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サイバーエージェントにおけるAI推進戦略と変革への取り組み

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 サイバーエージェントにおけるAI推進戦略と変革への取り組み

AWS Summit Japan 2026登壇資料

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shotaTsuge

June 26, 2026

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  1. 2 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 柘植 翔太 経歴 2014年新卒入社。インフラエンジニア、SREとして、Ameba、AWA、社内基

    盤など50以上のメディアサービス・システムへの技術支援、SRE推進、リスク 改善、サービス立ち上げなどを経験。2022年より、横断SRE組織を事業化し、 メディア事 業 外へのSRE支 援も推 進。2023年より、SRE領 域のCyberAgent Developer Expert認定。著書に『SREの知識地図』。 近年は、サイバーエージェントグループ全体のAI活用推進へも注力している。 CTO統括室 メディア統括本部サービスリライアビリティグループ責任者 兼 SRE TSUGE SHOTA 00 自己紹介 @shotaTsuge https://ca-srg.dev
  2. 3 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 00 Introduction 本セッションの内容 「エンジニアと

    AI が協働する開発組織」を目指すサイバーエージェントの AI 活用推進戦略と AI 駆動開発へと変革させるための取り組みについて話します。 本セッションで話すこと AI の急速な変化に適応していくために、常にブラッシュアップを行っているので、 あくまで参考の一つとして捉えていただけると幸いです。 また、特定の事業での取り組みについては話しません。 本セッションでの注意
  3. 6 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 01 サイバーエージェントとAI技術の歩み 会社概要 21世紀を代表する会社を創る

    VISION 新しい力とインターネットで 日本の閉塞感を打破する PURPOSE 80社以上の連結子会社があり、 様々な事業を展開
  4. 7 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 主な事業領域 01 サイバーエージェントとAI技術の歩み 2025

    統合報告レポートより メディア&IP事業 新しい未来のテレビ「ABEMA」やAmebaブロ グ、競輪サービスのWINTICKETなどtoC領域 を中心に運営。近年ではIP事業にも力を入れ、 原作からマネタイズまで一気通貫できる体制を 構築中。 ゲーム事業 大ヒットスマートフォンゲームを多数開発・運用。 今後は、グローバル展開へも注力。 インターネット広告事業 サイバーエージェントの祖業。国内トップシェ アの販売力と運用力。AIがもたらす構造変化を 成長機会とし、新たな広告手法開発へ投資、進 化を続けている。
  5. 8 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 01 サイバーエージェントとAI技術の歩み 全社でAIに向き合う 2025

    統合報告レポートより AI研究組織 立ち上げ AI Lab発足 極シリーズ 提供開始 全社推進開始 ギアチェンジ 広告領域でのAI活用を中心に 知見・ノウハウを積み上げ ・AI Lab ・AI事業本部(広告事業におけるAI活用) FOUNDATION 2023年から本格的に 全社活用開始 ・独自の日本語LLMを一般公開 ・AIの活用を全社の競争優位性に ・組織 /リスキリング/ 制度を整備 SCALE 2025年 「さらにギアをチェンジ」 ・AIと事業成果の接続をより強く ・AI番付など“可視化”を導入 GEAR CHANGE 2016 2020 2023 2025〜 2014 ★ ChatGPT 登場
  6. 10 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 01 サイバーエージェントとAI技術の歩み 生成AIを活用する企業と そうでない企業では数年後に

    大きな差がつく 社内向けの藤田社長(当時。現会長)インタビューより 技術担当役員 長瀬 CA Developers Conferenceより 2022年末、ChatGPTの登場
  7. 11 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 01 サイバーエージェントとAI技術の歩み 2023年〜2024年:活用の基盤作り・専門組織の発足 2023年4月にver.1を公開。データ管理

