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2026/10/27 東洋大学グローバルイノベーション学研究センター 人は、どうすれば社会を ...

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2026/10/27 東洋大学グローバルイノベーション学研究センター 人は、どうすれば社会を 『自分ごと』として考え始めるのか ― リビングラボから考える、問いが生まれる教育空間

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Kimura Atsunobu

October 20, 2026

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  1. ヒューマン・コンピュータ・インタラクション研究 ヴァーチャル・リアリティや仮想空間(メタバース)、それ にまつわるメディア研究に従事 サービスデザイン研究 テクノロジーを開発するだけでなく、⼈や社会の真のニーズ を⾒極め、使いやすく、こころを動かされる体験を設計する ための研究 ⽊村 篤信 Kimura

    Atsunobu ⽇本リビングラボネットワーク 代表理事 東京都市⼤学 准教授 地域創⽣Coデザイン研究所 地域創⽣アドバイザ JST RISTEXケアが根づく社会システム 領域アドバイザ ⽣駒市 緑の基本計画改定懇話会 有識者 デジタル庁 認定Well-beingファシリテータ 総務省 経営財務マネジメント強化事業 アドバイザ ⽇本デザイン学会 情報デザイン研究部会 幹事 ⼤牟⽥未来共創センター パーソンセンタードリサーチャ 京都⼤学デザインイノベーションコンソーシアム フェロー ソーシャルビジネスネットワーク フェロー ソーシャルデザイン研究(⼤牟⽥リビングラボ、奈良リビングラボ等) 企業だけでなく、地域や当事者といっしょにモノやコトを共 創する⽅法論(リビングラボ)の研究 地域創⽣Coデザイン研究所設⽴(社会システムデザイン⽅法論を提唱) NTTグループの地域創⽣専⾨組織新を⽴上げ、地域の市⺠団 体、⾃治体、企業が、それぞれの役割を超えて共創し、主体 的に地域づくり・地域経営に取り組むための研究、伴⾛ ⼀般社団法⼈ ⽇本リビングラボネットワーク設⽴ ⽇本全国で100以上のリビングラボが⽴ち上がる中で、欧⽶の借り物ではない、⽇本の 社会⽂化的な背景を踏まえた実践と⽅法論を探求するコミュニティを運営
  2. リビングラボとは モノ・コトをつくるときに ⽣活者と⾏政・企業・⼤学が共に 暮らしの場(リビング)において 試⾏錯誤(ラボ)をする活動・場 デンマークのスマートシティ研 究者とともに、⽇本初のリビン グラボ書籍(教科書)を刊 ⾏。北海道から沖縄まで全 国30カ所で対話イベント実

    施中。 (⼈⼝減少時代の社会課題解決に必要な⽅法論 ≒コレクティブ・インパクト) 徳島県神⼭町(地域創⽣関係者) 官⺠共創HUB×東京⼤学(産官学⺠関係者) 4重螺旋モデル︓Quadruple Helix Model Carayannis, E.G., Campbell, D.F.J., 2009. “Mode 3″ and “Quadruple Helix”: toward a 21st century fractal innovation ecosystem. Int. J. Technol. Manag 46, 201. Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 千葉⼯業⼤学(情報学部・デザイン学部) 関⻄学院⼤学(イノベーション研究会)3
  3. 徳島県神⼭町の地域創⽣プラットフォーム研究 神⼭で⼤事にされてきたメカニズムを、仕組 み・組織として体現した「まちを将来世代に つなぐプロジェクト(つなプロ)&神⼭つなぐ 公社(2015〜)」の研究 特徴1︓ 住⺠のリアリティと 地域の未来を捉えて問い続ける 特徴2︓ 問いに向けて責任を持って

    実⾏にコミットする 特徴3︓ 地域内外の⼈と多様な 関係性をつくり、意欲を引き出す ※⼤南(2021)徳島県神⼭町〜⼈⼝5000 ⼈の⼩さな町はなぜ進化し続けるのか︖,宮崎県総合 計画審議会. https://www.pref.miyazaki.lg.jp/documents/66504/66504_20220104155628-1.pdf 2025年の「第3期 まちを将来世代に つなぐプロジェクト」 計画書策定に活⽤
  4. JST RISTEXケアが根付く社会システム ①.旧システムの原理(駆動するもの) (どう⾒出し、ほぐすか︖) ④.新システムの実装 (社会環境の変容) 動的な 試⾏錯誤 1. 2.

    3. 4. 5. 6. ⼈間と⾮⼈間の惑星的ケア 科学技術と社会をつなぐためのケア概念に 基づく対話実践の再構築 相互期待感に基づくケア省察⽀援プログラ ムの創出 喪失と死を共に受けとめるケアリング・コ ミュニティの構築 変容期の痛みの経験者を核としたケア循環 型社会の実現 誰もが当事者になれる「まちのケア」シス テムの構築と実装 ⑤.新たな原理での連帯 (個⼈実践の変容) ②. 新システムの原理(駆動するもの) (どう⾒出し、溶け込ませるか︖) ③.新たな原理を志向する ボトムアップの実践 ③ʼ. 単なるボトムアップの実践 ※MLP:Geels, F. and Schot, J.(2007)Typology of Sociotechnical Transition Pathways, Research Policy,36(3),pp.399-417. ※社会システムの原理:ニクラス・ルーマン, 1992, 『公式組織の機能とその派⽣的問題(上巻)』, 新泉社. ※Kimura et al.(2023) Social System Design Methodology for Transitioning to a New Social Structure - A Holistic Urban Living Lab Approach to the Well-being City -, Front. Sociol. Sec. Sociological Theory, Vol. 8.
  5. リビングラボとは『セクターを超えた共創活動』 生 活 者 暮らしの現場にいる アクター 行 政 公共的な政策の 再形成

    リビングラボ 企 業 テクノロジーや 実⽣活環境に ビジネスによる実現 おける実験 大 学 人文学、社会科学、 自然科学の知の活用 4重螺旋モデル︓Quadruple Helix Model Carayannis, E.G., Campbell, D.F.J., 2009. “Mode 3″ and “Quadruple Helix”: toward a 21st century fractal innovation ecosystem. Int. J. Technol. Manag 46, 201. Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 13
  6. さまざまなセクターで注⽬されるリビングラボ 地域や⾃治体におけるシー ン 地域の担い⼿不⾜、⾏政職員の減 少、ひっ迫する⾏政の財政、 増加するインフラ更新費⽤ デジタルディバイド、地域DX ⾃治体DX、政策課題 市⺠協働、公⺠連携 ウェルビーイングなまちづくり

    産業振興、地域活性化 企業や⼤学におけるシーン ソーシャルイノベーション、ユーザイ ノベーション 社会課題解決、地域貢献 デザインリサーチ、ライフスタイルリ サーチ インクルーシブデザイン、ウェルビー イング サスティナビリティ スマートシティ、モビリティ、エネル ギー 医療、ヘルスケア ⽂化、社会的包摂(福祉)、教育 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 14
  7. ⽇本のリビングラボの年表と分布 2005.03 仙台フィンランド健康福祉センター 2006.09 Lions Living Labo 2010.01-2014.03 湘南リビングラボ 2010.11

