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AI時代の経営、Bet AI Vision #BetAIDay
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LayerX
PRO
August 01, 2025
Technology
0
190
AI時代の経営、Bet AI Vision #BetAIDay
2025/8/1 にLayerXで開催されたAIカンファレンス「Bet AI Day」における登壇資料です。
登壇者:代表取締役 CTO 松本 勇気
LayerX
PRO
August 01, 2025
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Transcript
© LayerX Inc. AI時代の経営、 Bet AI Vision 7Bets on AI
— Session 1 代表取締役 CTO 松本 勇気 MATSUMOTO, Yuki
© LayerX Inc. Speaker 代表取締役 CTO 東京⼤学在学時に株式会社Gunosy⼊社、CTOとして技術 組織全体を統括。またLayerXの前⾝となるブロック チェーン研究開発チームを⽴ち上げる。 2018年より合同会社DMM.com
CTOに就任し技術組織改 ⾰を推進。⼤規模Webサービスの構築をはじめ、機械学 習、Blockchain、マネジメント、⼈事、経営管理、事業 改善、⾏政⽀援等広く歴任。 2019年⽇本CTO協会理事に就任。2021年3⽉よりLayerX 代表取締役CTO就任。開発や組織づくり、及びFintechと AI‧LLM事業の2事業の推進を担当。 松本 勇気 MATSUMOTO, Yuki
© LayerX Inc. Agenda • 技術組織としての分岐点 • LayerXのミッション • LayerX
Tech Valueの策定 • Bet AIへ • 内部‧外部の変化
© LayerX Inc. 技術組織としての分岐点 AIによる激変の中で Chapter 1
© LayerX Inc. AIによる不可逆で急激な変化、3ヶ⽉前の出来事も遠い昔に聞こえてしまう。プロダクト、組織運営、 開発プロセス、全てに影響。 今すべての技術組織に変化が問われている 技術組織としての分岐点 9⽉ OpenAI o1公開
12⽉以降 o1-mini, o3-mini, o3, o4-miniと進化 2024年7⽉ Llama3.1公開 1⽉ DeepSeek R1公開 12⽉ Gemini 2.0 Pro 5⽉ AlphaEvolve Gemini Diffusionなど発表 5⽉ Claude 4 登場、 Claude Codeの流⾏ 3⽉ manusリリース 2⽉ DeepResearch登場
© LayerX Inc. ChatGPT登場の翌⽇からCTOとして検証、フルベットの意思決定、新規事業の⽴ち上げ、全社への浸透 含め全員で取り組んできた。 LayerXとLLMの2年半の取り組み 技術組織としての分岐点 LLMに関する検証開始 2022年11月末 ChatGPT登場
LayerX LLM Labs設置 2023年4月1日 Ai Workforce正式リリース 2024年6月9日 バクラクAIエージェント事業発表 2025年4月7日 Bet AI 発表 2025年4月1日 AI・LLM事業部開始 2023年11月9日
© LayerX Inc. 技術組織としての分岐点 市場の変化、経営者の意思決定、組織のAI浸透と活⽤による事業推進スピード全てにおいて変化が訪れ ている。対応の有無で事業の⾏く末は⼤きく変わる。 加速する事業と経営 Speed is The
New Moat. 技術組織としての分岐点 by Perplexity's CBO Dmitry Shevelenko
© LayerX Inc. LayerXのミッション Chapter 2
© LayerX Inc. 少⼦⾼齢化による労働⼒不⾜は⽇本の最⼤の課題。 ⼈⼝減少という社会課題 出展: https://www.works-i.com/research/report/item/forecast2040.pdf LayerXのミッション
