriber にある キーワード イベント通知パターン , パブリッシュ /サブスクライブ 通信トポロジー One-to-Many の関係性、イベントの広範な伝播 とサービスの疎結合化 が目的
  7. 11 Cloud Tasks :Explicit Invocation 明示的な呼び出し キーワード コマンドパターン、ポイントツーポイント・メッセージング 概念 Client

    が Worker の HTTP エンドポイントを直接指定して タスクをキューイングする 責務 Client が「誰に」「何を」させるかを完全に制御する
  8. 12 Cloud Tasks :Explicit Invocation 明示的な呼び出し キーワード コマンドパターン、ポイントツーポイント・メッセージング 概念 Client

    が Worker の HTTP エンドポイントを直接指定して タスクをキューイングする 責務 Client が「誰に」「何を」させるかを完全に制御する 伝えるメッセージ = 「コマンド(命令)」 実行を強制する依頼であることから関心ごとは「処理の実行そのもの」
  9. 13 Cloud Tasks :Explicit Invocation 明示的な呼び出し キーワード コマンドパターン、ポイントツーポイント・メッセージング 概念 Client

    が Worker の HTTP エンドポイントを直接指定して タスクをキューイングする 責務 Client が「誰に」「何を」させるかを完全に制御する 通信トポロジー One-to-One の関係性、特定のワーカーへの確実な処理依頼 が目的
  10. 14 Cloud Tasks を少し詳しく Client が「誰に」「何を」させるかを完全に制御する アーキテクチャ上の位置付け • 非同期タスクキュー •

    ジョブスケジューラ 技術的なポイント • 実行ターゲット - 任意のワーカーを明示的に指定 • 実行制御 - 未来時刻での実行を指定可能 - タスク実行のタイムアウトを指定 - QPS や最大並列実行数で Worker への負荷を制御 ユースケース • Webhook の非同期実行 • 外部 API のレートリミットを考慮したリトライ制御 • バッチ処理のトリガーと実行管理
  11. 15 Cloud Tasks を少し詳しく Client が「誰に」「何を」させるかを完全に制御する アーキテクチャ上の位置付け • 非同期タスクキュー •

    ジョブスケジューラ 技術的なポイント • 実行ターゲット - 任意のワーカーを明示的に指定 • 実行制御 - 未来時刻での実行を指定可能 - タスク実行のタイムアウトを指定 - QPS や最大並列実行数で Worker への負荷を制御 ユースケース • Webhook の非同期実行 • 外部 API のレートリミットを考慮したリトライ制御 • バッチ処理のトリガーと実行管理
  12. 16 Cloud Tasks を少し詳しく Client が「誰に」「何を」させるかを完全に制御する アーキテクチャ上の位置付け • 非同期タスクキュー •

    ジョブスケジューラ 技術的なポイント • 実行ターゲット - 任意のワーカーを明示的に指定 • 実行制御 - 未来時刻での実行を指定可能 - タスク実行のタイムアウトを指定 - QPS や最大並列実行数で Worker への負荷を制御 ユースケース • Webhook の非同期実行 • 外部 API のレートリミットを考慮したリトライ制御 • バッチ処理のトリガーと実行管理 信頼性の高い非同期処理を実現する
  13. Pub/Sub と Cloud Tasks を呼び出しモデルの違いから説明 • Pub/Sub:発生したイベントを関係する各所に伝搬させたい ◦ 呼び出しモデル:Implicit Invocation

    ◦ どんなイベントが起きるのか?それに誰が関心を持つのか? → Publisher と Subscriber を分離したい • Cloud Tasks:特定の処理を、制御しつつ非同期に実行したい ◦ 呼び出しモデル:Explicit Invocation ◦ どのワーカーに?実行レートは?リトライ戦略は? → Client の Worker に対する実行依頼を信頼性高く実現したい 設計思想の違いをしっかり理解して技術選択していきましょう! まとめと学び
  14. CREDITS: This presentation template was created by Slidesgo, and includes

    icons by Flaticon, and infographics & images by Freepik Thanks! 18 @pHaya72 @t_hayashi