    やAIツール特有のリスクなどを記載し、 生成AIを「徹底的に活用する」ための最 低限のルール・指針を定めたもの。現在 も、技術の進化や環境変化に伴い常に アップデートを続けている。 生成AI利用ガイドライン 最低限のルール整備 2023年10月設立。AIの活用を競争優位 性にするための専門組織。20名規模の 専任の開発メンバーが在籍し、プロダク ト開発や事業部へのAI導入支援、活用基 盤の整備など、全社に向けて幅広く活動 している。 AIオペレーション室 実行推進専門組織 役員を含む6,300名(実施時社員の 99.6%)が受講完了。オリジナル解説動 画+e-learningテスト形式。組織ごとに 合格率を公開するなど、誉感と焦りを演 出し、全社一丸となって取り組むムード を作った。 生成AI徹底理解リスキリング 全社員基礎知識インプット
  8. 12 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 01 サイバーエージェントとAI技術の歩み 各事業部でのAI活用における取り組みをブースとポスター発表 形式で持ち寄った1dayイベント。職種問わず役員を含む1000人

    以上が現地参加し、事業部を超えた知見共有と、新たな連携や シナジー創出に向けた交流が数多く生まれた。2026年も実施。 AI Fes. AI技術集結の祭典 エンジニアを対象に、1人あたり$200/月のAIエージェント導 入費用をサポート。個人のAIスキル向上のために、様々なツー ルを気軽に試せる制度を用意している。 開発エージェント導入支援 開発生産性へ投資 2025年:ギアチェンジのためのシナジー創出・利用環境強化
  9. 14 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 02 AI推進戦略とロードマップ AIを武器に、事業インパクトに直結する成果を出すエンジニアを育成 2028年、開発向けAIエージェントが普及

     ① 開発生産性:(既存)2〜3倍(新規)3〜5倍に  ② ミドルクラスの開発業務の7〜8割を代替 引用元 https://www.cyberagent.co.jp/way/list/detail/id=32624 CA BASE VISION 2025 3年後の未来予想
  10. 15 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 02 AI推進戦略とロードマップ 新ビジョン /

    中期目標 AIドリブン エンジニアとAIが協働し、 素晴らしいプロダクトを 共創する開発組織へ 引用元 https://www.cyberagent.co.jp/way/list/detail/id=32624 プロダクト開発チーム 「AI成熟度」 2028年 Level4 到達 要件策定から本番環境への展開まで、 開発プロセスを完全に自動化
  11. 16 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 02 AI推進戦略とロードマップ L1 Level

    L5 AI Development Teams L4 PRD to Production / AI Software Engineer 要件策定から本番環境への展開まで、開発プロセスを完全に自動化 L3 Project-level Generation / Ticket to PR / Prompt to UI プロジェクトレベルの自動化(初期段階)、開発プロセスの複数のステップを自動化 L2 Task-level Code Generation / Ticket to Code / IDE with Chat タスクレベルのコード生成 Code-level Completion コード補完 High-level Approaches 引用元 https://prompt.16x.engineer/blog/ai-coding-l1-l5 プロダクト開発チーム「AI成熟度」
  12. 18 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved AI活用を推進する組織設立 02 AI推進戦略とロードマップ AIドリブン推進室設立

    ビジョン エンジニアとAIエージェントが協働し、 革新的な開発組織へアップデートすると同時に、 次のAI時代でも活躍できるエンジニアへの 変革を支援する 引用元 https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=32271 エンジニアとAIエージェントが協働する時代に必要なリスキリングプログラムの実行、生産性可視化および評価、AI時代 に則ったキャリアラダーの策定、AI関連イベントの開催などを推進する専門組織。 AIドリブン推進室
  13. 21 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 把握・計測 ・AI活用状況の把握 ・開発生産性のトレンド把握 ・AI番付

    AIフレンドリー化 ポジティブな体験機会の創出 ・AI開発RTA ・AI Agent Arena ・AIナレッジ共有会 AIマスター化 AI駆動開発の理解と再定義 学習機会の創出 ・1Day AI駆動開発体験会 ・AI駆動開発 いいラーニング 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み 変革に向けて
  14. 22 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 把握・計測 ・AI活用状況の把握 ・開発生産性のトレンド把握 ・AI番付

    AIフレンドリー化 ポジティブな体験機会の創出 ・AI開発RTA ・AI Agent Arena ・AIナレッジ共有会 AIマスター化 AI駆動開発の理解と再定義 学習機会の創出 ・1Day AI駆動開発体験会 ・AI駆動開発 いいラーニング 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み 変革に向けて
  15. 23 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み 社内AI活用を見える化 社内向けの情報検索や業務効率化を支援する内製

