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育児休業への/からの移行計画

 育児休業への/からの移行計画

https://enechange-meetup.connpass.com/event/320879

ENECHANGE主催の「エンジニアが経験する育休・産休の現実:キャリアも家族も大切に」の登壇資料です。
育児休業という制度を「三方良し」で活用するためには育児休業状態への/からの計画的な移行が必要でした。講演者がどのように段取りを組み、組織・関係者・ソフトウェア開発プロジェクトとどのように向き合い調整したのかをお伝えします。

Tetsushi FUKABORI

June 24, 2024
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Transcript

  1. 2 LON Copyright © ENECHANGE Ltd., All rights reserved. 自己紹介&会社紹介

    • 自己紹介 – 深堀 哲史(ふかぼり てつし) – ENECHANGE株式会社 CTO室所属 – バックエンドエンジニア・クラウドインフラエンジニア – 経歴 > 日系大手SIer (7年) > テックベンチャー (1年) > ENECHANGE (5年)(事業部3年→CTO室2年) – 家族 > 妻 > 犬(2021/05生、バーニーズマウンテンドッグ) > 娘(2022/09生) • ENECHANGE株式会社 – 「エネルギーの未来をつくる」会社 – エネルギーに関する様々な事業をやってます
  2. 3 LON Copyright © ENECHANGE Ltd., All rights reserved. 発表のコンセプト

    育休取得・育休復帰を状態遷移と捉えて移行計画をたてよう
  3. 4 LON Copyright © ENECHANGE Ltd., All rights reserved. 育休状態遷移図

    • 育休取得、育休からの復帰はシステムの状態遷移 • システムの状態遷移には移行計画がほしい
  4. 5 LON Copyright © ENECHANGE Ltd., All rights reserved. 育休前後のタイムライン(育休状態への移行計画検討フェーズ)

    • テクニカルリードとして参画していたプロジェクトAのプロジェクト期間と妊娠出産期間がまるカブり • どちらにとっても深堀はステークホルダー = 深堀を介して両プロジェクトが相互にリスク要因に • どちらのプロジェクトも不確実性が高かった – 時期的な要因 : 不確実性のコーン – 経験的な要因 : どちらも経験値の少ないプロジェクト
  5. 6 LON Copyright © ENECHANGE Ltd., All rights reserved. 育休前後のタイムライン(育休状態への移行計画実行フェーズ)

    CTO室へ 異動 • リスク回避のためプロジェクトAから抜いてもらう • 同時にキャリアを再整理しCTO室異動を相談、異動 • 異動後はQCD(特にD)がコントロール可能しやすい社内プロジェクトへ • 育休直前は小規模作業に限定し、いつ深堀が抜けても仕事側のリスクにならないようコントロール
  6. 7 LON Copyright © ENECHANGE Ltd., All rights reserved. 移行の評価・振り返り

    • 育休状態への移行 – 大成功 – 大きな移行漏れや緊急対応もなくスムーズに移行できた – 移行日に向けてリリースをコントロールし易いプロジェクトや作業に徐々にシフトしたこと、 それを出来るように異動などで段取りしたことが大きい
  7. 8 LON Copyright © ENECHANGE Ltd., All rights reserved. 育休前後のタイムライン(育児+就労状態への移行計画フェーズ)

    • 育休復帰2−3週間前に上長・人事労務含めて復帰面談 – 復帰後の想定業務のすり合わせ – 深堀が想定する復帰後の働き方の表明 →すり合わせ(まるっと受け入れられた) – 上長・人事労務側のサポートの意思の表明を貰えた(うれしい) • 復帰後はプロジェクトBの発展業務を予定 – やることが手の内なので安心 CTO室へ 異動
  8. 9 LON Copyright © ENECHANGE Ltd., All rights reserved. 育休前後のタイムライン(育児+就労状態への移行実行フェーズ)

    CTO室へ 異動 ヘルプ • 復帰直後に元の事業部からヘルプ要請がCTO室に • 甘い見通しでヘルプを引き受ける→いきなり高負荷に
  9. 10 LON Copyright © ENECHANGE Ltd., All rights reserved. 移行の評価・振り返り

    • 育児+就労状態への移行 – 課題あり – 計画していないワークロードを流してしまった – なぜか > 会社や上長に対して格好をつけてしまった – 復帰してすぐバリバリやれることを示したかった(と思われる) – 存在しない「育休のマイナス」を取り返そうとしてしまった(と思われる) > 育児+就労状態の負荷状況を事前に見積もってしまった – 基本的にそんなことは不可能 – 結果として家族の負担が急速に上がってしまった
  10. 11 LON Copyright © ENECHANGE Ltd., All rights reserved. まとめ

    移行計画を立ててリスクをコントロールすれば育休取得も復帰も怖くない!
  11. 12 LON Copyright © ENECHANGE Ltd., All rights reserved. まとめ

    計画外のことをやるのはとっても難しい!!!
  12. 13 LON Copyright © ENECHANGE Ltd., All rights reserved. APPENDIX:育休取得を後押ししてくれたモノ・コト

    • 上長、人事労務部門への相談 – 広い範囲に相談しやすい環境は課題解決がスムーズ • キャリアチェンジの容易さ – 転職経験 – 社内異動制度 ★ • 金銭的な支援制度 – 育児休業給付金 – 慶弔祝金 ★ • スムーズな復職支援 – 復帰面談 ★ > 復帰後想定業務のすり合わせ > 望ましい働き方のすり合わせ – メンター制度 ★ > 育児経験者がメンターとしてサポート
  13. 14 LON Copyright © ENECHANGE Ltd., All rights reserved. おまけ:育休のキャリア影響評価

    • 個人的にはキャリアへの影響はゼロと言っていいレベル – プロジェクトは次がある – 仕事のイベントや経験が時期的に後ろ倒しになったが、この影響は軽微と評価 > 人生の40年の勤労のうちの半年、育休取得時点で見ても 11年の勤労に対して半年程度 > もともと直線的なキャリアではなく転職や異動でキャリアが切り替わっているので 育休期間分の「遅れ」は次のキャリア切り替わりで評価不能になる →転職しやすいソフトウェアエンジニア職は文化的に育休が取りやすいかも?