Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
ソフトウェアフレームワークChoreonoidの ROS 2プラグインの設計と実装 / Des...
Search
yuki
September 25, 2024
Technology
0
170
ソフトウェアフレームワークChoreonoidの ROS 2プラグインの設計と実装 / Design and Implementation of ROS 2 Plug-in for Choreonoid
ROSCon JP 2024 での発表スライドです.
yuki
September 25, 2024
Tweet
Share
More Decks by yuki
See All by yuki
論文 Capturability-based Analysis and Control of Legged Locomotion を読む (Part 1) / Review on "Capturability-based Analysis and Control of Legged Locomotion (Part 1)"
ssryuki
1
410
はじめてのしつぎおうとう / Be Happy Together
ssryuki
2
1.3k
微分動的計画法の近年の動向:制約付き軌道計画問題へのアプローチ / A Survey of Constrained Differential Dynamics Programming
ssryuki
4
3k
制御理論講習会(古典制御論編1) / Classical Control Theory Seminar 1
ssryuki
3
1.8k
知能ロボコン出場機体 "Kaninchen" の製作 / Building the Robot named "Kaninchen" for inrof 2019
ssryuki
1
930
Other Decks in Technology
See All in Technology
FODにおけるホーム画面編成のレコメンド
watarukudo
PRO
2
280
Goで実践するBFP
hiroyaterui
1
120
2024年活動報告会(人材育成推進WG・ビジネスサブWG) / 20250114-OIDF-J-EduWG-BizSWG
oidfj
0
230
Git scrapingで始める継続的なデータ追跡 / Git Scraping
ohbarye
5
500
RubyでKubernetesプログラミング
sat
PRO
4
160
【Oracle Cloud ウェビナー】2025年のセキュリティ脅威を読み解く:リスクに備えるためのレジリエンスとデータ保護
oracle4engineer
PRO
1
100
新卒1年目、はじめてのアプリケーションサーバー【IBM WebSphere Liberty】
ktgrryt
0
130
KMP with Crashlytics
sansantech
PRO
0
240
駆け出しリーダーとしての第一歩〜開発チームとの新しい関わり方〜 / Beginning Journey as Team Leader
kaonavi
0
120
TSのコードをRustで書き直した話
askua
2
160
タイミーのデータ活用を支えるdbt Cloud導入とこれから
ttccddtoki
1
150
Godot Engineについて調べてみた
unsoluble_sugar
0
410
Featured
See All Featured
Designing on Purpose - Digital PM Summit 2013
jponch
116
7.1k
Building a Modern Day E-commerce SEO Strategy
aleyda
38
7k
Docker and Python
trallard
43
3.2k
The MySQL Ecosystem @ GitHub 2015
samlambert
250
12k
Designing for Performance
lara
604
68k
Automating Front-end Workflow
addyosmani
1366
200k
Rebuilding a faster, lazier Slack
samanthasiow
79
8.8k
Being A Developer After 40
akosma
89
590k
Building Adaptive Systems
keathley
38
2.4k
Reflections from 52 weeks, 52 projects
jeffersonlam
348
20k
Practical Orchestrator
shlominoach
186
10k
Improving Core Web Vitals using Speculation Rules API
sergeychernyshev
3
180
Transcript
ソフトウェアフレームワークChoreonoidの ROS 2プラグインの設計と実装 吉本 幸太郎 1 大西 祐輝 2 中岡 慎一郎 3
1: 個人 2: 東京工業大学 3: 株式会社コレオノイド ※ Choreonoid ROS 2プラグインの開発の一部は, 「World Robot Summit (WRS) 2025 過酷環境F-REIチャレンジ/シミュレーション災害チャレンジ」 の協力を受けています.
目次 1. Choreonoidの紹介 2. ChoreonoidとROS 3. ROS 2 プラグインの実装方針 4.
ROS 2 へのフィードバック 1 / 20
目次 1. Choreonoidの紹介 2. ChoreonoidとROS 3. ROS 2 プラグインの実装方針 4.