    Chrome 拡張機能「CA Search」へ、ChatGPT / Claude など社内 で日常的に利用されているAIツール利用を可視化する機能を追加し、自分が社内でどれくらい活用できているかを把 握できるようにした。この機能自体も、OpenAI Codex と Claude Code を組み合わせて実装している。 ※ 本機能は、個人の評価を目的としたものではなく、AI活用状況の把握と学習機会の創出を目的としたものです。 AIエージェント別ランキング機能
  16. 24 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 開発生産性のトレンド把握 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み 技術経営視点で、全社、管轄、事業、職域などの分析したいスコープ毎の開発生産性のトレンドを把握する。

    過去5年分のGitHubのデータを集約し、「PRスループット」「PRサイクルタイム」「リバートレート」などを分析。 ※ 本グラフは、全社的な成果を示すものではなく、トレンドを継続的に把握するための仕組みの一例です。 GitHubの開発生産性計測
  17. 26 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI番付の定義 プロダクト開発チーム「AI成熟度」とマッピングする形で、7段階で番付を定義

    番付 AI活用Level 定義 横綱 L5 完全自動化(人間はビジネス判断のみ)、全社ロールモデル 大関 L4 開発プロセス全体(要件定義〜デプロイ)をAI自動実行 関脇 L3 開発プロセスの半分以上(要件定義〜テスト)をAIが自律実行 小結 L2(成熟) 開発プロセスの一部(複数ステップ連携、人間が各ステップで関与) 前頭 L2(初期) 開発プロセスの1〜2ステップ(特定タスク)をAIで自動化 十両 L1(成熟) コード補完・AIエージェント利用(チーム全体で日常化) 幕下 L1(初期) コード補完・AIエージェント利用(個人レベル)
  18. 27 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI番付の評価指標 ・AI利用範囲

    ・自動化の深さ ・人とAIの役割分担 ・ワークフロー統合・エージェント協調 ・成果(リードタイム/品質) ・インシデント対応・運用自律実行度 ・インフラ構築・環境管理自律実行度 ・目標・戦略・経営との整合 ・推進体制(責任者・チーム) ・ツール環境・ガイドライン ・チーム標準化 & ナレッジ共有 ・利用レベル(個人/チーム/組織) ・効果測定と改善サイクル ・全社への発信・ロールモデル性 ①エンジニアリング品質・技術成熟度 ②推進体制・技術文化 各観点に対しての収集した証左を元に、AIを活用し5段階で評価
  19. 29 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI番付の証左例 各事業の証左から確認された成果例

    ・仕様書作成工数70%削減 ・実装工数40〜50%削減 ・AIレビュー指摘数3〜4倍増 ①リードタイム短縮 ・監視業務10倍効率化(1,500 件/時間)、E2Eテスト500件 自動生成 ④コスト削減・業務自動化 ・開発ベロシティ2.1倍向上 ・モック制作3倍速、3ヶ月で 224個、月13人日の工数創出 ②生産性向上 ・既存事業を1/3に圧縮後も、 新規事業2ラインの同時開発を 継続 ⑤少人数化 ×成果維持 ・コードレビューカバレッジ 22.7%→79.3% ③品質向上 ・アプリの1画面を30分、低コ ストで実装する可能性を実証 ⑥先行事例
  20. 30 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI番付の今後のロードマップ 現在

    半年後 1年後 2年後 L2〜3 十両・小結 L3 小結・関脇 L3〜4 関脇・大関 L4〜5 大関・横綱 Level L5 L4 L3 L2 開発プロセスの特定タスクもしくは、複数ステップ連携を AIで自動化 開発プロセスの半分以上(要件定義〜テスト)を AIが自律実行 開発プロセス全体(要件定義〜デプロイ)を AI自動実行 完全自動化(人間はビジネス判断のみ)
  21. 31 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 把握・計測 ・AI活用状況の把握 ・開発生産性のトレンド把握 ・AI番付

