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AI個人開発で「裁量・担当範囲・専門性」の成長課題を突破する
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Yuma Konishi
November 21, 2025
2
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AI個人開発で「裁量・担当範囲・専門性」の成長課題を突破する
Yuma Konishi
November 21, 2025
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Transcript
AI個人開発で 「裁量・担当範囲・専門性」の 成長課題を突破する 2025/11/21 pmconf 2025@Osaka @kony_um
自己紹介 小西 裕真 / Yuma Konishi @kony_um 株式会社タイミー プロダクトマネージャー 2016年に新卒でワークスアプリケーションズに入社し
コンサルタントや新製品の開発を経験。 以降、i-plugで就活サービスのエンジニア、 noteでグロース領域のプロダクトマネージャーを経験したのち、フリー ランスを経て2024年にタイミーに入社。 マッチング領域のプロダクトマネージャーをつとめる。 好きなことは読書と麻雀とゲームと個人開発。
セッション概要 想定聴衆 • PMとして成長の壁を感じている方 • AIをスキルアップに活かすことに興味がある方 話すこと • AI個人開発という成長のためのプラクティスの紹介 •
実践のプロセスの紹介 話さないこと • 個人開発でのマネタイズや集客などの方法 • AIの高度な技術解説やプロンプトエンジニアリング
pmconf 2025テーマ 「未来に挑め」
「自分のプロダクトを持つ」 という挑戦
1 PMとしての成長課題
PMに求められる素養とは もはやお馴染みのプロダクトマネジメントトライアングル / プロダクトの 4階層 プロダクトマネージャーの責務は多様であり、求められることは多い 一方で、必要な成長が満たされる環境が常に整っているわけではない
成長を阻む「 3つの壁」 裁量 • 意思決定の大きさ、広さの観点 • プロダクトビジョンや戦略などは策定の頻度自体が少なく深く関与できる 機会が限られている • 組織やプロダクトの都合によりコントロールし難い
担当範囲 • 数多ある責務のうちどこまでをカバーできるかの観点 • 全てを個人がカバーすることは難しく、 実務上は分業制で実施する機会を得られないことが多い 専門性 • その責務をどの程度果たせるかの観点 • 実務に耐えうる経験を積むには機会が必要だし、 上達するには相応のコストもかかる
成長を阻む「 3つの壁」 裁量 • 意思決定の大きさ、広さの観点 • プロダクトビジョンや戦略などは策定の頻度自体が少なく深く関与できる 機会が限られている • 組織やプロダクトの都合によりコントロールし難い
担当範囲 • 数多ある責務のうちどこまでをカバーできるかの観点 • 全てを個人がカバーすることは難しく、 実務上は分業制で実施する機会を得られないことが多い 専門性 • その責務をどの程度果たせるかの観点 • 実務に耐えうる経験を積むには機会が必要だし、 上達するには相応のコストもかかる 組織やプロダクトの特性に関わらず 意図的にしたい経験を積める 機会を作ることに価値がある
1 成長のための AI個人開発 2
個人開発では全部自分で決める、やる 一般的な業務 • 上位戦略や既存のプロダクトをベースに 自分の裁量権内の意思決定を行う • 同僚と分担しながら自分の注力範囲を中心に 業務を遂行する • 専門性があるメンバーのアウトプットに
よりクオリティが維持される 個人開発 • 1から自分だけで決めて作る • 必要なことは全て自分で担当する • 自分のアウトプットが全て
AIの力で個人開発のハードルは下がっている Before AI • プロダクトを作る力をまず身につける必要が あり、始めるハードルが高い • 開発自体も時間がかかり完成に至るまでの ハードルも高い After
AI • ある程度のことはAIがこなしてくれるので気 軽に始められる • 指示するだけで開発が進むので完成までの ハードルも下がっている • 実装以外のリサーチやデザインなどの効率 化も可能 • 何をしているかを教えてもらえるので作りな がら学べる
1 ケーススタディ 3
実際に開発したアプリ 麻雀ドリル 「何切る」以前の答えのある問題から学べる 麻雀初学者向け学習アプリ • 未経験のモバイルアプリ開発 • 0からアプリを作る経験を積むこと を主たる学習目標として開発