    経産省 情報政策課 リビングラボ紹介 「情報政策の要諦ー新成⻑戦略におけるIT・エレクトロニクス政策の⽅向性」 2011.10 2011.12 2012.08 2012.10 みんなの使いやすさラボ(みんラボ) BABAラボ 富⼠通総研 リビングラボ研究レポート おたがいさまコミュニティ 2013.02 Living Lab Tokyo 2013.07 Virtual Living Lab 凡例) オレンジ⾊︓⽇本全体の動き ⿊⾊︓他の⽇本での取り組み 2017.01 井⼟ヶ⾕アーバンデザインセンター(井⼟ヶ⾕リビングラボ) 2017.05 ともに育むサービスラボ(はぐラボ) 2017.06 福岡ヘルス・ラボ 2017.09 件) 経産省 ヴィンテージ・ソサエティ構築実証事業(リビングラボ4 2017.09 神奈川ME-BYOリビングラボ 2017.10 ⾼⽯・僥倖リビング・ラボ 2017.12 ドリームハイツ ヘルスケア リビングラボ(とつかリビングラボ) ほか9件 2018.02 ⼤牟⽥リビングラボ 2018.03 横浜リビングラボ創⽣会議 2018.04 第⼀回リビングラボネットワーク会議 2018.04 こまつしまリビングラボ 2018.07 経産省 「未来の教室」実証事業(⼤牟⽥リビングラボ含む4件) 2018.10 サイクル・リビングラボ 地域共創リビングラボ 2014.12 松本ヘルスラボ 2018.11 2015.01 2015.04 2015.09 三浦リビングラボラトリー ⼦育てママリビングラボ Cyber Living Lab 2019.02 Well Being リビングラボ 2019.03 第⼆回リビングラボネットワーク会議 2019.10 岡⼭リビングラボ 2016.01 第5期科学技術基本計画(Society5.0) 2016.01 ⼋千代リビングラボ 2016.06 みなまきラボ 2016.07 産総研スマートリビングラボ 2016.07 東急WISE Living Lab 2016.11 鎌倉リビング・ラボ ほか5件 ⽇本のリビングラボデータベース (100件以上のリビングラボが存在) ※⽇本リビングラボネットワーク 実践事例部会調べ ( 2023/04 時点 ) 佐渡⾃然共⽣ラボ ほか10件 ほか3件 ふじみ野LL 丹後LL ⼤牟⽥LL 2020.07 関内リビングラボ 2020.08 厚労省 「介護ロボットの開発実証普及のプラットフォーム事業」 (リビングラボ6件) 2020.03 2020.10 経産省 リビングラボにおける⾰新的な社会課題解決サービスの 創出に係る調査「リビングラボ導⼊ガイドブック」 おやまちリビングラボ 2020.11 奈良リビングラボ みんなのまちづ くりスタジオ おやまちLL 未来LL 磯⼦杉⽥LL 鎌倉LL ほか8件 ※⽊村 (2021)「⾼齢者を⽀える技術と社会的課題」第5章 リビングラボの可能性と⽇本における構造的課題、 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs (調査資料2020-6)国⽴国会図書館調査及び⽴法考査局を元に作成 16
  8. リビングラボにおけるアクターと役割 運営側 地域内外の関係者 インフォーマルコミュニティレイヤー 役割︓エンパワメント・エンゲージメント 関連⼿法: コミュニティマネジメント 参加側 Stakeholders (User,

    Citizen, Companies,,,) コミュニティマネージャー (Panel Manager) Provider プロジェクトレイヤー 役割︓プロジェクトマネジメント 効果︓価値共創 関連⼿法: Coデザイン プロジェクトマネージャー Provider リビングラボ利⽤者 Utilizer ビジョンレイヤー 役割︓ビジョニング・インパクト評価 関連⼿法:トランジションマネジメント・システミックデザイン リビングラボマネージャー Provider 資⾦提供者 Enabler Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs (Government, Foundation, 19 Companies,,, )
  9. 持続的な共創プラットフォームとしてのリビングラボ どうあるべきか 共創活動 やってみる 主体的に 動き出せる⼟壌 総体的・連続的に 深める問い やってみる のんびりする

    成果・報告・形式知の領域 ※⽊村 (2021)「⾼齢者を⽀える技術と社会的課題」第5章 リビングラボの可能性と⽇本における構造的課題、(調査資料2020-6)国⽴国会図書館調査及び ⽴法考査局 ※⽊村(2021)「リビングラボの可能性を広げるためにできること」,第3回全国リビングラボネットワーク会議基調講演 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs ※⽊村ら(2021)持続的な活動/持続的な変化に向けたリビングラボ概念の拡張,第68回 ⽇本デザイン学会 春季研究発表⼤会 20
  10. リビングラボが活⽤される場⾯ 欧州をはじめとしてさまざまなプロジェクトが取り組まれており(440+)※1⽇本では経産省・厚労省が活⽤ し始めている(100+)※2また、⼤きくは以下の4種の場⾯で活⽤されている※3 ①サービス・技術開発 鎌倉リビングラ (utilizer-driven) ボ -サービス検証 みんラボ -サービスイノベーション創出

    フューチャー・ by⺠間企業・⼤学etc. リビング・ラボ (⽇⽴) ノボ ノルディ スク エーザイ韓国 ③地域活性化 おやまちリビングラボ ・・・ 寿リビングラボ (user-driven) WISEリビングラボ -地域関係者のつながり形成 -地域のにぎわいづくり(イベント) デルフト⼯科⼤ -持続的な住⺠⽣活の問題解決・価値向上 ・・・ by住⺠/NPO・デベロッパー・ ⾃治体 etc. ②⾏政サービス改善 松本ヘルスラボ (enabler-driven) ME-BYOリビングラボ 丹後リビングラボ 佐渡島⾃然共⽣ラボ by⾃治体・住⺠/NPO etc. イノベーション神⼾ Turinリビングラボ ・・・ -住⺠・NPOと⾃治体の関係性構築 -陳情や⾃治体の政策エビデンス獲得 -地域としての政策イノベーション ④⽅法論研究 東⼤ (provider-driven) KDDI研 NTT研 i-mec By⼤学・研究機関 etc. Publicintelligence ・・・ -⽅法論の実践 -⽅法論の体系化と展開 ※1︓European Network of Living Labs (ENoLL) 5⼤陸35カ国から151組織のアクティブメンバー(過去の登録メンバーは全 世界で500組織以上)(2023.04) ※2︓⽊村 (2021)「⾼齢者を⽀える技術と社会的課題」第5章 リビングラボの可能性と⽇本における構造的課題、(調 査資料2020-6)国⽴国会図書館調査及び⽴法考査局 ※3︓Leminen, S., Westerlund, M., & Nystrom, A. G.(2012).Living Labs as open open-innovation networks, Technology Innovation Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs Management Review Review. 22
  11. ①サービス・技術開発 ②⾏政サービス改善 ③地域活性化 事例︓循環型都市の実験室 De Ceuvel 概要︓ 1世紀にわたる造船業によって荒廃し⼟壌汚染していた造船所跡地を改 善するため、アムステルダム市が⺠間公募して⽣まれた循環型都市開発 のためのリビングラボ。アムステルダム北部に位置する敷地⾯積1250m²