© LayerX Inc. LayerXのミッション
© LayerX Inc. LayerXのミッション 人口減少社会 人の生産性 “すべての経済活動を、デジタル化する” 日本社会の構造的課題 LayerXの課題認識 LayerXの事業/ミッションとのつながり
お金の生産性 データの生産性 バクラク事業 Fintech事業 AI・LLM事業 ⼈⼝減社会で起こる課題の解決を、ソフトウェアでサポートする なぜやるのか
© LayerX Inc. LayerX Tech Valueの策定 Chapter 4
© LayerX Inc. 事業部問わず、LayerXの開発組織が⾏動指針や羅針盤に合わせて、意思決定の指針として⽤いる共通 の考え⽅。 LayerX Tech Value LayerX Tech
Valueの策定
© LayerX Inc. Bet AIへ Chapter 3
© LayerX Inc. 全てをAI中⼼に 変⾰する時が来ている Bet AI へ
© LayerX Inc. 創業後初の⾏動指針の変更、AIの変化は会社のOSに組み込まれるべき⼤きな出来事。全てをAIに賭け ていく。 Bet AI Bet AI へ
© LayerX Inc. おおよそのアーキテクチャの議論など具体レベルで全ての経済活動のデジタル化が⾒えてきた。 すべての経済活動のデジタル化が⾒えつつある Bet AI へ あらゆる条件下で、AIがすべての業務を 実⾏し完了できる。
通常の運⽤範囲においては、AIが 業務をほぼ完璧に運⽤できる。 AIがある程度の業務を運⽤できるものの、 こまめに⼈間の介⼊が必要。 いくつかの仕組みを組み合わせることで、 AIが⼈間の業務の⼀部を⾃動化していく。 単純作業の⼀部をAIが実⾏する。 レベル5 完全⾃動運転 レベル4 特定条件下における 完全⾃動運転 レベル3 条件付き⾃動運転 レベル2 特定条件下での ⾃動運転 レベル1 運転⽀援 全て⼿作業。 レベル0 マニュアル AIが主体 ⼈間が主体
© LayerX Inc. 鍵はデータとAgentic AI ドメイン特有のデータ Agentic AIによる⼈間と連携 して⼀緒に業務を進める環境 インタラクションを活⽤して
Agent間の橋渡しの進化 業務の完全⾃動運転 Agentを正しく活かすためのコツはContextを正しく埋めるためのDomain特化データ、そして⼈間と⼿ を取り合ってインタラクションするAgentic AIの場作り。 Bet AI へ 精度⾼いAgentの業務遂⾏
© LayerX Inc. 我々が届けるサービスは⼈がAgentと共に働く職場であり、より多様なAgentを雇⽤しマネジメントで きる環境である。 Agentと”共に”働く場所を作る Bet AI へ ⼈
Agent Agent Agent 指⽰‧マネジメント 成果物 ⼈とAgentがより良くコミュニケーションし働ける環境
© LayerX Inc. LLMで⽬指すインパクト • 全てのお客様が、数千・数万のAgentとともに働く環境を創り出す。 • 業務のEnd to Endでの自動化を実現するAIエージェントを生み出す。
• 社内の1人あたりの売上生産性を2倍、間接部門費用を半分にする。 Bet AIへ 下記の結果として2030年売上1000億円を超えるインパクトを⽣み出す。
© LayerX Inc. 内部の変化 Chapter 5
© LayerX Inc. 使ってください、ではうまく⾏かない。巻き込みのハードル、認知、AIに対する理解、活⽤イメージ、 ⼿続き、…etc 当初の失敗:AI浸透の難しさ 内部の変化 慣性の壁 セキュリティの壁 学習‧理解の壁
⼀部の⼈は盛り上がるもの の、全体のプロセス変⾰には ⾄らず…
© LayerX Inc. 強制ではなく、内側から湧き上がる「楽しそう、やってみたい」を⽣み出すこと、その勢いを⽌めない 仕組みづくりが必要。 学び:⾃由‧責任‧楽しさ ⾃由 責任 楽しさ 誰もが安⼼して、使いたい
