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【pmconf2025】PdMの頭の中を見える化する体験構造図
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Shigeyuki Kameda
December 03, 2025
Design
1
1.5k
【pmconf2025】PdMの頭の中を見える化する体験構造図
pmconf2025での体験構造図について解説した登壇スライドです。
Shigeyuki Kameda
December 03, 2025
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Transcript
PdMの頭の中を見える化する体験構造図 生成AI時代に「Why」を問う思考法 株式会社HuX CEO 亀田 重幸
Lorem ipsum dolor sit amet elit 亀田 重幸 ディップ株式会社に新卒入社、約10年新規事業&サービス立ち 上げに従事。バイトルの新規サービス企画や人工知能専門ニュ
ースメディア「AINOW」などを立ち上げた後に、社内DXのプ ロダクト責任者を担当。自社のSFA/CRM「レコリン」は約 2,000人の営業が毎日利用するプロダクトに仕上げた。現在は 独立して、生成AIを活用したDXとUXコンサル事業に従事。 著書:「いちばんやさしいDXの教本」 HCD−Net認定 人間中心設計専門家 X:@kamechi72 株式会社HuX 代表取締役
「エンジニアのための プロダクトマネジメント講座」 「エージェント×デザイン」 コミュニティ運営 テクノロジーは、人間の役割を奪うものではなく、進化させるための道具です。 課題発見から価値創出まで。私たちは「Human × X(未知数)」の掛け合わせで、 これからの時代に求められる人材と事業の変革をリードします。 Human
× Transformation AI時代を生き抜く、人間の「真価」を磨く。
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生成AIの登場でHowからWhyへ 事業探索や検証機会の重要性が増してきた プロダクトディスカバリー はじめに
AIがコードも仕様書も書ける時代、私たちPdMに残る仕事は何でしょうか? はじめに 『なぜ今それをやるのか』 という意思をチームに宿すことがPdMの仕事
生成AIも活用できる昨今ではあるが PdMの思考整理と情報共有に時間を要してませんか? はじめに
はじめに Figjam / miro noiton プロダクトの情報管理で活用するツール
コンテキストが共有されない 思考の構造化に時間が掛かる • 情報整理したドキュメントが散 在している はじめに • 施策の意図がチームに伝わらない • Figjamのシート管理/検索も大変
• ドキュメントの編集の手間が発生 意思決定のスピードが落ちる チームの納得感と実装の質が下がる
そんな悩みを1枚の情報整理で実現する 「体験構造図」という手法をご紹介 今日お話すること 「機能」ではなく「体験」で 価値を定義できる KPIと体験が紐づくので 価値検証が明確になる 膨大な資料は不要 1枚でチームの「地図」になる
今日お話すること 1枚作成しておけば、生成AIで多くの後続タスクに活用できる PRD (要求定義) 上程資料 スクラムイベント ドキュメント
体験構造図を3つのアジェンダで解説 体験構造図とは? B=MATの考え方 仮説作成と管理
体験構造図を3つのアジェンダで解説 体験構造図とは? B=MATの考え方 仮説作成と管理
体験構造図とは? 「各PdMの頭の中」にあった価値検証プロセスを 全員で見える化するフレームワーク
「ここ、もっと面白くできるんじゃない?」 エンジニアからそんな一言が自然と出るようになります。 体験構造図とは? チーム全員で書き込んでいく『作戦会議のホワイトボード』
体験構造図とは? こんなフォーマットで整理を行っていきます
体験構造図とは? ECサイトのカート投入体験でイメージを具体化しましょう
体験構造図とは? カート投入率を上げたいので、写真の見せ方を変更したい場合 A:カラーバリエーションが見れる B:体型別のスタイリングを掲載
体験構造図とは? A:カラーバリエーションが見れる B:体型別のスタイリングを掲載 右の施策はユーザーからの声も大きいので実施をしたい
体験構造図とは? なぜ体型別の写真を見たいのか、気持ちを整理する
体験構造図とは? 同じ課題でも別の解決方法を検討することもできる
体験設計を行いながら 複数の仮説を書き出して整理できるフレームワーク 体験構造図とは?
体験構造図とは? サービスデザインのフレームワークとの違い 体験構造図 従来のサービスデザイン • 情報整理したらお役御免 • アップデート頻度は低い • プロダクト運営に活用
• アップデートを重ねて構造化 • 1つのドキュメント更新で済む • 利用するフレームワークが多い
これを見せれば自分が今何をしたいのか チームへ共有するときも1枚で完結する 体験構造図とは?
