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「つくる」から「考える」へ ― PdMの重⼼をシフトさせるために

「つくる」から「考える」へ ― PdMの重⼼をシフトさせるために

2025/10/08登壇イベントの資料となります。
LLM Night~AI時代のプロダクトディスカバリー
https://yojo.connpass.com/event/368985/

P17
引用元:ユーザーインタビュー参加コストを極小化する仕組み
https://tech.timee.co.jp/entry/2022/05/24/095101

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Itsuki Kakitani

October 06, 2025
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  1. © Timee, Inc. All rights reserved. ⾃⼰紹介 柿⾕ 樹 |

    Itsuki Kakitani 株式会社タイミー プロダクトマネージャー @_kacky バックグランド/ 職歴 • 新規事業開発 (Biz) • 住まい領域の業務⽀援プロダクトの⽴ち上げ/グロース (toB特化のPdM) • バーティカルな市場での売上最⼤化に注⼒ (2-side-platformなので、toCもtoBもやります) 株式会社リクルート 株式会社タイミー 趣味:⼭登り⛰
  2. © Timee, Inc. All rights reserved. PdMの重⼼がデリバリーに傾く要因は主に2点ではないか 要因1:判断がPdMに集中しやすい構造にある • PdMはWHY/WHATを担う⽴場だが、HOWにも説明責任を負う。

    • 仕様を詰める場では、ビジネス判断や既存仕様との整合が求められるため、 あらゆる判断がPdMに集まりやすくなる。 要因2:コンテキスト共有の不⾜でチームが⾃律できない • WHY/WHATの背景が⼗分に共有されていないと、認識ズレやPdMへの確認が増える。 その結果、チームの判断⼒が育たず、PdMへの依存度が⾼まってしまう。 →“考える時間”より“捌く時間”に追われると、ディスカバリーに時間をかけられなくなってしまう 1.時間を創出する 2.時間の投下効率を上げる
  3. © Timee, Inc. All rights reserved. デリバリーの⾃律化を促し、時間をつくるにはどうするか 1-1. 「PdMがすべてを決める」 を⼿放す

    1-3. コンテキストを チームと同期する • 意思決定の最終責任者を明確にし、PdMは「判断を⽀える⼈」へ (要求=PdM、体験=デザイナー、仕様=エンジニア) • WHY/WHATを⾔語化し、コンテキストとして活⽤できる形にする。 • プロダクトゴールの登り⽅を会話し、チームの理解をそろえる。 (コミュニケーションパスは少ないほうが望ましい) 1.時間を創出する 2.時間の投下効率を上げる 1-2. 前捌きで論点を潰す • 顧客‧事業‧プロダクトへの想像⼒を持ち、想定される論点を 先回りして潰し、チームが迷わず進める環境を整える。 → PdMは「決める⼈」から「決められる構造をつくる⼈」へ
  4. © Timee, Inc. All rights reserved. ディスカバリーの営みを、どう加速させるか 2-1.思考の回転を速める 2-2.試すサイクルを速める 2-3.仮説検証を並列で回す

    • Input: インプットを効率化し、 • Throughput: 思考を加速させ、 • Output: 仮説検証へすぐに踏み出せる体制を整える • ユーザーから⾼速でフィードバックが得られる仕組みを整え、 学びのサイクルを短縮する • オポチュニティを俯瞰し、簡易に試せるものは同時に 複数⾛らせる 1.時間を創出する 2.時間の投下効率を上げる →仮説検証のサイクルを、速く‧広く回すことが求められる
  5. © Timee, Inc. All rights reserved. • ⾳声⼊⼒でCursorとストロークし、粗い思考をクリスタライズする。 ただし、内容のズレや流暢性バイアスに流される危険もあるので、あくまで中間成果物とし、 最終的には、⾃分の⾔葉で書き出すようにしている。

    • AIに問いかけしてもらい、思考の死⾓を洗い出してもらう。答えは求めない。 2-1.思考の回転を速める よくやっていること 1.時間を創出する 2.時間の投下効率を上げる ※他にもあるが、⼀般的なAI活⽤Tipsの範囲に留まるため、ここでは割愛とする。
  6. © Timee, Inc. All rights reserved. • フィードバックを得るまでのリードタイムは、実⾏上のボトルネックになりうる。 • タイミーでは、ユーザーインタビューが簡単にできる仕組みがあり、気軽に検証ができる。

    2-2.試すサイクルを速める 引⽤元:ユーザーインタビュー参加コストを極⼩化する仕組み ユーザビリティテストは、設計から実施‧分析までを約1週間で完遂。 また、顧客ヒアリングについても、営業との連携により、 相談の翌週には、商談機会を得られるケースが多い。 1.時間を創出する 2.時間の投下効率を上げる
  7. © Timee, Inc. All rights reserved. • 思考の癖として、常にオポチュニティを俯瞰し、構造で捉えるようにしている。 • 俯瞰する中でイシュー度が⾼く、検証コストが低いものは、迷わず⾛らせる。

    2-3.仮説検証を並列で回す Outcomes Opportunity Opportunity Opportunity Opportunity Opportunity Opportunity Solution Solution Solution Opportunity Solution 探索 探索 Solution 1.時間を創出する 2.時間の投下効率を上げる
  8. © Timee, Inc. All rights reserved. まとめ • AIの進化によって、デリバリーは速くなった。 だからこそ、PdMはディスカバリーの「速さ」と「質」に向き合わないといけない。

    • 「重⼼」をディスカバリーにシフトできるようにするためには2点が⼤事。 1.時間を創出する 2.時間の投下効率を上げる チームで「決められる構造」をつくる 仮説検証のサイクルを、速く‧広く回せるようにする。