Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
研究・教育・産学連携の循環の実践
Search
Shohei SHIMIZU
October 17, 2023
Science
0
370
研究・教育・産学連携の循環の実践
2023年度統計関連学会連合大会, 京都
企画セッション: [5EAM1] (4)アカデミアと企業との共同研究
一部update
Shohei SHIMIZU
October 17, 2023
Tweet
Share
More Decks by Shohei SHIMIZU
See All by Shohei SHIMIZU
非ガウス性と非線形性に基づく統計的因果探索
sshimizu2006
0
480
Causal discovery based on non-Gaussianity and nonlinearity
sshimizu2006
0
210
統計的因果探索の方法
sshimizu2006
1
1.2k
Non-Gaussian methods for causal discovery
sshimizu2006
0
320
データで課題を解決する -因果関係を調べる統計的因果推論-
sshimizu2006
5
1.7k
統計的因果探索の概要と役割
sshimizu2006
0
2.3k
統計的因果探索とAI
sshimizu2006
1
2.4k
統計的因果探索: 領域知識とデータによる因果構造グラフの推測
sshimizu2006
4
3k
統計的因果探索: セミパラメトリックアプローチを中心に
sshimizu2006
3
1.3k
Other Decks in Science
See All in Science
Healthcare Innovation through Business Entrepreneurship
clintwinters
0
180
The Incredible Machine: Developer Productivity and the Impact of AI
tomzimmermann
0
450
How were Quaternion discovered
kinakomoti321
2
1.1k
局所保存性・相似変換対称性を満たす機械学習モデルによる数値流体力学
yellowshippo
1
140
【人工衛星】座標変換についての説明
02hattori11sat03
0
140
[第62回 CV勉強会@関東] Long-CLIP: Unlocking the Long-Text Capability of CLIP / kantoCV 62th ECCV 2024
lychee1223
1
800
Analysis-Ready Cloud-Optimized Data for your community and the entire world with Pangeo-Forge
jbusecke
0
120
【人工衛星開発】能見研究室紹介動画
02hattori11sat03
0
170
非同期コミュニケーションの構造 -チャットツールを用いた組織における情報の流れの設計について-
koisono
0
190
創薬における機械学習技術について
kanojikajino
13
4.8k
2024-06-16-pydata_london
sofievl
0
570
眼科AIコンテスト2024_特別賞_6位Solution
pon0matsu
0
240
Featured
See All Featured
Java REST API Framework Comparison - PWX 2021
mraible
28
8.3k
4 Signs Your Business is Dying
shpigford
182
22k
Navigating Team Friction
lara
183
15k
Build The Right Thing And Hit Your Dates
maggiecrowley
33
2.5k
It's Worth the Effort
3n
183
28k
Build your cross-platform service in a week with App Engine
jlugia
229
18k
Improving Core Web Vitals using Speculation Rules API
sergeychernyshev
3
170
Distributed Sagas: A Protocol for Coordinating Microservices
caitiem20
330
21k
Designing for Performance
lara
604
68k
Being A Developer After 40
akosma
89
590k
Large-scale JavaScript Application Architecture
addyosmani
510
110k
Understanding Cognitive Biases in Performance Measurement
bluesmoon
27
1.5k
Transcript
研究・教育・産学連携の 循環の実践 清水昌平 滋賀大学 データサイエンス学系 理化学研究所 革新知能統合研究センター 研究 教育 産学連携
2023年度統計関連学会連合⼤会, 京都 企画セッション: (4)アカデミアと企業との共同研究 ⼀部update
イントロ
滋賀大の取り組み n第4期中期目標・中期計画(2022年から2027年) • 社会共創機能の強化 • 研究・教育・産官学連携の循環 n私はデータサイエンス学系なので • DSに関する研究をして •
DSに関する教育をして • DSに関する産官学連携をして • それぞれ活かしながら、繰り返す • 学生を産学連携に入れる (PBL) 我が国・地域 社会の活性化 への貢献 社会からの 投資・外部資 ⾦獲得 教育研究の強 化・質の向上 社会との共創 機能の強化 3/16
自分の専門: 統計的因果探索 nデータを用いて因果グラフを推測するための方法論 n事前知識以外の手段 .BFEBBOE4IJNJ[V Ծఆ ਪଌ • ؔܗ