    の⼩さなエリアで、地域のエネルギー、栄養素、廃棄物サイクルの「ループを 閉じる」完全なリサイクルを実現する再⽣技術の開発や実証に、建築家、 芸術家、起業家、研究者、ボランティアなど多様な組織が協⼒して取り組 んでいる。アムステルダム市からの補助⾦(€250,000)と市の保証によ る銀⾏融資(€200,000)を受けて資⾦を調達している。14隻の貸し 出しハウスボード、ラボ&コミュニティ施設、レセプションスペース、カフェ・レス トランから構成され、⽂化的およびコミュニティのハブとなっている。 主体︓Metabolic社 (2014~2024) 活動︓ ハウスボートは廃船をアップサイクル利⽤し、根を通して汚染物質を吸収し て分解する特殊な植物で覆う「分散型葉緑素ろ過のシステム」を開発 再⽣可能エネルギーの地域⽣産と交換を促進するため、ブロックチェーン 技術を⽤いた仮想通貨のJouliette(ジュリエット)を導⼊ 温室で育てた植物、海藻バーガー、キノコで作ったミートボールなどを敷地 内レストランで提供 地域との関わり⽅︓ 毎年35,000⼈を超える訪問者(Covid-19前)。 作り⼿として関わるイベント(⼟壌を回復させる植物を植える、カフェやハウ スボートオフィスなどのテーブルなどに釘を打つ、オフィスのデザイン等) Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 23
  12. ②⾏政サービス改善 ③地域活性化 関係性から地域を問い直すヌティナム図書館(Neutinamu Library) 概要︓ Neutinamu Library は、韓国の市⺠主体で設⽴された⺠間公共図書館である。単なる蔵書・貸出施 設ではなく、「⼈々の暮らしを起点に公共をつくり直す場」として運営されている。 館⻑や司書は、地域の⼈々の悩みや関⼼、夢、問いを出発点に活動を育てることを重視し、⾏政・市⺠・

    研究者・⽂化実践者など多様な主体が交わるプラットフォームとして機能している。特徴的なのは、サービス を⼀⽅的に提供するのではなく、⼈が⾃ら動き出す“点⽕”を促すことを⽬的としている点である。 館内では、死の⾃⼰決定、孤⽴、障害、移⺠、地域の記憶、⼦どもの学びなどのテーマを、書棚・展⽰・対 話・イベントを通じて共有し、「答え」ではなく「問い」を公共空間に開く実践を⾏っている。また、DIYや野菜 づくり、飲み物づくりなど⾝体的な活動を重視しており、図書館を知識の保管庫ではなく、知識と関係性が ⽣成されるリビングラボ的プラットフォームと⾔える。 主体︓ ヌティナム図書館(ヌティナムはケヤキの意。枝を⼤きく広げて豊かな⽊陰を作るケヤキの⽊が「⼈々が集い憩う場所」の象徴とされている) その他の活動︓ ・地域の⼈の話や暮らしから活動を⽣み出すゲリラガーデニング、歓迎の⾷卓、朗読活動等 ・情報を与えるのではなく、問いを共有する書棚、展⽰、イベント、ウェブサイト ・蔵書を対話のきっかけとして活⽤する「Collection Busking(コレクション⼤道芸)」 ・地域の⼈の活動・記憶・語りをアーカイブ化(Neutinamuが出会った地域の⼈のナラティブ) 地域との関わり⽅︓ ヌティナム図書館では、「利⽤者」として参加するのではなく、市⺠が主体として公共を共につくることを重視 している。発達障害の⼦どもの家族、引きこもり経験者、⾼齢者、⽂化活動者、移⺠・難⺠⽀援者など、 多様な⼈々が役割を固定されずに関われる場を設計している。 また、歓迎された経験を持つ⼈が、今度は他者を歓迎する側へ回っていく循環を⼤切にしており、ケアを「⽀ 援する/される」の⼀⽅向の関係ではなく、相互に育ち合う関係性として捉えている。 さらに、図書館運動そのものを地域との協働プロセスとして位置づけ、司書、ボランティア、研究者、市⺠活 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 24 動団体、⾏政関係者などが対話を重ねながら、図書館の役割や公共のあり⽅を継続的に更新している。
  13. ①サービス・技術開発 ③地域活性化 死を起点にイノベーティブで豊かな社会を創造する(Living Lab from Death) 概要︓ 2025年、⽇本が本格的な多死社会に突⼊する中で、「⽣と死のウェルビー イング」を⽬指してそれぞれの想いを共有したり、まだ顕在化していない社会 の課題やニーズを掘り起こして、解決法を探求する共創プラットフォーム。

    年1回のイベント︓Deathフェスでは、さまざまな⽅向から死というテーマにふ れるトークセッションや体験コンテンツのほか、死についてカジュアルに、⾃由に、 だけど真⾯⽬に語り合う場を通して、死を⾃分ごととして捉え直す機会を提 供している。 また、⼀⼈ひとりが死をタブー視せず、⼈⽣と地続きのものとして捉え直すこと ができる社会を⽬指して、死を起点により豊かな社会を創るためのサービスや プロダクトの開発について意⾒を交わし、新たなアイデアを形にするリビングラボ に取り組んでいる。 主体︓⼀般社団法⼈デスフェス (2024~) 活動︓ ・VRやAI技術を活⽤して治療中の痛みや不安を軽減する取り組み ・各分野の専⾨家から「死」を学び、対話を深める場を提供する「死の学校」 ・⽣前に登録した想いや情報を⼤切な⼈へ⾃動送信する終活サポートサー ビス「ことばの保険 tayorie」 ・終末期の知識や葬送儀礼を学ぶ、企業や個⼈向けワークショップ「死のリテ ラシー学校」 ・「⽣きるのつらい」を「⽣きるのいいね」に変えるローカルコミュニティ活⽤ ・親⼦が⽣前に⼤切な会話を共有する「ただいま交換⽇記」 ・死の課題や機会を探索する「ですまっぷ」 ・⻑期闘病の⼦どもたちの最期の⽇に、家族と⼀緒に夢を叶えるプロジェクト Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 25
  14. ②⾏政サービス改善 ③地域活性化 事例︓⾃由な⾏動が共存する公共空間 ホントカ。 概要︓ 旧⼩千⾕総合病院の統合移転に伴う跡地整備の計画として、図書館を核とした複合施設 を整備し、中⼼市街地の活性化を図るために、施設設計段階からを共創を実践する場= 対話と活動のためのプラットフォーム「⼩千⾕リビングラボat︕おぢや」の活動が⾏われた。その 根幹には、リビングラボの思想と重なり、新しい公共、新しい公共空間をみんなで創っていくプ ロセスが⼤事にされた。そして、「つくる」「つかう・参加する」「⾒つけ・動かす」などにフェーズを

