Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

アプリケーションのリアーキテクチャ で開発生産性が上がった話

Avatar for sasaki sasaki
March 26, 2025

アプリケーションのリアーキテクチャ で開発生産性が上がった話

Avatar for sasaki

sasaki

March 26, 2025
Tweet

More Decks by sasaki

Other Decks in Technology

Transcript

  1. © DMM.com 自己紹介 2 • 名前: 佐々木 総(ささき そう) •

    所属: 合同会社DMM.com プラットフォーム開発本部 • 経歴: ◦ 2016年新卒入社 ◦ 不正防止システムの運用開発(4年) ◦ ログインシステムの自動テスト構築(1年) ◦ DMMヘルプセンターの運用開発(3年~) • 趣味 : アニメ、ゲーム • 好きな言葉 :  プログラムは思った通りに動かない、書いた通りに動く
  2. © DMM.com 18 ソースコードのあちこちにビジネスロジックが混在 • どこかを修正すれば他のどこかでバグが発生 • 検証作業やバグ修正対応で時間が取られて新規開発がで きない状態に...orz Controller

    (ビジネスロジック) Model (ビジネスロジック) DAO (ビジネスロジック) ビジネスロジック修正 Controller (ビジネスロジック) Model (ビジネスロジック) DAO (ビジネスロジック) バグ発生 バグ発生
  3. © DMM.com 20 設計不足 • 設計スキルの欠如 ◦ そもそもソースコードの何が悪いのか気づけていなかった • 最初に正しい設計をせずにコーディング作業を進めていた

    ◦ 仕様変更の度にコードがどんどん複雑化していった • バグを埋め込みやすい変更容易性が低い(品質が悪い)コード に なっていた
  4. © DMM.com 23 設計のプロフェッショナルに相談 • 設計の学び直し ◦ ミノ駆動さんのレクチャーを受けながら設計を再学習 ◦ システム改善後も、設計の良し悪しを判断できる力を習得したい

    • ソースコードのリアーキテクチャ ◦ MVCからドメインモデリングを活用したレイヤードアーキテクチャへ移行 ▪ MVCだとデータ更新時の制約がコントローラーやモデルに分散しやすい ◦ 変更容易性が高いコードを目指すならば時間をかけてでもリアーキテクチャした方 がいいと判断 以下の活動を通して品質の高いシステム再構築することになった
  5. © DMM.com 26 リアーキテクチャ • その後以下の流れでリアーキテクチャを進めた ◦ ユースケースの洗い出し ◦ ドメインモデリング

    ▪ イベントストーミングによるモデルの可視化 ◦ ドメインモデルを元に実装 ここから実例をまじえた少しだけ細かい話をしていきます🙇
  6. © DMM.com 33 ドメインモデリングを実施 イベントストーミングと呼ばれる手法でドメインモデルの可視化 • 付箋でイベントや時系列を整理 • モデルに対応する箱を準備 ◦

    この部分が実際にコードかされる • データを壊さないための制約(ビジネスロ ジック)を検討 ◦ どうやったらデータを壊せるか、 ユーザーが困るかを考える ex.カテゴリーの作成
  7. © DMM.com 40 コード改善後 • ビジネスロジック(制約)がドメインモデルに集約された Controller (ビジネスロジック) Model (ビジネスロジック)

    DAO (ビジネスロジック) ドメインモデル (ビジネスロジック) バラバラだったビジネスロジックを ドメインモデルに集約
  8. © DMM.com 41 コード改善後 • ビジネスロジック(制約)がドメインモデルに集約された • もし仕様変更があった場合でも修正範囲はモデル内にとどまる • 最初に制約を意識してドメインモデリングをしたので可能な限りバグを減

    らせる interface (リクエスト制御) infrastructure (データ永続化) ドメインモデル (ビジネスロジック) 修正 interface (リクエスト制御) infrastructure (DB永続化) ドメインモデル (ビジネスロジック) 影響なし 影響なし
  9. © DMM.com 48 まとめ • バグを減らすためにリアーキテクチャを実施し、コードの品質が向上した • その結果、開発生産性が向上し、特にレビュー時間の短縮が顕著だった • レビュー時間はコード品質の一つの定量的な指標になり得ると改めて実感

    • 反省点としてそのようなリアーキテクチャの効果を、事前に定量的に予測・検討し ながら進めるべきだったかもしれない... • 今後はFindy Team+などを活用し、コードだけでなくチーム全体の改善目標を定 量的に設定していきたい