Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
バクラクの AI-BPO を支える AI エージェント 〜とそれを支える Bet AI Guild〜
Search
Tomoaki
November 13, 2025
Technology
1
130
バクラクの AI-BPO を支える AI エージェント 〜とそれを支える Bet AI Guild〜
2025/11/13 AI活用をPoCで終わらせない ─ 実用化に導くシステム・組織・オペレーション設計
https://raksul.connpass.com/event/373594/
Tomoaki
November 13, 2025
Tweet
Share
More Decks by Tomoaki
See All by Tomoaki
AI によるドキュメント処理を加速するためのOCR 結果の永続化と再利用戦略
tomoaki25
0
740
OpenAIのStructured Outputsを試してみた ~LLMを活用した機械学習モデルのアノテーション効率化を目指して~
tomoaki25
3
1.3k
Goのライブラリのバグを見つけてから直すまで layerx.go#0
tomoaki25
5
740
AI-OCR機能のバクラクな体験を支えるソフトウェアエンジニアリング
tomoaki25
0
910
【論文紹介】 A Survey on Hallucination in Large Language Models: Principles, Taxonomy, Challenges, and Open Questions
tomoaki25
6
1.2k
バクラクのAI-OCR機能を支えるアノテーションの仕組み
tomoaki25
2
1.6k
バクラクのAI-OCRを支える精度モニタリング -モニタリングドリブンの改善-
tomoaki25
0
1.3k
Other Decks in Technology
See All in Technology
こんな時代だからこそ! 想定しておきたいアクセスキー漏洩後のムーブ
takuyay0ne
4
500
隙間ツール開発のすすめ / PHP Conference Fukuoka 2025
meihei3
0
240
NOT A HOTEL SOFTWARE DECK (2025/11/06)
notahotel
0
3.9k
どうなる Remix 3
tanakahisateru
2
350
CodexでもAgent Skillsを使いたい
gotalab555
8
3.7k
Pythonで構築する全国市町村ナレッジグラフ: GraphRAGを用いた意味的地域検索への応用
negi111111
8
3.2k
技術の総合格闘技!?AIインフラの現在と未来。
ebiken
PRO
0
230
AIと共に開発する時代の組織、プロセス設計 freeeでの実践から見えてきたこと
freee
2
250
決済システムの信頼性を支える技術と運用の実践
ykagano
0
350
ググるより、AIに聞こう - Don’t Google it, ask AI
oikon48
0
610
データエンジニアとして生存するために 〜界隈を盛り上げる「お祭り」が必要な理由〜 / data_summit_findy_Session_1
sansan_randd
1
1k
メタプログラミングRuby問題集の活用
willnet
2
680
Featured
See All Featured
Side Projects
sachag
455
43k
What’s in a name? Adding method to the madness
productmarketing
PRO
24
3.8k
Navigating Team Friction
lara
190
15k
Making Projects Easy
brettharned
120
6.4k
Build The Right Thing And Hit Your Dates
maggiecrowley
38
2.9k
The Myth of the Modular Monolith - Day 2 Keynote - Rails World 2024
eileencodes
26
3.2k
Six Lessons from altMBA
skipperchong
29
4.1k
Improving Core Web Vitals using Speculation Rules API
sergeychernyshev
21
1.2k
No one is an island. Learnings from fostering a developers community.
thoeni
21
3.5k
Building Adaptive Systems
keathley
44
2.8k
Bootstrapping a Software Product
garrettdimon
PRO
307
110k
Building a Scalable Design System with Sketch
lauravandoore
463
33k
Transcript
バクラクの AI-BPO を支える AI エージェント 〜とそれを支える Bet AI Guild〜 2025/11/13
AI 活用を PoC で終わらせない ─ 実用化に導くシステム・組織・オペレーション設計 株式会社 LayerX Tomoaki Kitaoka
Tomoaki Kitaoka 自己紹介 LayerX(2019-08 ~ ) バクラク事業部 ソフトウェアエンジニア AI-BPO チーム
機械学習チーム 趣味はクロスフィット 最近は土曜朝に同僚と代々木公園を走っています © LayerX Inc. 2
© LayerX Inc. 3
© LayerX Inc. 4
© LayerX Inc. 5
AI で業務改善できてますか?
