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ProductZine Day 2025 Assuredのプロダクトディスカバリー

ProductZine Day 2025 Assuredのプロダクトディスカバリー

ProductZine Day 2025
サイバーセキュリティの市場でプラットフォームを作る。Assuredのプロダクトディスカバリー

翔泳社主催ProductZine Day 2025の登壇資料です。
https://event.shoeisha.jp/pzday/20250515/session/5786

Visionalグループの企業である株式会社アシュアードでは、セキュリティプラットフォーム「Assured(アシュアード)」を提供しています。クラウドサービスのセキュリティ評価を効率化・高度化し、その評価情報をプラットフォームとして提供する、国内でもあまり見ないサービスです。外資製品の強いサイバーセキュリティの領域で国内のプロダクトも多くないなか、ゼロからの新規事業として立ち上がったこのサービスが、どのようにプロダクトディスカバリーを行い、製品開発や市場拡大をしてきたのか、その軌跡と知見をお伝えします。

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Kazuyuki Suzuki

May 26, 2025
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Transcript

  1. 2 ⾃⼰紹介 Assured事業部 プロダクト開発部 部長 鈴木 和幸 @kechol 2013.04 2017.04

    2020.07 株式会社リクルートホールディングス / 新卒⼊社 新規事業開発 株式会社リクルートマーケティングパートナーズ ⼩中⾼校⽣向け教育アプリ「スタディサプリ」開発 株式会社アシュアード ⼀⼈⽬のエンジニアとして参画 エンジニア 新規事業開発 エンジニア プロダクトマネージャー プロダクト責任者 エンジニア エンジニアリングマネージャー
  2. ビズリーチを創業事業とする、東証プライム市場上場グループ企業です 3 会社概要 株式会社アシュアード ビジョナル株式会社 (ホールディングカンパニー) 創業 2009年4⽉(当時:株式会社ビズリーチ) 資本⾦ 6,503百万円(2024年7⽉31⽇時点)

    従業員数 2,192名(2024年7⽉31⽇時点) 代表者 南 壮⼀郎 所在地 〒150-0002 東京都渋⾕区渋⾕2-15-1 拠点 東京‧⼤阪‧名古屋‧福岡、静岡、 広島 URL https://www.visional.inc/ 株式会社ビズリーチ HR Tech HRプラットフォーム事業 HR SaaS事業の運営 株式会社スタンバイ HR Tech 求⼈検索エンジン「スタンバイ」運営 (LINEヤフー株式会社との合弁事業会社) 株式会社M&Aサクシード M&A 法⼈限定M&Aプラットフォーム 「 M&Aサクシード」運営 サイバーセキュリティ セキュリティ評価プラットフォーム「Assured」 脆弱性管理クラウド「yamory」の提供 トラボックス株式会社 物流Tech 物流DXプラットフォーム 「トラボックス」運営
  3. 6 サービス全体像 利⽤検討 利⽤申請‧相談 未申請 検知 調査 評価 管理 棚卸し

    導⼊可否判断 利⽤検討 通常の 業務フロー Assured サービス検知 ※オプション セキュリティ評価 サービス台帳 業務構築⽀援 ※オプション Assured 独⾃のデータベース ※データベースにないサービスは新規に調査可能 情報を 集約 セキュリティ評価情報を主機能に業務フローを⽀える機能も提供
  4. 8 本⽇お話しす こと Assuredというサービスが どのように 市場 を⾒つけて始まったのか Assuredが プラットフォーム として

    どのようにサービスを広げているのか Assuredとして これから何に 挑戦 するのか 1 2 3
  5. 10 始ま は⾃社のインサイト エクセルとメールでやり取りするセキュリティチェックシートではお互いに「不」を抱えていました クラウドサービス事業者様の悩み クラウドサービス利⽤企業様の悩み 網羅性⾼く情報を収集し、適切にセキュ リティ評価することが難しい チェックシートの回答内容が本当に正し いのかがわからない

    担当者によって、評価基準が変わるため に正しい評価ができない 定期的なモニタリング体制が取れない 個社毎にフォーマットが異なるので回答 の⾃動化が困難 広域な情報を扱うので回答できる⼈材が 限られる サービスが拡⼤するほど対応コストも肥 ⼤化(既契約企業からの回答依頼が増加) 利⽤いただくために、受けざるを得ない ビズリーチでも同じ悩みを 抱えていました
  6. 12 マーケットはあ のか? これまでになぜその問題が解決されていなかったのかをヒアリングで明らかにしました 当時の状況 ‧明確な国内の先⾏プレイヤーがいない ‧「セキュリティ評価」というカテゴリが存在しない Assuredの気づき ‧セキュリティ部署の⽴ち上げや、  クラウドサービス導⼊初期の企業が多数だった

    ‧海外では法改正など、規制強化の流れがあるとわかった ‧代替策に予算を投下していた ‧有償ニーズが顕在化していない 気づきを得るための⽅法 国内のマーケットレポートを読む 課題を抱えるユーザーにヒアリングする レポートは先⾏プレイヤーの売上の積み上げ。 新しいマーケットでは役に⽴たない 課題に対する熱量や代替策を確認できれば 課題の⼤きさがわかる 海外のトレンドやプレイヤーを確認する 海外トレンドの先⾏した動きを参考にできる
  7. 13 そのビジネスモデルは可能なのか? 考える課題の解決⽅法が合っているかを Minimum Viable Product で確認しました 当時の状況 ‧チェックシートは個社で作成しており統⼀されていない ‧チェックシートはエクセルとメールを使って

