事業価値を生み出すSREへ ー SREが担うべき意思決定の5層
AIがコードを書き、トイルを解消していく。ソフトウェアエンジニアとしてのSREの仕事はなくなるのか。そう感じている人は多いはずです。しかし、実際のデータはもっと厄介なことを示しています。SRE Report 2026では51%がトイル削減を実感できておらず、Faros AIの実測ではAI高採用チームのPR数が倍増する一方、業績との相関は見られません。つまり、AIのアウトプットは会社の価値に直結していないと言えます。なぜそうなるのか、どうAIを扱っていくべきなのか——それがSREのキャリアの問いでもあります。このセッションは、その問いを抱えているSREとそのリーダーに向けています。
私はSRE組織を支援する会社の経営に携わり、多くの商談で顧客の課題を聞き続けてきました。その中で気づいたことが、SREへの投資が続くケースと続かないケースの違いです。
その違いは、経営の要求を言語化し、自分たちの活動と接続できているかどうかです。AIが実行コストを下げるほど、技術的な活動量による価値証明は通じにくくなります。この変化は現場からは見えにくく、経営側と直接向き合う立場から見えてきたことでもあります。
その変化に対応するための5層の意思決定フレームワークを紹介します。経営目標を理解し、達成指標を設定し、施策を判断・決定し、AIの実行を監視・承認し、経営にコミットし続ける。技術指標は実行の証明に過ぎず、達成指標があって初めて経営言語に翻訳できます。各層について、支援現場から見えてきた実践の一端も共有します。