    区切りながら、まちや公共施設における市⺠の関わり代を⽣み出していった。2020年12⽉ のプレイベントより始まったこのプロジェクトを経て、2024年9⽉に施設「ひと・まち・⽂化共創 拠点 ホントカ。」がオープンし、市⺠が関わる多数の活動が⾏われている。 主体︓⼩千⾕市役所 (2020~) 活動︓ 市⺠参加プラットフォームを育てるためのシンポジウム 第1~16回⼩千⾕リビングラボ「まちと公共施設の未来をともに創造する」 ⼩千⾕リビングラボ(仮称)愛称市⺠投票 出張at︕おぢや(ふるさと夢づくり教育) 新潟⼯科⼤学連携プログラム 共にある 共に創る暮らし「鰯新聞」(いわしんぶん) 地域との関わり⽅︓ 従来は⾏政と委託事業者だけで進めていたプロセスを、⾏政は対話・共創というコンセプトを 握り、具体的な中⾝は市⺠や事業者に開いてみんなで創っていくプロセスとなるように事業が 設計された。また、施設の設計においてもハード中⼼ではなく、その後の活動が中⼼となるよう に、地域の若者、⼦育て世帯、⾼齢者など多様な⼈が活動しやすくする仕掛けを埋め込ん でいる。 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 26
  15. 系譜1︓シチズンサイエンス(現場で学びを得る科学へ) 1990年代から実験科学・市⺠科学の分野でLiving Labと名前の付い た活動が⾏われている • “The Living Lab is a

    pilot program teaching estuarine issues to junior and senior high school students.” (Short, 1992) • “The program has a room in the residence quarters of the YMCA called the ‘’Living Lab.” This laboratory is an opportunity for a youth to gain prac\cal experience living on his or her own while receiving support from staff, DYFS and other agencies.” (State of New Jersey, 1993) • “From using the environment as a living lab to enhance your science and math studies to using it to help inspire your students to create poetry, there are many innova\ve ways to promote outdoor experiences with your students.” (Wood et. al., 1993) 実験科学[Lewin,1946;Kawakita,1967;Neisser,1978]や市⺠ 科学[Short,1992;Wood,1993]の分野では、限定的な環境での 試⾏実験の限界に対して、アクションリサーチ、野外科学、 PBLなどの実環境での実践や検証が重要視された。 特徴 • 実環境下(real-life setting) • ⽣徒の巻き込み(student involvement) • エンパワーメント(empowerment) ※川喜⽥(1967)発想法―創造性開発のために, 中央公論社. Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 29
  16. 系譜2︓オープンイノベーション(みんなに開いてつくる⽂化へ) Human Computer Intaraciton(HCI)の分野では、ジョージア⼯科⼤学 のAware Home Projectが1999年にLiving Laboratoryという概念を取 り上げて研究を⾏った(Cory et

    al.1999) 欧州委員会は2013年のダブリン宣⾔で、オープンイノベーション2.0をオー プンイノベーションの新たなパラダイムとして考え、欧州全体で推進してい くこと ・ 世界に発信していくことが決議され、「Open Innovation 2.0 Yearbook」では、Living Lab が多く取り上げられている 1980年代にパーソナルコンピューターが普及したとき、⼈としての使いやすさ に焦点を当てたユーザ中⼼設計Norman(1986)が提唱された。これは限定的 な関係者による設計の限界に対して、実際のユーザの巻き込むアプローチであ り、その後サービスデザイン[Stickdorn;2012]などに拡張されていった。ま た、企業イノベーションにおけるオープンイノベーション[Chesbrough;2003] や⾏政運営における市⺠参加の梯⼦[Arnstein;1969]など、さまざまなセクター のモノづくり(コトづくり)においても、関係者に開いてつくる⽂化(デザイ ンの⺠主化)へのシフトが志向されている。 特徴 • ユーザの巻き込み(user involvement) • 共創(co-crea7on) • 価値協創(joint-value) • ガバナンス(governance) ※D.A. Norman, (1990)誰のためのデザイン︖,新曜社. Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 30
  17. 系譜3︓参加型デザイン(使うものを⾃らつくる権利へ) 職場の⽣産性を⾼めるために技術システムを導⼊したい経営者と、⾃ 分たちの労働の現場に技術システムを⼊れることに不満を持つ労働者 との対⽴に対して、第3の道として、⺠主主義的な⽅法で問題解決を 図ったのが参加型デザイン ノルウェー鉄・⾦属労組の技術プロジェクト(1970年〜) スウェーデンのDEMOSプロジェクト(1975〜1979年) デンマークのプロジェクトDUE(1977〜1980年)など 北欧リビングラボの源流と⾔われる参加型デザイン[Nygaard,1975] は、社会⺠主主義的な理念を持ち、⽣活者やユーザの権利として、⾃

    らが⾝の回りにある組織構造やプロセス(社会技術システム︓Sociotechnical system[Trist,1951])に対して主体的に関わっていくことが 基本的な考え⽅となっている。形を持つ製品から、形を持たないサー ビス、さらには組織や社会についてまで、それを設計・運⽤すること に主体的に関わる活動が展開されてきた。 特徴 • エンパワーメント(empowerment) • ⾃発性(Spontaneity) • ガバナンス(governance) • ラピッドプロトタイピングと評価(rapid prototyping & testing ) Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs ※S. Bodker et al. (2021) Participatory Design, Springer. 31
  18. 事例︓エグモント・ホイスコーレ 概要︓ デンマークのエグモント・ホイスコーレとは、障害者と健常者 が共に助け合いながら学び、⽣活する全寮制の学校。学校であ りながら、同時に、障がい者の⽇々の問題を解決するリビング ラボとしての役割も持ち、地域や産業界と連携の中で新しい価 値を⽣み出している点が注⽬されている。 主体︓Egmont Højskolen (How,

    Denmark) 活動︓ ⾞いすでも楽しめるスイミングプールVandhalla (ヴァンダラ) の企画・開発。障がい者と健常者の⽣徒がチームを作り、初期 から設計に携わった特設プールで、プール専⽤の⾞いすに乗り 換えがしやすい更⾐室や⾞いす のままプールに⼊れるスロープ だけでなく、⾞いすの⼈やストレッチャーに乗った⼈でも滑る ことができる全⻑ 90m のウォータースライダーも備えている。 全⾝⿇痺の障害者が校内を⾃由に⾏き来するために、視線⼊⼒ インタフェースを備えたタブレット端末で操作ができる電動⾞ いすが開発された。 地域との関わり⽅︓ エグモント・ホイスコーレやヴァンダラは地域に開かれた形で 運営されており、地域の住⺠が利⽤することができる。また、 全寮制の学校であるため、障害者と健常者の⽇々の暮らしその ものが、リビングラボの対象となる開かれた⽣活空間となって Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs いる。 37
  19. 事例︓エグモント・ホイスコーレ h"ps://kotaenonai.org/blog/satolog/11493/ https://www.egmont-hs.dk Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs

    “障がいがあろうとも 誰にも⽌められない ぶちかましてやるぜ︕という気持ちは変わらない h"ps://www.youtube.com/watch?v=7zIbJj441Ec 38
  20. デンマークにおけるリビングラボのメカニズム 特に北欧のリビングラボ実践では、失敗・エラーを許容する冒険性(探索性)、フェアな関 係を基盤とする対等性、誰もの声が⼤事にされる主体性について、社会システムと⼈々の 特性が充実していた ①共創実践の場 =リビングラボ ②⼈々の特性 (マインドセット) 主体性 冒険性