ROS 2 へのフィードバック 1 / 20
ロボット開発を支援する統合グラフィカルフレームワーク. ROS的には…… rqt + RViz + Gazebo を一つのアプリにまとめたようなもの. 特徴: •
速い! (高速な起動,軽量な動作) • うまい!(自作プラグインによる容易な機能拡張) • 安い! (MITライセンスのオープンソースで無償利用可能) Choreonoidとは 1. Choreonoidの紹介 2 / 20
フレームワークとしてのChoreonoid Q. Choreonoidってシミュレータ? A. 半分正解 フレームワーク 「拡張可能なロボット用統合GUI 環境」 • ロボット開発支援C++ライブラリ群
• ユーザープラグインシステム 1. Choreonoidの紹介 3 / 20
Choreonoidの標準プラグイン群が提供する機能 ビジュアライザ • ロボットモデルやセンサ情報の 可視化,GUI操作,衝突判定,etc. 動力学シミュレータ • 産総研製の物理エンジンを搭載 • オープンソース
/ 商用エンジンにも対応 例)ODE / Bullet / PhysX / AGX Dynamics ロボットモデル提供:東京大学 情報システム工学研究室 1. Choreonoidの紹介 4 / 20
Choreonoidの活用事例 1. Choreonoidの紹介 5 / 20
目次 1. Choreonoidの紹介 2. ChoreonoidとROS 3. ROS 2 プラグインの実装方針 4.
ROS 2 へのフィードバック 6 / 20
ChoreonoidのROS対応 ChoroenoidのROS対応の内容は,大別して次の三点にまとめられる: • Choreonoidのノード化 • ROS標準のURDFで書かれたロボットモデルの読み込み • 物理シミュレーションで,ROSインターフェースを提供するプラグイン (ROSプラグイン ,次頁で説明)
2. ChoreonoidとROS 7 / 20
Choreonoidにおけるプラグインの立ち位置 Choreonoid の設計思想 「プラグインを作って機能を増やす」 →プラグイン自体も作りやすくしている. ROSプラグイン ROSのライブラリや Choroenoidの他のプラグインを利用して ,Choroenoidの内部情報と ROS
での通信情報を相互に変換する. 2. ChoreonoidとROS 8 / 20 \ココだよ/ ⇆
ChoreonoidをROS環境でシミュレータとして使うためのプラグインアイテム群 • WorldROS(2):シミュレーション環境に1つだけ配置 ◦ シミュレーション時間を /clock トピックで出力 • BodyROS(2):ロボットごとに配置 ◦
ロボットのセンサ情報をトピックで出力 (joint statesを含む) • ROSControl:ロボットごとに配置 ◦ ros_control の制御インターフェイスを提供 ※ ros2_control 向けは現在開発中 WorldROS 環境 BodyROS ChoreonoidのROSプラグイン /clock states commands 2. ChoreonoidとROS 9 / 20 ロボット ROSControl
ROS 2 プラグインの動作例 2. ChoreonoidとROS 10 / 20
目次 1. Choreonoidの紹介 2. ChoreonoidとROS 3. ROS 2 プラグインの実装方針 4.
ROS 2 へのフィードバック 11 / 20
ROS 1/2 両対応の形態 • 別リポジトリ運用 ◦ リポジトリ名の末尾に「 2」が付きがち ◦ 例:rviz2
/ navigation2 • 同一リポジトリ・別ソース運用 ◦ ブランチごとでそれぞれのバージョンに特化 ◦ 例:image_transport • 同一リポジトリ・同一ソース運用 ◦ 一つのソースコードで全てのバージョンへ対応 ◦ 例:BehaviorTree.CPP ROS 1 パッケージを ROS 2 に対応させるとき,いくつかの形態が存在 12 / 20 3. ROS 2プラグインの実装方針
ROS 1/2 両対応の形態 • 別リポジトリ運用 ◦ リポジトリ名の末尾に「 2」が付きがち ◦ 例:rviz2
/ navigation2 • 同一リポジトリ・別ソース運用 ◦ ブランチごとでそれぞれのバージョンに特化 ◦ 例:image_transport • 同一リポジトリ・同一ソース運用 ◦ 一つのソースコードで全てのバージョンへ対応 ◦ 例:BehaviorTree.CPP メンテナンスコスト低 BugFixのbackportがいらない ROS 1 パッケージを ROS 2 に対応させるとき,いくつかの形態が存在 採 用 12 / 20 3. ROS 2プラグインの実装方針
ROS 1/2 同時対応の方法 環境変数 ROS_VERSION: 有効なROSバージョンとして,1または2の値を保持する. CMakeLists.txt と package.xml のそれぞれが,
