Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
kube-scheduler: from 101 to the frontier
Search
sanposhiho
October 10, 2024
1
120
kube-scheduler: from 101 to the frontier
Kubernetes Meetup Tokyo #67
https://k8sjp.connpass.com/event/330635/
sanposhiho
October 10, 2024
Tweet
Share
More Decks by sanposhiho
See All by sanposhiho
A Tale of Two Plugins: Safely Extending the Kubernetes Scheduler with WebAssembly
sanposhiho
0
100
人間によるKubernetesリソース最適化の”諦め” そこに見るリクガメの可能性
sanposhiho
2
1.9k
Don't try to tame your autoscalers, tame Tortoises!
sanposhiho
0
650
メルカリにおけるZone aware routing
sanposhiho
2
970
A tale of two plugins: safely extending the Kubernetes Scheduler with WebAssembly
sanposhiho
1
440
メルカリにおけるプラットフォーム主導のKubernetesリソース最適化とそこに生まれた🐢の可能性
sanposhiho
1
790
MercariにおけるKubernetesのリソース最適化のこれまでとこれから
sanposhiho
8
3.9k
The Kubernetes resource management and the behind systems in Mercari
sanposhiho
0
310
Goにおけるアクターモデルの実現に 向けたライブラリの設計と実装
sanposhiho
5
2.3k
Featured
See All Featured
The Web Performance Landscape in 2024 [PerfNow 2024]
tammyeverts
2
290
Save Time (by Creating Custom Rails Generators)
garrettdimon
PRO
28
900
RailsConf 2023
tenderlove
29
940
Principles of Awesome APIs and How to Build Them.
keavy
126
17k
What’s in a name? Adding method to the madness
productmarketing
PRO
22
3.2k
Evolution of real-time – Irina Nazarova, EuRuKo, 2024
irinanazarova
5
450
Six Lessons from altMBA
skipperchong
27
3.5k
Stop Working from a Prison Cell
hatefulcrawdad
267
20k
No one is an island. Learnings from fostering a developers community.
thoeni
19
3k
Designing on Purpose - Digital PM Summit 2013
jponch
116
7k
Easily Structure & Communicate Ideas using Wireframe
afnizarnur
191
16k
We Have a Design System, Now What?
morganepeng
51
7.3k
Transcript
Kube-scheduler: from 101 to the frontier Kensei Nakada (@sanposhiho)
本日の目標 SIG-Scheduling は最近特に大きな機能追加をしていません。
本日の目標 SIG-Scheduling は最近特に大きな機能追加をしていません。 だからと言ってサボっているわけではなく、 内部で色々な改善を行っているわけです。
本日の目標 SIG-Scheduling は最近特に大きな機能追加をしていません。 だからと言ってサボっているわけではなく、 内部で色々な改善を行っているわけです。 色々大きな内部の改善をやってきているのですが、理解には Schedulerの深めの知識が 必要であり、あまり日の目に浴びることはない ...