     企業間で直接やり取りされている Assuredの気づき ‧チェックシートはガイドラインを参考に  作成されており統⼀できる ‧Assuredが第三者として調査業務を代⾏できる ‧データが貯まっていなくても価値提供ができる 気づきを得るための⽅法 ⼤きなコストをかけてデータを集める MVPを作って初期ユーザーとPoCを⾏う 現⾏の商習慣に則ったほうが理解を得られやすく、 ⼩さく始められると価値提供が早い MVPは「Assuredが設計したエクセルのチェックシート」 業務の置き換えが可能かを確認するには⼗分だった
  8. 14 エコノミクスは成 ⽴つのか? ⼯数削減だけではない独⾃の価値を感じていただくことでエコノミクスが成り⽴ちました 当時の状況 ‧調査代⾏やセキュリティ評価にはコストが⼀定かかる ‧調査の⼯数削減だけでは価値を感じづらい Assuredの気づき ‧「専⾨家による第三者の評価」こそが価値になる ‧適正な価格(=価値の感じ⽅)は変えていける

    ‧先⾏プレイヤーがおらず適正な価格を⾒出しづらい 気づきを得るための⽅法 ⼯数削減だけの価値で価格設定する 独⾃の価値を訴求する ⼀社あたりの単価があがらず エコノミクスが成⽴しない 顧客企業が真似できない価値を提供し 「業務の⾼度化」を訴求する 何度も価格改定を⾏う 適正な価格を⾒つけ、 安売りしてしまうリスクを減らせる
  9. 15 Visionalにおけ 事業創出フレームワーク(参考) ポテンシャルの大きな市場に対して、国内市場がまだ立ち上がっていないタイミングで、先行事例を踏襲しつつ事業を展開します 社会構造の変⾰や技術の進化により、 ⽇本市場の成⻑が期待される Visionalの新規事業における市場選定基準 産業にDXのニーズが顕著 ⼤きな市場ポテンシャル(TAM)が存在 海外でのトレンドや先⾏事例が明確に存在

    ⼤きく利益を上げている、 既存の国内⼤⼿プレイヤーが存在 法令等による個⼈情報保護の規制強化 クラウドサービス導⼊の加速 Assuredの場合 企業のセキュリティ⼈材は常に不⾜し、 セキュリティ事故は増え続けている 「セキュリティ」はすべての企業が備えるべき機能。 ITに限らずホリゾンタルな領域として捉えられる 海外セキュリティ市場は⽇本より⼤きく、 ⼤⼿プレイヤーやスタートアップが多数存在 セキュリティ市場では コンサルティングビジネスが存在
  10. SaaSと異なり、プラットフォームは単⼀のプロダクトを広げることで成⻑します 18 SaaSとプラットフォームの違い(補⾜) モデル SaaS プラットフォーム マネタイズ サブスクリプション(固定料⾦) 従量課⾦、⼿数料 成⻑

    プロダクトを増やすことで成⻑ (マルチプロダクト) 両サイドのデータを増やすことで成⻑ (単⼀プロダクト) 参⼊障壁 製品の差別化、囲い込み 規模の経済、ブランド(第⼀想起) 初期課題 製品価値の証明 鶏卵問題の解決 サービス例 Salesforce、SmartHR Shopify、メルカリ ⼀社に対する価値提供 ※サービスによってはより複雑だが、ここでは端的に説明 複数社のマッチング‧課題解決
  11. 自社のビジネスがプラットフォームであることを社内外に伝えることで、より多くの機会が生まれます 21 プラットフォームの思想を伝え ビジョンを社員全員で共有する お客様に応援していただく ブランドブック制作 MVV制作 導⼊事例 株式会社⽇本取引所グループ様 https://assured.jp/case/22

    “Assuredは、株式市場におけ 格付機関の うな、 ビジネス社会になくてはな ない存在にな と 信じています。(中略)ぜひ、社会インフラの⼀つ となっていただきたいと思います。 セーフィー株式会社様 https://assured.jp/case/22 “今後、 多くの企業にAssuredをご利⽤いただ き、セキュリティチェックのデファクトスタンダー ドになっていただきたいと期待しています。
  12. ユーザーが答えを持っていないことも多いなかで、ニーズを鵜呑みにせず、自分たちがどうあるべきかを探索します 22 ドメインエキスパートとニーズを探索す ヒアリング先を使い分ける ドメインエキスパートを含めて ヒアリングを⾏う CS担当と⼀緒に 既存顧客にヒアリング 複数の担当者にヒアリングする うちではこういった対応を⾏っています

    最近のトレンドでは別の考え⽅も出て きていますが、御社としては対応を考 えていらっしゃいますか? それぞれ異なる課題を 持っていることも多いため 各職責にヒアリング CiSO 現場担当者 担当部署の マネージャー VISASQ等を⽤いて ポテンシャルユーザーに ヒアリング 専⾨的な話をより具体的に聞く トレンドから ユーザーの話を捉え直す セキュリティの フレームワークで考える
  13. 27

  14. 35