Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境
Search
Sponsored
·
Your Podcast. Everywhere. Effortlessly.
Share. Educate. Inspire. Entertain. You do you. We'll handle the rest.
→
Recruit
PRO
December 03, 2025
Technology
1.5k
5
Share
Embed
Copy iframe code
Copy JS code
Copy link
Start on current slide
プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境
2025/12/04に、pmconf 2025で発表した三上 の資料になります。
Recruit
PRO
December 03, 2025
More Decks by Recruit
See All by Recruit
AIネイティブ時代における 開発組織の役割と拡張の可能性
recruitengineers
PRO
2
250
開発が速く安くなった後の話 AI時代のソフトウェアエンジニアリング組織論 #devsumi
recruitengineers
PRO
46
32k
双方向推薦システムにおける長期的マッチング最大化に向けた代理目的関数の設計と実証
recruitengineers
PRO
1
160
就職⽀援サービスにおけるキャリアアドバイザーのシフトスケジューリング
recruitengineers
PRO
1
210
Model Routerを使った逐次LLM選択による毀損低減効果の検証
recruitengineers
PRO
2
87
ストリーム処理基盤のFlink移行検証と適材適所の実践
recruitengineers
PRO
2
130
AI 時代の Platform Engineering
recruitengineers
PRO
3
540
巨大プラットフォームを進化させる「第3のROI」
recruitengineers
PRO
2
3.8k
データ戦略を加速させる プラットフォーム エンジニアリングと進化的アーキテクチャ
recruitengineers
PRO
3
130
Other Decks in Technology
See All in Technology
数値で見る Microsoft MVP 〜Spec Kit と GitHub Copilot Agent で作るデータ可視化ダッシュボード〜
yutakaosada
0
180
コンポーネント名には何を含めるべきなのか? / what-should-be-included-in-component-names
airrnot1106
0
230
運用を犠牲にせずコストを制御し事業成長を支える B2B SaaS ID管理基盤におけるS3 Tableのログストレージ活用
kaminashi
1
130
AI驚き屋発見器
yama3133
2
390
AI時代の強いチームの作り方
yuukiyo
23
13k
オートマトンと字句解析でRoslynを読む
tomokusaba
0
130
AI工学特論: MLOps・継続的評価
asei
11
3.1k
QAと開発の両側から進める AI活用 -QAプロセスAI支援ツールキットと Inner Loop / Outer Loopの取り組み-
legalontechnologies
PRO
2
400
最高のシステムプロンプトを作るためにフィードバック機能を導入した話
alchemy1115
1
270
reFACToring
moznion
1
1.1k
データ組織の転換期 一足飛びしない段階的戦略
leveragestech
PRO
0
140
なぜ、あなたのエージェントは言うことを聞かないのか
segavvy
1
610
Featured
See All Featured
Applied NLP in the Age of Generative AI
inesmontani
PRO
4
2.4k
Prompt Engineering for Job Search
mfonobong
0
390
Getting science done with accelerated Python computing platforms
jacobtomlinson
2
370
Visualizing Your Data: Incorporating Mongo into Loggly Infrastructure
mongodb
49
10k
Skip the Path - Find Your Career Trail
mkilby
1
170
Kristin Tynski - Automating Marketing Tasks With AI
techseoconnect
PRO
0
420
Exploring the relationship between traditional SERPs and Gen AI search
raygrieselhuber
PRO
2
4.2k
Groundhog Day: Seeking Process in Gaming for Health
codingconduct
0
260
Dealing with People You Can't Stand - Big Design 2015
cassininazir
367
27k
Chasing Engaging Ingredients in Design
codingconduct
0
250
Fantastic passwords and where to find them - at NoRuKo
philnash
52
3.8k
The Hidden Cost of Media on the Web [PixelPalooza 2025]
tammyeverts
2
410
Transcript
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 プロダクトマネジメントの分業が生む「デリ バリーの渋滞」を解消するTPMの越境 pmconf 2025, 2025-12-04 MIKAMI Koji,
株式会社リクルート TPM