    対等性 ③社会システム フォイ―ニング フレキシキュリティ ホイスコーレ ▪教育システム ホイスコーレ(hojskole) ⽣涯学び続けることができる⺠衆の⺠ 衆による⺠衆のための成⼈教育機関 ▪就労・社会保障システム フレキシキュリティ(flexicurity) 流動的な経済における労働市場の融通性と 労働者社会保障を組み合わせた政策 ▪市⺠参加システム︓ フォイーニング(Forening) 公共施設の優先的な利⽤や公的⽀援が 得られる.ボランティア中⼼に運営. ※⽊村 (2021)「⾼齢者を⽀える技術と社会的課題」第5章 リビングラボの可能性と Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs ⽇本における構造的課題、(調査資料2020-6)国⽴国会図書館調査及び⽴法考査局 39
  21. デンマークの成果と環境 成果 環境 ⾞いすでも楽しめるプール (ヴァンダラ) 北欧最⾼峰の⼭に登る (リース遠征隊) 市⺠のやりたいを応援・伴⾛する (フォイーニング) 失敗しても再チャレンジできる

    (フレキシキュリティ) あなたがどうしたいのか︖を問う (対話中⼼の教育、ホイスコーレ) 労働者と経営者が対話する機会を持つ (参加型デザイン) ファーストネーム、ダウスオーデン (対等な関係性) ⼈は役に⽴つから価値があるのではない (ノーマライゼーション、労働者の権利) Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 40
  22. ⼤埜地の集合住宅・鮎喰川コモン 新たに家を建てる⼟地や借りられる家を⾒つけづらい状況で、⼦育て・働き盛りを中⼼に、将来世代に繋がる⼈々が⼈ ⽣のある時期を暮らし、新しい兄弟関係や隣⼈としての関係性を育み合える場を、町の賃貸住宅として整備した。住宅 開発だけでなく、町産材・町内業者、地域の⾼校⽣などとの連携により、⼈が育ち、これまで離れ離れにあった地域資 源をつなぎ直す、多義的な建設プロジェクトとなっている。 h"ps://www.town.kamiyama.lg.jp/co-housing/building.html https://www.town.kamiyama.lg.jp/co-housing/wood.html 神⼭の⽊で、まちの⼈が作る 町産材の杉・ヒノキを構造や内外装に使⽤しています。⽊材は 伐採から200年間強度を⾼めていく耐⽤年数の⻑い建材で、調

    湿効果や⾹り、抗菌作⽤等の効⽤も有します。近くの⼭の⽊を 使うことで、森の⼿⼊れが進み、経済も循環します。(中略) 通常、⼤規模な建設⼯事はその発注規模から町外の⼤⼿⼯務店 に頼る形となりやすく、それは町の⼤⼯さん等が⾃分たちの町 をつくる事業に参画しにくい状況を⽣み出します。そこでこの 開発では、分棟型の⽊造建築として設計し、かつ開発を4年間 にわたらせることで、町内の⼤⼯さん等が腕を振るいながら少 しずつ完成させてきました。これは⼈材育成の機会でもあり、 町のお⾦を町外に流さずに、地域内経済循環性を⾼めることに もつながります。 神⼭で育った樹⽊で景⾊を育てる ⼤埜地住宅の庭の⾼⽊や⽣垣には、神⼭で育った樹⽊を調達し ています。2016(平成28)年から、城⻄⾼校神⼭校の⽣徒らと、 神⼭の⼭から種とりや挿し⽊をして、町産の苗⽊を増やし育て る取り組みも進めています。 https://www.town.kamiyama.lg.jp/co-housing/building.html h"ps://www.town.kamiyama.lg.jp/co-housing/green.html Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 学校で学びながら、まちの景観をつくり、それを育くんでゆく 過程を、⽥瀬理夫さん(ランドスケープ設計者)を⽔先案内⼈ に進めてきました。 45
  23. プラットフォームのメカニズム1︓ 住⺠のリアリティと地域の未来を⾒据えて問い続ける 1.対話の場づくり(1期WG、成り⾏きの未来) 将来像 ビジョン⾯ 2.活動がビジョンを体現 (幹となる⾃主事業) 現象⾯ 実現 多義的な成果

    PJ 継続 (活動) 3-2.地域外関係づくり (イン神⼭、視察&報告 会、企業版ふるさと納税) 3-1.地域内関係づくり (集合住宅だより、バ スツアー、つなプロ報 告会) 実現⽅法の検討 地域外の事例・経験の獲得 地域外の⼈・組織との仲間づくり 町⺠の理解醸成 想いを掘り起こす リソース⾯ 顕在的資源 (種⽕) 潜在的資源 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 54
  24. プラットフォームの機能3︓ 多様なリソースとともに問いに向けた実現にコミットする 将来像 ビジョン⾯ 3.活動がビジョンを体現 (幹となる⾃主事業) 現象⾯ 実現 多義的な成果 2.

    多様なリソースととも に実現にコミット 1. あたたまっている種⽕ メンバーとの対話 リソース⾯ PJ 継続 (活動) 実現⽅法の検討 つながる場づくり 顕在的資源 (種⽕) 潜在的資源 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 55
  25. プラットフォームのメカニズム2︓ 地域内外の多様なつながりを豊かにし種⽕を⽣み出す 将来像 ビジョン⾯ 実現 多義的な成果 現象⾯ PJ 継続 (活動)

    1-1.地域内関係づくり (集合住宅だより、バ スツアー、つなプロ報 告会) 実現⽅法の検討 1-2.地域外関係づくり (イン神⼭、視察&報告 会、企業版ふるさと納税) 2.つながる場づくり 地域外の事例・経験の獲得 地域外の⼈・組織との仲間づくり 町⺠の理解醸成 想いを掘り起こす 顕在的資源 (種⽕) リソース⾯ 3.意欲のあたたまり (近接的関わり、WG、 報告会) 2.つながる場づくり 潜在的資源 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 56
  26. 連続的に活動を⽣み出す共創プラットフォームのメカニズム仮説 プラットフォームがない場合 1-1.問いがないと、単発的なプ ロジェクトになる 1-2.地域のリアリティを捉えて いないと、抽象的な問いになる 特徴1︓ 住⺠のリアリティと 地域の未来を捉えて問い続ける 2-1.組織を超えた共創ではコ

    ミットする⼈がいないと停滞する 2-2.予算の確保がなくなるとプ ロジェクトが中断する 特徴2︓ 問いに向けて責任を持って 実⾏にコミットする 特徴3︓ 地域内外の⼈と多様な関係性 をつくり、意欲を引き出す Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 3-1.既存の狭い関係性に閉じて 新しい活動が⽣まれない 3-2.役割だけの関わりになり、 役割のはざまの問題が対象化しな い 57
  27. 神⼭町の成果と環境 成果 環境 神⼭の⾷と農をつなぐ社会的農業 (フードハブ・プロジェクト) 関係性を育み合う賃貸住宅 (⼤埜地の集合住宅 ) 「ここでは⾃分を表現してよい」感覚 (NPO法⼈グリーンバレー)