本日の目標 SIG-Scheduling は最近特に大きな機能追加をしていません。 だからと言ってサボっているわけではなく、 内部で色々な改善を行っているわけです。 色々大きな内部の改善をやってきているのですが、理解には Schedulerの深めの知識が 必要であり、あまり日の目に浴びることはない ... このセッションは、最近私たちがやっていることを周辺知識を全て拾いながら
解説していくことで、 皆さんも知識が深まりハッピー、僕も自慢できてハッピーを目指すセッションです
Hello! こんにちは ! 👋 Kensei Nakada (@sanposhiho) • Software Engineer
@ • Kubernetes maintainer (SIG-Scheduling approver, SIG-Autoscaling) • Kubernetes contributor award 2022, 2023
Image Locality Taint/Toleration Kubernetes Scheduler SchedulerはPodをどのNodeで実行するか決めるコンポーネント Resource Ports NodeAffinity PodAffinity/AntiAffinity
etc etc… Many factors to consider…
Scheduler Plugins 各Scheduling制約はPluginとして実装されている Image Locality Plugin TaintToleration Plugin Resource Fit
Plugin NodePorts Plugin NodeAffinity Plugin Inter-Pod Affinity Plugin etc etc… Kubernetes scheduler consists of many plugins:
Scheduling Framework Schedulerの基礎となるフレームワーク こいつがPluginなどを良きタイミングで実行してくれている Filter Podを実行できないNodeを除外 する (リソース不足、NodeAffinityに 反する、etc) Score
Nodeに点数をつけて最もその Podを実行するに好ましいNode を最終決定 (Image locality, etc)
None
× × それぞれのPluginが何かしらの観点でNodeをフィ ルタリングする
× × 12 残ったNodeに対して、それぞれのPluginが何かし らの観点でNodeをスコアリングする
80 60 × × 13 最終的にNode2が選ばれる
Scheduling Framework More extension points actually…
Scheduling Framework Scheduling cycle: SchedulerがPodをどのNodeで動かすか決定す るフェーズ。 Podを1つ1つ処理していく。
Scheduling Framework Binding cycle: API serverにScheduling結果を伝える。 goroutineで非同期に実行される。
The recent developments • 最近は大きな機能の追加などを行なっていない ◦ KEPもv1.28スタートのQueueingHint (後述) が最後 •
内部ではPerformanceの改善に集中
Performance matters! • Schedulerは基本的にクラスター内に1つだけ ◦ Scheduling ThroughputがクラスターのPod作成速度よりも下回るとスケジュールされてない Podが溜まっていってしまう。 ◦ アップストリームでは全てのシナリオで
300 Pods/s以上キープを目標にしている。 scheduler-perf(後述)で計測。 • Scheduler のパフォーマンス改善は複数のエリアにまたがる ◦ Scheduling Framework自体のパフォーマンス ◦ Pluginのパフォーマンス ◦ Requeueingの正確性 (scheduling cycleの無駄使いを減らす)
Scheduling Framework 前述のようにBinding Cycleは非同期で実行され る&ほぼAPIを呼び出すだけなため、 パフォーマンス改善的にはあまり関係ない。 Binding cycleに辿り着くまでの時間を短縮した い。
Scheduling Framework Scheduling cycleはPodを1つ1つ処理していくた め、パフォーマンスへの影響が大きい 。
パフォーマンス改善 1: Scheduling Cycle Pod1つあたりのSchedulingにかかる時間を減らす • Plugin自体の処理効率を上げる ◦ 事前に計算できる部分は PreXXXXに処理を移す
• FrameworkのInterfaceに手を加えてより効率的にPluginが動けるようにする ◦ PreFilterResult: 複数のNodeをPreFilter時点で除外できるようにする ◦ Skip: 不要なPluginはその後の拡張点で呼ばれないようにする • PreemptionのAPIの呼び出しを非同期に (KEP-4832, 計画中未実装)
パフォーマンス改善 1-1: plugins Plugin自体の処理効率を上げるために、 PreXXXXを活用した事前処理を行う。 • PreFilterはScheduling cycle中に一度だけ呼び出され、 Filterを実行する前に共通の事前計算を行える •
FilterはそれぞれのNodeに対して実行されるため、 できるだけ事前計算できる部分は PreFilterに移動した方が効率が良い
この例だと、 FilterAは4回、FilterBは3回呼び出 される。 実際にはPreFilterA/BがFilterA/Bの呼び出し 前に一度実行されるので、 そこで共通の事前計算を行う。
パフォーマンス改善 1-2: framework • PreFilterResult: 複数のNodeをPreFilter時点で除外できるようにする ◦ 例: metadata.nameに対するNodeAffinityがPodに指定されている時、PreFilterの段階で、その指 定Node以外を除外できる
• Skip: 不要なPluginはその後の拡張点で呼ばれないようにする ◦ 例: NodeAffinityを持っていないPodのSchedule中、NodeAffinityを呼び出す必要はない → NodeAffinity#PreFilterがSkipを返すことでFilterが呼ばれなくなる
Scheduling Framework Scheduling cycleはScheduling QueueからPodを 1つずつ取り出してScheduleしていく
Scheduling Framework Filterの結果どのNodeもPodを受け入れること ができない場合もある このPodどこにも行けへんわ ...
