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投資戦略202510

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October 15, 2025
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 投資戦略202510

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  1. 利下げサイクル終盤戦の投資戦略 PWのポートフォリオ構築のための投資戦略骨子を確認します。 ◦経済情勢と大局観 2024年はインフレを鎮静化させ始めた欧米各国中銀がそろって政策金利の引き下げを進めましたが、米国は利下げサイクルの終盤戦に入りつつあるようです。今後の利 下げのペースはインフレおよび労働市場を反映したものになると想定されます。また、米大統領選挙ではトランプ氏が勝利し、議会選挙も共和党が完勝したことで、2025 年以降の政策動向が注目され、米国の持続的な財政赤字(債務動向)そしてインフレが米金利のキーワードとなっていきます。中央銀行と政府が連携し、債務を制 御する計画がなければ⾧期金利高止まりが想定され、その間は債券投資の実行に有利な局面。一方で、高金利による株価のリプライシング、実体経済の悪化が顕在 化してくれば、株式・AT1(優先株式預託証券、CoCos)といったリスクアセットに好機が訪れるでしょう。ヒストリカルには種々のアセットクラスがピーク圏にあるため、ポー トフォリオのバランスをとること、およびインフレヘッジ資産(株式、不動産、金等)も考慮したポートフォリオ運営を実施することを推奨します。(2025年1月時点) 株式

    債券 通貨 オルタナティブ 1. 金利 ✓ 米10年利回りは、インフレ動向にも 左右されるが、米国債務を制限する ための施策がなければ高止まり想定。 買いの好機にも。 ✓ 市場のポジションの偏り解消による突 発的な金利低下には注意 ✓ 超⾧期については水準次第 2. クレジット ✓ ポートフォリオのインカムゲインを維持す るパーツとして利用 ✓ ⾧期の高クオリティ銘柄の活用 ✓ 景気後退時に時間分散・円ベース単 価を勘案しながらAT1を仕込む 3. デュレーション ✓ イールドカーブがスティープ化し、短期 から⾧期セクターに妙味が遷移 ✓ ポートフォリオとしては緩やかなラダーを 構成 4. セクター・エリア ✓ 新興国については、米金利の高止ま りによる相対的な魅力低下、インフレ リスク・取引コスト等の観点から引き 続き慎重な見方 ✓ 2025年はトランプの政策発動の 影響及び日銀の利上げスタンスが 注目ポイント。上下どちらにもぶれ る可能性があることを心しておく。 ✓ 一方、構造的にドル安円高が進 みにくくなっていることにも留意。 ✓ 想定レンジは140-160。この間で ボラティリティ高く上下する展開を予 想。 ✓ ドルの押し目は積極的かつ丁寧に、 タイミングを分散してドル購入を進 める。 ✓ 原則、外貨は米ドルのみで良い 1. REIT ✓ 日本は個別銘柄中心に検討。歴 史的割安水準であるが円金利上 昇リスクがあることに留意 米国はインデックス投資を推奨 2. コモディティ ✓ インフレヘッジを目的とした金投資 は検討していく 3. ヘッジファンド ✓ ヘッジファンドの銘柄を見て一部検 討 ✓ 流動性と残高に留意しつつファン ドマネージャーを吟味する 4. プライベート投資 (エクイティ、デット) ✓ プライベートデットは、有望な投資 機会につき検討する 仕組債 ✓ 円建てのニーズに対しては私募SB, CLNの活用を検討 Pragmaworksの投資戦略骨子 ✓ ⾧期運用前提で考えると、2025 年の下げ相場は良い買い場と考え られ、まさに足下の暴落は絶好の買 い場である。 ✓ 26年は大統領任期2年目で、アノ マリー的には任期4年中最もパ フォーマンスが悪い。今から高値を狙 うのは非常にリスクが大きい。 ✓ 銘柄選択としては、構成銘柄の幅 広さ、優良銘柄の組入及び過去の リスクリターンを勘案し、S&P500指 数を推奨。また、ハイテク中心の QQQ(ナスダック100)も併せて 注目。 ✓ Mag7を筆頭に大型テック系企業 は2025年も相場を一定牽引する 見込み(年後半に期待)。 ✓ ハイパーグロースや赤字決算のハイ テク企業は、Fedの金融緩和に伴 い時間分散でエントリーすることを推 奨(基本は押し目買い)。但しグ ロース企業が須らく上昇するわけで はなく、強靭なビジネスモデルを有す る一部のグロース企業が選好される 可能性が高い。選別が重要。 2
  2. 投資戦略(株式) 12 株式(Equity) ①足元のテーマ ②方向感 ③投資戦略 株式投資の原則 株式投資は、投資先の事業の中身に着目し、マーケットタイミングは考えない。ウォーレン・バフェットですらマーケットタイミングは判断できないとしており、バフェットでも実行できないことを目指すことは 合理的とは言えないのがその理由。 また、全米もしくはその一部をカバーする指数(例.S&P500)や、ファンダメンタルズが強靭な企業の株式をターゲットとするも、購入はマーケット要因あるいは個社の一過性要因などで株価が大き