    ⿊⼦として地域の種⽕をつなげていく (つなプロ共同研究※) 互いの関係の中で起こっている(中動態的) (つなプロWG、つなプロ作戦会議) 多様な⼈たちが持つ想いを暖めるプロセス (神⼭町創⽣戦略第3期委託業務仕様書) 「暮らしてもよいし帰ってもよい」関係 (NPO法⼈グリーンバレー) 「やる意欲と⼒を持ち合わせている⼈」 (神⼭町創⽣戦略第1期計画書) Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs ※地域創⽣事業組織のプラットフォームとしての間接的アウトカム の特定に関する研究報告書(2025)神⼭つなぐ公社、地域創⽣Coデ ザイン研究所、東京都市⼤学コミュニティマネジメント研究室 59
  28. 転換すべき社会システムの原理 認知症の⼈は拘束 → 安⼼して徘徊(外出)できる 閉じ込める・しばる・過剰な薬等ケアなきケアの時代 1990年代、当時は認知症⾼齢者の寝たきりが社会問題と なりつつありましたが、多くの病院や施設では⾝体拘束が当た り前になっており、そこに疑問と憤りを感じていました。(⼤⾕る み⼦⽒) https://chiikisaisei.jp/organization/num-192

    官⺠連携による安⼼して徘徊できるまちづくり ⼤牟⽥市介護サービス事業者協議会規約 第2条(⽬ 的) 協議会は、介護サービス事業者(以下「事業者」という。)の資質の向 上及び事業者間のネットワーク化を図ることにより、円滑な介護サービス の提供を推進するとともに、介護を必要とする⼈の⽇常⽣活への復帰に 努⼒し、本⼈の意思と能⼒を発揮しうるような⼈⽣を最後まで⽀え続 ける介護環境の確⽴を⽬的とする。 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 62
  29. 原理を⽀える⼈間観︓パーソンセンタード※ ⽣活者(パーソン)の暮らしを、独⽴した個⼈の暮らしとして捉えるのではな く、周りの家族や地域の⼈との繋がりと、その繋がりの中で捉え直されるケイ パビリティに基づき、豊かで継続性を持ったナラティブによって成り⽴ってい ると捉えるもの 働く 【ビジネス】 マーケティング5.0 【教育】 未来の教室(経済産業省)

    つながり connection 好奇⼼ ⼈⽣ narrative 出会う 知る 潜在能⼒ capability 意欲 楽しむ 問題意識 つながる 【福祉】 地域共⽣社会(厚⽣労働省) Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 学ぶ ※⽊村ら(2019)パーソンセンタードデザイン︓その⼈らしい暮 らしを⽬指す⼈間観に基づくデザイン⽅法論,⽇本デザイン学会 63
  30. ⼤牟⽥未来共創センター(ポニポニ)の設⽴(2019) l 「認知症」や「⾼齢者」などの福祉に閉じた課題設定や取り組みでは、地域においてさまざまな領域で⽣み出される社会 課題や地域創⽣を視野に⼊れたアプローチが難しい状況であった l 認知症ケアで⾒出されたコンセプトを深め、セクターや領域における縦割りを横断し、既存の社会システムから“独⽴しな がら埋め込まれる主体”として官⺠協働で⼤牟⽥未来共創センターを設⽴した(2019年4⽉) 福 祉 教

    育 国 ⼤牟⽥市 産 業 縦割りの打破(調整)、政策展開⽀援 ビジョンの共有 地域内のアクター (市⺠団体、 地場企業など) 共創 ⼤牟⽥未来共創センター 地域外のアクター 共創 (国内外企業、 研究機関等) 基礎 ⾃治 体 予 算 モデル提案 制 度 事 業 予 算 制 度 事 業 ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ 政策的統合 計画 ⽀ 援 ⼤牟⽥未来共創センター 地域資源の価値を再構築 地域・住⺠との協働 統合的 アプローチ 地域資源 地域 地域・住⺠ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ 実 践 取 組 ⽀ 援 統合的実践 対 象 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 多世代・横断 64
  31. 「⼈々が主体的に共創できる社会」のモデルをつくる ⼤牟⽥市、奈良市での取り組みを、岡崎市,⽣駒市, ⼋丈町,神⼭町,天川村,佐渡市,⼩松市、尼崎市、 浦添市などに展開 対話を通じて住⺠の主体性 があたたまる定期イベント 「ぐるぐるダイアログ」 ⼈の意欲が発揮され⼈⼿不 ⾜を解消するムーブメントを ⽣み出す「労働供給制約社

    会・⼤牟⽥」 主体的なデジタル活⽤をサ ポートする⼈材 「インフォナビゲーター」養成 講座 「わたし」として扱われる場があたたまりを⽣む ⾼齢者の主体性を引き出す デジタル体験 「VRを活⽤した未来の福祉 プロジェクト」 ×東⼤等 ⼤牟⽥から未来をのぞき⾒ る、 対話・体験・テクノロジー 「NINGEN Societal 多様な市⺠や内外の関係者がが集うイベン Festival」 社会の本質に迫る 問いと対話のメディア 「湯リイカ」 ×SMBC等 対話を通じて未来について考える仲間が集う 公営住宅モデルルームと住みこなしに必要な家具 DIY Well-being な住まいPJ ×有明⾼専等 みんなが⾃然と元 気になるまちPJ w/ モデル事業 ×NTTデータ等 ⼈の⼒を引き出 す職場づくり「超 短時間雇⽤」PJ ×東⼤等 ⽣産性と多様性 の両⽴する地域 企業への伴⾛⽀ 援PJ ・・・ 地域共創拠点︓ うずうずマイン(コワーキング,イベントスペース,チャレンジショップ等) 産官学⺠の共創プラットフォームを推進する主体︓ ⼤牟⽥未来共創センター(⼤牟⽥市との連携協定) 住⺠があたたまり地域内のキーパーソン同⼠がつ ながる場 ⾏政政策︓ 健康福祉総合計画策定・運⽤等 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 健康福祉総合計画策定・運⽤ 66
  32. ⼤牟⽥リビングラボでのあるプロジェクトの始まり ⼤牟⽥リビングラボ 地域住⺠ (⾼齢者として)これまでの経験や興味を活か して地域に関わる機会がない、多様な形でどんな ⼈でもいれる居場所がない ⼤牟⽥市 従来の介護予防施策では リーチすることが難しい⼈がいる (財政的制約も強まる)

    地域の意図 企業がリビングラボへ⽀払う対 価(資⾦)を活⽤し、⾼齢 者が仲間を得て、⾃らのことを 振り返る(知る)過程で意 欲を育み、多様な参加に向 かう仕組みづくり検討 課題の再設定・ 統合的実践 企業の意図 企業 他地域で実施した 疾病の早期検知サービス の実証実験に⼈が集まらない 「早期検知」という機能検証 から、「⾃らのことを知る新た な⽅法のデザイン」という意味 探索へと課題設定を変更 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 68
  33. わくわく⼈⽣サロン 地域住⺠にとっての価値 ⾼齢者にとって、⾃分の経験や興味を起点として地域に関わる機会や、⽀援されたり、⾼齢者的なテーマに区切られる ことのない居場所を持つことができ、同じ経験や悩みをもつ⼈と語らい、意欲が育っていく中で新たなことに取り組もうと する⼈が現れた •地域包括⽀援センターがリーチすることが難しかった、20年間⾃宅に引きこもっていた⽅が参加 •介護保険サービスでは居場所が得られなかった(合わなかった)⽅の居⼼地のいい場となる •制度利⽤がなく⽣きづらさを抱えている⾼次脳機能障害のご本⼈、ご家族への⽀援を実施 (個別にご本⼈、ご家族の不安や悩みに寄り添った対応を実施) •配偶者に先⽴たれた⽅たちによるピアが⽣まれる(グリーフケア)

