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顧客理解、足りてますか?オンボーディング標準化と顧客理解の密接な関係
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Yasuyuki Asakura
May 27, 2021
Business
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顧客理解、足りてますか?オンボーディング標準化と顧客理解の密接な関係
Yasuyuki Asakura
May 27, 2021
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Transcript
顧客理解、足りてますか? オンボーディング標準化と顧客理解の密接な関係 株式会社hacomono カスタマサーサクセスDivision マネージャー 朝倉康之 BtoB×SaaS×CS Lightning Talks #7
本日のテーマ • こんな方にオススメ ◦ チーム立ち上げ間もなく、オンボーディングの標準化に取り組んでいる方 ◦ 自由度が高い分、複雑性も高いプロダクトを扱っている方 ◦ 実施している施策があまりうまくいっていないが明確な原因がわからない方 •
バーティカルSaaSのCSがオンボーディングを標準化させる際にぶつかった壁と、それを今どう 乗り越えようとしてるかについてお話しします
自己紹介 朝倉 康之(アサクラ ヤスユキ) <所属> 株式会社hacomono カスタマサーサクセスDivision マネージャー <経歴> ネスレ日本→4社ほど→ ABEJA→RevComm→hacomono(2020年9月〜)
<SNS> Twitter @kr61111
hacomonoとは? 入会・予約・決済を全てオンラインで完結させる、 フィットネス・スクール業界向けの会員管理・予約・決済システム フィットネス・ヨガ ・ブティックジム ・総合フィットネス ・ヨガスタジオ ・ピラティス ・パーソナルジム スクール
・スイミングスクール ・ゴルフスクール ・ダンススクール ・テニススクール ・カルチャースクール セルフエステ etc ・セルフエステ ・月額制 美容院 ・月額制 温浴施設 etc
hacomonoのプロダクト特性 • オンボーディング完了率:ほぼ100% ◦ 店舗のオープン日等、期日が明確に決まっている • 導入後のプロダクト利用率:ほぼ 100% ◦ 入会・レッスンの予約・決済は店舗ビジネスで欠かすことができない業務
• 導入後の継続率:ほぼ100%(閉店を除く) ◦ コア業務で使用するツールは切り替えハードルが高い ◦ アナログ業務が効率化されるため、一定程度の成果が自ずと出る
hacomono CSの課題 • オンボーディングの負荷が圧倒的に高い ◦ オンボーディングの工数:16営業日/月/CS
hacomono CSの課題 オンボーディング負荷が圧倒的に高いことのデメリット • オンボーディングにリソースを集中投下せざるを得ないため、 オンボーディング以外でクライアン トに価値を提供できない ◦ hacomonoを使ってどうやって業務をさらに効率するか、売上を上げるかの支援ができな い
◦ 競争環境が激化した際に「便利なサービス」では リプレイスされるリスクがある
hacomono CSの課題 hacomonoのオンボーディング完了=予約サイトの完成(予約できる状態) 予約用カレンダー 入会プラン選択
hacomono CSの課題 現状のプロダクトはクライアントからすると、 自分たちの料金プランをhacomonoでどう設定したらいいかがわかりにくい …
hacomono CSの課題 CSが設定方法を1から10までレクチャーする必要がある クライアント 御社の場合はxxにxxと入 力してください うちの料金体系はxxです CS
hacomono CSの課題 設定方法をレクチャーするだけなら … パターンを洗い出してマニュアル作れば いいじゃないですか
hacomono CSの課題 ダンス・バレエスクール 総合フィットネスクラブ 24時間ジム パーソナルジム ゴルフスクール 格闘系ジム/スクー ル ヨガ・ピラティス
エステ カルチャースクー ル 学習塾 様々な業態があり、業態内でも様々な料金体系があるため、 予約サイトの設定のパターンが無限にあたって網羅が実質不可能
hacomono CSの課題 パターンを網羅できず、クライアント自身では設定方法がわからないため、 CSは 「どうやったらhacomonoで実現できるか」をクライアントごとに 0から考える必要があり、オンボーディ ング工数が非常に大きい
hacomono CSの課題 CSが毎回0から考えなくてすむ、標準的なオンボーディングの確立が急務!!
