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Snowflake Intelligenceという名のAI Agentが切り開くデータ活用の未...

Snowflake Intelligenceという名のAI Agentが切り開くデータ活用の未来とその実現に必要なこと@SnowVillage『Data Management #1 Summit 2025 Recap!!』

▼概要:
本資料は2025年7月11日、SnowVillage データマネジメント分科会主催の「Data Management #1 ~ Snowflake Summit 2025 Recap! ~」における資料です

▼イベントURL:
https://techplay.jp/event/982166

▼詳細:
Snowflake Summit 2025 にて発表された "Snowflake Intelligence" のアーキテクチャや概要と、それによってどのような世界感になるのかを完結にまとめたうえで、その実現に必要な技術的 / 組織的に必要な要素をまとめました。

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Ryo Suzuki

July 11, 2025
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  1. ©HR Force Inc. All rights reserved. Snowflake Intelligenceという名のAI Agentが切り開く データ活⽤の未来とその実現に必要なこと

    株式会社HR Force DS統括部DXグループDataチーム, Opsチームマネージャー 鈴⽊ 凌
  2. CONTENTS ©HR Force Inc. All rights reserved. - 本⽇の内容 -

    2 1 2 3 ⾃⼰紹介‧会社紹介 Snowflake Intelligenceについて AI Agent活⽤に必要なこと
  3. ©HR Force Inc. All rights reserved. 登壇者について 4 鈴⽊ 凌

    (すずき) / @suzupappa - 株式会社HR Force - Dataチーム, Opsチーム マネージャー データで事業を推進するお仕事 - データエンジニア - BizDev (Salesforce, Tableauアドミン) コミュニティ活動 - SnowVillage: “Snowflake Mayors, Snowflake Squad 2024, 2025” - p_UG: “pUG Leaders” - dbt_tokyo ⾃⼰紹介
  4. ©HR Force Inc. All rights reserved. 会社概要 5 株式会社HR Force

    会社名 事業内容 代表者 設⽴ HRソリューション事業 村⽥泰⼦ 2018年2⽉(創業8年⽬) 所在地 東京都中央区⼋重洲2-2-1  東京ミッドタウン⼋重洲 ⼋重洲セントラルタワー35階 会社概要
  5. ©HR Force Inc. All rights reserved. 7 Snowflake Intelligence とは

    Snowflake Intelligence 公式ブログには “Self-serve data exploration with intelligent agents” と⼀⾔で記されている → ユーザーが⾃然⾔語でデータと対話し、インサイトを得られる 「セルフサービス型データ探索AIエージェントプラットフォーム」 ソース: Snowflake Intelligence: Talk to Your Data, Unlock Real Business Insights
  6. ©HR Force Inc. All rights reserved. 8 Snowflake Intelligence とは

    Snowflake Intelligence の主な特徴 - ⾃然⾔語対話:質問をするだけで深いインサイトを獲得 - 統合データアクセス:構造化‧⾮構造化データを横断的に分析 - 深層分析機能:"what"だけでなく"why"の理解に基づく回答 - 即時アクション:インサイトに基づく⾃動アクションの実⾏ ソース: Snowflake Intelligence: Talk to Your Data, Unlock Real Business Insights
  7. ©HR Force Inc. All rights reserved. 9 Snowflake Intelligence とは

    Snowflake Intelligence の全体アーキテクチャ 3つの主要レイヤーから構成される - エクスペリエンス層 チャットUIを提供し、⾃然⾔語での対話による分析を簡 単な会話で実⾏可能に - オーケストレーション層 Cortex AgentsがLLMと連携し、ユーザーのクエリを適 切なツールやデータソースに振り分け - ツール層 さまざまなデータタイプやユースケースに特化した5つ (+1) のコアツールで構成され、タスクを実⾏
  8. ©HR Force Inc. All rights reserved. Snowflake Intelligence とは 10

