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バクラクの AI-BPO を支える AI エージェント 〜とそれを支える Bet AI Guild〜

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November 13, 2025

バクラクの AI-BPO を支える AI エージェント 〜とそれを支える Bet AI Guild〜

2025/11/13 AI活用をPoCで終わらせない ─ 実用化に導くシステム・組織・オペレーション設計
https://raksul.connpass.com/event/373594/

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  1. バクラクの AI-BPO を支える AI エージェント 〜とそれを支える Bet AI Guild〜 2025/11/13

    AI 活用を PoC で終わらせない ─ 実用化に導くシステム・組織・オペレーション設計 株式会社 LayerX Tomoaki Kitaoka
  2. Tomoaki Kitaoka 自己紹介 LayerX(2019-08 ~ ) バクラク事業部 ソフトウェアエンジニア AI-BPO チーム

    機械学習チーム 趣味はクロスフィット 最近は土曜朝に同僚と代々木公園を走っています © LayerX Inc. 2
  3. ちょっとした業務効率化ツールの開発ハードルは限りなく下がっている © LayerX Inc. LLMの恩恵 モデルプロバイダーの API などを利用することで簡単な知識と実装のみで自然言語 処理を活用した機能開発を行うことができる Dify,

    n8n, AiWorkforce などの汎用ワークフローにより、多くの業務を改善するツー ルをノーコードで作成できる 文書要約 情報抽出 チャットボット 文書の埋め込み表現を利用した検索システム etc. 7
  4. 社内 Slack チャットボット 社内事例その1: slackチャットボット Notion に蓄積してある FAQ やプロダ クトのサポートサイトなどを参照して

    回答 参考にした資料をリンクとセットで根 拠として回答してくれる 根拠が薄い場合もあるので自信度もセット FAQ にない場合、Slack から Notion の DB への追加もしてくれる © LayerX Inc. 10
  5. 社内 Slack チャットボット Before:各チームでチャットボットが乱立 © LayerX Inc. 社内事例その1: slackチャットボット 各チームでチャットボットが乱立

    → 車輪の再発明 Slack App や n8n のワークフロー作成における車輪の再発明(地味にめんどくさいやつ) AI-BPO チームでも専用のチャットボットがあった RAG などはなく Notion の DB の内容を全て LLM の Context に渡しており、データが溜 まれば溜まるほど、遅い、高い、精度が悪くなる事態 → 性能不足・メンテナンスコスト 11
  6. 社内 Slack チャットボット After:統合とスケーラブルな RAG 基盤へ 社内事例その1: slackチャットボット 各チーム統合のチャットボットを作成し、車輪 の再発明をなくし、開発・メンテナンスのリソ

    ースを一箇所に集約 Notion, Google Drive, Zendesk などあらゆるデ ータソースを定期的に同期する RAG の構築によ り検索性能は向上し、かつスケーラブルに 今では週約 2,000 回使われるツールに成長 © LayerX Inc. 12
  7. シフト自動調整(a.k.a シフト組子) AI-BPO 事業ではオペレーターが多数在籍するため、シフト 調整が必要 社内事例その2:シフト自動調整 事前に収集した勤務希望情報から AI エージェン ト

    が複雑な制約を考慮してシフト表を自動生成 特定の曜日は稼働できない 週 n 日以上は稼働できない 特定の曜日は午前のみ勤務 月に n 日以上は最低でも稼働したい etc. 対話形式で変更依頼にも柔軟に対応 © LayerX Inc. 13
  8. シフト自動調整(a.k.a シフト組子) Before: PoC どまりの性能 © LayerX Inc. 社内事例その2:シフト自動調整 担当者が手作業でシフト表を作成し、月

    1.5 時間の工数 AI エージェントによるシフト作成を試みるも、複雑な制約を満たせず「下書きとしても あまり有用でなかった」 → 性能不足 14
  9. 社内 PMF(Product Market Fit)をするために © LayerX Inc. 社内PMFをするために 業務の中に眠る「真の課題」を発見する 毎日・毎月コンスタントに負荷になる業務など

    ユーザーを開発側にきちんと巻き込みフィードバックをもらう 社内の場合ユーザーはお客さんではなく、同僚なので遠慮せず巻き込もう エンジニアも巻き込む vibe coding により実装自体はできても、RAG の構築、クラウド環境へのデプロイ、共通化による横展開、定期 的なデータの同期など使いやすくするためにはエンジニアの力があった方が絶対いい ちゃんと宣伝して使ってもらう 結構大事。 「え、こんな便利なのあったの?」ってなることも多い ハンズオンでその場で強制的に使ってもらってフィードバックをもらうなども有効 16
  10. 組織横断の推進チームのすゝめ: Bet AI Guild 成功までのラストワンマイル ラストワンマイルの伴走 社内アプリであっても、手元でちょっと動くと実際に使わ れるまでには大きな隔たりがある 「やりたい!」という気持ちを支援する機構の有無が成功 までのラストワンマイルを後押しする

    共通コンポーネントの構築 RAG の構築などは非エンジニアには難しいが、一度構築す ればそれを起点にいろんなアプリケーションが生まれる チャットボット、セキュリティチェックシート回答、 オンボーディング用クイズ、RFI 回答、etc. © LayerX Inc. 17
  11. まとめ © LayerX Inc. まとめ PoC で終わらせない AI 活用のためには 本当に困っている業務を見つける

    開発者・ユーザーを巻き込んで設計や体験に関してフィードバックをもらう 使ってもらうための宣伝を怠らない これらを加速するために組織横断の組織があると成功を後押しする 共通的に使える仕組みの構築 インフラの構築や専門性の要する部分の開発の補助 18
  12. 最後に宣伝 最後に We Are Hiring! LayerX では 圧倒的に使いやすいプロダクトでワクワ クする働き方を届けたい人を大募集しています 11/16

    技術書典 19 に出展します CEO 福島/CTO 松本を含む 17 名が魂を込めて執筆 今回触れたチャットボットの徹底解説もあるよ 電子書籍は 11/15 に発売 © LayerX Inc. 19