標準化に向けて取り組んだこと①(2020年10月〜2021年1月) 仮説:hacomonoの全体構造を理解していると自力で設定可能なのでは? hacomono CS クライアント hacomonoの全体構造 がわからない hacomonoの全体構造を理解していて、 頭 の中でパズルを組み立てられる
標準化に向けて取り組んだこと①(2020年10月〜2021年1月) hacomonoの構造、設定項目同士の関係性を説明してみる (1+1=2を教えるのではなく、四則演算を教える)
標準化に向けて取り組んだこと①(2020年10月〜2021年1月) • 結果 ◦ うまくいかず…😇 ▪ 四則演算を教えても結局は「1+1は何ですか?2+2は何ですか?」と一つ一つ 具体的な質問が発生し、0から考えるのとほとんど同じ • 要因
◦ ITリテラシーが高くない方に「概念」や「構造」を理解していただくのは難しい(普段の 業務での頭の使い方と異なるため) ◦ つまり、クライアント理解が圧倒的に足りていなかった
標準化に向けて取り組んだこと②(2021年2月〜) 小難しいことを理解しなくても進められるオンボーディングの開発に着手 構造・概念の理解が必要 これまでのオンボーディング 小難しいことはわからなくて OK 新しいオンボーディング
標準化に向けて取り組んだこと②(2021年2月〜) プロダクトがそのようになっていることが理想だが、 現状のプロダクトはどの項目を組み合わせていくといいかがわかりにくい
標準化に向けて取り組んだこと②(2021年2月〜) 手順書に従って入力していけば「 hacomonoのどの項目を組み合わせればいいか」という 小難しいことを考えることなく、店舗の料金体系がつくれるツールを作成 (理想的なプロダクトのMVP的な位置付け)
標準化に向けて取り組んだこと②(2021年2月〜) • 結果 ◦ 一定程度うまくいった(クライアントが自力で設定できる範囲が増加) ◦ しかし、クライアントとCS双方の負担は依然として大きく、改良が必要
標準化に向けて取り組んだこと②(2021年2月〜) • 改良にあたって生じた課題 ◦ ツールの説明はオンラインで1対1でやるが、ツールへの入力作業やツールに入力し た内容をプロダクトに登録する作業は一緒には行っていなかったため、クライアント がどこで、なぜつまずくのかがわからず、どこをどう改善したらいいかが明確にわか らない ▪ 設定が終わったクライアントに「どこで苦労しましたか?」といったヒアリングを
直接したものの、明確な答えが出てこない ◦ つまり、まだまだ顧客理解が浅くて改善ポイントがわからない
標準化に向けて取り組み始めたこと(2021年5月〜) 現場に行くしかない!
標準化に向けて取り組み始めたこと(2021年5月〜) 「イラッ」「?」が生じる瞬間を捉えるため に、実際にクライアント先に訪問し、ツールへの記入、プロ ダクトへの登録作業を一緒に行う (所要時間:4-5時間/回、振り返りにも4-5時間/回)
標準化に向けて取り組み始めたこと(2021年5月〜) クライアント先で一緒に作業をすると、 解像度が圧倒的に上がる (自分たちが想定していなかった「イラッ」「?」ポイントが大量に出てくる) • サブディスプレイは基本的にない ◦ 今のオンボーディングはスプレッドシートに記入したり、プロダクトの設定画面に入力し たり、ヘルプページをみることを求めるので、画面の行き来が激しく、ストレスがかかる ◦
紙で印刷できるようにしたり、スマホで見れるように動画にした方がいいかも • ひっきりなしに電話がかかってくる(クライアントはとにかく忙しい) ◦ 落ち着いて設定するのは無理だから、細切れに進められるようにする必要あり • クライアントにとって馴染みのない言葉、直感的にわかりにくい言葉が設定画面に多くある ◦ 「マスタってなんですか?」「店舗の適用期間ってなんですか?」
標準化に向けて取り組み始めたこと(2021年5月〜) 2人体制で取り組む • 顧客担当 ◦ オンボーディングを行う • 観察担当 ◦ 後ろからその様子を観察し、状況を記録していく
◦ クライアントに対して気になった点を質問していく ◦ 訪問後に録画映像を見返してKPTを行う • 分ける理由 ◦ 顧客対応をしているとその場でクライアントの疑問を解消していくことに意識が向くため、一歩引い た視点で見ることが難しい。一方で、後ろから見ていると担当としては気づけない点が見える。 ◦ 第三者としてそれを「今なぜそこを押したんですか?」のようにクライアントに聞きやすい ◦ CSMは一つ一つの質問を全て覚えていられない ◦ CSMは多忙なので後からじっくり振り返ることが難しい
標準化に向けて取り組み始めたこと(2021年5月〜) 画面を録画し、開発チームにも共有
標準化に向けて取り組み始めたこと(2021年5月〜) 訪問が難しい場合もオンラインmtg時にクライアントの画面を共有していただき、設定作業を一緒に 実施(ただ、訪問の方が得られる情報は格段に多い)
現状の成果 顧客理解が深くなったことで、 改善するべき点と改善の方向性が以前の 10倍ぐらい明確になった
一連の取り組みでの得られた学び 各種施策の成功はクライアントが自社プロダクトを使う姿を「自分で演じられる」 レベルで理解しているかにかかっていて、これは実際に現場に行くのが一番 第1階層 業界のよくある課題 ・トレンド等のマクロ情報 ※2次情報でも取得可能 第2階層 クライアントの業務内容 ・追っている目標
・1週間、1日のタイムスケジュール ※ヒアリングで取得可能 第3階層 クライアントの属性 ・仕事のやりがい ・得意なこと /苦手なこと ・ITリテラシー ※一定期間一緒に働かないと取得できない 第4階層 プロダクト利用時の感情・思考・行動 ・「イラッ」とするポイント ・「ん?」となるポイント ※一緒にプロダクトを使ってみないと取得できない
最後に • クライアント数増加にともなって、 hacomonoではCSを絶賛募集中です! • 「ウェルネス産業を、新次元へ」というミッションに少しでも興味あれば twitter(@kr61111)や、wantedlyでご 連絡ください! • 今日のLTに関する質問も大歓迎です!