Scheduling Framework とりま一旦Queueに戻ってもろて 優先度低いPodを殺したらこいつ Scheduleできるんちゃう...? (Preemption)
Preemption 優先度の高いPodがScheduleできなかった場合、 優先度の低い既存のPodを殺すことでScheduleできる可能性を探る。 Node1 high-priority-Pod Node1上のpod2つ殺したら、 俺入れるかもしれんな ...
Preemption 優先度の高いPodがScheduleできなかった場合、 優先度の低い既存のPodを殺すことでScheduleできる可能性を探る。 Node1 high-priority-Pod 殺しちゃお。 これで次のScheduling cycleで 俺はNode1行けるはずやで ❌
❌ Pod deletion
パフォーマンス改善 1-3: preemption (WIP) Preemptionが発生する場合、Pod削除などのAPI呼び出しの部分で時間がかかってしま い、全体のScheduling throughputに影響が出る。 Binding cycleを非同期に実行しているように、 PreemptionのAPI呼び出し部分も非同期に行って、他の
PodのSchedulingをブロックしない ようにしたい (KEP-4832として議論中)
Scheduling Framework Preemptionを試みたのち、 PodはScheduling Queueに戻され、リトライを待 つことになる とりま一旦Queueに戻ってもろて 優先度低いPodを殺したらこいつSchedule できるんちゃう...? (Preemption)
Scheduling Framework Preemptionを試みたのち、 PodはScheduling Queueに戻され、リトライを待 つことになる とりま一旦Queueに戻ってもろて 優先度低いPodを殺したらこいつSchedule できるんちゃう...? (Preemption)
このPodはいつスケジューリングのリトライをすべき?? 🤔
パフォーマンス改善 2: 無駄なSchedulingを減らす Scheduling cycleはPodを1つ1つ処理していくため、無闇にPodのSchedulingはリトライして はいけない。 無駄打ちのScheduling cycleが増えるほど全体のThroughputが落ちる...
パフォーマンス改善 2: 無駄なSchedulingを減らす Scheduling cycleはPodを1つ1つ処理していくため、無闇にPodのSchedulingはリトライして はいけない。 無駄打ちのScheduling cycleが増えるほど全体のThroughputが落ちる... 次のSchedulingでScheduleされる見込みがある場合のみリトライしたい。
Scheduling Queue Schedule待ちのPodはScheduling Queueにて待機させられる。 内部は3つの待機場所に別れている: • ActiveQ: Schedule待ちのPodたち • BackoffQ:
Backoff中のPodたち。Backoff終了後ActiveQへ移動される。 • Unschedulable Pod Pool: 待機中のPodたち
Scheduling Queue さっきのPodは一旦Unschedulable Pod Poolに 戻されることになる。
Scheduling Queue 「どのPlugin(s)のせいでこのPodは Unschedulableになったのか」が記憶される
Scheduling Queue ResourceFitが記録されている場合、 新しいNodeの作成によってこのPodは Schedulableになるかもしれない EventHandlerを通して クラスター上のリソースの 作成/変更/削除を監視している
Nodeの追加を検知したタイミングでPodを移動 する。 NodeAdd Node追加されたし ResourceFitに弾かれたこのPod 今ならScheduleできるかもなぁ
PodはbackoffQを通って、ActiveQに移動され、 順番が来たらScheduling cycleへ... NodeAdd Node追加されたし ResourceFitに弾かれたこのPod 今ならScheduleできるかもなぁ
意味のないNodeAddだったらどうする..? 例: Podは8CPU欲しいのに、追加されたNodeは4CPUしか持っ てない NodeAdd
KEP-4247: QueueingHint どのClusterEventでPodをRequeueするか問い合わせることで正確なリトライを行う 例: NodeAdd or Updateが発生した時にisSchedulableAfterNodeChangeが呼び出される。 isSchedulableAfterNodeChangeがそのNodeAdd/UpdateでPodをQueueすべきか否かを決定する。
ResourceFit PluginのQueueingHintが実際に追 加されたNodeを確認する NodeAdd QueueingHint この追加されたNodeは 十分大きいリソース持ってるので PodをQueueしよう!
