Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
知能ロボコン出場機体 "Kaninchen" の製作 / Building the Robot...
Search
yuki
July 14, 2019
Technology
1
890
知能ロボコン出場機体 "Kaninchen" の製作 / Building the Robot named "Kaninchen" for inrof 2019
東京工業大学ロボット技術研究会,
第69回研究報告会(2019年前期)における発表資料です.
yuki
July 14, 2019
Tweet
Share
More Decks by yuki
See All by yuki
ソフトウェアフレームワークChoreonoidの ROS 2プラグインの設計と実装 / Design and Implementation of ROS 2 Plug-in for Choreonoid
ssryuki
0
130
論文 Capturability-based Analysis and Control of Legged Locomotion を読む (Part 1) / Review on "Capturability-based Analysis and Control of Legged Locomotion (Part 1)"
ssryuki
1
380
はじめてのしつぎおうとう / Be Happy Together
ssryuki
2
1.3k
微分動的計画法の近年の動向:制約付き軌道計画問題へのアプローチ / A Survey of Constrained Differential Dynamics Programming
ssryuki
4
2.9k
制御理論講習会(古典制御論編1) / Classical Control Theory Seminar 1
ssryuki
3
1.8k
Other Decks in Technology
See All in Technology
ノーコードデータ分析ツールで体験する時系列データ分析超入門
negi111111
0
420
開発生産性を上げながらビジネスも30倍成長させてきたチームの姿
kamina_zzz
2
1.7k
Lambda10周年!Lambdaは何をもたらしたか
smt7174
2
110
いざ、BSC討伐の旅
nikinusu
2
780
【Pycon mini 東海 2024】Google Colaboratoryで試すVLM
kazuhitotakahashi
2
540
IBC 2024 動画技術関連レポート / IBC 2024 Report
cyberagentdevelopers
PRO
1
110
Flutterによる 効率的なAndroid・iOS・Webアプリケーション開発の事例
recruitengineers
PRO
0
120
ISUCONに強くなるかもしれない日々の過ごしかた/Findy ISUCON 2024-11-14
fujiwara3
8
880
Amazon CloudWatch Network Monitor のススメ
yuki_ink
1
210
初心者向けAWS Securityの勉強会mini Security-JAWSを9ヶ月ぐらい実施してきての近況
cmusudakeisuke
0
130
オープンソースAIとは何か? --「オープンソースAIの定義 v1.0」詳細解説
shujisado
10
1.2k
iOSチームとAndroidチームでブランチ運用が違ったので整理してます
sansantech
PRO
0
150
Featured
See All Featured
Ruby is Unlike a Banana
tanoku
97
11k
Building Applications with DynamoDB
mza
90
6.1k
GraphQLとの向き合い方2022年版
quramy
43
13k
ピンチをチャンスに:未来をつくるプロダクトロードマップ #pmconf2020
aki_iinuma
109
49k
StorybookのUI Testing Handbookを読んだ
zakiyama
27
5.3k
Art, The Web, and Tiny UX
lynnandtonic
297
20k
How STYLIGHT went responsive
nonsquared
95
5.2k
How To Stay Up To Date on Web Technology
chriscoyier
788
250k
Visualizing Your Data: Incorporating Mongo into Loggly Infrastructure
mongodb
42
9.2k
The Art of Delivering Value - GDevCon NA Keynote
reverentgeek
8
900
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
27
4.3k
Making Projects Easy
brettharned
115
5.9k
Transcript
Tokyo Tech The Society for the Study of Robotics The
69th Conference 知能ロボコン出場機体 "Kaninchen" の製作 2019/7/14 yuki (16: @blessingyuki) Team Members: makky (@mmaakkyyii) & kiwi (@nullKiwi)
目次 • はじめに • 知能ロボコンについて • 大会概要 • ルール •
製作機体について • 機械設計 • 回路・制御 • 認識・動作計画 • まとめ 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 1
目次 • はじめに • 知能ロボコンについて • 大会概要 • ルール •
製作機体について • 機械設計 • 回路・制御 • 認識・動作計画 • まとめ 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 2
はじめに • 知能ロボコン2019に参加 チーム名: “tty” 機体名 : “Kaninchen” (ドイツ語で「兎」) •
チーム構成 • 機械 :kiwi • 回路制御:makky • 制御情報:yuki 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 3
目次 • はじめに • 知能ロボコンについて • 大会概要 • ルール •