    く下落したポイントや、時間分散で小刻みにエントリーすることを基本とする。 1. AIブームは⾧期トレンドに乗る可能性が高い。生成AI⇒エージェントAI⇒物理AI へと進化していく中、各AIを駆動する基盤であるAI半導体は⾧期で期待できる。 2. AIによる生産性向上がもたらすソフトランディングと利下げが同時に実現した場合、 米国株式市場には強力な追い風となる。 3. トランプ任期中のマーケットリスクは極めて大きい。ボラティリティが非常に高く、⾧期 投資家には居心地の悪い相場が続くものの、”Stay Invested”, “Stay Market”が結局は最良の方法であることを再確認したい。 4. 2025年は大統領就任初年度の年。大統領選4年サイクルの中では就任初年度 の年のリターンは3番目(つまり下から2番目)。 3 1. Fedの利下げは株式には強力な追風。 2. MMFは依然高水準。投資に向かう大量の実弾とも言えるが、利下げがその契機になる可 能性もある。 3. 足元のリスク要因としては、①関税の影響でインフレ率が加速し利下げ観測が後退するリス ク、②格差拡大の不満や保守・リベラルの対立が暴徒化するリスク、③ロシアがNATO近隣 国に領空侵犯し偶発的な軍事衝突が発生するリスク、④相互関税を巡る訴訟問題で最 高裁が違憲判断を下すことによる混乱、などが考えられる。尚、政府機関の閉鎖は既に顕 在化している状況。 4. 一方で、現時点で予想される25年~27年通期はいずれも増収増益が予想されており、 企業業績は絶好調の様相を呈する。株式は結局、①企業業績が伸⾧し、②金利が下が れば、必ず株価が上昇するメカニズムとなっており、株式には引き続き強気の姿勢を堅持す る。加えて、米国企業は足下で過去最大級の自社株買いを実施しており、株式の需給と 自己資本の圧縮によるROE改善効果が相まって、株式には益々追風の状況。 5. トップ企業群のビジネスモデルは収穫逓増であり、売上が増えるほど利益率が高まる構造。 重厚⾧大が支配していた僅か20年前とは状況が一変していることを認識する必要がある (重厚⾧大は収穫逓減であり、過去との対比で現代のPERが割高になることは自然な現 象と言える)。 【原則】 1. 強固な参入障壁を持ち、決算が順調な会社はホールド(相場全体が崩れても、決 算に問題ない限り売却しない)。 2. もし決算をミスした場合、そのミスの内容を確認することが重要。一過性の要因で決算 が不調だった場合はホールドを継続。 3. 利下げトレンドに入っており、これは株式には強力な好材料だが、地政学リスク・米政 府財政問題・インフレ再燃リスク等には警戒を要するため、購入は時間分散を推奨。 また、景気後退懸念が顕在化した場合は、しばらく様子見を決め込み、マクロ経済 データを観察しながらエントリーポイントを探る。エプスタイン問題などトランプリスクにも要 注目。 4. 株式市場全体の下落に連れて優良銘柄も下落している局面は、それら優良銘柄を 購入する好機であるため積極的に購入する。 【具体的戦略】 1. 順張りで上値を追うことなく、安値圏で推移しているタイミングで、S&P500連動のETF 購入(構成銘柄の幅広さ、米国市場を代表する優良銘柄の組入状況、及び過去の リスクリターンを勘案)を推奨。また、ハイテクが集中するQQQ(ナスダック100)にも併 せて注目。 2. Mag7を筆頭に大型テック系企業は2025年も相場を一定牽引する。 3. 利下げトレンドにおいては、強靭なビジネスモデルを有する一部のグロースは選好される 可能性が高い。個社事由とは関係なく、市場全体が大きく下がったところでは買い向か いたい。 4. S&P500、ナスダック共に本年9月も前月比で上昇し、2024年に続きアノマリーを跳 ね返す格好となった。季節的な株価調整が後ズレするリスクに注意しながら、年末のク リスマスラリーなど楽観は慎み、この先は一層慎重に相場に対峙したい。 5. 2026年は大統領選挙サイクルアノマリー2年目の年であり、4年任期の中で最もパ フォーマンスが悪いことで知られる。実際、2018年・2022年はいずれも就任2年目の 年であったが、S&P500の2018年パフォーマンスは▲4.23%、2022年は ▲18.04%とマイナスに終わっている。つまり、今から高値を狙うのは非常にリスクが大 きいため、この先は相場が大きく下落したところだけを丁寧に拾いにいきたい(但し、 S&P500やQQQなどのETFはドルコスト平均法による積立投資が有効)。
  3. 通貨(Currency)/米ドル円 ①足元のテーマ ②方向感 ③投資戦略 投資戦略(為替/ドル円) 1. 米国景気動向(特に雇用指数) 2. 2025.26年の米国利下げ姿勢 3.