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 • 三上 光司(MIKAMI Koji) • 所属: スタディサプリ
for SCHOOLのテクニカルプロダクト マネージャー(TPM) • 経歴: ソフトウェアエンジニア → TPM 自己紹介
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 スタディサプリ for SCHOOL について
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 • スタディサプリ for SCHOOLのPM組織の分業体制を紹介 ◦ プロダクトマネジメントの分業には多くのメリットがあります ◦
一方、価値提供までのスピードに課題が生じることがあります • この課題を解決するデリバリーリードという役割 • 実際に起こった3つの課題と解消策を実例を交えて紹介 この発表で伝えたいこと
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 本発表で主に対象とする方・話さないこと 本発表で主に対象とす る方 話さないこと • PM組織や役割分担に課題や興味がある方 •
TPMという役割やプロダクトデリバリーをリードすることに関 心のある方 • エンジニア出身のPM • PjMはPMなのか • スタディサプリ for SCHOOL 以外の当社のプロダクト・組織 について • 詳細なスクラム開発手法やアジャイル実践例 • 当社の評価・人事制度
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 Agenda | 01 02 03 04 スタディサプリ
for SCHOOLのPM組織・分業について プロダクトデリバリーをリードする 分業が招いた3つの課題と解消方法 まとめ: 分業を分断にしないための3つのアクション
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 01 スタディサプリ for SCHOOL のPM組織・分業について
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 プロダクトマネジメントを3つの職 能別で分業している • Market (PMM): 市場理解・ 戦略
• Product (PdM): UXデザイ ン • Tech & Execution (TPM): 技術実現・計画実行 PM組織の分業体制 ※画像はGoogle Geminiで生成したものを利用しています。
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 PMの分業化によるメリット 1. 専門性の最大化 • 人が増えるほど多くのプロ ジェクト・施策を扱うリソー スを確保できる
• 職能別に最適な人員アサイ ンと増強を行い、スケール メリットを享受できる 2. 複雑な課題への対応力向上 • プロダクトが成長するほ ど、「フルスタックPM」が全 領域を高水準でカバーする のは現実的でなくなる • 専門家が責任を持って担 当することで、知識やノウ ハウの蓄積が進む 3. リソース効率の増加 • チーム全体で多角的な視点 を持つことができ、複雑な 課題をチームで解決できる
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 • 一方、分業は調整コストと意思決定の負荷が増える • 技術的な実現性や顧客価値のすり合わせが難しい 😥PMの分業が生む「デリバリーの渋滞」 仕様の Fixまだですか?
これ決まらな いと開発に入れません デザインのC案、技術的に厳しいです。 代替案の判断お願いします APIのレスポンス定義、 誰に確認すれ ばいいですか? クライアント要望で 要件追加したいん だけど、間に合う? で、最終的な意思決定は誰がするの? この前決まった要件だけど、 NG出まし た。再検討必要です。
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 分業の隙間を埋める存在が必要
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 02 プロダクトデリバリーをリードす る
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 • 特定の工程(開発)だけでなく 「企画(Entry)」から「提供(Exit)」 まで 全 工程をスコープとし全体最適を推進する •
今回はTPMとしてやっている事例だが、組織によってPjMやEMなどが 担うこともある デリバリーリードとは
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 なぜTPMがやるのか? プロダクトマネジメント • 実行フェーズへの介入 • 「どう進めるか(How)」の プロセス効率化
• プロセスを効率化し、計画 通りの進行・仕組み作りを 担う プログラムマネジメント • 企画フェーズへの介入 • 「なぜやるのか(Why)」の 言語化 • 「何を作るか(What)」の技 術的実現性と価値の判断 • 企画段階で技術的実現性 を見極め、価値と技術のバ ランスを取る プロジェクトマネジメント • 組織フェーズへの介入 • 複数のプロジェクト・チーム が絡むため「どう合意する か(Who)」が重要 • 組織全体の整合・依存関係 を解決し、合意形成をリー ド 企画からプロダクト開発まで深く関わるのはTPMだけ
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 03 分業が招いた3つの課題と解消 方法
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 分業が生んだ3つの課題 1. 意思決定の遅延 • 人が増えているのにいつま でも要件定義が終わらな い
• 仕様未確定で流れが止まり 開発が待ちになってしまう 2. コンテクストの分断 • PMが複数いると最終的な 意思決定を誰がするのか わからなくなる • 複数PM間の合意形成が複 雑化し、判断が止まりやす くなる 3. フローの停滞 • 要求事項がPdM・TPM間 で伝わりにくい • サイロ化により、ユーザーイ ンサイトや技術的な背景な どの情報が連携されない
