Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
『家族アルバム みてね』 AWSマルチリージョン構成における データベース運用 / Famil...
Search
kohbis
June 08, 2023
Technology
5
2.7k
『家族アルバム みてね』 AWSマルチリージョン構成における データベース運用 / FamilyAlbum Database in AWS multi-region
【TimeTree × みてね勉強会】 グローバル対応への挑戦 〜SRE/インフラ編〜
https://mixi.connpass.com/event/285041/
kohbis
June 08, 2023
Tweet
Share
More Decks by kohbis
See All by kohbis
サクッと試すNew Relic Kubernetes APM auto-attach / New Relic Kubernetes APM auto-attach
kohbis
0
31
悩ましきインシデント管理 みてねのケース / Incident management is a tough
kohbis
2
560
サービス成長と共に肥大化するモノレポ、長くなるCI時間 / As services grow, monorepos get bigger and CI time gets longer
kohbis
5
2.9k
そこまで大規模じゃない EKS環境を(あまり)頑張らずに 最新化し続けたい / FamilyAlbum EKS Continuous Improvement
kohbis
2
1.5k
1,800万人が利用する『家族アルバム みてね』におけるK8s基盤のアップグレード戦略と継続的改善 / FamilyAlbum's upgrade strategy and continuous improvement for K8s infrastructure
kohbis
5
3.8k
『家族アルバム みてね』の安定リリースを支えるEKS運用 / FamilyAlbum release-flow on EKS
kohbis
2
1.4k
KEDAによるイベント駆動ジョブスケール / Event-driven job scale by KEDA
kohbis
2
1k
『家族アルバム みてね』のグローバル展開を支えるAWS活用 / AWS Summit Tokyo 2023 FamilyAlbum Multi-Region
kohbis
1
770
Other Decks in Technology
See All in Technology
Qiita埋め込み用スライド
naoki_0531
0
5.1k
DUSt3R, MASt3R, MASt3R-SfM にみる3D基盤モデル
spatial_ai_network
2
130
ブラックフライデーで購入したPixel9で、Gemini Nanoを動かしてみた
marchin1989
1
540
watsonx.ai Dojo #5 ファインチューニングとInstructLAB
oniak3ibm
PRO
0
160
生成AIのガバナンスの全体像と現実解
fnifni
1
190
非機能品質を作り込むための実践アーキテクチャ
knih
5
1.4k
大幅アップデートされたRagas v0.2をキャッチアップ
os1ma
2
540
Amazon Kendra GenAI Index 登場でどう変わる? 評価から学ぶ最適なRAG構成
naoki_0531
0
110
Postman と API セキュリティ / Postman and API Security
yokawasa
0
200
C++26 エラー性動作
faithandbrave
2
740
サーバレスアプリ開発者向けアップデートをキャッチアップしてきた #AWSreInvent #regrowth_fuk
drumnistnakano
0
190
あの日俺達が夢見たサーバレスアーキテクチャ/the-serverless-architecture-we-dreamed-of
tomoki10
0
460
Featured
See All Featured
Done Done
chrislema
181
16k
Building Adaptive Systems
keathley
38
2.3k
Making Projects Easy
brettharned
116
5.9k
Designing Experiences People Love
moore
138
23k
The Power of CSS Pseudo Elements
geoffreycrofte
73
5.4k
The Cost Of JavaScript in 2023
addyosmani
45
7k
The Web Performance Landscape in 2024 [PerfNow 2024]
tammyeverts
2
290
ピンチをチャンスに:未来をつくるプロダクトロードマップ #pmconf2020
aki_iinuma
111
49k
Thoughts on Productivity
jonyablonski
67
4.4k
Optimizing for Happiness
mojombo
376
70k
Building Flexible Design Systems
yeseniaperezcruz
327
38k
Into the Great Unknown - MozCon
thekraken
33
1.5k
Transcript
『家族アルバム みてね』 AWSマルチリージョン構成における データベース運用 @kohbis 2023/06/08 TimeTree × みてね勉強会
MIXI, Inc. About Me Kohei SUGIMOTO 株式会社MIXI 2022/04 ~『家族アルバム みてね』
SRE Twitter : @kohbis
MIXI, Inc. Agenda 1. 『家族アルバム みてね』とは 2. 『家族アルバム みてね』の AWS
マルチリージョン構成 3. Amazon Aurora Global Database の活用 4. Amazon DynamoDB Global Tables の活用 5. Amazon ElastiCache for Memcached の活用 6. まとめ
MIXI, Inc. 『家族アルバム みてね』
MIXI, Inc. 子どもの写真・動画を家族で共有し、 コミュニケーションして楽しむサービス
MIXI, Inc. 子どもの写真・動画を、無料・無制限に 共有できるスマートフォンアプリです
MIXI, Inc.
