Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
ゆくKotlin くるRust
Search
Sponsored
·
SiteGround - Reliable hosting with speed, security, and support you can count on.
→
TATSUNO Yasuhiro
December 17, 2025
Programming
300
1
Share
Embed
Copy iframe code
Copy JS code
Copy link
Start on current slide
ゆくKotlin くるRust
https://ore-no-benkyoukai.connpass.com/event/375376/
TATSUNO Yasuhiro
December 17, 2025
More Decks by TATSUNO Yasuhiro
See All by TATSUNO Yasuhiro
Scala 3 で GLSL のための c-like-for を実装してみた
exoego
1
1.1k
Bun に LCOV 出力を実装した
exoego
2
370
terraform-provider-aws にプルリクして マージされるまで
exoego
2
520
ライブラリをパブリッシュせずにすばやく試す
exoego
2
360
esbuild 最適化芸人
exoego
3
2.7k
いい感じに AWS を組み合わせたビルディングブロックでアプリ開発を支援する / TdTechTalk 2022 11
exoego
0
930
Empowering App Dev by Nicely-Crafted High-Level AWS Components
exoego
0
130
月間数十億リクエストのマイクロサービスを支える JVM+AWS フルサーバーレス開発事例 / Now and Future of Fully Serverless development at Chatwork
exoego
1
840
Scala と AWS でフルサーバーレス開発事例 / How Chatworks uses Scala and Serverless
exoego
3
1.7k
Other Decks in Programming
See All in Programming
そのテスト、説明できますか?~LWテスト戦略FW~のご紹介
nakahara
0
130
AIだと陥りがちなJakarta EE最新技術への移行時の落とし穴と解決策
tnagao7
0
110
タクシーアプリ『GO』の バックエンド開発のおける AI利活用と若者のすべて
pyama86
3
2k
並列実装の現場、2ヶ月間実務でAIを使い倒したAIもPCも私も限界が近い
ming_ayami
0
130
脅威をエンジニアリングの糧にして――現場編 / Turning Threats into Engineering Fuel — Field Edition
nrslib
0
280
Strategic Design in the Frontend: Moduliths & Micro Frontends @DDDEurope
manfredsteyer
PRO
0
100
Composerを使ったサプライチェーン攻撃の様子を眺めてみる #phpstudy
o0h
PRO
2
250
「エンジニアインターン、どうやって取った?」準備のリアルを語るLT会 Progate BAR
akiomatic
0
130
生成AI時代にこそ効くGo | Why Go Works in the Age of Generative AI
mom0tomo
8
3.2k
LLMによるContent Moderationの本番運用の裏側と品質担保への挑戦
suikabar
3
680
ECSアプリログをFireLensでコスト削減しようとしたけど諦めた話 in Fargate×Node.js
akihisaikeda
2
4.2k
AIとASP.NET Coreで雑Webアプリを作った話
mayuki
0
630
Featured
See All Featured
Mind Mapping
helmedeiros
PRO
1
250
Paper Plane
katiecoart
PRO
1
51k
Improving Core Web Vitals using Speculation Rules API
sergeychernyshev
21
1.5k
Save Time (by Creating Custom Rails Generators)
garrettdimon
PRO
32
3.4k
Imperfection Machines: The Place of Print at Facebook
scottboms
270
14k
The Language of Interfaces
destraynor
162
27k
Product Roadmaps are Hard
iamctodd
PRO
55
12k
The Success of Rails: Ensuring Growth for the Next 100 Years
eileencodes
47
8.2k
Redefining SEO in the New Era of Traffic Generation
szymonslowik
1
340
A brief & incomplete history of UX Design for the World Wide Web: 1989–2019
jct
2
400
The MySQL Ecosystem @ GitHub 2015
samlambert
251
13k
Designing for humans not robots
tammielis
254
26k
Transcript
ゆ Nano Banana Pro で生成 2025-12-17 #orestudy 俺の勉強会2025 株式会社 Henry,
Tatsuno
弊社サーバとお客様施設内の機器を繋ぐ 常駐プロセスを Kotlin から Rust へ移植した 苦労を年忘れしたい!
