Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
第152回 雲勉 シームレスなマルチリージョンへの移行と検討 ~Amazon EKSとAWS ...
Search
iret.kumoben
January 17, 2025
Technology
0
50
第152回 雲勉 シームレスなマルチリージョンへの移行と検討 ~Amazon EKSとAWS Global Acceleratorを使用した環境〜
下記、勉強会での資料です。
https://youtu.be/mGmG0NII8Fg
iret.kumoben
January 17, 2025
Tweet
Share
More Decks by iret.kumoben
See All by iret.kumoben
第154回 雲勉 AWS Codeシリーズ盛り上げ隊 ~ Codeシリーズは砕けない ~
iret
0
28
第153回 雲勉 トラシューが秒で終わる新機能 Amazon Q Developer operational investigations
iret
0
46
第150回 雲勉 AWS AppSyncではじめるGraphQL体験
iret
0
41
第151回 雲勉 プロジェクトのドキュメントにおける課題をAmazon Bedrockで解決してみる
iret
0
58
第149回 雲勉 AWS ベストプラクティスの最新と実際 AWS Well-Architected
iret
0
83
第148回 雲勉 Web アプリケーションセキュリティ
iret
0
47
第147回 雲勉 Amazon CloudWatchをウォッチ!
iret
0
58
第146回 雲勉 BLEAを眺めてCDKの書き方について学ぶ
iret
1
70
第145回 雲勉 Amazon ECSでサービス間通信する方法を調べてみよう
iret
0
71
Other Decks in Technology
See All in Technology
第13回 Data-Centric AI勉強会, 画像認識におけるData-centric AI
ksaito_osx
0
370
PL900試験から学ぶ Power Platform 基礎知識講座
kumikeyy
0
120
エンジニアの育成を支える爆速フィードバック文化
sansantech
PRO
3
990
現場で役立つAPIデザイン
nagix
32
11k
サーバーレスアーキテクチャと生成AIの融合 / Serverless Meets Generative AI
_kensh
12
3.1k
『衛星データ利用の方々にとって近いようで触れる機会のなさそうな小話 ~ 衛星搭載ソフトウェアと衛星運用ソフトウェア (実物) を動かしながらわいわいする編 ~』 @日本衛星データコミニティ勉強会
meltingrabbit
0
140
プロセス改善による品質向上事例
tomasagi
2
2.2k
TAMとre:Capセキュリティ編 〜拡張脅威検出デモを添えて〜
fujiihda
1
180
N=1から解き明かすAWS ソリューションアーキテクトの魅力
kiiwami
0
110
AndroidXR 開発ツールごとの できることできないこと
donabe3
0
120
データ資産をシームレスに伝達するためのイベント駆動型アーキテクチャ
kakehashi
PRO
2
470
Oracle Base Database Service 技術詳細
oracle4engineer
PRO
6
57k
Featured
See All Featured
The Myth of the Modular Monolith - Day 2 Keynote - Rails World 2024
eileencodes
21
2.5k
The Straight Up "How To Draw Better" Workshop
denniskardys
232
140k
The Power of CSS Pseudo Elements
geoffreycrofte
75
5.5k
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
30
4.6k
How GitHub (no longer) Works
holman
313
140k
Bash Introduction
62gerente
610
210k
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
132
33k
Helping Users Find Their Own Way: Creating Modern Search Experiences
danielanewman
29
2.4k
The World Runs on Bad Software
bkeepers
PRO
67
11k
Designing Dashboards & Data Visualisations in Web Apps
destraynor
231
53k
Rebuilding a faster, lazier Slack
samanthasiow
80
8.8k
Embracing the Ebb and Flow
colly
84
4.6k
Transcript
第152回 雲勉 シームレスなマルチリージョンへの移行と検討 ~Amazon EKSとAWS Global Acceleratorを使用した環境〜
講師自己紹介 2 ◼ 名前: 茅根 涼平 • (所属)クラウドインテグレーション事業部SREセクション(グループリーダー) • (アイレット歴)7年目
• (担当)コンテナ、エンドユーザーコンピューティング、ネットワーキングとコンテンツ配信 ご質問は YouTubeのコメント欄で受け付けております。 後日回答させていただきます! AWS Well-Architected Lead JAWS-UG 茨城
アジェンダ 3 ◼ 話すこと 1. AWS Global Acceleratorを使った移行 2. コスト試算(AWS利用料)
3. マルチリージョン化によって得られるメリット 4. まとめ ◼ 話さないこと ・CI/CDを使用したマルチクラスター管理方法 ・データベースやストレージ管理方法
1.シームレスなマルチリージョンへの移行 4
1.シームレスなマルチリージョンへの移行 5 ◼ 構成図 AWS Global Accelerator と Amazon Route
