近年ではIoTでエッジ/フォグ・コンピューティングを行う事例が増えてきており,IoTにも計算パワーが求められるようになってきている.そこで,近年,アメリカを中心に注目を集めている開発プラットフォームNervesと,我々が研究開発を進めている並列処理ネイティブコード生成系である Pelemay Super-Parallelism を組合わせて,エッジ/フォグ・コンピューティングに用いることを提案する.現状の Pelemay は Clang / GCC を使って単一コアのSIMD命令を含むネイティブコードを生成する.本研究により,Raspberry Pi 3 Model B+ (ARM Cortex-A53ベース) と Raspberri Pi 4 Model B (ARM Cortex-A72ベース)の Nerves システム上と,Jetson Nano (ARM Cortex-A57ベース)の Ubuntu 上で動作することを確認した.実行時間を比較したところ,従来のEnumとくらべて,整数演算で2.31倍,浮動小数点数演算で5.16倍,文字列置換で3.51倍の性能向上を達成した.将来は,Jetson シリーズのGPUをPelemayで駆動できるようにする予定である.