    Cortex Agents ワークフローの4つの主要コンポーネント - Planning (計画)  ユーザーからの質問を解析し、複数のタスクに分解後、実⾏計画を策定 - Tool Use (ツール仕様)  ツールの⾃動選択後に並列処理による効率的な実⾏。そして結果の統合 - Reflection (反映)  実⾏結果を評価し、必要に応じ再調査。結果の精緻化。 - Monitor and Iterate (監視‧改善)  TruLensによる実⾏監視と継続的な改善、及びチューニング ソース: Snowflake公式ドキュメント( Cortex Agents), Snowflake Intelligence: Talk to Your Data, Unlock Real Business Insights
  9. ©HR Force Inc. All rights reserved. Snowflake Intelligence とは 11

    Cortex Agents で利⽤可能な5つのツール - cortex_analyst_text_to_sql:  構造化データ分析時、Semantic ViewやSemantic Modelを使⽤して⾃然⾔語からSQLを⽣成する - cortex_search:  ⾮構造化データへの意味的検索/キーワード検索を併せ持つ  検索機能ドキュメント、メール、チャットなどからインサイトを抽出する - cortex_knowledge_extensions:  外部データアクセスの拡張するcortex_searchの特別実装  Marketplace経由でStackoverflowなどの第三者コンテンツを統合する - sql_exec:  データアクセス権限を継承した形でSQLを実⾏する - data_to_chart:  ⾃動でグラフタイプの選択も実施しながら可視化を実⾏する  
  10. ©HR Force Inc. All rights reserved. 12 Snowflake Intelligence とは

    既存セキュリティの完全継承 - ロールベースアクセス制御 (RBAC) - 既存のRBACが⾃動適⽤ - ユーザーは⾃⾝のアクセス権限内のデータにのみアクセス可能 - データマスキング - マスキングポリシーが適⽤され、センシティブ情報は適切に保護 - 監査ログ - すべてのAI対話は監査可能で、誰が何を質問し、どのデータにアクセスしたかを追跡 Snowflake Intelligence のセキュリティ‧ガバナンス ソース: Snowflake Intelligence: Talk to Your Data, Unlock Real Business Insights
  11. ©HR Force Inc. All rights reserved. 13 Snowflake Intelligence とは

    Cortex Knowledge Extensions の拡⼤と共に、MCP (Model Context Protocol) サーバー連携が(?) - 外部知識の統合 - ビジネスインサイトのさらなるコンテキスト化 - セキュリティと信頼性は維持 Snowflake Intelligence の今後の展望 ソース: Snowflake Intelligence: Talk to Your Data, Unlock Real Business Insights
  12. ©HR Force Inc. All rights reserved. Snowflake Intelligence とは 14

    あらゆる部⾨‧職種が⾃然⾔語でインテリジェンスを享受する時代へ AI時代のデータ基盤改⾰!? データの⺠主化!! - 全社員 :⾃然⾔語での利⽤ - 全データ:構造‧⾮構造‧外部 - 全インサイト:透明性と信頼性
  13. ©HR Force Inc. All rights reserved. 16 AI Agent活⽤に必要なこと {

    user_message } ↓ 推定ニーズ ↓ 関連データ + クエリ (SQL) ↓ インサイト ⼀般的なAI Agent におけるデータ抽出/分析フロー ユーザーの⾃然⾔語⼊⼒ LLMモデルが⽬的を推論 データカタログやSemantic Layer の定義を基に スキーマを探索、候補テーブルを抽出、ビジネスロジック追加 BIやStreamlitを基に集計結果+可視化+要約が返却
  14. ©HR Force Inc. All rights reserved. 17 AI Agent活⽤に必要なこと {

    user_message } ↓ 推定ニーズ ↓ 関連データ + クエリ (SQL) ↓ インサイト Snowflake Intelligence におけるデータ抽出/分析フロー ユーザーの⾃然⾔語⼊⼒ Cortex Agent が⽬的を推論 Semantic View の定義を基に、Cortex Analyst、Cortex Search がスキーマを探索、候補テーブルを抽出、ビジネスロジック追加 集計結果+可視化+要約が返却 ソース: Overview of semantic views, Snowflake’s Native Semantic Views: Unlocking Easy, Efficient and Trusted AI-Powered BI for the Enterprise
  15. ©HR Force Inc. All rights reserved. AI Agent活⽤に必要なこと 19 AI