    •持っている資格やスキルを⽣かし、地域の課題を解決したいという⽅が⽣まれる(例︓「防災 ⼠の資格を活かして地域のために活動したい」「⼦どものための活動をしたい」「⼤牟⽥市をアピー ルする商品開発をしたい」などの⾃発的な⾔葉がある) •年齢が異なるが同じ⼤学やサークルに参加していた等「縁」のある⼈との出会いが⽣まれる (友⼈ができる) •前向きな動機をきっかけとして参加し、通所、ピア(グループ)、訪問、家族⽀援を、個別⼀ ⼈ひとりの状況に合わせて柔軟に組み合わせて⾏う「多機能型サロン」とも⾔える相談⽀援拠点 の可能性を⽰唆 •⾃治体からの資⾦的な援助を得ることなく開催するモデルを構築(企業との協働) 「⼤牟⽥市⾼齢者保健福祉計画・第7期介護保険事業計画」 総括時の職員の意⾒ 「既存活動に関⼼が薄い⼈もいることから、「わくわく⼈⽣サロン」 ように⾃分こ とを語る場を設けるなど、新たな活動きっかけを作る必要があると考えます。 」 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 70
  34. わくわく⼈⽣サロン ⾏政にとっての価値 これまでの⾏政施策でアウトリーチすることが難しかった⼈に出会うことができるとともに、住⺠の主体性/潜在能⼒を核 に福祉計画全体を考えるという本質的な⽰唆を得た。そして、この⽰唆を活かして各施策を実⾏するために、暮らしの 総合計画ともいうべき⼤牟⽥市健康福祉総合計画を、縦割りの⾏政計画でなく、統合的に地域や⽣活を捉え直す構 造とした計画として策定した(2020年度)。 ü これまで別々に策定されていた、⾼齢、障害、健康増進、⾷育など9本の⾏政計画を、「地域共⽣社会 の実現」という共通のビジョンに向けて1つにまとめた。 ü

    概要版については、通常、「計画のサマリー」にとどまりがちであったものを、「計画の理念を体感 してもらうもの」へと位置付けを変え、親しみやすいイラストを活⽤し、実際に⼤牟⽥で暮らしてい る⼈たちのエピソードを紹介する形とした。タイトルにつけた「うずうず」は、わくわく⼈⽣サロン の際に⾒出した「温まる」を⾔葉にしたものである。この考え⽅(感覚)を⾏政、市⺠と共有するこ とを試みている。あわせて、計画策定の⼤牟⽥市側の担当者と強く理念を共感できるようになり、そ れ以降計画推進全体のキーマンとなっている(現在、健康づくり課⻑)。 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 71
  35. わくわく⼈⽣サロン 企業にとっての価値 l 企業としては、これまで開発してきたアルゴリズムをサービスに活かすための⼟台となる、「(⾃らのことを) 知る意味のデザイン」の知⾒を獲得することができた l この知⾒をもとに、地域のかかりつけ薬局が地域住⺠と対話的な関係性を構築し、⾃らのことを知る体験 (UX)を提供するサービスモデルを提供 知る意味の体験デザイン 新規事業における体験デザイン

    ⽣活者 ⽣活者 UX UX UI 睡眠センサー・睡眠レポート 疾病の早期検知技術 疾病の早期検知技術 知る意味のデザイン (サービスコンセプトの転換) 地域の調剤薬局 「疾病を前もって知ること=価値」の社会的合意 「疾病を前もって知ること=価値」の社会的合意 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 出典︓ https://nemurinomadoguch i.nttparavita.com/ 72
  36. 本⼈の⼒を引き出す関わりを実現するリハ職による動機づけ⾯接 2023年度、⼤牟⽥市内2箇所の医療機関が、医療経済研究機構・⼤牟⽥未来共創センターが協⼒する形で、 短期集中予防サービスのモデル事業を実施。成果はポジティブなもので、実務を担った専⾨職も事業に対す る前向きな感触を持った。2026年度、⼤牟⽥市短期集中予防サービス事業実施業務が公募され、地区ごとに 実施される。 リハ職による動機づけ⾯接プログラム 短期集中予防サービス(介護予防・⽇ 常⽣活⽀援サービス事業) ・既存の政策経路(介護予防・⽇常⽣ 活⽀援総合事業)を活⽤しつつも、リ

    エイブルメント(元の⽣活を取り戻す ための⽀援)という原理を志向した週1 回・3か⽉のがリハ職による動機づけ⾯ 接プログラム。 ・原理の実現を担うリハ職を中⼼に添 え、本⼈・リハ職・それらの事業を⽀ 短期集中 える⾏政職員が、エンパワーメントさ 予防サービス れる実践の構造に転換した事例。 ・⼭⼝県防府市では、利⽤者の6割以上 が継続的⽀援を必要としなくなり、要 東京都・IHEP 「短期集中予防サービスを中⼼とした 介護予防・⽇常⽣活⽀援総合事業の 効果的な実施に向けた⼿引き」 ⽀援者サービス費⽤が2割削減された。 73 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/kaigo_frailty_yobo/tebiki_service-enhancement.pdf
  37. 介護・予防︓本⼈の⼒を引き出す関わりへの転換 l 介護予防は本⼈視点では意識することができない概念であることを整理し、本⼈視点に⽴っ ※ たBeing-well (本⼈の⼒が発揮されている状態)に転換。そのうえで、関わる事業者・団 体についても、従来の医療・介護サービス事業者ではない新たな事業者・団体が担う⽅向 で、企業や地域と協働 介護予防 Being-well

    (本⼈の⼒が発揮されている状態) ※ 介護が必要な状態になったことがない⼈に とって、それを予防するという意識を持つ ことができない どのような状態でも、本⼈の存在が肯定され、 ⼒が発揮されている状態を⽬指す 要介護状態 ⾼齢者等 ⾼齢者等 要介護状態にならないように 予防する • 医療・介護サービス事業者が担う • 制度の構造として、医療や介護が必要な 状態になったほうが収益が上がるため、 予防に対するインセンティブが働かない 要介護状態 ⼀緒に⼒を引き出す(⾒出 す) ような関わり⽅ • 医療・介護サービス事業者ではない事業者・団体が担う (新たなビジネス領域の可能性) • 誰もが、どのような状態になっても、社会参加ができるよう機 会のユニバーサル化を図る ※Well-beingが「Well(良い状態)」を先に規定していることに対して、「Being(存在)」を肯 定した上で、多様な「Well(良い状態)」に開かれていることを⽬指す理念。造語。 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 74
  38. 事例︓専⾨職・⾏政職員等と考えるヘルスセンサー技術 技術の 社会実装課題 (1)技術・社会実装課題 ・睡眠センサー・電⼒センサーを活⽤した 軽度認知障害の検出アルゴリズムの開発 をしている ・他地域で実証実験を⾏う際、参加者が 集まらない。何が⾜りないか検討がつかな い。

