Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
ペアレビューは同期的でなくてもよくないですか?
Search
ten986
May 26, 2023
Programming
2
150
ペアレビューは同期的でなくてもよくないですか?
Kyoto.js 19 にて
ten986
May 26, 2023
Tweet
Share
More Decks by ten986
See All by ten986
ANGEL Dojo 最終発表資料
ten986
0
840
自作のEsolangでQuineを書いてみた
ten986
0
230
【解説付き】自作のEsolangでQuineに挑戦してみた
ten986
0
150
Other Decks in Programming
See All in Programming
PHPで書いたAPIをGoに書き換えてみた 〜パフォーマンス改善の可能性を探る実験レポート〜
koguuum
0
170
AHC045_解説
shun_pi
0
550
監視 やばい
syossan27
11
9.8k
Java 24まとめ / Java 24 summary
kishida
3
500
Dissecting and Reconstructing Ruby Syntactic Structures
ydah
1
750
PHPバージョンアップから始めるOSSコントリビュート / how2oss-contribute
dmnlk
1
1.1k
Strategic Design (DDD)for the Frontend @DDD Meetup Stuttgart
manfredsteyer
PRO
0
160
Road to RubyKaigi: Making Tinny Chiptunes with Ruby
makicamel
4
420
「”誤った使い方をすることが困難”な設計」で良いコードの基礎を固めよう / phpcon-odawara-2025
taniguhey
0
160
Deoptimization: How YJIT Speeds Up Ruby by Slowing Down / RubyKaigi 2025
k0kubun
0
860
大LLM時代にこの先生きのこるには-ITエンジニア編
fumiyakume
7
3.1k
新しいPHP拡張モジュールインストール方法「PHP Installer for Extensions (PIE)」を使ってみよう!
cocoeyes02
0
410
Featured
See All Featured
Bootstrapping a Software Product
garrettdimon
PRO
307
110k
Navigating Team Friction
lara
184
15k
Building an army of robots
kneath
304
45k
The MySQL Ecosystem @ GitHub 2015
samlambert
251
12k
Designing Experiences People Love
moore
141
24k
Let's Do A Bunch of Simple Stuff to Make Websites Faster
chriscoyier
507
140k
Visualizing Your Data: Incorporating Mongo into Loggly Infrastructure
mongodb
45
9.5k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
30
2k
How to Think Like a Performance Engineer
csswizardry
23
1.5k
ReactJS: Keep Simple. Everything can be a component!
pedronauck
667
120k
Measuring & Analyzing Core Web Vitals
bluesmoon
7
390
Documentation Writing (for coders)
carmenintech
69
4.7k
Transcript
ペアレビューは 同期的でなくても よくないですか? 5/26 Kyoto.js @ten986
自己紹介 • 名前: ten986 ◦ 呼び: てん / てんきゅー •
株式会社ゆめみ 新卒2年目 • フロントエンドエンジニア ◦ バックエンドも書く • 最近はNext.jsとKotlinやってる • 6月末に東京に引っ越す
注意 • 今日登壇することになりました • 今日作りました ◦ 業務放り出して作ってました • js関係ないです •
元記事が書けたが1時間前です • スライドはさっきできました
今日話すことの要約 • 半同期的ペアレビューの提案 • Pull Requestにチェックポイントを設ける • チェックポイントまでは非同期でレビュー • チェックポイントの到達を同期し、全員到達したら次に向
かう • 非同期レビュー中に疑問点があれば、都度声を挙げて同 期的に解決する
背景 • 数人〜数十人の開発チーム • Pull Request(PR)のマージに 2人のコードレビューが必要 • あなたはレビュワーのうちの1人となっている
非同期レビュー • 簡単なPRの場合 • 2人のレビュワーがそれぞれ自由な時間に レビューするとよい • タイミングを非同期的に行えるので、 今回は非同期レビューと呼ぶことにする
非同期レビュー • 自分の時間でできる • 自分のペースでPRを読める • 自分の詳しくない範囲の質問はすぐにはできない • 総じて簡単めなPR向け
ペアレビューの導入 • 開発現場では、時折難しいPRが出てくる ◦ 仕様上難しい・実装上難しい、など・・・ • それを1人で非同期レビューで行うと効率が悪い • そこでペアレビューが使われる ◦
3人以上ならモブレビューとも
ペアレビュー • 2人で時間を合わせて、集まってレビューする • 疑問点に当たった時に相方にすぐ質問できるので、 お互い能力を補い合い、質のいいレビューを高速に提供 できる • 強制的に時間を作れるので、モチベーション面でも ◦
もう1人のレビュワーからの監視の目 • 難しめなPRで使うとよい
同期的ペアレビューと呼ぶ • ペアレビューは同期的になりがち • 「PRの概要」「読むコードの箇所」を逐一同期する • レビュワーの片方が音読し、もう1人が聞くイメージ • このような同期的に行われるレビューを、ここでは 同期的ペアレビューと呼ぶことにする
同期的ペアレビューは非効率 • ペアレビューを逐一同期して行うと・・・ • 簡単な箇所も同期的に読んでしまう ◦ PRの概要のごく簡単な部分は読み飛ばしたい • コードを読む際、人の順番に合わせないといけない ◦
人によって読む順も読む速度も違う ◦ ある箇所はAさんのが早い、別の箇所はBさんが早い ◦ 自分のペースでレビューした方が早い箇所が多い
同期的ペアレビューを改善する • 同期的ペアレビューの改善点は 同期的に行いすぎていることから来ていそう
同期的ペアレビューを改善する • 同期的に行いすぎない • ペアレビューする以上「レビュワー同士の能力を補完する ことで、高速に質のいいレビューを行う」 ことを犠牲にしたくない • 難しいPRといえど、簡単な箇所もある ◦
その箇所は非同期レビューで行った方が早い
半同期的ペアレビュー • ペアレビューなので、時間を揃えて集まる • PRにチェックポイントを作る • チェックポイントに到達するまで、 各レビュワーは非同期的にレビュー ◦ 疑問点や指摘点などが出次第必ず発言し、同期的に解決
• チェックポイントだけレビュワー間で同期 ◦ 到達時に報告、全員が到達したら次に進む
チェックポイント • 例えば以下のように設ける ◦ PRの概要まで ◦ PRの動作確認を読み、実行するまで ◦ コミットXを読み、レビューコメントをつけるまで ◦
コミットYを読み、レビューコメントをつけるまで ◦ コミットZを読み、レビューコメントをつけるまで
半同期的ペアレビューのポイント • 基本的に非同期レビューをするので、 簡単な場所の同期など余計な時間を使わない ◦ 同期的ペアレビューの欠点解消 • チェックポイント間の同期をするので、 レビュー時の疑問点の文脈を共有しやすい ◦
レビュワー同士の能力を補完する目的が達成できる
余談 • 同期しすぎることで起きる問題点は、全部「チェックポイン トを用意して非同期で読む」ことで解決できそうな気がし ます。 • 「読書会」なんかでも、各人が音読して回し読みするより、 チェックポイントだけ同期した方が理解早いかもしれない ですね。
今日話すことの要約(再放送) • 半同期的ペアレビューの提案 • Pull Requestにチェックポイントを設ける • チェックポイントまでは非同期でレビュー • チェックポイントの到達を同期し、全員到達したら次に向
かう • 非同期レビュー中に疑問点があれば、都度声を挙げて同 期的に解決する