    AIフレンドリー化 ポジティブな体験機会の創出 ・AI開発RTA ・AI Agent Arena ・AIナレッジ共有会 AIマスター化 AI駆動開発の理解と再定義 学習機会の創出 ・1Day AI駆動開発体験会 ・AI駆動開発 いいラーニング 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み 変革に向けて
  22. 33 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み 各事業部選抜チームが、2日間でゼロからプロダクトを作るハッカソン形式のイベント。 ①生産性

    ②品質 ③価値 の定性×定量からなる3軸で各アウトプットが評価される。 AI Agent Arena AI開発のベストプラクティス創出 → 事業部間の知見シェア・資産化
  23. 35 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 把握・計測 ・AI活用状況の把握 ・開発生産性のトレンド把握 ・AI番付

    AIフレンドリー化 ポジティブな体験機会の創出 ・AI開発RTA ・AI Agent Arena ・AIナレッジ共有会 AIマスター化 AI駆動開発の理解と再定義 学習機会の創出 ・1Day AI駆動開発体験会 ・AI駆動開発 いいラーニング 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み 変革に向けて
  24. 38 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI駆動開発の理解と再定義 1

    柔軟にワークフローを設計する 2 SMAV完了基準の設計 3 指導原則に従う 4 Human in the Loopを設計する AI駆動開発を理解し、サイバーエージェント向けに再定義する為の4要素
  25. 39 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI駆動開発の理解と再定義 柔軟にワークフローを設計する

    固定プロセス に縛られない 柔軟な深さ 人間の 監視の重視 AI駆動開発は、「固定プロセスに縛られない」「柔軟な深さ」「人間の監視の重視」の3つの原則に基づいて、意図 に応じてワークフローを動的に組み立てる。意図がステージの幅と深さを決める。 適応型ワークフローの3原則
  26. 40 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI駆動開発の理解と再定義 AI駆動開発の3つのフェーズとステージ

    フェーズ 問い 主な活動 ステージ例 Inception 何を・なぜ作るか AI が要件・ストーリー・Units of Work を提案 ワークスペース検出、リバースエンジニ アリング、要件分析、ユーザーストー リー作成、アプリケーション設計、 Units of Work 生成... Construction どう作るか AI が論理アーキテクチャ・コード・テ ストを提案 機能設計、NFR要件、NFR設計、インフ ラ設計、コード生成、ビルド&テスト... Operations どうデプロイ・運用するか AI が IaC(Infrastructure as Code)と デプロイメントを管理 IaC 生成、デプロイパイプライン、監視 ・オブザーバビリティ... AI駆動開発 は、3つのフェーズ間でコンテキストを構造化して明示的に引き渡すことで、従来の開発での要件→設計 →実装→運用とフェーズが進むたびにコンテキスト(背景知識・判断根拠)が失われがちな問題を軽減する仕組みを 持っている。 AI駆動開発
  27. 41 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI駆動開発の理解と再定義 固定プロセスに縛られない

    意図 通るステージ 理由 新規広告フォーマットの開発 要件分析 → ストーリー → 設計 → 実装 → テスト → IaC 複雑な機能、複数チーム連携 配信ロジックのパフォーマンス改善 要件分析 → 設計 → 実装 → テスト 既存機能の改善、ストーリー不要 ログ出力の追加 実装 → テスト 影響範囲が限定的、設計不要 SDK バージョンアップ 実装 → テスト → デプロイ 定型作業、最短パス プロジェクトの種類が違えば、必要なプロセスも異なります。AI駆動開発 は固定テンプレートを押し付けず、 AI が意図(Intent)の内容を分析してステージの組み合わせを提案し、チームが最終判断する。 E.g. 緊急バグ修正の場合は、Construction → Operations(Inception 最小化) 意図がワークフローを決める
  28. 42 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI駆動開発の理解と再定義 柔軟な深さ

    深さ 要件 設計 完了基準 深い深さ 例: 外部決済サービス連携 正常系+異常系+非機能要件 障害シナリオ分析+監査ログ SMAV+セキュリティレビュー +負荷テスト 中程度の深さ 例: API エンドポイント追加 ユースケース記述 インターフェース定義 SMAV 基準 浅い深さ 例: 5行のヘルパー関数追加 1文で記述 不要 テスト通過 ワークフローの幅(どのステージを通るか)だけでなく、各ステージの深さ(どこまで詳細に掘り下げるか)も適応 させる。これにより、軽量なタスクへの過剰プロセスも、複雑なタスクへの不十分なプロセスも回避できる。 深さを決めるのは人間。AI は意図の内容から深さを提案しますが、最終的な判断は Mob Elaboration や Mob Construction でチームが行う。 ステージの「幅」と「深さ」を調整する
  29. 43 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI駆動開発の理解と再定義 人間の監視の重視