MIXI, Inc. 家族アルバム みてね 世界中の家族の”こころのインフラ”を作る • 2015年4月リリース • 現在7言語・175の国と地域でサービスを提供 •
海外では FamilyAlbum という名称で展開中 • 2022年8月に利用者数が1,500万人を突破 ※1 • 日本国内ではママやパパの半数となる47.1%の 方がご利用 ※2 ※1 iOS・Android™ アプリ登録者数、ブラウザ版登録者数の合計 ※2「みてね」登録時に入力されたお子さまの誕生日と厚生労働省発表「人口動態統計」から算出。2022年8月時点で47.1%
MIXI, Inc. 『家族アルバム みてね』の AWS マルチリージョン構成
MIXI, Inc. 『家族アルバム みてね』のマルチリージョン概要 • 目的は海外ユーザー体験向上 ◦ 近いリージョンにアクセスできる = レスポンスタイム改善
• 現在は 2 リージョン構成 ◦ 東京リージョン(ap-northeast-1) ◦ バージニア北部リージョン (us-east-1) • ユーザー体験につながる特定のAPI ◦ 例 ▪ アプリ起動時 ▪ アルバムや写真の閲覧
MIXI, Inc. 『家族アルバム みてね』の AWS マルチリージョン概要 • API リクエストの振り分け ◦
CloudFront & Route 53 のレイテンシー ルーティング • データベースのレプリケーション ◦ Aurora Global Database ◦ DynamoDB Global Tables • オブザーバービリティ ◦ 東京リージョンの Managed Service for Prometheus にメトリクス集約 本日はデータベース周りのお話
MIXI, Inc. Amazon Aurora Global Database
MIXI, Inc. Amazon Aurora Global Database • ストレージベースの物理レプリケーション • どのリージョンでも通常
1 秒未満の レプリケーション (参考)Cross-region read Replica • バイナリログによる論理レプリケーション • ワークロードの変更率、リージョン間の ネットワークに強く依存 制約に当てはまらない限りは Global Database 推奨 ※ 参考元: https://aws.amazon.com/jp/dynamodb/global-tables/ ※ 2023/06 時点の AWS ドキュメントより
MIXI, Inc. Amazon Aurora Global Database を導入するまで • 当時利用していた RDS
Proxy のサポートがさ れておらず Cross-region Read Replica の検 証からはじめた • 試しに本番環境に作成したところ(みてねの 場合は)ピーク時に数時間レベルのレプリ ケーションラグが発生することが発覚 ⇩ RDS Proxy を頑張って外すしかない! • DB コネクション数の詳細調査 • DB コネクション数を減らすためのチューニ ング
MIXI, Inc. Amazon Aurora Global Database を導入するまで • 主に K8s
と Rails(Puma)のチューニング • 意図せずしてアプリケーションのリソース効率が大幅に改善 • RDS Proxy にかかるレスポンスタイム改善(10~20ms)とコスト削減 • Global Database を導入できるように
MIXI, Inc. Amazon Aurora Global Database を導入、運用してみて • Global Database
へのリージョン追加やクラスター削除(スタンドアロンへ昇格)はダウンタイム なしで実施可能 ◦ プライマリ DB への影響なく「とりあえず試したい!」ができる • レプリケーションが安定してはやい ◦ みてねのワークロードでは 100~300 ms で推移
MIXI, Inc. Amazon Aurora Global Database 運用上の課題 ※2023/06時点 • Aurora
MySQL 最新バージョンへの対応 ◦ 「Global Database ではまだ利用できない」ケースがある ◦ 最新(3.03.*)へのマイナーバージョンアップグレードには Global Database 再作成が必要 • インスタンスサイズの制約 ◦ 最低でも large 以上 ◦ プライマリーとセカンダリーは同じインスタンスサイズを推奨 ▪ ワークロードに対応しきれずセカンダリーの突発的な再起動が発生する可能性 → 開発や負荷が低い場合でもコストミニマムなインスタンスサイズを選択できない • 書き込み転送は検討中 ◦ 当初の目的である「海外ユーザーの閲覧体験」はすでに大きく改善