製作機体について • 機械設計 • 回路・制御 • 認識・動作計画 • まとめ 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 4
大会概要 • 知能ロボットコンテスト • 知能ロボットコンテスト フェスティバル内の大会 • 誰でも参加可能 • 第31回大会
• 2019年6月15, 16日 • スリーエム仙台市科学館(宮城県) • 中高生,高専・大学生,社会人など幅広く参加 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 5 http://www.inrof.org/irc/
目次 • はじめに • 知能ロボコンについて • 大会概要 • ルール •
製作機体について • 機械設計 • 回路・制御 • 認識・動作計画 • まとめ 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 6
ルール • オブジェクトを決められた位置に運ぶ • チャレンジャーコース • 赤・青・黄の3色のボール • 今回出場 •
マスターズコース • 赤・青・黄の3色のボール • 空き缶 • 水入りペットボトル 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 7 https://www.dougukan.com/ allproducts/baby_product/mb all.htm
ルール • 時間制限あり(早くは必ずしも正義ではない) • ロボットは完全自律型 • 展開制限なし • 初期機体制限あり •
台数制限なし 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 8
フィールド 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 9 第31回
ルールブックより スタート 位置 ボールが あるエリア ボールを 入れる ゴール (色別)
評価基準 • 一次予選 • 競技点で評価 • 二次予選以降 • 競技点 •
審査員点 • パフォーマンス性 • チャレンジ性 • 芸術性 • スピード感 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 10
目次 • はじめに • 知能ロボコンについて • 大会概要 • ルール •
製作機体について • 機械設計 • 回路・制御 • 認識・動作計画 • まとめ 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 11
コンセプト •オブジェクトを射出して点を取る • 回収後,運ぶのではなくゴールに投げこむ 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR
2019 12 https://www.irasutoya.com/2 014/07/blog-post_9042.html
システム構成 • アクチュエータ • 駆動用モータ x4 • RCサーボモータ x2 •
ソレノイド • センサ • エンコーダ x4 • ジャイロセンサ x1 • 深度 / カラーカメラ x1 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 13
システム構成 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 14
目次 • はじめに • 知能ロボコンについて • 大会概要 • ルール •
製作機体について • 機械設計 • 回路・制御 • 認識・動作計画 • まとめ 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 15
メインフレーム • t1.5のアルミ板材2枚と 真鍮スペーサで構成 • 中央の穴:配線用 • 板間には バッテリを収納 2019/7/14
©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 16
移動機構 • モータ:380(減速比 1:75) • 4輪メカナム(60mm径) • 出力軸に エンコーダ (AMT102-V)
2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 17 埋め込みナット
移動機構 • モータマウントを ABS 3Dプリントで製作 • 内側の突起が モータの穴を拘束 • マウントが弾性を持ち,
サスペンションレスで4点接地 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 18
回収機構 • アーム2本+受け皿 • アームはそれぞれ RCサーボモータで駆動 • できるだけボールとの 接触面積を少なく 2019/7/14
©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 19
回収機構 • 最大の問題:ボールの特性 • 柔らかく,摩擦が強い • 転がり接触で解決 • 回収アームの両端に ベアリングを埋め込み
2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 20
回収機構 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 21
射出機構 • ソレノイドで駆動 • リンクで速度を増幅 • 射出角は ストッパで調整 • 水平方向1m程度
2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 22
射出機構 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 23
射出機構 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 24
排障器 • ボールの特性上, フレームと地面の間に挟まってしまう • 排障器を取り付け 乗り上げ回避 • 爪とキーで ワンタッチ脱着
2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 25
目次 • はじめに • 知能ロボコンについて • 大会概要 • ルール •
製作機体について • 機械設計 • 回路・制御 • 認識・動作計画 • まとめ 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 26
メインボード • マイコン:STM32F103RCT6 • 機能 • Jetson TX2からの指令受信 (USB-UART) •