    自動化が進むほど「人間が何もしなくてよい」と錯覚しがちであり、AI駆動開発 では、これを「プロセスの萎縮 (Process Atrophy)」と呼び、最大のリスクのひとつと位置づけている。 E.g. AIに丸投げ -> 人間が受動的に -> 品質・意図の劣化 AI に丸投げしない設計 各ステージで協働的な human-in-the-loop サイクルを要求し、3つの仕組みでプロセスの萎縮を防ぐ - フロー認識:自動化が人間の承認を追い越していないかを検知する - 監査可能性:AI が生成した全ての計画・成果物に根拠を示し、レビューを求める - チーム協働の促進:Mob セレモニーへの参加を明示的に求め、受動的な傍観を防ぐ 3つの仕組みは、「速度を落とすため」ではなく、AI の恩恵を最大化しながら品質を維持するため
  30. 44 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI駆動開発の理解と再定義 1

    柔軟にワークフローを設計する 2 SMAV完了基準の設計 3 指導原則に従う 4 Human in the Loopを設計する AI駆動開発を理解し、サイバーエージェント向けに再定義する為の4要素
  31. 45 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI駆動開発の理解と再定義 SMAV完了基準の設計

    属性 説明  不十分な基準例 SMAV に沿った基準例 Specific(具体的) 「何が」「どう動く」を明確に 「APIを作る」 「GET /api/v1/reports/{id} でレポートデー タを JSON で返す」 Measurable(測定可能) テストやメトリクスで判定できる 「速くする」 「レスポンスタイムが p95 で 200ms 以内」 Atomic(原子的) 分割可能な最小単位 「全エッジケースを処理」 「id が存在しない場合 404 を返す」 Verifiable(検証可能) 自動または手動で確認できる 「コードがきれい」 「ESLint エラー・警告ゼロ、単体テストカバ レッジ 80% 以上」 完了基準は「成功ケース」だけでは不十分。失敗ケースと品質ゲートも含めることで、AI が自律的に正しい実装を行 えるようになる。例として、失敗ケースはタイムアウト、不正入力、ネットワーク障害などがあり、品質ゲートはテ スト通過、型チェック、lintクリア、セキュリティスキャンなどが考えられる。 SMAV完了基準の3要素
  32. 46 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI駆動開発の理解と再定義 SMAV完了基準の例:レポート

    CSV ダウンロード機能 3要素 完了基準 成功ケース - GET /api/v1/reports/{id}/csv で対象期間のレポートが CSV 形式で返る - レスポンスヘッダーに Content-Disposition: attachment が設定される - 日次/月次の切り替えが period パラメータで可能 失敗ケース - 存在しない id の場合、404 を返す(500 ではない) - 集計対象データが 0 件の場合、ヘッダー行のみの CSV を返す - CSV 生成が 60 秒を超過した場合、504 を返し中間ファイルをクリーンアップ 品質ゲート - 単体テスト・結合テストが通過する - ESLint / Prettier エラーゼロ - TypeScript 型エラーゼロ - 10万行規模のデータで負荷テストが通過する 失敗ケースを明示すると、AI はエラーハンドリングやエッジケースの実装を自律的に行うことができ、品質ゲートを 明示すると、AI はテストやリントの通過を確認してからコードを提出する。 SMAV完了基準のポイント
  33. 47 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI駆動開発の理解と再定義 1

    柔軟にワークフローを設計する 2 SMAV完了基準の設計 3 指導原則に従う 4 Human in the Loopを設計する AI駆動開発を理解し、サイバーエージェント向けに再定義する為の4要素
  34. 48 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI駆動開発の理解と再定義 サイバーエージェント向けに原則を再整理する