    リアルな リアリティを踏まえた ⽣活・政策課題の把握 ⽣活・政策課題 ⼈⽂社会学の知に基づく 有識者知⾒に基づく 課題再設定 現場での統合的な 地域の現場での 体験プロトタイピング プロトタイピング (2)⽣活課題 ・⾼齢者扱いをされる「デイサービス」、⾼齢者だ けが集まる「サロン」以外の居場所がない (3)政策課題 ・介護予防、地域の担い⼿不⾜への対応におい (4)課題の捉え返し て、⾼齢者の想いや意欲を中⼼に据え、引き出 ・参加へのためらいの背景には、「体調の変 化、特に疾病の予兆をあらかじめ知る」とい すような施策が検討・実施できていない。 うことへの不安や恐れがあり、さらに「セン サーを介して知る」ということがその不安や恐 れを⼤きくしているのではないか。 (村瀬、上岡、⽯川、北嶋) (5)わくわく⼈⽣サロン それぞれの課題が重なる領域を捉え返し 新たな課題「知ることのデザイン」 を設定 ・具体的な⽰唆を得ることができる場とし て、⼀⼈ひとりにフォーカスした場で多様な ⼈に出会い、ユニークな「⾃分を知り直 す」わくわく⼈⽣サロンを企画・開催 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 75
  39. ソーシャルワークの「エンパワーメント」 ソーシャルワークの「エンパワーメント」に関する⽅法論では、環境に備わる昨⽇に対して、個⼈の内的変化のプ ロセスを段階的に分析・整理している。 環境に備わる機能 伴⾛⽀援︓ 活動に寄り添っ て伴⾛される 意欲醸成︓ うずうずが引き 出される

    存在肯定︓ 安⼼・⾃由を感 じていられる エンパワーメントによる個⼈の内⾯変化のプロセス 7.集団内での相互⽀援を通して、社会に向けて発信できるようになる 6.⾃⼰効⼒感が⾼まると、集団への参加に対する動機づけが⾼まる 5.他者に理解されることで、⾃⼰効⼒感が⾼まる 4.⾃⼰表現したことが他者に受容され、理解される 3.⾃⼰受容できると、⽬⼰表現や意⾒表明がしやすくなる 2.他者に受容されると、⾃⼰受容・⾃⼰肯定ができるようになる 1.他者に傾聴され、受容される 植⼾貴⼦(2003)「エンパワメントの概念整理とエンパワメント実践のための具体的指針に関する⼀考察」『社会福祉⼠』第10号、 社団法⼈⽇本社会福祉⼠会 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 77
  40. 存在・意欲・表現を奪いやすい社会のメカニズム 公的領域 公への関与の⽋如・他者へ負託 限られた選択と主体性の希薄化 役割・欲望の付与 縦割分化 消費欲望規定 空気社会 お上意識 私的領域

    図1︓存在・意欲・表現保障のない 主体的に動き出しづらい⼟壌 ※オルダス・ハクスリー (1932) 『すばらしい新世界』 (Brave New World) Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs ※⼈々は不安や悲しみを感 じると、「ソーマ」という 薬を飲み、幸福が“管理”さ れる社会 79
  41. 原理を⽀える⼈間観︓パーソンセンタード※ ⽣活者(パーソン)の暮らしを、独⽴した個⼈の暮らしとして捉えるのではな く、周りの家族や地域の⼈との繋がりと、その繋がりの中で捉え直されるケイ パビリティに基づき、豊かで継続性を持ったナラティブによって成り⽴ってい ると捉えるもの 働く 【ビジネス】 マーケティング5.0 【教育】 未来の教室(経済産業省)

    つながり connection 好奇⼼ ⼈⽣ narrative 出会う 知る 潜在能⼒ capability 意欲 楽しむ 問題意識 つながる 【福祉】 地域共⽣社会(厚⽣労働省) Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 学ぶ ※⽊村ら(2019)パーソンセンタードデザイン︓その⼈らしい暮 らしを⽬指す⼈間観に基づくデザイン⽅法論,⽇本デザイン学会 82
  42. 安⼼して話せる場づくりの⼿法 哲学対話 ・1960年代に⽶国で始まった「⼦供のための哲学 (Philosophy for Children)」に由来する⼿法 ・あるテーマについて、参加した⼈たちが⾞座になって、 互いに考えて対話する ・哲学対話の実践者である東京⼤学教授 梶⾕真司さんの

    提案する⼋つのルールがある(梶⾕真司『考えるとはどういうことか』 幻冬舎新書、2018年) 何もないよ うに⾒える 状態 関わりの中で もやもや/うず うずし始める 状態 ムーブメン ト(活動)が⽣ まれる状態 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 86
  43. 哲学対話で⼤事にしていること 哲学対話の問題意識 • ⽇常の中で,⾃由に話し、⾃由に考えられる場 がない(空気、忖度、いいことを⾔うなど) • あえて⾃由を担保する場を作らないと,⾃由な 考えは⽣まれない ⾃由に対話し考えることができる状況を作る哲学対話の ルール

    • 何を発⾔してもよい • 他者が発⾔したことに対して否定的な態度をと らない • 発⾔せず、ただ聞いているだけでもよい • お互いに問いかけるようにする • 知識ではなく、⾃分の経験に即して話す • 話がまとまらなくてもよい • 意⾒が変わってもよい Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 87
  44. ポリフォニー型社会(Polyphonic Society)を⽀える社会的条件の探求 シンフォニー型社会システム ポリフォニー型社会システム 社会・組織に⼈々が合わせる管理型社会 複数の声はあるが調和へ向かう圧⼒がある (⼈=代替可能性、客体) ⼈々が⾃ら社会・組織をつくる⾃律型社会 複数の声が世界(感覚、価値、倫理)を持ち続けている※ (⼈=唯⼀性、主体)

    ・客体的・均質的なサービス・環境 (cf.第⼆の分⽔嶺 byイリイチ) ・縦割り・⾃⼰責任で関わりが難しい他者・社会 ・さらに権威主義、空気優先で⾮⾃律的になる ・個⼈の感性等が疎外され増⼤する不安 ・存在を肯定しあえるの関係性づくり ・対話的・伴⾛的関わり(ピア)をはじめる ・⾃律的な表現が芽⽣え、他者へひらかれる ・⾃らの感性を信じ、失敗しながら、協働へ ※ミハイル・バフチン (1929)ドストエフス キーの詩学(望⽉哲 男・鈴⽊淳⼀共訳 (1995)). 東京都市⼤学・都市⽣活学部 × ⼀般社団法 ⼈ オープン(内閣府 『21世紀⽇本社会のウェル ビーイング・幸福』に関する研究会」の知⾒を深化・ 社会実装する団体)共催イベント ex: 対話(ボーア)、オープンダイアログ Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 89