MIXI, Inc. Amazon Aurora Global Database 導入時のこぼれ話 Global Database とのすれ違いの日々
• RDS Proxy ◦ 2022年10月に RDS Proxy を外す → 12月に Global Database サポート • Aurora MySQL 2 → 3 系へのメジャーバージョンアップグレード ◦ 2023年2月上旬に Global Database 再作成で対応 → 2月下旬に In-place でのメジャーバージョンアップグレードが可能に 逆に言えば、機能アップデート・追従が活発に行われているということ(※希望的観測)
MIXI, Inc. Amazon DynamoDB Global Tables
MIXI, Inc. Amazon DynamoDB Global Tables • 通常 1 秒以内にすべてのレプリカテーブルに伝播
• ローカルのテーブルへの高速な読み取りと書き込 み ユーザーセッションのみ Aurora MySQL から切り出し • セッション管理は高頻度で呼び出される API = アプリ内の多くの操作でユーザー体験に直結 = 書き込み処理だがマルチリージョン化した い! 参考元: https://aws.amazon.com/jp/dynamodb/global-tables/
MIXI, Inc. Amazon DynamoDB Global Tables を導入、運用してみて • Global Tables
の追加、削除が容易 • レプリケーションがみてねのワークロードのピーク時で 1 秒前後で完了 ◦ Aurora Global Database よりは遅いが、みてねのユースケースでは十分に許容できる ◦ 基本的にはローカルでの書き込み/読み込みになるので高速(数 ms)
MIXI, Inc. Amazon DynamoDB Global Tables の注意点 ※2023/06時点 • オペレーションに対するキャパシティユニットの制限
◦ DynamoDB ではリザーブドキャパシティを購入してコスト削減 ◦ Global Tables では 書き込みキャパシティユニット(WCU)ではなくレプリケート書き込み キャパシティユニット(rWCU)で計算される ▪ レプリケート書き込みキャパシティユニット(rWCU) • リージョン分だけ rWCU が増える • リージョンによってユニット単位のコストも異なる ▪ ただし rWCU はリザーブドキャパシティを購入することはできない
MIXI, Inc. Amazon ElastiCache for Memcached
MIXI, Inc. Amazon ElastiCache for Memcached • それぞれのリージョンに ElastiCache for
Memcached クラスターを配置 • 毎回必要なデータ(ユーザーや家族)をキャッ シュしておく ◦ さらなるレスポンス高速化 ◦ マルチリージョン以前から活用 ▪ マルチリージョン構成でさらなる効果 (補足)Amazon ElastiCache for Redis - Global Datastore • ElastiCache for Redis のクロスリージョンリードレプリカクラスターを作成できる • みてねの用途には合わないので現状検討していない
MIXI, Inc. まとめ
MIXI, Inc. まとめ • 『家族アルバム みてね』は海外ユーザー体験向上のためにマルチリージョン化 • Aurora MySQL Global
Database で高速で安定したレプリケーション • DynamoDB Global Tables でピンポイントに利用してさらに改善 • ElastiCache for Memcached で毎回必要なデータをキャッシュして高速化 今回ご紹介したのは2022年10月のマルチリージョン化後に さらに試行錯誤して “みてね” に最適なかたちを目指した構成。 ほかの取り組みについても、ぜひブログなどご覧ください! https://team-blog.mitene.us/
MIXI, Inc.