時に使えること。 ⼿続き少なく、安全な活⽤ の実現。 AI活⽤によって⽣まれるア ウトカムを増⼤させる責任 者を明確にする。 未来にワクワクすること。 共に楽しみながら新たな発 ⾒をし続けること。 内部の変化
© LayerX Inc. 未知に対して誰もが試しやすい環境づくり、および活⽤のリーダーシップ、未来への取り組み。 内部の変化 AI包括予算 AI Enabling AI Automation
Lab 内部の変化
© LayerX Inc. Claude MAXの⽀援などによって急激にAI開発の加速、全体で進む「楽しみながら」のノウハウ進化。 発信も組み合わせて、楽しく社内外分け隔てなくノウハウを作る。 AI包括予算による全社モメンタム構築 予算の仕組み セキュリティチェック済み ツールリストを⽤意、チー
ム単位で予算範囲内で⾃由 に試⽤。バクラクカードが 活躍。 ⽬的 ⽇々進化の激しいツールを 柔軟に導⼊‧廃⽌しつつ、 あるべき新しいAI活⽤を検 証し続ける。 効果 機動的なツール配布に加え、実際の業務効率化の実現、 およびそのノウハウ共有や多数の社内外への発信が進む。 内部の変化
© LayerX Inc. Salesportalや広告審査AI化を始めとしたOpsの改善、エンジニアを課題の傍に置き、迅速に解決 AI Enabling AI Ops Engineering AI
Platform Engineering LLMベースな新しい社内業務プロセ スを模索する開発担当。営業プロセ スを加速するSalesportalや⾦融業務 を効率化する各種業務ツールの開発 が進んだ。 プロダクトにおけるLLM活⽤を加速 する基礎レイヤを作る。バクラクAI エージェントやAi Workforceの Agentic Workflowなど。 内部の変化
© LayerX Inc. 全ての経済活動のデジタル化に必要な要素技術は事業通じて共通。LLMに関連したR&Dチームを各所で 組成。各事業部間で展開、集約。 AI Automation Lab Reinforcement Fine
Tuning Agent⽣成 Process Mining 研究テーマの例 内部の変化 Prompt⽣成 (実現、プロダクト投⼊へ)
© LayerX Inc. 外部の変化 Chapter 6
© LayerX Inc. LLMによって、⼀つのプロダクトが解ける問題の幅が急激に拡⼤している。その前提で考え直さねばプ ロダクトはいつかLLMベースなプロダクトに飲み込まれる。 全ての事業をLLMネイティブに考え直す 第⼀世代SaaS 第⼆世代SaaS (AI-SaaS) 第三世代SaaS
(LLM-SaaS) 共有DB‧台帳として 業務プロセスを規格化 AIによる業務プロセスの ⼀部⾃動化 ⼈に寄り添い幅広い 業務プロセスを⾃動化 リーダーの意思が最も重要、徹底したAI Firstへ組織を移⾏進める。全てのプロダクト、 全ての意思決定でLLM活⽤を優先していく。新規プロダクトも既存事業も双⽅取り組む。 外部の変化
© LayerX Inc. Bakuraku AIエージェント 外部の変化
© LayerX Inc. ⼤企業向けのAgentとともに働くためのPlatformとして進化し続ける。 Ai Workforce ワークスペース管理 セキュリティ対策 ユーザー管理 外部ストレージ連携
複数LLMモデル連携 ワークフローテンプレート etc. A部⾨ B部⾨ C部⾨ D部⾨ 融資業務 財務諸表分析 調査資料作成 稟議作成 ⾒積り⽐較 契約書レビュー ナレッジ共有 外部の変化
© LayerX Inc. ヘビーで精度重視な書類業務によって作られる⾦融領域は⼤きく変わるタイミング。業界を内側からデ ジタル化していく。 投資運⽤の⾃動化 様々な書類 マーケティング資料 登記簿、タームシート、 契約書、鑑定書…etc
LLMを通じて全 ての業務のAI効 率化 様々な契約書、有価証券 届出書、ALTERNA連携 アウトカム 広告審査 より素早く より良い商品が ユーザーへ
© LayerX Inc. 最後に Chapter 7
© LayerX Inc. 失敗を恐れず、⼩さく始めて⼤きく育てる 重要なのは技術そのものより「組織の意思」 AI-Firstになるために エンジニアの熱量を組織変⾰の原動⼒に