体験構造図を3つのアジェンダで解説 体験構造図とは? B=MATの考え方 仮説作成と管理
骨格となるB=MAT フォッグ式行動モデルで体験設計を行う
動機 Motivation 実行能力 Ability きっかけ Trigger 行動 Behavor 骨格となるB=MAT どれか1つでも欠けると行動に移すことが難しい
× × = ユーザーが行動を起こし たいと思う「欲求」 行動の実行のしやすさ 能力があるかどうか 行動を促す合図 MとAが揃うと発動
骨格となるB=MAT 事例は多くないですが、過去にいくつか紹介されています
骨格となるB=MAT 体験を考える際に各軸の項目を考慮して設計を行っていく
デザイン性 骨格となるB=MAT Motivation(動機) 行動を起こすための「理由」 動機が強いほど、障壁があっても行動する。 ① 快楽 / 苦痛 ②
希望 / 恐怖 ③ 承認 / 拒絶 ECサイトでの具体例 希望:似合う服で印象UP スタイリング提案、着用イメージ動画で「素敵な自分」を想像 恐怖:サイズ失敗を避けたい 「返品無料」「サイズ交換OK」の可視化で不安を取り除く 承認:みんなが良いと言っている 高評価レビュー、ランキング、UGC(インスタ投稿)の表示 動機を構成する3つの軸 キャッチコピー 「今すぐ得したい」「損をしたくない」という 原始的な欲求。 「こうなりたい(期待)」 「失敗したくない(不安)」という未来への感情。 「認められたい」「恥をかきたくない」 という社会的欲求。
簡略化 自働化 既知化 骨格となるB=MAT Ability(実行能力) 行動を実行する「簡単さ」 摩擦(Friction)が低いほど行動しやすい。 ① 時間 時間が掛かる
ECサイトでの具体例 認知的負荷:どれを選べばいいかわからない 難解なサイズ表 →「あなたへの推奨サイズ:M」を表示 時間:購入手続きが長い 必須会員登録 → ゲスト購入 / ソーシャルログイン(SSO) 金銭:総額がわからず不安 決済直前まで送料不明 → カート画面で送料込み総額を提示 行動を阻害する6つの障壁 ② 金銭 コストが高い ③ 身体的労力 操作が面倒 ④ 認知的負荷 理解が難しい ⑤ 社会的逸脱 常識外れ ⑥ 非ルーチン 習慣にない
骨格となるB=MAT Trigger(実行能力) 行動するための「きっかけ」 動機と実行能力の成立条件に依存する ECサイトでの具体例 Spark (点火):在庫僅少バッジ / タイムセール 「残り2点」「あと3時間」と表示し、損をしたくない(恐れ)
や得したい(快楽)を刺激。 Facilitator (支援):固定CTA スクロールしても「カートに入れる」を追従させ思考・操作負荷 を低減。 Signal (合図):再入荷通知 / カゴ落ちメール 欲しくて(M)、買える状態(A)の人に、忘れていたタイミング で「入荷しました」と通知。 3種類のトリガーとタイプ ① Spark (点火) Mが低い時 ② Facilitator (支援) Aが低い時 ③ Signal (合図) M・Aが高い時 動機付けそのものを強化する情報。 「恐怖」「希望」「報酬」などを想起させる。 実行を簡単にする補助。「ここを押すだけ」「続きから 」などハードルを下げる。 単なるリマインダー。やる気も能力もある 状態での「今だよ」という合図。
骨格となるB=MAT この体験構造図では、Abilityを考慮した設計になっていた
体験構造図とは? 特にAbility起因の体験が多くなるので、パターンを持っておくと良い
B=MATを意識すると複数の仮説が浮かび なぜ、その体験を提供すべきか理由が明確にな る 体験構造図とは?
体験構造図とは? PdMの仮説が明確になるので チームの納得度も向上します
体験構造図を3つのアジェンダで解説 体験構造図とは? B=MATの考え方 仮説作成と管理
仮説作成と管理 KPIが先行して、体験と紐づかないことないですか?
KPIや機能を検証するのではなく、行動が正しく成立するか検証できる 仮説作成と管理
NSM(North Star Metrics)を事前に作成しておくと指標が置きやすい 仮説作成と管理
仮説作成と管理 改善したい指標とB=MATの項目を照らしわせて、施策ゴールを決める
仮説テンプレート 仮説作成と管理 「シーンXで〇〇は△△したいが(M)、 ××が障壁となっている(A) □□(解決策)すれば行動できるため、 ▪▪(KPI)がX% → X%に改善するはず」
KPI設定のコツは1体験で1KPI、前後のKPIに着目すること 仮説作成と管理
体験構造図を基に、ECサイトの仮説管理を行った例 これならチームでも何を検証しているのか、すぐに確認できる 仮説作成と管理
体験構造図は体験とKPIを両方管理して、アップデートしていく 仮説作成と管理
仮説作成と管理 数字(KPI)は『結果』にすぎない 変えるべきは体験設計による『行動』
まとめ
コンテキストが共有されない 思考の構造化に時間が掛かる • 情報整理したドキュメントが散 在している はじめに • 施策の意図がチームに伝わらない • Figjamのシート管理/検索も大変
• ドキュメントの編集の手間が発生 意思決定のスピードが落ちる チームの納得感と実装の質が下がる
そんな悩みを1枚の情報整理で実現する 「体験構造図」という手法をご紹介 今日お話すること 「機能」ではなく「体験」で 価値を定義できる KPIと体験が紐づくので 価値検証が明確になる 膨大な資料は不要 1枚でチームの「地図」になる
まとめ 行動の理由を定義して体験設計を行っていく
まとめ フォッグ式行動モデルで体験設計を行う
まとめ 体験を考える際に各軸の項目を考慮して設計を行っていく
仮説が明確になり、どんな体験を提供して、どう変化したのか? チーム全員が理解できるようになる まとめ
まとめ 生成AIの登場後も、コミュニケーションがボトルネックに 何をやるのか、やらないのか、意思の決定と共有が重要になっていく
まとめ 体験構造図があれば PdMの思考が丸見え、チームに迅速に共有できる
まとめ 愛されるプロダクトを作るため 体験構造図を活用してください!
まとめ 体験構造図のフレームワークはFigjamで公開しています X:kamechi72 note:https://note.com/kamechi
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Thank You