モータドライバへの指令 • ソレノイドドライバの操作 • サーボモータの駆動 • ジャイロの受信と姿勢補償 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 27
姿勢補償 • 1軸ジャイロセンサ (R1350N) を搭載 • フィルタリング済みの値を出力するセンサ • 目標姿勢と推定姿勢の偏差に対しPI補償 2019/7/14
©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 28
モータドライバ • マイコン:STM32F303K8T6 • ドライバ:VNH2SP30 (※現在はNRND) • 3相エンコーダ読み取り, 外部とのSPI通信が可能 2019/7/14
©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 29
モータドライバ • モータドライバ自体は汎用設計 • 位置,速度,トルク制御可能 • 今回はPI補償による速度制御 • MATLAB®のSystem Identification
Toolbox™で 二次系でモデル推定 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 30
ソレノイドドライバ • 100 V に昇圧してソレノイドを駆動 • DC/DCコンバータと ダイオードチャージポンプ回路の組み合わせ • 出力側にコンデンサ
• 820 µF, 180 Vを2つ並列 • ファンによる強制空冷 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 31
目次 • はじめに • 知能ロボコンについて • 大会概要 • ルール •
製作機体について • 機械設計 • 回路・制御 • 認識・動作計画 • まとめ 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 32
処理系 Jetson™ TX2 + Carrier Board J120 • OS: Linux
for Tegra (JetPack 3.3) • ミドルウェア: ROS (Robot Operating System) Kinetic Kame 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 33
シリアル通信 • USB 2.0による指令送信 (115,200 bps, 100 Hz) • 一般的な
ヘッダ-データ-チェックサム構成 (計14 bit) • 送信内容 • 目標速度 • 目標姿勢 • 回収指令 • 射出指令 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 34
画像認識 • カメラ:RealSense™ d435 • 深度画像とカラー画像を取得 • 前提: 画像取得時, ロボットは静止している
2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 35
画像認識 OpenCV内の純粋な画像処理のみで認識を実装 1. 時間に対する加重平均 2. Canny のエッジ(輪郭)検出 3. Hough 変換による円形の探索
4. 候補点近傍の色相を抽出する 5. 得られた色相がボールの色相と合うか判定 6. 候補の列挙 7. 深度画像から最も近いものを選択 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 36
画像認識 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 37 深度
輪郭 色相 結果 正しく識別する確率:~90%程度
軌道生成 • 速度曲線フィッティング • 移動量と最大速度,最大加速度を与えて算出 • サンプリングタイム 10 ms •
生成した軌道を そのまま100 Hz で指令 • フィードバックなしで 前後移動誤差 0.5%以内 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 38
軌道生成 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 39
ROSによる開発 • アプリケーション単位をノードとして構築 • ノード間は内部での通信により情報交換可能 • 今回は工数の削減のために利用 • RealSense™ のAPIが簡単に使える
• あくまでも研究開発における試験運用向け • 厳密なリアルタイム性等は期待できない 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 40 http://www.ros.org/
統合 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 41
目次 • はじめに • 知能ロボコンについて • 大会概要 • ルール •
製作機体について • 機械設計 • 回路・制御 • 認識・動作計画 • まとめ 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 42
大会結果について 予選敗退です • 大会本番だけ何故かシリアル通信が途切れた • 原因は現在も不明,鋭意究明中 • 練習不足感 • 余裕を持った開発を
• フィールドはちゃんと作って練習しましょう 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 43
知ロボに興味を持たれた方へ シンプルな競技テーマに対して, • 様々なアイディアで, • 一人でもチームでも 挑戦できます (部内からの)参加者を増やしましょう!(?) 2019/7/14 ©yuki
& Tokyo Tech SSR 2019 44
[重要] 補足情報 学位論文執筆期間中のロボコン参加には, 相応のリスクと負担が伴います. 充分な覚悟を持った上で, 計画的に参加するようにしましょう. ※1 進捗が計画的に進むことは稀 ※2 ロボット製作は楽しいので実質息抜きみたいなところが
2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech SSR 2019 45
謝辞 渋谷教育学園幕張中学校・高等学校の 中学電気部・高校物理部の皆様には, 大会の知見の提供や練習台の貸し出しなど, 多くの支援を賜りました. この場を借りて感謝を申し上げます. 2019/7/14 ©yuki & Tokyo
Tech SSR 2019 46
質疑応答 • 後から思いついた質問等は, 研究報告書(部内限定)をご覧いただくか, 製作者へ直接ご連絡ください. 2019/7/14 ©yuki & Tokyo Tech
SSR 2019 47