    Agentを使うなら、しないといけないことがあるよ!!!!
  16. ©HR Force Inc. All rights reserved. 20 AI Agent活⽤に必要なこと -

    活⽤ユースケースの特定  AI Agentが得意な領域に絞る - 探索空間(スコープ)の限定  テーブル‧ビュー‧カラム 単位でホワイトリスト化  スコープ範囲内のカラム説明の登録  例)Semantic Layer で定義済みロジック以外は⽣成不可にする - AI Agentを育んでいく組織体制の構築  組織としての取り組み - ユーザーメッセージの“真のニーズ”ギャップを埋める  確認プロンプトを必須ステップにし、AI 側から簡潔に意図を再確認 AIエージェント本格利⽤のために必要なこと
  17. ©HR Force Inc. All rights reserved. 21 AI Agent活⽤に必要なこと 活⽤ユースケースの特定

    エージェントの適性が⾼い領域 ⼈間の適性が⾼い領域 ⻑い ⻑期利⽤や対外公開で 正確性が重視されるケース 例)KPIレポート / IR資料 ⾼い 答えに揺らぎが許されないケース 例)⼈材評価 / 経営判断 観点 低い 毎回条件が変わる⼀回限りのケース 例)新規仮説の検証 / 突発課題の深堀り調査 低い 傾向や⽅向性を掴む⽤途で、 絶対の正解が求められないケース 例)仮説検証 / ブレインストーミング 短い 速度と⼯数削減が最優先されるケース 例)アドホック分析 / 社内資料 ⾼い パターン化されたケースや 定型化されたケース 例)定期レポート / 固定ロジック 正確性 継続性 反復性
  18. ©HR Force Inc. All rights reserved. 22 AI Agent活⽤に必要なこと ポイント:AIによるリスクとリターンのバランスの⾒極め

    - リスク = 誤解釈‧誤数値による損害  精度や正確性が特に重要な業務では、エージェントを⼈間の補助に留める - リターン = 速度‧⼈的リソースのコスト削減  速度とリソース効率が優先される定型業務では、エージェント適性が⾼い 探索空間(スコープ)の限定
  19. ©HR Force Inc. All rights reserved. 23 AI Agent活⽤に必要なこと チームの連携:部⾨横断的な開発‧運⽤体制とフィードバックループ

    - 利⽤状況モニタリング、ユーザーヒアリング、ログ分析を通じて、プロンプトやツールの迅速な改善を実施す ることが必須 - 技術だけでなく、AI エージェントを業務に組み込みともに成⻑させようとする運⽤体制と組織⽂化が必須 具体内容 - メタデータの改善  ドキュメントやナレッジは、HumanReadable ≠ AI Readableの可能性も - データ加⼯の改善  JOINをできる限り少ない状態にするため、⽤途に合わせたデータマート群の構築が必要な可能性や、  精度を⾼めるために読み込ませるテーブル数を限定していくことが必要な可能性も - セマンティックレイヤーの改善  ビジネスドメイン毎におけるセマンティックレイヤーを構築 / 運⽤する可能性も AI Agentを育んでいく組織体制の構築
  20. ©HR Force Inc. All rights reserved. 24 AI Agent活⽤に必要なこと ⼈間:メッセージに加え、その先で解決したい課題や⽬的のヒアリング及び軌道修正が可能

    AI :メッセージから、その内容を判断してデータを抽出 / 分析する(真の⽬的からズレる可能性...) 解決策 - 確認プロンプトを必須ステップにし、AI 側から簡潔に意図を確認するステップを導⼊する - 定期的なユーザーインタビューを実施し、 発表後のディスカッション時にでてきた案 - UXとのトレードオフで、確認するような挙動にする - マルチエージェントのように、条件分岐を構築する - エージェントを利⽤できる⼈を事前に選別する ユーザーメッセージの“真のニーズ”ギャップを埋める