Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
SRE改善サイクルはチームを超えて - ダッシュボードを眺める会の取り組み/SRE impro...
Search
AEON
September 18, 2024
Technology
1
3.8k
SRE改善サイクルはチームを超えて - ダッシュボードを眺める会の取り組み/SRE improvement cycle across teams
2024年9月18日開催「一休×AEON 事業会社のサービスを支える基盤開発トーク」の登壇資料です。
https://ikyu.connpass.com/event/327095/
AEON
September 18, 2024
Tweet
Share
More Decks by AEON
See All by AEON
【内製開発Summit 2025】イオンスマートテクノロジーの内製化組織の作り方/In-house-development-summit-AST
aeonpeople
2
1.1k
【ITmedia DX Summit 23/基調講演】イオンが構築する超大規模データ基盤と、その活用戦略
aeonpeople
2
350
イオングループ プロダクト人材向け会社紹介資料 / AEON Product Talent Recruitment Deck
aeonpeople
0
120
DevOpsに向けたテスト方針/Testing Policy for DevOps
aeonpeople
1
110
HCP TerraformとAzure:イオンスマートテクノロジーのインフラ革新 / HCP Terraform and Azure AEON Smart Technology's Infrastructure Innovation
aeonpeople
3
1.4k
イオンスマートテクノロジーとTerraformの歩み、そしてPlaftorm Engineering/AEON Smart Technology with Terraform
aeonpeople
3
770
2025年に活用していきたいAzure関連のブラウザ拡張 / Azure-Related Browser Extensions to Leverage in 2025
aeonpeople
1
340
NerdGraph APIに入門する/Getting Started with the NerdGraph API
aeonpeople
1
430
BizDevOps加速のカギ/the key to accelerating BizDevOps
aeonpeople
0
370
Other Decks in Technology
See All in Technology
フォーイット_エンジニア向け会社紹介資料_Forit_Company_Profile.pdf
forit_tech
1
1.7k
AIエージェント入門
minorun365
PRO
32
19k
Global Databaseで実現するマルチリージョン自動切替とBlue/Greenデプロイ
j2yano
0
150
AWSアカウントのセキュリティ自動化、どこまで進める? 最適な設計と実践ポイント
yuobayashi
7
990
日経のデータベース事業とElasticsearch
hinatades
PRO
0
260
ウォンテッドリーのデータパイプラインを支える ETL のための analytics, rds-exporter / analytics, rds-exporter for ETL to support Wantedly's data pipeline
unblee
0
140
アジャイルな開発チームでテスト戦略の話は誰がする? / Who Talks About Test Strategy?
ak1210
1
690
リクルートのエンジニア組織を下支えする 新卒の育成の仕組み
recruitengineers
PRO
1
140
エンジニア主導の企画立案を可能にする組織とは?
recruitengineers
PRO
1
280
わたしがEMとして入社した「最初の100日」の過ごし方 / EMConfJp2025
daiksy
14
5.4k
JAWS DAYS 2025 アーキテクチャ道場 事前説明会 / JAWS DAYS 2025 briefing document
naospon
0
2.7k
事業を差別化する技術を生み出す技術
pyama86
2
440
Featured
See All Featured
The Art of Delivering Value - GDevCon NA Keynote
reverentgeek
11
1.3k
Building a Modern Day E-commerce SEO Strategy
aleyda
38
7.1k
How STYLIGHT went responsive
nonsquared
99
5.4k
Helping Users Find Their Own Way: Creating Modern Search Experiences
danielanewman
29
2.5k
Improving Core Web Vitals using Speculation Rules API
sergeychernyshev
10
520
GitHub's CSS Performance
jonrohan
1030
460k
Fashionably flexible responsive web design (full day workshop)
malarkey
406
66k
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
30
4.6k
Embracing the Ebb and Flow
colly
84
4.6k
Become a Pro
speakerdeck
PRO
26
5.2k
Bootstrapping a Software Product
garrettdimon
PRO
307
110k
Automating Front-end Workflow
addyosmani
1369
200k
Transcript
SRE改善サイクルはチームを超えて - ダッシュボードを眺める会の取り組み - イオンスマートテクノロジー株式会社 DevSecOps Div SREチーム 林 如弥