この環境変数を参照することで,ビルドが分岐可能になる. CMakeLists.txt: package.xml: ソースコード ⬅ CMakeで要マクロ定義 13 / 20 3. ROS 2プラグインの実装方針
ノード管理 ROS 1: 1プロセス1ノード • 複数のロボットのトピックを全て出力する神ノードが誕生 😇 • 外部でROS Masterを起動する必要があり,
通信処理の負荷を分散できなかった. ROS 2: Executorレベルも柔軟にプログラム可能に 1ロボット1ノード1スレッドの綺麗な設計が可能に! 14 / 20 3. ROS 2プラグインの実装方針 Choreonoidは1プロセスで動作し,各部品はスレッドで動作するが……
ネットワーク分離(実装中) ROS 1: マルチROSマスター ROSマスターの設定が必要.ノード側の設定も必要. ROS 2: ドメインIDの切り替えでネットワーク分離が可能 1プロセス内のノードでも,Contextを別に持つことで 別々のネットワークに所属可能
並列シミュレーションの ROS対応の可能性が開けた!! ※ Choreonoidではシミュレータもプロジェクトアイテムなので、複数配置することで並列シミュレーションが可能 15 / 20 3. ROS 2プラグインの実装方針
目次 1. Choreonoidの紹介 2. ChoreonoidとROS 3. ROS 2 プラグインの実装方針 4.
ROS 2 へのフィードバック 16 / 20
rclcppのバグ rclcpp::spin_some / spin_all 関数は, ノードの context によらず, 強制的に default
context を使用する 仕様になっていた. そのため, custom context を使用しようとすると, エラーで異常終了するバグが存在した. 4. ROS 2へのフィードバック 17 / 20 custom context node2 default context node1 rclcpp:: spin_some() 😎
rclcppのバグ 17 / 20 custom context node2 default context node1
default context rclcpp:: spin_some() 😎 rclcpp::spin_some / spin_all 関数は, ノードの context によらず, 強制的に default context を使用する 仕様になっていた. そのため, custom context を使用しようとすると, エラーで異常終了するバグが存在した. 4. ROS 2へのフィードバック
ROS 2本体へのフィードバック 1. プルリクエスト作成 2. レビュー 3. CIテスト 4. マージ
5. リリース 6. バックポート 修正内容自体は大したことはないが,rclcppの修正というのは貴重な体験…… メンテナが回してくれる 不安定なテストあり 18 / 20 月1のリリースで使えるようになる 申し出るとHumbleなどへ遡って修正できる ※ABIが壊れないものに限る バックポートの呪文を唱える藤田さん CIを回してくれる藤田さん 4. ROS 2へのフィードバック
プルリクエストの作法 • バグの修正 • テストの追加 ◦ 修正前に失敗する ◦ 修正後に成功する •
ターゲットはrollingブランチ ◦ rollingに入れてからバックポートしないと 将来のリリースでバグが復活しちゃう,なんてことも …… 19 / 20 まずはrollingに入れてから Humbleなどにバックポートする 反応がないときは気軽に催促! ※メンテナは忙しいので時々忘れられます 4. ROS 2へのフィードバック
Try Choreonoid & ROS 2! まとめ:ChoreonoidのROS 2プラグインを作成した. • ROS 1/2
同時対応の方法 • ROS 2 でのノード管理の改善 • ROS 2 でのネットワーク管理の改善 • rclcpp への貢献手順 20 / 20 doc/ に200ページ超の 教材PDFあります! (スターください!) 🤝 choreonoid_ros2_ mobile_robot_tutorial
付録:ROS 1 から ROS 2 への移植の参考リンク集 • ROS 2 Documentation
(Humble), Migrating from ROS 1 to ROS 2 https://docs.ros.org/en/humble/How-To-Guides/Migrating-from-ROS1.html • ros2_control, Migration Guides https://control.ros.org/humble/doc/migration/migration.html ※ リンクは全て Humble 向け A1 / 99