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FDEが実現するAI駆動経営の現在地

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 FDEが実現するAI駆動経営の現在地

本資料は、Loglass坂本龍太氏による「FDEが実現するAI駆動経営」の講演資料。核心テーゼは「AIは確率で動くが、組織は責任で動く」——この異質な2原理の接合こそがエンタープライズAI実装の本質的な設計問題である、という主張だ。

前提として経営管理の成熟度モデルを提示し、「整った業務×AI=指数関数、混沌×AI=もっと混沌」と、AI活用には土台整備が不可欠と説く。事例はAI利用率99%のMIXI。それでも経営管理の現場は膨大な手作業が残る「経営のラストワンマイル」だった。ここにAIエージェント「ALICE」を実装し、月次定常業務を約70%削減した。

その裏でFDEが設計したのは3つ——①確率の境界線(決定論的処理はAIに任せない)、②責任の接合(確信度スコア・権限・トレーサビリティで検証可能性を担保)、③文脈の資産化(LLMが知らない"企業の脳内"の構造化)。AIの役割は正解ではなく判断材料の提供であり、責任は人間に残す。差分はモデルではなく非公開データとその活かし方にあり、FDEとは「AIと人間の意思決定アーキテクチャを設計するエンジニア」だと定義して締めくくる。

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ryuta sakamoto

July 23, 2026

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Transcript

  1. ⾃⼰紹介 株式会社ログラス 共同創業者 / AIソリューション事業本部 開発部 部⻑ / FDE さかもと

    りゅうた 坂本 ⿓太 ⿃取県境港市出⾝ 中央⼤学商学部会計学科で4年間公認会計⼠を⽬指すも、撤退 60名程度であったビズリーチ(現ビジョナル)の初代新卒⼊社 同社が1200⼈まで急成⻑する中、求⼈検索エンジン、採⽤管理 SaaS、新規SaaS事業の開発責任者を経験 サイバーエージェントに転職し、AIチャットボットの基盤を開発 ログラスを共同創業し、取締役CTOに就任 初代CTOとしてプロダクト組織を牽引したのち、CTOを退任 現在:FDEとして、AIソリューション事業の⽴ち上げと顧客現場で の実装を推進 ⼀児の⽗、保護猫2匹 🐈🐈 スタートアップ CTO of the year 2022オーディエンス賞 x.comは、 @http204 2
  2. Q: LLMが『この事業は撤退すべき』と出⼒。これ、経営会議に出せますか? Q:LLMが「この事業は撤退すべき」と出⼒。これ、経営会議に出せますか? AIは確率で動く。 組織は責任で動く。 ‧同じ⼊⼒でも毎回異なる出⼒ ‧決裁権限と会議体による合意形成 ‧ハルシネーションのリスク ‧「誰が責任を取るか」が前提 ‧根拠を100%完全には説明できない

    ‧確率的な出⼒をそのまま受け⼊れる仕組みがない AIを組織に実装するとは、この異質な2つを接合する設計問題 AIをエンタープライズに実装するとは、モデルの賢さを競うことではない。この異質な2つの原理を接合する「設計問題」
  3. 01 ─ 現在地 ⾃動⾞の前に、道路の話をさせてください 「より速い⾺⾞を求めるのか、 それとも『⾃動⾞』を創るのか?」 経営管理の成熟度: 決して、⼀⾜⾶びには次に⾏けない Lv5 アジャイル

    数字が安定する(=道路) ▼ スプレッドシート集計で⼿⼀杯 ▼ AIによる成果は、明確に掛け算です。 経営 Lv4 事前対策経営 多くの企業がここ 混沌 × AI = もっと混沌 ▼ 基盤‧仕組み化 ※ 本イベント開催概要より引⽤ 整った業務 × AI = 指数関数 AI活⽤ 整った⼟台でこそ実現 Lv3 事後対応経営 Lv2 取りまとめ Lv1 経営 ⾒るだけ経営 予実把握 予実シミュレーション 予実集計 予実分析 ⾼度な予実分析 ※ 出典:経営管理成熟度モデル(完全版は巻末Appendixに収録) 4
  4. 02 ─ 現場(公開できる事例の⼀つ) AIリテラシー最⾼の会社"ですら"、経営へのAI活⽤は容易ではなかった MIXI様 経営管理の現場 ‧2025年5⽉、Google Agentspace(現Gemini Enterprise) を国内で初めて導⼊

    ‧全社でのAI活⽤を強⼒に推進 ‧AI利⽤率99% ‧(海外含む)約100プロジェクト以上 × 数百費⽬ それ でも ‧⽉毎に、数万セル規模のスプレッドシート運⽤ ‧⽉毎に、数百ページの報告資料作成、その根拠分析 ‧決算締め → 経営レポートまで、1〜2週間、⼿作業が⼤半 これが、"経営のラストワンマイル" の正体 5
  5. 02 ─ 現場(公開できる事例の⼀つ) 経営会議までに、膨⼤なデータを処理し、分析して、報告する圧倒的な業務量 FP&Aが本来注⼒すべき「分析」と「事業部との対話」に、⼗分な時間を割けていなかった 実績集計 > 要因分析‧⽰唆 > 報告資料作成

    > 対話‧意思決定 データの収集‧加⼯‧統合 予実差異の⼀次計算 脱 Excelバケツリレー 数字の背景にある事象の特定 「なぜ」の深掘りと解釈 次の打ち⼿の⽰唆 スライドの⽣成‧更新 定型コメントのドラフト ミスチェック 事業部との対策議論 経営判断のサポート ⾃動化‧省⼒化 質向上 ⾃動化‧省⼒化 質向上 これが、"経営のラストワンマイル" の正体 8
  6. 03 ─ 結果 Loglass 経営管理を基盤に、AIエージェント「ALICE」を実装 約70% ⽉次定常業務を削減 3⼈ × 3〜4⽇