    高市トレード(積極財政・金融緩和維持スタンス) 1. 日米金利差が縮小し、本来であれば140円割れ程度まで円高が進行 しても不思議ではない環境下であったがドル安トレンドはついに出現せず。 7月後半以降方向感のない狭いレンジでの動きが続いた。そんな中、高 市総裁誕生を受けて高市トレード(円売り、日本株買い)が爆裂し、 レンジを上抜け。しかしながらこの流れがトレンドとして定着するかどうかは 見極めが必要。 2. 日米金利差は縮小ペースが緩慢になるとはいえ進む模様。溜まってい た円買いポジションが一掃され落ち着いた後、再びドル売り円買いPlay が再開されると想定。ただし最大155円程度までの円安があり得る。 外貨投資の原則 外貨投資においては、為替の方向感にベットして為替差益を狙うような投機的な取引はしない。あくまでも、円資産への集中リスクを回避するための⾧ 期的な通貨分散、資産分散を目的とする。 よって、マーケットタイミングを判断するよりも、購入タイミングを分散することでリスクを軽減しながら、上記目的を達成することを推奨する。 1. 原則USDポジションをキープし、USD建運用のメリットを享受。 2. 各々の資産運用プラン(例:ドル建債券の購入)を実行するため に必要なドルの手当てについては積極的に進める。その際、購入する 資産の円高抵抗力の検証をすること、及び購入タイミングを分散する ことが重要。 3. 既にUSD比率が高い方については150円以上のドル高円安水準で はドルを購入する必要はなく150円割れを待ちたい(一方、ドル比 率を高めている途上のケースは、現状水準から慎重に押し目買いを 進めたい)。 【Mr.EのFXコメント】 トランプの関税発言で一時市場が荒れた。最近は関税ネタに反応が鈍 かったが、久々に波乱要因として意識された形だ。ドル円は150円台半ば でドルの上値が重いものの、下値も堅く、結局はレンジ内の動きを続けて いる。先月は日銀利上げが円買い要因と見ていたが、高市新総裁の誕 生でその期待は後退。むしろ財政拡張色が強まり、円を買う理由が薄れ た印象だ。米金利も一服気味で、結局は147~153円のレンジを想定。 焦らず押し目を拾う展開か。 5
  4. Monthly Snapshot 6 資産クラス 2025/10/13 1か月前 3か月前 1年前 1年間チャート S&P500

    6,655 6,584 6,269 5,860 NASDAQ 22,695 22,141 20,640 18,503 ダウ 46,068 45,834 44,460 43,065 日経平均 48,089 43,459 39,570 39,606 VIX 19.03 14.76 17.20 19.70 Bitcoin 115,818 116,255 120,198 65,906 WTI原油 59.49 62.69 66.98 73.83 Gold 4,110 3,643 3,344 2,649 USDJPY 152.28 147.68 147.72 149.76 米金利 2025/10/13 1か月前 3か月前 1年前 1年間チャート 米2年金利 3.503 3.558 3.901 3.957 米5年金利 3.626 3.634 3.989 3.903 米7年金利 3.81 3.818 4.196 3.992 米10年金利 4.034 4.067 4.435 4.101 米20年金利 4.581 4.648 4.976 4.463 米30年金利 4.62 4.682 4.979 4.412 為替レート 2025/10/13 1か月前 3か月前 1年前 1年間チャート USDJPY 152.28 147.68 147.72 149.76 AUDJPY 99.20 98.20 96.69 100.73 EURJPY 176.18 173.27 172.32 163.37 GBPJPY 203.03 200.19 198.36 195.58 CADJPY 108.50 106.63 107.79 108.56 BRLJPY 27.87 27.57 26.44 26.82 MXNJPY 8.2449 8.0072 7.8832 7.7277 HKDJPY 19.57 18.98 18.82 19.29 CNHJPY 21.33 20.73 20.60 21.11 RUBJPY 1.883 1.7707 1.8956 1.5658 $クレジット 2025/10/10 1か月前 3か月前 1年前 1年間チャート $IG現物OAS 121.08 120.50 127.40 121.10 $HY現物OAS 369.44 341.15 339.93 342.55 $IG金融シニア 101.18 99.74 107.07 101.36 $IG金融劣後 143.57 143.51 151.87 140.41
  5. ご留意いただくポイント 〇想定リスク 各シミュレーションから算出された数値は、一定の前提条件の元で計算さ れた概算値のため、実行にあたっては、必ず金融商品取引業者等の専門 機関にご相談ください。 〇その他 本資料の内容は、2025年10月1日時点の税法、その他関連法規に準拠して います。今後の関連法規の改正等により相違が生じることがあり、対策内 容の見直しが必要になる場合があります。 今後の政治経済情勢、業界動向の変化によっては、本資料の内容が適合

    しなくなる可能性があります。 〇免責事項 本資料は、一般的な考え方の一部を参考資料として記載したものであり、 特定の取引の実現性・実効性を保証し、または実施を勧誘するものではあ りません。 弊社は、お客様に対し法律、税務、あるいは会計上の助言を供するもので はなく、本資料に関する法律、税務、あるいは会計上の十分性、適切性、有 効・妥当性について、いかなる見解を示すものでもありません。 〇その他 本資料に掲載された税務・会計・法律等に関わる事項に関しては、予めお 客様の顧問税理士、公認会計士、弁護士等の専門家にご相談のうえ、総合 的にご判断ください。 免責事項 7