53 を使用して、 2 つの AWS リージョンで稼働する環境でトラフィック分散します ※今回はEKSを使用して検証します
6 ◼ AWS Global Acceleratorとは? AWS Global Accelerator は、世界中の顧客に提供するアプリケーションの可用性と パフォーマンスを改善するネットワーキングサービスです。
1.シームレスなマルチリージョンへの移行
7 ◼ AWS Global Acceleratorの特徴 AWS グローバルネットワークを利用しアプリケーションのグローバルな 可用性とパフォーマンスを向上します。 ・固定エントリポイントとして機能する静的 IP
アドレスがある ・地理情報に基づいてルーティング可能です ・正常に動作しているエンドポイントにルーティングします ・特定リージョンのトラフィックの割合を調整できます ・DDoS攻撃からの保護機能があります 1.シームレスなマルチリージョンへの移行
8 ◼ EKSとは? AWS上でKubernetesクラスタを簡単に実行、管理できるマネージドサービスで、 高い可用性とセキュリティを備え、AWSの各種サービスと容易に統合できます。 フルマネージド コントロールプレーンの管理を AWS が担うため運用負荷を軽減できます。 1.シームレスなマルチリージョンへの移行
9 ◼ 使用するツール • AWS CLI version 2 • eksctl
• kubectl • helm • ドメインおよび Route 53 ホストゾーン 1.シームレスなマルチリージョンへの移行
10 ◼ 環境変数を設定する 1.シームレスなマルチリージョンへの移行
11 ◼ EKSクラスターの作成 eksctl を使用して 2 つの異なるリージョンに 2 つのEKSクラスターを作成します。 任意でノード数やノードのインスタンスタイプを指定してください。
1.シームレスなマルチリージョンへの移行
12 ◼ AWS Load Balancer Controller をインストールする Kubernetes の Ingress
に Application Load Balancer を使用できるように AWS Load Balancer Controller をそれぞれの EKS クラスターにインストールします。 参考 https://kubernetes-sigs.github.io/aws-load-balancer-controller/latest/deploy/installation/ 1.シームレスなマルチリージョンへの移行 クラスター用に OIDC プロバイダーを作成
13 参考 https://kubernetes-sigs.github.io/aws-load-balancer-controller/latest/deploy/installation/ 1.シームレスなマルチリージョンへの移行 AWS Load Balancer Controller に使用する IAM
ポリシードキュメントを ダウンロード、 IAM ポリシーを作成 IAM ロールと Kubernetes の Service Account を作成
14 参考 https://kubernetes-sigs.github.io/aws-load-balancer-controller/latest/deploy/installation/ 1.シームレスなマルチリージョンへの移行 AWS Load Balancer Controller に使用する IAM
ポリシードキュメントを ダウンロード、 IAM ポリシーを作成する コントローラーをインストールする ※コンテキストの指定を忘れずにする
15 ◼ アプリケーションをデプロイする 1.シームレスなマルチリージョンへの移行 サンプルアプリケーションをデプロイします。 今回はAWS公式ドキュメントにあるクイックスタートをもとに設定します。 https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/eks/latest/userguide/quickstart.html
16 ◼ Global Accelerator を設定する アクセラレータ名:任意 その他の項目:スキップ 1.シームレスなマルチリージョンへの移行
17 ◼ Global Accelerator を設定する 検証のためTCP80で設定する エンドポイントを東京と大阪で設定する 1.シームレスなマルチリージョンへの移行 トラフィックダイヤル さまざまなリージョンにわたり、
新しいリリースのパフォーマンス テストやブルー/グリーンデプロイ などを簡単に実行できます。
18 ◼ Global Accelerator を設定する 作成したALBをそれぞれ選択する 1.シームレスなマルチリージョンへの移行
19 ◼ Route 53 を設定する 作成したGlobal Acceleratorを選択し、DNSレコードを作成する 1.シームレスなマルチリージョンへの移行
20 ◼ フェイルオーバーをテストする EKS クラスターで実行されている Pod を意図的に終了します。 1.シームレスなマルチリージョンへの移行
21 ◼ フェイルオーバーをテストする プライマリー環境(東京)で実行しているPodを終了すると、以下のように5xx系エラーになります。 Global Accelerator のヘルスチェックが失敗してからサービス用のドメインにアクセスすると、 正常にアクセスできることがわかります。 1.シームレスなマルチリージョンへの移行
22 ◼ Global Accelerator のヘルスチェック 1.シームレスなマルチリージョンへの移行
23 ◼ 異常なエンドポイントに対するフェイルオーバーの仕組 エンドポイントグループに重みが 0 より大きい正常なエンドポイントがない場合 Global Accelerator は別のエンドポイントグループの重みが 0
より大きい正常なエンドポイン トにフェイルオーバーしようとします。 このフェイルオーバーにおいて Global Accelerator はトラフィックダイヤルの設定を無視します。 プライマリー環境(東京)の Deployment をスケールアップすると、数分後に Global Accelerator はすべてのリクエストをプライマリー環境(東京)に流れます。 1.シームレスなマルチリージョンへの移行