ちょっとした業務効率化ツールの開発ハードルは限りなく下がっている © LayerX Inc. LLMの恩恵 モデルプロバイダーの API などを利用することで簡単な知識と実装のみで自然言語 処理を活用した機能開発を行うことができる Dify,
n8n, AiWorkforce などの汎用ワークフローにより、多くの業務を改善するツー ルをノーコードで作成できる 文書要約 情報抽出 チャットボット 文書の埋め込み表現を利用した検索システム etc. 7
一方で使われずに頓挫するケースも多く生まれている 使われないパターンは色々ある © LayerX Inc. 導入の課題 性能不足:デモ映えするが、業務で使うための性能(精度、制約)を満たせず終わる リソース不足:社内ハッカソンで作った後、開発・運用リソースがなく終わる システム化のハードル:ローカルでは動くが、クラウドにデプロイができず終わる メンテナンスコスト:最新のデータや業務変更に追従できる設計でなく終わる
宣伝不足:知られずに終わる etc. 8
AI-BPO における AI の活用
社内 Slack チャットボット 社内事例その1: slackチャットボット Notion に蓄積してある FAQ やプロダ クトのサポートサイトなどを参照して
回答 参考にした資料をリンクとセットで根 拠として回答してくれる 根拠が薄い場合もあるので自信度もセット FAQ にない場合、Slack から Notion の DB への追加もしてくれる © LayerX Inc. 10
社内 Slack チャットボット Before:各チームでチャットボットが乱立 © LayerX Inc. 社内事例その1: slackチャットボット 各チームでチャットボットが乱立
→ 車輪の再発明 Slack App や n8n のワークフロー作成における車輪の再発明(地味にめんどくさいやつ) AI-BPO チームでも専用のチャットボットがあった RAG などはなく Notion の DB の内容を全て LLM の Context に渡しており、データが溜 まれば溜まるほど、遅い、高い、精度が悪くなる事態 → 性能不足・メンテナンスコスト 11
社内 Slack チャットボット After:統合とスケーラブルな RAG 基盤へ 社内事例その1: slackチャットボット 各チーム統合のチャットボットを作成し、車輪 の再発明をなくし、開発・メンテナンスのリソ
ースを一箇所に集約 Notion, Google Drive, Zendesk などあらゆるデ ータソースを定期的に同期する RAG の構築によ り検索性能は向上し、かつスケーラブルに 今では週約 2,000 回使われるツールに成長 © LayerX Inc. 12
シフト自動調整(a.k.a シフト組子) AI-BPO 事業ではオペレーターが多数在籍するため、シフト 調整が必要 社内事例その2:シフト自動調整 事前に収集した勤務希望情報から AI エージェン ト
が複雑な制約を考慮してシフト表を自動生成 特定の曜日は稼働できない 週 n 日以上は稼働できない 特定の曜日は午前のみ勤務 月に n 日以上は最低でも稼働したい etc. 対話形式で変更依頼にも柔軟に対応 © LayerX Inc. 13
シフト自動調整(a.k.a シフト組子) Before: PoC どまりの性能 © LayerX Inc. 社内事例その2:シフト自動調整 担当者が手作業でシフト表を作成し、月
1.5 時間の工数 AI エージェントによるシフト作成を試みるも、複雑な制約を満たせず「下書きとしても あまり有用でなかった」 → 性能不足 14
シフト自動調整(a.k.a シフト組子) After:業務を代替する性能へ 社内事例その2:シフト自動調整 AI エージェントの tool を整備し、制約条件を 満たすかをプログラムでチェックするなどの改 善により、複雑な制約を正確に考慮したシフト
表を生成 急な変更依頼にも対話形式で対応可能 月 1.5 時間の業務を自動化し、スケール時の負 荷増加に対応可能な仕組みを確立 © LayerX Inc. 15
社内 PMF(Product Market Fit)をするために © LayerX Inc. 社内PMFをするために 業務の中に眠る「真の課題」を発見する 毎日・毎月コンスタントに負荷になる業務など
ユーザーを開発側にきちんと巻き込みフィードバックをもらう 社内の場合ユーザーはお客さんではなく、同僚なので遠慮せず巻き込もう エンジニアも巻き込む vibe coding により実装自体はできても、RAG の構築、クラウド環境へのデプロイ、共通化による横展開、定期 的なデータの同期など使いやすくするためにはエンジニアの力があった方が絶対いい ちゃんと宣伝して使ってもらう 結構大事。 「え、こんな便利なのあったの?」ってなることも多い ハンズオンでその場で強制的に使ってもらってフィードバックをもらうなども有効 16
組織横断の推進チームのすゝめ: Bet AI Guild 成功までのラストワンマイル ラストワンマイルの伴走 社内アプリであっても、手元でちょっと動くと実際に使わ れるまでには大きな隔たりがある 「やりたい!」という気持ちを支援する機構の有無が成功 までのラストワンマイルを後押しする
共通コンポーネントの構築 RAG の構築などは非エンジニアには難しいが、一度構築す ればそれを起点にいろんなアプリケーションが生まれる チャットボット、セキュリティチェックシート回答、 オンボーディング用クイズ、RFI 回答、etc. © LayerX Inc. 17
まとめ © LayerX Inc. まとめ PoC で終わらせない AI 活用のためには 本当に困っている業務を見つける
開発者・ユーザーを巻き込んで設計や体験に関してフィードバックをもらう 使ってもらうための宣伝を怠らない これらを加速するために組織横断の組織があると成功を後押しする 共通的に使える仕組みの構築 インフラの構築や専門性の要する部分の開発の補助 18
最後に宣伝 最後に We Are Hiring! LayerX では 圧倒的に使いやすいプロダクトでワクワ クする働き方を届けたい人を大募集しています 11/16
技術書典 19 に出展します CEO 福島/CTO 松本を含む 17 名が魂を込めて執筆 今回触れたチャットボットの徹底解説もあるよ 電子書籍は 11/15 に発売 © LayerX Inc. 19