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ポジティブアウトカムを用いた医療費削減の可能性について

 ポジティブアウトカムを用いた医療費削減の可能性について

外来の医療データは、患者の症状が良好になったことが分からないまま終了してしまう。
患者の症状が良くなったというこの情報をいかに拾い上げて、医療や医療費の改善に結び付けていく可能性についての発表資料。

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kouki.miura

May 23, 2026

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  1. 自己紹介 - ドゥウェル株式会社 に所属(マネージャー) - 医療ITエンジニア / 診療情報管理士 / 上級医療情報技師

    / 医用画像情報専門技師 - TypeScript / Vue.js / Node.js / Java / C# / PHP - 3兄弟の父、休日は習い事の送り迎えとか... - 参加している学会 日本医療情報学会(JAMI)、JAMI北海道支部会、北海道医療情報技師会 - 参加している勉強会 札幌PHP勉強会 JBUG札幌 JavaDO ゆるWeb勉強会 えびてく クラメソ札幌IT勉強会(仮) AWS初心者LT会in札幌 札幌すごいAI会 札幌IT石狩鍋 hokkaido.js 函館本線沿線勉強会 VueSapporo さっぽろ医療IT勉強会 - コーディングBGM ラックライフ - Naru, 名前を呼ぶよ BLUE ENCOUNT - Survivor, ポラリス SHANK Dizzy Sun Fist
  2. 日本の医療費(1) 令和6年度 概算医療費 48.0 兆円 前年比 +0.7兆円(+1.5%) 4年連続 過去最高 入院

    19.2兆円 39.9% 入院外 16.3兆円 33.9% 調剤 8.4兆円 17.6% 歯科 3.4兆円 7.1% 出典:厚生労働省「令和6年度 医療費の動向(MEDIAS)」2025年8月公表 https://www.mhlw.go.jp/topics/medias/year/24/dl/iryouhi_data.pdf R2 R3 R4 R5 R6
  3. 日本の医療費(2) 急性鼻咽頭炎 [ かぜ ] < 感冒 > 入院外医療費 315

    億円 (令和3年度) かぜは「自然軽快する疾患」でありながら 年間 315 億円の入院外医療費が発生 多くの患者が処方後に自然回復 「いつ治ったか」のデータは存在しない 処方が適切だったかの検証が困難 疑問:この 315 億円は「必要十分」な医療費か? 処方された薬を飲み終わる前に治っていた患者は何人いるか? 処方期間を短くしても同じ効果が得られる患者はいるか? 不要な再診(経過観察)が含まれていないか? 出典:厚生労働省「令和3年度国民医療費 主傷病による傷病分類別にみた医科診療医療費の状況」(2024年3月) https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/21/dl/R3kokumin_topics.pdf
  4. 一般的な医療提供のフロー パターン A 増悪する場合(データが蓄積される) 症状発現 通院・診察 処方・治療 増悪 再通院 処方・治療 繰り返し

    通院のたびにデータが記録 → 医療システムに「悪化の軌跡」が蓄積される パターン B 治癒する場合(データが途切れる) 症状発現 通院・診察 処方・治療 治癒 来院なし 記録なし データ消失 処方を最後にデータが途切れる → いつ治ったのか・治っていないのかが分からない 現在の医療システムが記録できるのは「通院時の断片」のみ 自宅療養中・回復過程・治癒した瞬間 — これらは医療システムの「見えない領域」に属している
  5. ポジティブアウトカムのエビデンスとしての価値 服薬開始後「いつ治ったのか」が分かれば 処方の見直し・治療プロセスの改善ができるはず (1) 処方期間の最適化 Day3で治癒する患者への7日処方は 過剰 最小有効処方日数をデータで特定でき る 患者ごとの治療反応を蓄積・活用

    (2) 治療プロセスの改善 薬剤・投与量の有効性を実データで検 証 類似患者での治療成功率を比較分析 ガイドラインのエビデンス強化に貢献 (3) 医療費削減の可能性 不要な処方・再診の削減 副作用リスクの低減(投薬短縮) 保険財政への貢献(持続可能な医療)
  6. ePROとは Electronic Patient Reported Outcome 患者が自身のスマートフォン等を使い、症状・健康状態・生活の質(QOL)をリアルタイムに報告するシステム 仕組みと特徴 1 患者が自宅で 症状を入力

    スマホ・タブレット Webブラウザ 2 クラウドへ リアルタイム送信 自動データ化 暗号化・セキュア 3 医療者が ダッシュボード確認 症状推移グラフ アラート通知 4 治療・処方の 最適化判断 エビデンス蓄積 プロセス改善 出典:厚生労働省科学研究班「患者報告アウトカム(PRO)使用についてのガイダンス集」/ FDA Patient-Reported Outcome Measures 定義に基づく
  7. 医療データの価値 患者 (データ提供者) ePRO / PHR 症状・治療経過の記録 服薬状況・バイタル QOL・生活習慣データ 預ける

    全国医療情報 プラットフォーム 電子カルテ・処方歴 検査・画像データ (医療DXにより整備中) 医療データバンク(統合・匿名化・収益化) 患者のメリット ・ データ提供の対価  (インセンティブ) ・ 自身の健康管理 ・ 医療費削減の恩恵 データの活用 ・ 医療機関のプロセス改善 ・ 製薬・医療機器の研究開発
  8. まとめ 1 医療費は48兆円・毎年増加 → 削減の仕組みを検討していかなければならない 令和6年度の概算医療費は48.0兆円で過去最高。かぜ(感冒)だけでも入院外医療費315億円(令和3年度)が発生しており、改善余地があ る。 出典:厚生労働省「令和6年度医療費の動向」「令和3年度国民医療費 主傷病別医科診療医療費」 2

    ポジティブアウトカムのデータがあれば医療費削減効果が期待できる 現在の医療システムは「悪化・再診」のデータしか記録しない。治癒・改善のタイミングが分かれば処方期間・治療プロセスの最適化が可能と なり、過剰投薬・不要受診の削減につながる。 3 ePROで「治癒まで途切れない」医療データを蓄積できる ePROにより患者の自宅療養中の症状変化を電子的に収集。診察間のブラックボックスを可視化し、「いつ治ったか」のデータを医療システ ムに取り込める。 4 患者自身にメリットがある仕組みが必要(持続可能な医療データ社会) ePROやPHRのデータを医療データバンクに預け収益化する仕組みにより、患者のデータ提供が継続する。全国医療情報プラットフォーム との連携で医療機関・製薬分野の改善にも活用できる。