• • ະ؍ଌڞ௨ݪҼͷ༗ແ • ඇ८ճ PS८ճ ͳͲ σʔλ ҼՌάϥϑ 4/16
私の場合の循環 n私の専門は、統計的因果探索なので • 因果探索を軸に循環させて • 大学レベルでの取り組みに貢献 n専門に近ければ • 研究に活かしやすい (方法論研究のモチーフ)
• “社会”で使われてる方が学生も興味を持ちやすい • (あまり) “営業”しなくて済む・準備が楽 • (自分の・学生の)理論、方法、応用のバランスをよくできる n注 • 滋賀大DS全体で(52名)、広く受け入れている 4IJNJ[V ਗ਼ਫ 研究 教育 産学連携 5/16
因果探索に関する取り組み例 滋賀大学の関連組織: 一体となって推進 • 大学院データサイエンス研究科 • データサイエンス学部 • データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター (DSセンター)
滋賀大の産官学連携の大枠 (の例) n共同研究 • DSセンター助教とペア • 月1ミーティング • 週1作業規模 •
年単位 • 更新することもある n方法論 and/or 適用 n規模が大きくなるとセンター • 日本セーフティソサイエティ研究センター (あいおいニッセイ同和損害保険) • Data Engineering and Machine Learning セン ター (帝国データバンク) • 滋賀大学・日東電工デジタルイノベーション 研究開発センター n学術指導 (コンサル) • 教員1人で • 月1ミーティング • (事前準備は必要に応じて) • 数ヶ月から1年くらい • 更新することもある n方法論 and/or 適用 n規模が大きくなると研修プログラム • トヨタグループの人材育成道場 • 日野自動車データサイエンス塾など など n参考: DS研究科への派遣社会人 7
産官学連携: 私の場合 n製造業 • ソニーセミコンダクタマニュファクチャ リング (兼PBL) • デンソー •
アイシン • 日東電工 (共同研究センター設置) • 神戸製鋼所 (兼PBL) • 日本製鐵 • 東レ • 京セラドキュメントソリューションズ n官 • NISTEP (高山ら, 2021) (理研) n情報系 • 富士通 (Uemura et al., 2020; 2022) (理研) • 東芝 • SCREENアドバンストシステムソ リューションズ (Ikeuchi et al., 2023) • NTTコミュニケーションズ (Fujiwara et al., 2023) • NTTデータ n小売業 • 平和堂 (PBL) nそれ以外 • サスメド • キリン 基盤技術研究所 • ロックオン 適用寄りの連携がほとんど 8
方法論に関する共同研究や学術指導の例 nNTTコミュニケーションズ (2018-現在) • 機械学習モデルの予測メカニズムの解析 (AIの説明性) (Kiritoshi et al., 2021)
• 時系列の非線形因果探索 (Fujiwara et al., 2023) nDS研究科の派遣社会人として行うこともあり: デンソー・マクロミルなど 9/16
適用に関する共同研究や学術指導 n企業側: 課題やデータ n滋賀大: • 共同研究: 方法選びなど+分析作業 • DSセンター助教が分析作業 •
学生を雇用することも (拡大したい) • 学術指導: 方法選びなど • (分析作業は企業側) nDS研究科の派遣社会人として行うこともあり • 製造業や小売業、自治体から派遣 10/16
ソフトウェア開発に関する指導や相談 nPython package (Ikeuchi, Ide, Zeng, Maeda, Shimizu, 2023) •
https://github.com/cdt15/lingam MITライセンス • causal-learn (Zheng et al., 2023)にも提供 n商用ソフトに関する相談 • Causalas by SCREENアドバンストシステムソリューションズ • Node AI by NTTコミュニケーションズ • NTech Predict by neutral • Causal analysis by NEC 11/16
企業との共同研究をどう獲得したか? n教員(私)へ直接 (研究内容を調べて) (現状一番多い) n大学経由 • “営業” • 大学・研究科、学部、DSセンターページ •
OB・OG • 他の教員との共同研究が終わって 4IJNJ[V ਗ਼ਫ 12/16
企業との共同研究において何が楽しいか n(自分として)循環させられる n方法論寄り: 方法論研究が進む・適用しやすく n適用寄り: 勉強になる・事例・モチーフ • 連携を進めるに連れて、情報が増え理解も深まる nソフトウェア: 適用に使える
nチームで仕事する点 • 自分の専門分野以外のアイデア・考え方を知る • 自分ではできないこともできる • 卒業生・修了生が加わる 研究 教育 適⽤ 13/16
企業との共同研究において何が難しいか 滋賀大DSは組織的な対応をしているので「難しい」と感じる場面 は少ないが、あえて言うなら nエフォート20%とは: 個人差大 n企業の人の予備知識がわかりにくいこと n「会社」への説明 n特許関係 n自分がその時推し進めたいこととは限らない 14/16
アカデミア研究としての立ち位置と 産業での立ち位置のバランス n領域の科学者との連携と大きく違わない(と感じる) • (多くの場合) 相手が主 • 専門に近い範囲だからかも n論文にならなくても(できなくても)、”社会実装” 例として使
えることもある nユーザーを増やす試み 15/16
まとめ n研究・教育・産学連携の循環 • 大学レベルでの取り組み • その中で、自分としての貢献の仕 方: 因果探索を軸に循環 • 自分としても循環させたい時期
だった n専門の中で「得意技」があった 方が • コスト対効果もよい • (比較的)”営業”しなくてよい • 勉強にもなる n動機: ユーザーを増やすことが 方法論研究をする人や場所を増やす (たぶん) • 因果CREST (2022-2027) • NISTEP・サスメド (+京大医・国環研) 16/16 研究 教育 産学連携