一休×AEON 事業会社のサービスを支える基盤開発トーク 2024年9月18日
Agenda • 各種紹介(自己、グループ、会社) • SREへどう向き合うか • 可観測性(Observability)の実装 • 可観測性(Observability)の展開 o
ダッシュボードを眺める会 • まとめ
自己紹介
もりはや aka 林 如弥(@morihaya55) イオンスマートテクノロジー株式会社 DevSecOps Div SREチーム所属 (2024/3入社) 趣味:Podcast鑑賞・映画鑑賞・読書・ジョギング
おすすめのPodcast 「COTENラジオ」 おすすめの書籍 「数理思考モデルで紐解く RULE DESIGN」 おすすめの映画 「RRR」
イオングループ紹介
イオングループ紹介 - 関連数字 https://www.aeon.info/company/ - "INFOGRAPHICS 数字で見るイオングループ"
イオングループ紹介 - イオンの主な事業 https://www.aeon.info/company/message/profile/ - "イオン会社案内2024 - イオンの主な事業"
会社紹介
会社紹介
会社紹介
iAEONアプリについて 膨大なIDと購買データを集約したアプリ「iAEON」 iAEON(アイイオン)はイオングループが提供する決済機能やポイントプログラムを1つにまとめたアプリです。 イオングループ内の多数の事業会社がもつ顧客IDを一つのアプリに統合しています。 提供開始から約3年で、iAEONは940万人以上の会員を抱え(24年9月時点)、総ダウンロード数は1000万を2024年6月に突破しました。
IAEONアプリについて - おすすめ機能 レシートレス機能 - 2024/6/21にリリース!!! https://www.aeon.com/aeonapp/service/digitalreceipt/ - "レシートレス機能"
イオンで利用している技術スタック(一部) https://speakerdeck.com/aeonpeople/aeon-engineer-recruitment-deck - "イオングループエンジニア向け会社紹介資料 P19"
SREへどう向き合うか
SREへどう向き合うか 「こんにちは!SREのもりはやです!!」 リリース管理 インシデントレスポンス コスト削減
SREへどう向き合うか SREについて、私たちは常に理解のための 反復を続ける必要を感じています。 https://aeon.connpass.com/event/310105/ - "大企業経営におけるSREの重要性 | AEON TECH HUB
#3"
SREへどう向き合うか SREには優れたWeb(英語)や書籍が提供されています。 And more...
SREへどう向き合うか SREには優れたWeb(英語)や書籍が提供されています。 上記の書籍だけで 総ページ数: 2,570 P 総計金額: 26,180円
SREへどう向き合うか 「全てを完全に理解するには人生は短すぎる...」 「ダニング=クルーガー効果の最初の山の頂はどこだ?」 https://biz.moneyforward.com/payroll/basic/63123/ - "ダニングクルーガー効果とは?原因や対処法を具体例を用いて解説!"
SREへどう向き合うか とりあえずの一冊を個人的にあげるとすれば 『SREエンタープライズロードマップ - Google - Site Reliability Engineering』 https://sre.google/intl/ALL_jp/resources/practices-and-processes/enterprise-roadmap-to-sre/
SREへどう向き合うか • Webで日本語化されてPDFで公開(無料) • ページ数は64Pのみ • 『SRE本』と『ワークブック』をベースに • 訳者はGoogleのSREである山口 能迪氏
• 序文のメッセージの心強さ 「職種に関係なく、技術システムを設計、実装、また は保守している方なら、きっとお役に立てることがあ るはずです。」 https://sre.google/intl/ALL_jp/resources/practices-and-processes/enterprise-roadmap-to-sre/
SREへどう向き合うか この発表は"第1章 エンタープライズ SRE ことはじめ"の以 下をテーマとしています。 https://sre.google/intl/ALL_jp/resources/practices-and-processes/enterprise-roadmap-to-sre/
可観測性(Observability) の実装
可観測性(Observability)の実装 ASTではNew Relicによる可観測性を実装しています。 https://zenn.dev/aeonpeople/articles/3de631bafd1631 - FutureStack Tokyo 2023に登壇しました
可観測性(Observability)の実装 選定から実装に至る流れ(抜粋) https://speakerdeck.com/aeonpeople/ionnotesitarusihutozhan-lue-wozhi-eru-newrelichuratutohuomunodao-ru-toxiao-guo-1bef3f5a-3d81-4b8d-b587-f92c7800f364
可観測性(Observability)の実装 広がり続けているNew Relicの利用ユーザは300人を超えています。 (Basicなど全てのタイプを含む) ※最近ではMicrosoft Entra IDでのSSOにより展開スピードも向上
可観測性(Observability) の展開 - ダッシュボードを眺める会
可観測性(Observability)の展開 このようにして、 New Relicの実装により「システムの状態をみたい時 に見れる土台」はできつつあります。
可観測性(Observability)の展開 利用するユーザも増え続けており、 APMを利用できる有料ユーザは、 常に枯渇気味な程の人気ぶりです。
可観測性(Observability)の展開 さてここで、 みなさんにも問い掛けたい。
可観測性(Observability)の展開 お手元からアクセス可能な 「可観測性を高めるツール」、 ”平時”でも確認していますか?