    ↓ 膨⼤なExcelを扱う 報告資料を沢⼭作る ↓ 2⼈ × 1⽇ レビューする 経営レポート作成 ※得た時間で業務知識を深め、 レビューの知⾒を⾼める この裏でFDEが何を設計したか? 6
  7. 04 ─ 設計① 確率の境界線 LLMに決定論的処理をさせないアーキテクチャ 決定論的処理(AIに任せない) ⾮決定論的処理(AIが得意) ‧データの収集‧集約‧バリデーション ‧膨⼤なコンテキストを踏まえたインサイト ‧経営管理のロジックや、⼤規模な計算

    ‧予実差異の要因仮説⽣成 実績、予算の配賦 ‧定量、定性、複数データソースの横断サマリー 予算Noのマッチング 連結消去仕訳... 正確さが命。従来のプログラムで厳密に制御する領域。 確率的だが、⼈間を超えるカバレッジで⽰唆を出す領域。 9
  8. 04 ─ 設計② 責任の接合 Loglass (そもそも)AIに、未来を当てさせない。 AIの役割は"正解"ではなく、⼈間が責任を持って判断するための材料を、検証可能な形で出⼒すること。 シナリオ‧仮説‧論点。責任は常に⼈間の側に残す。 その上で、確率的な出⼒を組織に流通させる3つの仕組み 1

    確信度スコア 2 権限 3 トレーサビリティ 全出⼒に確信度スコアを付与。 Agentが参照可能な範囲 = Loglassにおけ 全回答に根拠リンク: レビューを「なくす」のではなく、 るユーザーの権限 元ファイル∕Loglass 経営管理のレポート 低確信度の出⼒にフォーカスさせる。 議事録などについても、どの部署に⾔及し ∕外部情報∕DWHをソースとするBIダッ 数多くのレビューで、 ているかか?を全⾃動でタグ付け シュボードのリンク ※要承認 「AIを信じてください」ではなく、「AIの⾔うことは、いつでも検証できます」を実現する 10
  9. 04 ─ 設計③ ⽂脈の資産化 次のフロンティアは、"企業の脳内" にある 「データをダウンロードして汎⽤AIに渡せば、 同じことができるのでは?」 → できない。

    知能のコストが限りなくゼロに近づく時代、 知識も平準化されるされる時代、 差分はモデルではなく、⾮公開データと、その活かし⽅ LLMは知らない"企業の脳内" どの会議体で、 いつ何が決まるか? 必要データはどこにある? データの鮮度は? FDE 「このユースケースの精度を上げるために、 今のプロダクトの領域外にあるデータも使わせていただけません 組織階層、セグメント データの重み、表現 KPIの固定要素と変動要素 か?御社のIT部⾨やセキュリティ部⾨としっかり話して進めておきま す!」 経営陣は、いま何に関⼼を持っているか? この⼀⾔を⾔える信頼関係こそが、さらに深いデータと⽰唆の壁を開く。 FDEは、知能のコストが下がり、知識も平準化される中で、企業の脳内に潜り込む 11
  10. 05 ─ 学び 技術的にできることと、その組織が受け取れることは、全く別の変数 先⾛り 順番を戻す 現在 将来フォーキャストを"当 効率化と判断材料づくりへ 経営陣が、⾃ら使い始める

    細かいチューニング∕デー "当てるAI"ではなく"判断 てに⾏った" LLMの性質上、単⼀の正解当てに 不向き。事業部には既に⾼精度の ⾒込みがあり、後追いの価値は⼩ さい。 → 1ヶ⽉で頓挫 > タソースの順次拡充∕アク セスしやすさの圧倒的改善 > 材料のAI"として、意思決 定の場へ ⸺信頼を積む 信頼を積み上げ、業務に浸透させ、業務を変えるまでがFDEの責務です 12
  11. 07 ─ FDEという仕事 FDE = AIと⼈間の意思決定アーキテクチャを設計するエンジニア 1 2 3 4

    課題を、お客様と⼀緒 技術要件に アプリケーション、 使い切られるまで に⾔葉にする 落とす データパイプラインを 伴⾛する 実装する 顧客⾃⾝もまだ⾔語化できて データ×AIの観点で、解ける形 本番データ‧本番業務‧本番 現場で定着し、意思決定がよ いない経営課題から始まる に翻訳する の意思決定に⼊れる りよく変わるまで FDEだからこその価値 ✓ AI×経営のユースケースを⾒据え、⼤企業のセキュリティ部⾨と会話し、 社内ポリシーに沿ったデータ利⽤で、AIのためのデータパイプラインを実現 SaaS = 守り FDE = 攻め 標準化による効率化 固有の⽂脈を組み込み、"思いもよらなかった選択肢"を出す 14
  12. 07 ─ FDEという仕事 とはいえ、課題は、まだまだ無限にある 数百 の⼦会社 業績の背景を把握しきれないエンタープライズ 数万点 の製品 数千

    の物件 製品別の利益が⾒えない⼤⼿メーカー 物件別の採算が分からない⼤⼿不動産 すべて、"企業の脳内"に⼊らないと解けない 求むFDE:お客様と⼀緒に、経営課題を解く、そのホワイトボードを⼀緒に埋められる⼈ CEO直下 | 年収 1,000〜2,000万円 15
  13. 20