24 ◼ Global AcceleratorとRoute 53の比較 Route 53でトラフィックフローを管理するのと比較すると、AWS Global Acceleratorの方が容易です。 1.シームレスなマルチリージョンへの移行
Global Accelerator レイテンシーや地理的なルーティングなど、 独自にきめ細かいルールを決めなくていい場合、 Global Acceleratorに任せることができます。 管理者は主に ・エンドポイントの指定 ・トラフィックダイアルの調整 ・加重の調整 の3つ程度の管理をすることになります。 Route 53 大規模で複雑なDNS管理をするには、 多くの知識と運用コストがかかります。 管理者は主に トラフィックフロー機能を使用して、 ・トラフィックポリシー ・ポリシーレコード を管理しますが、トラフィックポリシーを作成す るにはDNSの知識が必要です。
25 ◼ Global AcceleratorとRoute 53の比較 AWS Global Accelerator を使用すると、クライアントデバイスの IPアドレスキャッシュに依存する必要がなくなります。
そのため、DNSのキャッシュに悩まされることなくサービス提供ができるようになります。 Global Accelerator Route 53 AWSのEdge Locationによる負荷分散 DNSベースで分散 ヘルスチェックによるFailover ヘルスチェックによるFailover 固定IPによるアクセス ルーティングポリシーに基づく AWSバックボーンネットワーク による高速化 1.シームレスなマルチリージョンへの移行
2. コスト試算(AWS利用料) 26
2.コスト試算(AWS利用料) 27 ◼ EKSクラスターの料金 1時間あたり、0.10USD 1日あたり、2.40USD 1ヶ月あたり、72.0USD
2.コスト試算(AWS利用料) 28 ◼ AWS Global Acceleratorの料金 AWS Global Accelerator では、プロビジョニングされたアクセラレーターや、
アクセラレーターを流れる主要な方向のトラフィック量に応じて課金されます。 参考 https://aws.amazon.com/jp/global-accelerator/pricing/ 月額128USD
2.コスト試算(AWS利用料) 29 ◼ (例)総額の概算コスト EKSおよびGlobal Acceleratorの使用 72USD+128USD=200USD 年間: 2,400USD(378,444円) 換算($1=157.69)
アプリケーションに最適なソリューションは、特定のニーズによって異なります。 パフォーマンス重視 Global Accelerator コスト重視 DNS ベースのソリューション
2.コスト試算(AWS利用料) 30 ◼ (おまけ)パイロットライト戦略で災害対策 クラウド構成と料金試算例 https://aws.amazon.com/jp/cdp/dr/ 月額 (右図)1,187.86USD (P.27)+200USD =合計1,459.86USD
年間 17,518.32USD 2,762,464円~
3.マルチリージョン化によって 得られるメリット 31
32 ◼ リージョン障害発生時 • 判断 • 新規クラスタ構築 • アプリケーションデプロイ •
動作確認 • DNS切り替え ・目標復旧時間 (RTO)が達成できない ・SLA/SLOに影響 ・ユーザー影響(不満・クレーム) ・エンジニアの精神的負荷が大きい シングルクラスターの場合 復旧に2時間以上かかる可能性がある 3.マルチリージョン化によって得られるメリット
33 AWSの仕様上、クラスターを前のバージョンに戻すことはできない ◼ EKSアップデートにリスクがある 3.マルチリージョン化によって得られるメリット ステータス上は問題ないけどサービス影響が出た ↓ 対策前進に時間がかかりそう ↓ 作業前の状態と同じにする
• EKSクラスター/ノードの作成 • Helmfile(k8s マニフェスト)の作成 • 動作確認
34 • ローリングアップデート ソフトウェアの更新、入れ替えの方法の一つで、稼働中のシステムに直接ソフトウェアの更新や入れ替えを行うこと • Blue/Greenデプロイ 新旧の環境を用意して接続先を切り替えて公開する • カナリアリリース 一部のユーザに対して徐々に公開していく※Blue/Greenの一種
方法 工数 安全性 ローリングアップデート ワンクリックだから簡単 クラスターの切り戻し不可 Blue/Greenデプロイ スタンバイ環境があるので、 すぐに切り替えできる 切り戻し可能 カナリアリリース スタンバイ環境があるので、 すぐに切り替えできる 切り戻し可能 3.マルチリージョン化によって得られるメリット
3.マルチリージョン化によって得られるメリット 35 パフォーマンス効率 チームの編成 ワークロードの設計 ワークロードの大規模な運用 チームの学習、共有、改善 回復力(障害を軽減する) 可用性 DR対応
ネットワーキングとコンテンツ配信 プロセスと文化 参考 https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/wellarchitected/latest/operational-excellence-pillar/operational-excellence.html https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/wellarchitected/latest/reliability-pillar/definitions.html https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/wellarchitected/latest/performance-efficiency-pillar/definition.html ◼ AWS Well-Architectedから考える 信頼性 運用上の優秀性 AWSにおける設計のベストプラクティスの理解度が深まる
4.まとめ 36
4.まとめ 37 ◼ リージョン障害時の復旧が短縮、落ち着いて対応できる EKSアップデートは定期的に実施するため、副次的にBCP訓練がしやすい ◼ EKSアップデートが安心して実施できる 万が一失敗しても、ダウンタイムを最小限にできる ◼ シームレスなマルチリージョン移行
Global Acceleratorを使うことで実現することができる
ご視聴ありがとうございました 38