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パスキーのすべて / 20250324 iddance Lesson.5

kura
March 24, 2025

パスキーのすべて / 20250324 iddance Lesson.5

「iddance Lesson.5 パスキーのすべて」のパネルディスカッション資料になります。
https://idance.connpass.com/event/345970/

2025年1月28日に「パスキーのすべて ── 導入・UX設計・実装」を発売しました。
https://gihyo.jp/book/2025/978-4-297-14653-5

ritouさんと共著者で本書やパスキーの議論をしました。

Youtubeにアーカイブ動画もアップロードされているためご参照ください。
https://www.youtube.com/watch?v=dkHrfjY_Kas

kura

March 24, 2025
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Transcript

  1. ブラウザ開発チームでWeb 開発者向けの認証技術など の啓蒙を担当しています。 えーじ 倉林雅 小岩井航介 OpenID・OAuth技術の 啓発・教育活動に携わり、現 在は某インターネット企業に てプロダクトマネージャを担

    当しています。 ID・認証に関することを中心 に、新しい技術を調べたり、調 べたことを発表したり、仕様を 書いたり、広めたりしていま す。 2
 技術コミュニティの運営、技 術者向けのカンファレンスを 通してOIDCやOAuth、パス キーといったデジテルアイデ ンティティに関する啓発活動 を行っている。 ritou モデレーター パネリスト
  2. 3
 「パスキーのすべて」の概要 「パスキー」はパスワードレス認証を実現する認証技術です。 本書では、開発者はもちろん、企画職やデザイン職、セキュリティ担当などの 認証に携わる方々に向けた内容になっています。 • 従来の認証技術の課題と比較して何が優れているのか • パスキーの導入で知っておくべき特性 •

    パスキーの登録・認証・管理画面などの UX設計 • WebサイトだけでなくiOSやAndroidの具体的な実装 • パスキーが登場する以前の歴史から最新の仕様までの解説 • 読者の疑問や質問に答えるコラムも充実 紙版・電子版絶賛発売中 秋田の猫も レビューしたよ
  3. 本書の構成 4
 第1章 パスキー導入が求められる背景 ── 既存の認証方法とパスキーの背景を知ろう 第2章 パスキーを理解する ── パスキーの特徴や利点を理解しよう 第3章 パスキーのユーザー体験 ──

    パスキーの体験をイメージしよう 第4章 サポート環境 ── ユーザーの環境ごとに利用できる機能を確認しよう 第5章 パスキーの UXを実装する ── UXの実現に必要なメソッドやパラメータを知ろう 第6章 WebAuthn APIリファレンス ── クライアントとサーバの実装の詳細を確認しよう 第7章 スマホアプリ向けの実装 ── AndroidとiOSにおける実装を確認しよう 第8章 パスキーのより高度な使い方 ── より効果的な活用とUX向上方法を知ろう 第9章 パスキー周辺のエコシステム ── 標準化の流れや開発者向け情報を確認しよう 付録A クライアント用 Extensionの解説 ── 後方互換や先進的な活用のための拡張機能をみてみよう 付録B iOS実装サンプル ── サンプルアプリを動かしてみよう 本書についての詳細はこちら
  4. コラム一覧 5
 第1章 ❏ NIST SP 800-63 ❏ 公開鍵暗号をざっくりと理解する 第2章

    ❏ ディスカバラブルでないクレデンシャル ❏ パスキーは多要素認証ではない場合も あるのでは? ❏ アカウントのライフサイクルとパスキーの関係 性 第3章 ❏ パスキーの他人との共有 ❏ クロスデバイス認証のしくみ 第5章 ❏ PINを使わず,生体認証だけでパスキーを 利用できるようにすることはできますか? 第6章 ❏ パスキーの同期を禁止する方法はある? 第7章 ❏ アプリで利用している生体認証とパスキーは 何が違うの? 本書についての詳細はこちら
  5. #iddance #パスキーのすべて 2.4 パスキーのよくある誤解を解く • 同期するパスキーよりも同期しないパスキーの方が安全なのでは? ◦ 同期しないパスキーであれば、セキュリティキーなどを物理的に窃取されない 限りはリモート攻撃は不可能であり、同期パスキーよりも安全ではある ◦

    一方で、同期しないパスキーはログインやアカウントリカバリーの観点で UXが低下することを考慮しなければいけない • パスキーは二要素認証で利用するもの? ◦ たとえ、公開鍵が漏洩したとしてもリスト攻撃は成立しないため、 パスキー単体で強固なセキュリティを提供する ◦ パスワードを加えてもユーザーに不要な手間を増やすだけであるため、 パスキーのみのパスワードレス認証とするのがよい • …etc 12
 推しの章 or 節はどこですか?その理由は?
  6. #iddance #パスキーのすべて 2.5 パスキーも銀の弾丸ではない • パスワードマネージャーのアカウントが乗っ取られたら? ◦ パスワードマネージャーのアカウントが乗っ取られても、 PINで復号されるまでにパスキーを無効化するなどの対策を講じることで 被害を最小化することはできる

    • パスキーにアクセスできなくなったら? ◦ 同期するパスキーであっても、パスワードマネージャーが使えないブラウザーや同期でき ないOSの場合には、パスキーにアクセスできないことがある ◦ パスキー以外の認証方法やアカウントリカバリーを用意しておく必要がある • …etc 13
 推しの章 or 節はどこですか?その理由は?
  7. #iddance #パスキーのすべて 端末・アカウント共有の解決策 • 共有端末におけるアカウントやパスワードの共有の課題 ◦ 業務における共有端末 ◦ 家庭で共有するパソコンやタブレット •

    端末は個人で所有するもの、PINや生体認証も個人のものが 設定される前提 • パスワードをパスキーに置き換える際に、アカウントの共有から 個人アカウントの管理への移行があるべき姿 21
 本に書きたかったけど書けなかったネタはありますか?
  8. #iddance #パスキーのすべて リスクと強制の天秤の見極め • フィッシング攻撃リスクのアセスメント • まずは強制せずにパスキーを訴求 • パスキーが利用できる環境と利用状況の把握 •

    フィッシング攻撃リスクとパスキー強制による離脱リスクを比較 • 攻撃リスクを許容できる場合には、パスキーが成熟するまで待ってからパ スキーを強制する • 許容できない場合には、経営判断としてパスキーを強制する • 強制と同時に、アカウントリカバリーや復旧のワークフローを拡充させてお く 29
 パスキーをより使ってもらうためには何が必要ですか?
  9. #iddance #パスキーのすべて より使いやすくなれば、自ずと普及していくはず・・ • オートフィルでのログインや、ログイン後の自動作成 • パスワードマネージャも、気づいたらOS標準のものを 使っていたという人が多いのでは? • 既存のサービスがセキュリティ対策のためにパスキーを入れ

    ると、どうしてもUXが落ちてしまい、不満になる • 全く新しいサービスが当初からパスキー前提になっていれば、 受け入れられやすいかもしれない 31
 パスキーをより使ってもらうためには何が必要ですか?