    1. 後付けではなく再構想する 2. 会話の方向性を逆転させる 3. 設計技法を中核に組み込む 4. AIの能力に適合させる 5. 複雑なシステムの構築に対応する 6. 人間との協働を促進する要素は大切にする 7. 親しみやすさによって移行を促進する 8. 効率化のために責務を簡素化する 9. 工程を最小化し、フローを最大化する 10. 固定されたSDLCワークフローを持たない 1. 重複の排除 2. 方法論ファースト 3. 再現可能 4. 非依存 5. Human in the Loop AI-DLCを構成する 10の設計原則 実装に直結する 5つの指導原則 引用元 https://prod.d13rzhkk8cj2z0.amplifyapp.com/
  35. 49 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI駆動開発の理解と再定義 指導原則

     説明 日常での適用 重複の排除 信頼できる情報源は一箇所に 設定値・ドキュメント・仕様書は一箇所で管理 AI が参照する情報源を明確にする 方法論ファースト ツールではなく方法論。 インストール不要で始められる ツールが変わっても適用できるプラクティスを選ぶ ルールはツール固有設定(CLAUDE.md, .cursorrules 等)に加え、 チーム共通のドキュメント(Notion 等)にも書き、可搬性を確保する 再現可能 異なるモデルでも類似の結果 Intent や完了基準を構造化して書く 「Claude だとうまくいくが GPT だとダメ」な指示は改善する 非依存 特定のツール・モデルに縛られない IDE・AI モデル・CI ツールが変わってもプロセスが機能するよう設計する Human in the Loop 重要な判断に人間の確認を必須 デプロイ・データ変更・セキュリティに関わる操作は必ず人間が承認する 5つの指導原則を日常の判断基準として使う
  36. 50 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI駆動開発の理解と再定義 1

    柔軟にワークフローを設計する 2 SMAV完了基準の設計 3 指導原則に従う 4 Human in the Loopを設計する AI駆動開発を理解し、サイバーエージェント向けに再定義する為の4要素
  37. 51 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI駆動開発の理解と再定義 Human

    in the Loopを設計する パターン  適用場面 人間の負荷 品質保証 全件レビュー セキュリティ関連、初期段階、複雑な判断 高 最も確実 スコアベース 定型的な機能追加、テストが充実している領域 中 スコア基準の設計が重要 エスカレーション 大量の定型タスク、成熟したプロジェクト 低 AIレビューの品質に依存 AI がコードを書く速度は劇的に上がったが、人間のレビュー/承認が追いつかず、プロセスの萎縮が形骸化していく。 解決するためには、タスクのリスクと複雑さに応じて、Human in the Loop の関わり方を段階的に設計することが重要 になる。全件レビュー / スコアベース / エスカレーションの3パターンを、リスクに応じて使い分ける。また、Human in the Loopは、他の4つの指導原則とも連動する。 人間のボトルネック問題
  38. 52 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 03 AI活用推進の指標と変革への取り組み AI駆動開発の理解と再定義 AIが実装

    人間が 全件レビュー AI同士で 修正ループ 人間に エスカレーション 承認 / 差し戻し 自動スコアリング 人間がレビュー 自動承認 レビューAIが スコアリング 自動承認 スコアが高い+テスト通過 スコアが低い 合格 不合格 Human in the Loop 設計の3つのパターン N回通過 1.全件レビュー 2.スコアベース 3.エスカレーション
  39. 56 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 04 今後の展望 1 AI時代の育成フレームの開発

    AI時代のキャリアラダー、AIスキルマップ、組織再定義... 2 CA版AI駆動開発フレームワークの開発 クラウド型の提供、職域毎にカスタマイズされたフレームの提供... 3 Agentic Platformの設計・構築 AI-ReadyなPlatform、AI Observability、トークン管理… 4 Super Kitの開発 事業特有のコンテキストをInputすればAgentic AI化できるAIエージェント/Skill群
  40. 57 ©CyberAgent, Inc. All Rights Reserved 04 今後の展望 AIは自分の仕事を奪うのか? あなたが進化すれば、決してそんなことはない

    私たちが進化するにつれて、私たちの道具もまた進化しなければならない - Werner Vogels(Amazon CTO) ” 引用元 AWS re:Invent 2025 - Keynote with Dr. Werner Vogels