可観測性(Observability)の展開 • アラートが発生した • お客様などから問題報告を受けた • リリースなどの変更を行う こんな時だけ見ていませんか?
可観測性(Observability)の展開 ”非常時”・”戦時”に活用するのはもちろん正 しい利用方法。 ただし急ぎの時にいきなり活用できるほどシ ステムもツールもシンプルではない...。
可観測性(Observability)の展開 定点観測会、親しみを込めて 「ダッシュボードを眺める会」の取り組み。
可観測性(Observability)の展開 特別なことはしていません。 • 週次で定期的に実施 • 参加者は開発・SREなど2チーム以上 • 発生したアラートの棚卸し • APMを中心に各項目をざっと見る
• コストの増減もチェック
可観測性(Observability)の展開 例1: アラートにならなかった異常を補足 グラフ: コンテナリスタートの数
可観測性(Observability)の展開 例1: アラートにならなかった異常を補足 • KubernetesのPodが特定のタイミングで一斉にリスタートした • Podのリスタート自体のアラートは入れていない • 今回のケースではDBのメンテナンスによるアプリケーションのヘルス チェックがエラーになったことで再起動が起きていた
可観測性(Observability)の展開 例2: 想定された変化を再確認 グラフ: モバイルアプリのバージョンが入れ替わっていく
可観測性(Observability)の展開 例2: 想定された変化を再確認 • モバイルアプリのリリースを2日目から行った • およそ4日目には最新バージョンが90%以上展開された • 一定の割合で古いバージョンは残り続けている
可観測性(Observability)の展開 例3: 放置すると危険な処理速度の予兆を発見 グラフ: とあるサービスのトランザクション時間
可観測性(Observability)の展開 例3: 放置すると危険な処理速度の予兆を発見 • 徐々にレスポンスが遅くなっていく典型的なグラフの上がり方 • Active Usersなどと比較しても比例がなかった • データ量やキャッシュなどの単純増加するケースでこのような動きが
• ワーニングアラートになる前に気付けてみんな嬉しい
可観測性(Observability)の展開 例4: プラス効果の変化も捉えられる グラフ: とあるサービスのトランザクション時間
可観測性(Observability)の展開 例4: プラス効果の変化も捉えられる • 3日目から全体の処理時間が半分程度に低下 • 水色部分の処理が明確に低下している • とあるDBのメンテナンス効果が出ていた
可観測性(Observability)の展開 このような変化を見つけて原因について議論 をし、必要な取り組みを検討することでダッ シュボードおよびNew Relicへの感度が上 がっていく手応えがある。 会を続けることで未然に障害を防いだ成果も 少なくない。
可観測性(Observability)の展開 さらには副次的な効果も • 課題作成・課題の棚卸し • 直近タスクのトピックなどの共有 • アイスブレイク・雑談 • 「ザイオンス効果(単純接触効果)」で互
いの仕事がやりやすく!
可観測性(Observability)の展開 この素晴らしい取り組みは私の入社前から 脈々と続いており、すでに開催数は ”50回以上” となり、定番の場として定着しつつも、予想 外の発見ができる場としても続いています。
可観測性(Observability)の展開 ここで再掲。「生成的な文化が必要」とありました。 https://sre.google/intl/ALL_jp/resources/practices-and-processes/enterprise-roadmap-to-sre/
可観測性(Observability)の展開 「生成」には、”ものを生み出す”意味のほかに、 ”成長”や”状態の変化”の意味もあります。 この取り組みの結果をまとめているConfluenceのページの トップには以下の文言が記載されています。 本発表の準備を通して、理想・変化に向けて挑戦を続けて いくとの気持ちを新たにしました。
まとめ
• SREの情報は多くある中で、個人的なおすすめは 『SREエンタープライズロードマップ - Google - Site Reliability Engineering』 •
イオンスマートテクノロジーではNew Relicで可観測性を実装 • 可観測性の展開として、チームを跨いで広げる「ダッシュボードを眺める会」 • 展開の後でSREが不在で良くなることも目指す • SREの成功に不可欠な「生成的な文化」を持って柔軟に変化を起こしていきたい まとめ
告知
募集しています!