実際に開発したアプリ 一向聴・聴牌の有効牌を当てる問題 (左) 役・符・点数計算の問題 (右) など麻雀初心者が必ず通る問題を 実践形式で学べる機能を搭載
何を作るかをどう決めるか テーマの決定 • どうせなら好きなことをテーマに楽しく開発した い • 奥さんが隣でノーテンリーチを打ってるのを見 かけ麻雀初心者のレベルアップに着目 類似プロダクトの 調査
「好きなこと」 ×「役に立つ人がいる」 ×「既存コンテンツで非対応」 の領域を見つける • 麻雀業界は超初心者向けの読み物は充実して いるが、実践を伴うコンテンツは少なそう • 何切る?以前のレベルへの狙うのは良さそう
実際にどう作り上げるか AI開発の上達 • CLAUDE.mdを育てる意識 が重要 • Plan modeを使って承認後に作業させる • 動作チェックやレビュー観点を出力させ
自分の作業を楽にする コード品質の低下 要求の言語化 と1回あたり作業スコープを小さくする ことがコツ 詰まったら見直すか作り直す • 次々と機能ができることに慢心しているとある時から突 然修正で意図通りにならないことが増える • 半泣きになりながら手作業でリファクタする • 調子に乗って大きなものを雑に作らせない
実際にどう作り上げるか AIに掌返しをしている図 2週間後
どこまで作り、どう届けるか ユーザーテストの 実施 • 麻雀プロの勉強会に参加して周りの参加者に アプリを触ってもらい反応を伺う リリース判断 • どこまでいっても不安で作り込みたくなる •
「リリースされたら教えてくださいね!」の声を受けリリー スを判断 告知を行う リリースがが近づくと「これで出して良いのか」と不安になる ユーザーの声に触れ「待ってくれてる人がいる」自信で一歩踏みだす • リリースと同時のnote記事を公開 • 関係者にもシェアいただき初動で40DLと 順調な滑り出し
どこまで作り、どう届けるか リリース後には嬉しいリアクションもあって 刺さるユーザーが存在することに感動! 一方、継続的に注目を集めるのは難しく DL数は初動以降は大きく伸びず
1 学び 4
仕事とは別の筋肉を使う機会を得られた Who / Why 誰の何のために What どんな体験を How どう作り When
/ Where いつどこで届けるか 顧客課題の特定 競合サービス調査 UXデザイン 情報設計 技術選定 DB設計 リリース計画 プロモーション ペルソナ定義 要件定義 品質保証 FBループ構築 最上流からの意思決定、全方面での実践経験をできた 価値を尖らせて届ける 部分に成長課題を強く感じる結果に
「1人で作る」から見えてくること • 他人の意見が入ってこない • 伝聞で何かを判断することがない • 前提となる戦略やプロダクトがない 自分で一次情報に触れ、自分で考えるようになる 慣性がない世界 での振る舞いが求められる
オーナーシップを実感する 「作ってみたけどなんか違うからこの機能は1から作り直そう」 「ここの挙動はもっとこうあるべき」 という自分なりのエゴのようなものが反映される 普段、 • “自分の” プロダクトという目線を持って仕事できているだろうか • 合意を得やすい丸い意思決定
に陥っていないだろうか • 妥当そうな落とし所を探す前提での活動になっていないだろうか と自省する機会に。
1 まとめ 5
まとめ • PMとして求められる職責は多種多様であり、 特定の現場では得られる経験に偏りが起こることもある • PMは継続的に成長する必要があり、そのための機会を獲得すべきだ • 個人開発では全ての意思決定、作業を自分で行う必要がある • 大きな意思決定、広く深い実践経験
をカバーする強力な成長機会と言える • 生成AIは個人開発のハードルを劇的に下げる • 苦手分野があってもAIを頼れば実践しながら学ぶ ことができる • むしろ学んでから実践するではスピードが遅い
何か作ってみようかなと思ったそこのあなたへ 🫶 おわりに: 素振り開発の勧め 1. 🤔ネタを貯めておく 自分だけが使うものや使い捨てでも OK ページ数少なめで単一機能のツールなど 簡単なものがおすすめ
2. ⏰1-3hほど時間を作る 休日や就業後に短くて良いので 開発だけに集中する時間を作る 3. 🔥時間内で作ってみる 完成してもしなくても良いし 最悪捨てて良いのでとにかく作る 4. 📝成果物を振り返る どう指示すると良かったか、満足するもの だったかなどをおさらいし次に活かす
AI個人開発で 「裁量・担当範囲・専門性」の 成長課題を突破する 2025/11/21 pmconf 2025 @ Osaka @kony_um