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 1. 意思決定の遅延 【視点】 【課題】 • プログラムマネジメント •
プロジェクトマネジメント • PMが複数いると要求・要件定義や仕様策定をしても最終的な 意思決定を誰がするのかわからなくなる • 複数PM間の合意形成が複雑化し、判断が止まりやすくなる
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 実行責任や説明責任を整理するためRACIチャート[1]をプロジェクトに導入 • R: Responsible(実行責任者) • A: Accountable(説明責任者・最終決定者)
• C: Consulted(相談される人) • I: Informed(報告を受ける人) ※意思決定に特化する場合はRAPIDやDACIも有効ですが、今回は実行責任の明確化も重 視してRACIを採用しました 【アクション】 RACIチャートを導入し各プロセスの責 任の明確化 [1] RACI チャートの理解と使い方, https://www.atlassian.com/ja/work-management/project-management/raci-chart
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 タスク名 PdM TPM UIデザイナー エンジニアリン グチーム QA
要求定義 (PRD 作成) R, A C C I I 要件定義 C R, A C C I UIデザイン A C R C I システム設計 I A I R I 開発 I A I R I テスト設計・実 行 I A I C R 移行・リリース C A I R C
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 • before ◦ 体制図・会議体を用意しコミュニケーション場所や意思決定の場所は 決まっているはずだった ◦ 実際は他のステークホルダーが意思決定権を持っていた
• After ◦ RACIチャートを導入して、説明責任者・最終決定者がはっきりしメン バー内の認識齟齬がなくなった ◦ 何を成果物とし、何の責任を負うのかのすり合わせが行われた 【事例】 あるプロジェクトで、意思決定者が誰かわか らず要件定義や仕様策定が停滞
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 2. PdM・TPM間のコンテクストの分断 【視点】 【課題】 • プロダクトマネジメント •
PM間の連携 • 情報のサイロ化 • 「言葉が通じない」問題 • 前提知識が揃わず手戻りが発生
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 PRDテンプレートの導入 • 異なるチーム間でも同じPRDフォーマットを用意することで、PdM・TPM 間の共通言語を策定 • コンテクストの同期が可能に •
チーム外のメンバーもレビューしやすくなる 【アクション】 プロトコルをデザインする
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 型はできたがPMの成熟度やスキル・案件特性によって 「そもそも何を書けば いいかわからない(書けない)」 問題が発生 • ユーザー理解が不足 •
技術的な基本理解が必要 結果的にPRDの作成が停滞することも。。 【事例】 新たな課題: 「PRD書けない」問題
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 • プロジェクト・案件・施策ごとにPdMとTPMを必ずアサインする運用に変 更 • 相互にPRDの作成や要件定義をフォローすることで、技術とプロダクトデ ザインの専門性を活かしつつ補い合う体制に 【アクション】
PdM・TPMのダブルアサイン・相互 フォロー
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 3. フローの停滞 【視点】 【課題】 • プロダクトマネジメント •
プログラムマネジメント • プロジェクトマネジメント • 組織構造 • AI時代は開発以外の工程にボトルネックが移る • 「たとえば、開発作業の90%をAIエージェントで10倍速くでき たとしても、残りの10%(要件定義、設計判断、レビューなど)が 元のままなら、全体の処理時間は約5倍にしかなりません。」[2] [2] 広木大地『AIエージェント 人類と協働する機械』(リックテレコム、2025年)
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 【アクション】 フィーチャーチームへの移行 ※画像はGoogle Geminiで生成したものを利用しています。
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 • これまでも機能別でPdM・TPMの関係性はあった • コンポーネントチームではプロセス間での伝達・調整コストがかなりかかっ ていた • 新規開発・エンハンス・負債解消などの案件別フィーチャーチームを構成
• フロー効率が向上し、これまでなら納期遅延が懸念された案件も着実に進 められるようになった フィーチャーチームを部分的に適用した結果
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 04 まとめ: 分業を分断にしないた めの3つのアクション
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 • 意思決定の遅延 ◦ 「誰が決め、誰が実行するか」の説明責任を明確にする • コンテクストの分断 ◦
プロトコルをデザイン(PRDなど)したり、共同作成し相互の視点を補 完し合う • フローの停滞 ◦ コンポーネント単位ではなく、価値提供単位のフィーチャーチームで 調整コストを減らす 分業を分断にしないための3つのアクション
pmconf 2025, 「プロダクトマネジメントの分業が生む「デリバリーの渋滞」を解消するTPMの越境」 価値提供の速さは価値です