病院/クリニック 院内ネットワーク 弊社サーバー 電子カルテ(診察の記録) レセコン(診療報酬の計算) オーダリング(処方・検査など指示) 1.電カルなど利用 常駐 プロセス 2.患者情報など送信
4. 検査結果など送信 3. 院内機器やオンプレソフトと の連携 インターネット イラスト https://www.streamlinehq.com/icons/freehand-free
弊 “常駐プロセス ” のこれまで - 2021年、電子カルテサーバーと共通言語 Kotlin で開発 - 2024年、GraalVM
Native Image でネイティブ化 - アップデートに課題があった通常の JRE (Java 実行環境) を不要に
技術刷新のモチベーション - GraalVM Native Image を使った継続開発に課題 - ネイティブ版で「Java リフレクションを使った機能が動かない」という不具合がたまに 起きた。テストを書いて
Java リフレクション設定を自動収集する仕組み を活かす習 慣が担当部署に根付かなかった - Native Image そのものは悪くない(重要)。Java/Kotlin/Scala コードのネイティ ブ化を活用できる場面はいっぱいある - かといって JRE 配布にも戻りたくない - 今後多数の機能追加を計画してるので、たくさんの病院に何度も手作業 でデプロイしていくのはしんどい。安全な自動更新 が欲しい - サーバーサイドは引き続き Kotlin。リライトは常駐プロセスだけ
Rust と Web 技術でアプリ開発できる Tauri を選定 - 2020 年 v1、2024年
v2 - 一言で言うと小さくて軽い Electron - デスクトップやスマホアプリを TypeScript/HTML/CSS で書ける - 自社 Web アプリのデザインシステム利用で 統一感ある UI - 社内に Tauri 開発経験者がいて、Electron より知見がある - TypeScript に加えて Rust が使える - 高速:CPU アーキや OS ごとに合わせたネイティブコードにコンパイルするので - 堅牢:解放済みメモリへのアクセスやデータ競合を防げるボローチェッカーなど - 元の Kotlin がテスト含め4000行なので「いけるのでは!?」 Slack, Figma, 1password など大手は Electron 採用が多い。Tauri 大手事例は不明
1100 既存ライブラリで移植できたコード 200 既存ライブラリではできなかったので 自前実装したコード 2600 Tauri でできた新機能。自動更新など 3.2x 1.7x
テスト大幅増は、Kotlin版で見逃され たケースを網羅したため&Rust ライブ ラリの挙動確認が大きい やってみたら 1人フルタイム 1.5ヶ月で なんとかなった
本題 Kotlin から Rust への移植で 苦労したこと 3つ厳選
❶ファイル監視が環境依存のところがある - 検査装置やオンプレシステムとファイルでやりとりするため、昔なが らのファイル監視が必要 - Kotlinでは Java NIO WatchService で
Win/Mac 問題なし - Rust で定番の notify とラッパー notify_debouncer を使用。正常系 動作はいいが、異常系(監視対象フォルダの削除)を Windows で 検知できない https://github.com/notify-rs/notify/issues/261 Tauri にパッチする時間が取れてないので、Windows だけフォルダを別途 監視し、削除イベントを擬似発行することで回避
❷ロガーがグローバルすぎて、出力先カスタマイズが困難 - Kotlin/JVM で広く使われる logback は、ファイルやコードでグローバルのロ ガーも、グローバルじゃないロガーも柔軟に設定できた - 一方、Tauri のログは
fern という Rust で広く使われるロガーを使用 - fern はグローバルシングルトンで一度設定したら変更不能 。Tauri 内部で fern が設定されるので、Tauri ログ標準(ファイル、標準入出力、web console)以外 の外部サービスなどを設定するすべがなかった 任意のログ出力先(今回は Google Cloud Logging)を追加できる ようにするパッチを送って解決した https://github.com/tauri-apps/plugins-workspace/pull/2600
❸ .proto から生成されるデータ構造が微妙に違う - サーバとのデータ授受に言語非依存と称する gRPC を使用。共通の .proto か ら
Kotlin class / Rust struct を生成 - 特に問題になったのが enum のデータ構造で、ざっくりいうと - grpc-kotlin data class MyEnum(val number: Int) みたいなフィールドあり - tonic (Rust) struct MyEnum(u32) のような newtype タプルでフィールドなし - この違いはメモリ上では気にならないが、テンプレートエンジンでテキストファイ ル出力する時に問題。Kotlinで {{ foo.bar.number }} としていたところを {{ foo.bar }} に書き換えるのは、製品導入チームに負担が…… 実際のテンプレートで問題が起きる enum が数個とわかったので、そい つらだけ Kotlin 互換シリアライザを実装
MacやWindows で何度もテストして 他にもいろんな問題を解決して ついに 12月10日、リリース!
まだ動いてない - Rust というよりデスクトップアプリ開発が難しかった…… - お客さまの Windows PC でなぜかシステム環境変数を読み込めない -
「30億のデバイスで走る Java」は偉大だった - OS の違いをしっかり吸収してくれる標準ライブラリ - 堅牢で出力先も柔軟なロガー - それでも Rust は……いいぞ - 来週もう1回リリースして真の年忘れをするぞ