ResourceFit PluginのQueueingHintが実際に追 加されたNodeを確認する NodeAdd QueueingHint この追加されたNodeは Podに対してリソース小さすぎるので Podはunschedにキープ! ❌
パフォーマンス改善 2: 無駄なSchedulingを減らす QueueingHintによって、Queueのタイミングをより正確に決定できるようになった 2つのメリット • 無駄なScheduling cycle消費が減る。
パフォーマンス改善 2: 無駄なSchedulingを減らす QueueingHintによって、Queueのタイミングをより正確に決定できるようになった 2つのメリット • 無駄なScheduling cycle消費が減る。 • Podが受けるBackoffの時間が短くなる。 ←
🤔
[復習] Scheduling Queue Schedule待ちのPodはScheduling Queueにて待機させられる。 内部は3つの待機場所に別れている: • ActiveQ: Schedule待ちのPodたち •
BackoffQ: Backoff中のPodたち。Backoff終了後ActiveQへ移動される。 • Unschedulable Pod Pool: 待機中のPodたち
BackoffQ…? そもそもなぜBackoffQが必要なのか? • Schedulerにおける、BackoffとはScheduling cycleを浪費した罰である ◦ Scheduling cycleを浪費すればするほどその PodのBackoffは長くなっていく •
特定のPodがScheduling cycleを浪費しまくって、他のPodのSchedulingが遅れるのを 防ぐために必要
パフォーマンス改善 2: 無駄なSchedulingを減らす QueueingHintによって、Queueのタイミングをより正確に決定できるようになった 2つのメリット • 無駄なScheduling cycle消費が減る。 • Podが受けるBackoffの時間が短くなる。
◦ ↑ QueueingHintは無駄なScheduling cycleの浪費を減らすことは、 PodがBackoffを受ける回数を減らす(時間も短くする)ことにもなる
その他: scheduler-perf アップストリームで使用しているパフォーマンステスト。 perf-dash.k8s.io を見にいくとコミットごとに結果がグラフ化されている。
その他: scheduler-perf アップストリームで使用しているパフォーマンステスト。 perf-dash.k8s.io を見にいくとコミットごとに結果がグラフ化されている。
その他: scheduler-perf アップストリームで使用しているパフォーマンステスト。 perf-dash.k8s.io を見にいくとコミットごとに結果がグラフ化されている。 • テストケースごとに閾値を決めて、 Throughputが閾値を下回ったらメンテナにメー ルを飛ばす ◦
今までデグレを見逃しまくってきた過去あり • Queueing周りのテストケースを増やす (QueueingHint向け)
その他: scheduling queueのロック改善 • Scheduling Queueは1つのロックを使用して排他制御していた • QueueingHintの導入等でQueueがイベントの処理にかかる時間が増加 ◦ イベント処理中もロックは取りっぱなし
• Scheduling cycleがQueueからPodを取り出す時にもロックが必要 → イベント処理がロックを取りまくるせいで Scheduling cycleの開始が妨害されThroughput が低下
その他: scheduling queueのロック改善 内部で使用するロックをいい感じに分割しまくることで、イベント処理が Scheduling cycleを 阻害しないように改善。 今までで一番難しい PRレビューだったかも。 絶対Deadlockとかやらかすわ、と思ってたけど、
意外と問題は起こらなかった (今のとこ)
THANK YOU!